号外!
リリーの新婚時代。
「清寿司」ロケ地は割烹料理「おふみ」だった!
今日は柴又から35分のロケ地に行ってきた。
まず当該地である松戸市立図書館資料室で
当事の住宅地図を閲覧し、コピー。
そして確証を得たあと、ロケ地に赴いた。
この五香駅町だということは本編で駅前が出てくるので
すぐわかるのだが、ロケに使われたピンポイントのお店が
ギリギリでは確証が得られなかったのだ。
私の寅さん友達のちびとらさんもビルの形態や聞きこみで
ほぼこのあたりだろうと3年前にすでに現地に赴き絞り込んでいたが
当事どのお店をロケに使ったかが不明だったのだ。
今回の住宅地図におけるいくつかの記載は大きな確証だった。
本編の清寿司の向こうに映っていた「いこい」の看板が
1974年以前の複数の地図上で記載があった。
これが決め手となったった。↓
「サッポロビール いこい 」の看板が読める。
松戸市立図書館資料室。
1974年ゼンリン住宅地図(松戸市)
スナック「いこい」とある!!。
本編の見え方から考えると「清寿司」は「おふみ」となる。
清寿司の向こうに映っていた看板「いこい」は
1977年の地図ではなくなっていた。
建物をビルにしたのだろう。↓
1977年松戸市住宅地図
さくらは暑い夏の日に五香駅で降り立つ。
カミオカストアは健在!
そしてロータリーの前の道を北上して行く。
角には「フラワー カガミ」今も健在!
フラワー鏡の前に貼ってあるポスター
人間らしく
ありたい
わたしは いま
松戸に生きる
本編ではこの道筋は映らないが
さくらは日傘を差しながら
この道を150メートルほど清寿司に向かってあるいて行ったのだった。
そして、ついにこのアングル。
さくらの後ろに映っているビルは「吉屋」さんのビル。
もともとは食堂やお菓子屋さんをしていたそうだ。
実はこのビルは数年前まで存在したのだ。
2013年に寅さん友達のちびとらさんが
ビルの隙間から撮影したのがこの写真。↓
ちびとらさん撮影 2013
窓のあり方やその他の取り付けてある小物もかなり似ているのがわかる。
もう一度地図で確認すると
さくらの入っていく「清寿司」のロケ店は
「割烹おふみ(お富美)
その横に見えるシャッターが半分下ろされている店は「串かつひさご」
1974年松戸市住宅地図
補足
これは「おふみ」のあったお店の近く、徒歩1分の
「ヘアーサロンムラタ」の女将さんへのインタビューからの画像。
撮影当事からずっとここで営業されている数少ないお店です。
当事ロケをリアルタイムで見学されて!
撮影されていた倍賞千恵子さんの
日傘ポーズや暑い日だったのでハンカチを常に使われていたことを
覚えていらっしゃったんです。
この画像↓は村田さんが日傘ポーズを再現されています。
本編の画像を見てあの引き戸が割烹「おふみ」だったことも
覚えていらっしゃいました。
とても人気があるお店でひっきりなしに予約のお客さんが来られていました。
村田さんお忙しい中本当にありがとうございましたm(_ _)m
おまけ
それではクリスマスプレゼント
「忘れな草」本編の「清寿司」シーンをお楽しみください。
本編
リリーを傷つけてしまった寅が
寂しく旅に出てしまってから2ヶ月ほど経って・・・
入道雲 とらや
みんみんみーん おばちゃんかき氷がりがり(いちご)
アパートからとらやにやって来るさくら
さくら「あー暑い暑い。あら、水原君待ってるの?」
めぐみ「ええ」
後ろから満男三輪車に乗って入ってくる。
おばちゃん、リリーさんのはがき見せて。
おばちゃん「あー、そこにあるよ」
満男店内を三輪車をこいで裏の方へ行く
風鈴の絵が印刷されているリリーからのはがき
『寅さんお元気ですか、いつかは本当にごめんなさい
あれからしばらくして私とうとう歌手をやめてしまいました。
今では小さなお店のおかみさんです。
近所に来たら寄って下さい。
とらやの皆さんにくれぐれもよろしくね。 リリー』
たぶんあれから2ヶ月くらいで結婚したんだろうな…速攻だ!
もっとも昔から知り合ってたのだろうが。
後日
千葉県松戸市新京成電鉄「五香駅」前の
五香センター 付近を日傘を差して北へ歩くさくら。
開店間もない寿司屋
花輪が4つほど立ててある。
暖簾を持ち上げて店内を覗くさくら
リリーが亭主と一緒にカウンターに入っている。
客たちの笑い声が聞こえる
店主、さくらを見て、ニコッと笑って
「あ、いらっしゃい、どうぞ」
さくら、リリーを見る。
リリーも気づき、さくらを見て驚く。
リリー「あら-…・・・・!、
よく来てくれたわね…こんなとこまで、どうぞ」
リリー、亭主に「ちょっと柴又のさくらさんよ!」
亭主「あ!…どうも」
亭主「デヘ!」と人なつっこく照れ笑い。
さくら「はじめまして」
毒蝮三太夫が亭主を演じている。
実に笑顔がいい。最高にいい。
毒蝮三太夫を見るたびに「ウルトラマン」の
アラシ隊員を思い出すのは私だけ
でしょうか?(^^;)ゝ
二瓶正也 (ニヘイマサヤ)さん扮する
イデ隊員もいましたねー!
あのコンビ面白かったなあ…。
リリー「ごめんなさいね。
私何度も何度も電話しようと思ったり、訪ねていこうと
思ったんだけど、つい.…」
さくら「いいのよそんなこと」
リリー「ね、座って。暑かったでしょう。何か冷たいものね」
客「タコ」
亭主「へっ」
さくら「素敵なお店ね」
リリー「借金だらけでどうなることやら」
寅と別れたあとに結婚を決めて、そのあと亭主が店を改装もしくは
新装してオープンした、ということは物凄い行動力だ。早すぎ!
電話 リーンリーン
リリー「はい清寿司(きよずし)です。
あ、佐藤さん。銀行裏の。
はい、ちらし5人前。はい毎度ありがとうございます。」
店の名前はリリーの本名、
松岡清子の『清子』からとって『清寿司』。
このことでもいかに亭主がリリーに惚れているかよく分かる(^^)
にこっと笑いながら「お噂は清子から伺っております」
リリー、電話を切って「ちらし5人前」
亭主「あいよ」
客「奥さんはきれいなひとだがね」
客B「機嫌いいのは亭主だけさ」とからかっている。
さくらの前に座って
リリー「で…どうしてる?寅さん」
さくら「あれから旅に出てね、それっきり」
リリー「そう、やっぱり旅をしてんのか、会いたいなあ寅さんに」
客「ビール」
亭主「清子、こちらさんビール」
亭主さくらの方を見てニコッと笑う
リリーカウンターに戻って、客にビールを渡しながら
「ねえ、さくらさん、あたしほんとはね、
この人より寅さんのほうが好きだったの」
亭主、気弱そうに「またそれ言う…」
リリー「だってほんとだもん」
客大笑い
たとえそれが本当だったとしても、現在そのことを
リリーが亭主の前でさくらに言えるほど
リリーにとってこの亭主は身近な存在なのだろう。
青春期より心のよりどころを持たないリリーにとって所帯を持つと
いうことは絶対必要なことだったに違いない。
ここが寅との違いだ。
そういう意味では、寅が所帯を持たないのはいろいろな理由が
あるにせよ、「とらや」や「さくら」の存在に彼の心が安住して
しまって真剣に所帯を持つ欲求にかられないという側面も
あるのかもしれない。でも、私はそれが悪いことだとは思えない。
こういうことは、どちらが幸せかなんてことは誰にも分からないのだ。
出前届けに行きながらさくらにニコッと笑って
「どうぞごゆっくり後で美味しいもの作りますから」
客の頭をぺちっと叩いて出て行く←さっき大笑いしたからか?
客「あいた!ちくしょやったなー。まともやほんまに」っと笑っている。
この表情が実にいい!↓
リリーのテーマ
リーン
リリー「はい清寿司です。
2丁目4の2といいますと電報局の…。ええあります。
岡本さん、、、まだちょっと不慣れなものですから…
ええ、あ、その角を右に曲がって、最初の路地を左。
にぎりの上が…ごめんなさい」
さくら、幸せそうなリリーを見て微笑みながらも
結果的にはふられてしまった兄のことを想い、少し寂しげ。
こういう時の倍賞さんの繊細な演技は
他の追従を許さないくらい上手い。
このさくらの表情がこのシリーズの「核心」。
だからこの映画は千年の歴史に耐えうるのだ。
以上、清寿司本編シーンでした。
師走になってこの「割烹おふみ」の発見は大きかったです。
2016年12月