第46作 男はつらいよ寅次郎の縁談
(本編完全版)
1993年12月25日 公開
106分
216万2000人動員
配収15億2000万円
渥美さんの背中で見せる作品群 PART4
■満男の挫折と大人への扉
この満男シリーズで満男は3人と恋をした。
もちろんご都合主義の映画ゆえ、「時空」が違う恋なので、
この世界の中で女性同士がバッティングすることはない。
一人はもちろん泉ちゃん
二人目はこの第46作の看護士の亜矢ちゃん
三人目は第47作の菜穂ちゃん
満男は地味な男だ。優しいところがあるので女性には人気があるとは思うが
泉ちゃんとはそんなに相性が良いとは思えない。
菜穂ちゃんもやはり可愛いがゆえに満男には似合わない。
そうなると、とびっきりの美人とは言いがたい亜矢ちゃんが一番
満男には似合っている気がする。
美人じゃないところがいいのだ。
気質は3人の中で一番の努力家。
そして3人の中で一番地味。
3人の中で一番明るい性格とも言える。
瀬戸内の小さな島で満男はそんな亜矢ちゃんと
ひと時のやさしい時間を過ごすのだ。
瀬戸内の穏やかな気候の中で
就職活動で疲れ果てた満男の心は次第に
癒されていく。
自分が必要とされているという充実は
彼の人生で初めて味わう感覚だった。
第42作から始まった満男の青春の迷いは
ようやくこの第46作で大きな転換期を迎える。
広い世界の中で、まったくの見ず知らずの他人のご飯を食べ、
色恋とは別の無償の献身を人生で初めて体験する。
満男が大きく大人になっていく作品といえるだろう。
■いきなりヒーローのモテモテ男が続いていく寅 お決まりの恋
一方、寅は満男を連れ戻しに行った先で葉子さんというマドンナに一目ぼれするが
しかし、前作と同じく渥美さんの体はもう限界が来ているゆえに
物語をはしょらないといけないせいか、
出会ったその日に寅の肩に葉子さんはもたれかかるのだ。
もうこのあたりになってくると物語を作ることすらできないのか。
「寅さんは会って話をしていると温かい」といういきなりヒーローのパターンだ。
松坂慶子さんはとびっきり美人だし色っぽいが
やはり映画は「物語」が必要なことは自明。
今回も寅の恋は淡く浅い。
それゆえ、この作品も、大きなシリーズの流れの中の「エピローグ」だと思ってほしい。
「男はつらいよ」を見たことのない人が、いきなりこのあたりの晩期の作品を見るのは
極めて危なっかしいことと言えよう。
もう夕日はいままさに山に沈まんとしている。
朝の空気を感じ、真昼の暑い太陽を浴び、午後の黄色い西日の中を歩いてきた者だけが
感じられる夕暮れ時の安らぎと諦観だ。
■第46作「寅次郎相合傘」全ロケ地解明
全国寅さんロケ地:作品別に整理
それでは本編行きましょう!
松竹富士山
栃木県 那須烏山
嫁取り唄(長持ち唄)
「♪ハア〜〜〜〜
ハアー 蝶よォーィ 花よーとォーォォ
育てたァーァァァ 娘ェー」
祝言を寿ぐ『長持ち唄 』が
尺八の伴奏で謡われている。
♪ハアー 今日はァァーィ 日もよーし
天気もー よォーォォし
ハアー 結びィーィー 合せてェーェーェー
縁となるがエー
ハアー 蝶よォーィ 花よーとォーォォ
育てたァーァァァ 娘ェー
ハアー 今日はァァーィ 晴れてェェーのー
ハアー お嫁入りだヨー
仲人を先頭に、花嫁の箪笥や長持ちを担ぐ人たちが、
道中杖で荷物を支えておいて唄った。
門の前で一目花嫁さんを見ようと集まってくる人々。
すまけいさんと川井みどりさんが花嫁の父母役。
寅が道の前方で花嫁の行列を見ている。
寅、見ず知らずの花嫁さんにわざわざ声をかける。
寅「お嫁さん 綺麗だよ」
寅「は、御一党さんも、おめでとうございます。
お天気もよくて、なによりです。」
と深々とお辞儀。
すまさん「ありがとうございます。
どちらのお方か知りませんが、
この子の門出に何かお言葉をいただきませんでしょうか」
寅ちょっと恐縮して
寅「は・・・」
寅、緊張しながら咳払い。
寅「んん!」
ポンシュウは寅の態度に「?」
寅「まずはお二人が愛し合うということです。
しかし、それだけではいけない。
二人をここまで育てあげてくれたみなさまに感謝するという気持ち。
それではじめて二人は幸せになれるのです」
すまさん「いやあ・・ありがたいお言葉で。」とお辞儀。
みんなもお辞儀。
寅「さ、お婿さんがお待ちですよ」
すまさん「あ、そうだ、それでは失礼します」
と、歩き出す。
すまさん「いかったなあ〜まり子」
と去っていく。
寅「はあ〜〜〜よかったよかった
秋の日に、花嫁行列見送るなんてないい気分なもんなだな ポンシュウ」
ポンシュウ「いやあ、そういうことはな、
派なお屋敷を構えた旦那の言うことなんだ。
なんだ、おめえなんて、
いい年して、嫁の来てもねえやつがよ〜」
と公営ギャンブルの新聞に丸をつけている。
寅「オレはなあ、ポンシュウ。
好きで渡世人家業やってるんじゃないんだぞ。
夢があるんだ夢が」
ポンシュウ「え〜〜??」
寅「そこがオレとおめえの違うところうよ」
そうは言うけど、寅にどんな夢があるんだ?┐('〜`;)┌
ポンシュウ「へ、よく言うよ〜〜」なあ^^;
「畑中」のバス停
これは松竹の美術部さんが作ったもの。
寅「ところでよ、お前のかみさん幸せにやってんのか?」
ポンシュウ「かみさんって・・イクエのことか?」
寅「いや〜、去年か一昨年、えらくご馳走になったじゃないか」
ポンシュウ「はは・・あれ、若いのと取り替えちゃったよ」
┐(-。ー;)┌ はあ??? こいつ腐ってる、本当にあかんわ
寅「取り替えた??」
ポンシュウ「ああ・・」
寅「け!ツラもみたかねえな〜!」
寅「とっとと消えてなくなれ、このバカやろう!」
とポンシュウの頭を突き飛ばす。
ポンシュウベンチから転げ落ちる。
寅「け!ツラもみたかねえよ」
ポンシュウ下向いて「はあ〜〜〜・・参った」とため息。
タイトル イン
栃木 那須烏山
興野 平群山(へぐりやま)から那須岳(茶臼岳)を望む
那須烏山 中央交差点(烏山市役所近く)
山あげ祭りが行われている。
中田屋商店 上田屋商店 鍼灸 足利銀行
山あげ祭(やまあげまつり)は、
栃木県那須烏山市の八雲神社例大祭の奉納行事で、
特に市街地に仮設の舞台を作り歌舞伎を行う祭りとして知られている。
全て手作りの幅7m、高さ10m以上、奥行き100mの山と舞台装置一式を
毎回組み立てて、所作狂言(歌舞伎)や神楽などの余興を奉納し、
解体、移動を一日最大6回、3日間の祭礼で最大16回に渡って繰り返し、
町中を巡行する。その移動総延長は20kmにも及ぶ。
「烏山の山あげ行事」として
国の重要無形民俗文化財に指定(昭和54年2月)されている。
現在、余興公演は7月第4週の金・土・日曜日の3日間に渡り行われる。
起源は、永禄3年(1560年)烏山城主那須資胤が牛頭天王に
疫病退散を祈願した際に行われたことに発する。
メインテーマが流れ 歌が流れる。
口上「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です。
帝釈天で産湯をつかい、姓は車、名は寅次郎、
人呼んでフーテンの寅と発します。
山あげが始まる。
♪どおせおいらはヤクザな兄貴 わかっちゃいるんだ妹よ
いつかお前の喜ぶような 偉い兄貴になりたくて
奮闘努力の甲斐もなく 今日も涙の
今日も涙の陽が落ちる 陽が落ちる♪
間奏が長く入る。
奮闘努力の甲斐もなく 今日も涙の
今日も涙の陽が落ちる 陽が落ちる♪
現在も針灸、足利銀行は健在。
清酒 東力士
歌舞伎の背景が立ち上がっていく。
同じように
寅の「易」の商売用の人相幕も立ち上がっていく。
演目 歌舞伎「戻り橋」
もともと、『平家物語』剣巻には次のような話がある。
摂津源氏の源頼光の頼光四天王筆頭の渡辺綱が
夜中に戻橋のたもとを通りかかると、美しい女性がおり、
夜も更けて恐ろしいので家まで送ってほしいと頼まれた。
綱はこんな夜中に女が一人でいるとは怪しいと思いながらも、
それを引き受け馬に乗せた。
すると女はたちまち鬼に姿を変え、綱の髪をつかんで愛宕山の方向へ飛んで行った。
綱は鬼の腕を太刀で切り落として逃げることができた。
腕は摂津国渡辺(大阪市中央区)の渡辺綱の屋敷に置かれていたが、
綱の義母に化けた鬼が取り戻したとされる。
源頼光の「頼光四天王」の一人渡辺綱が、
一条戻り橋で「鬼女・茨木童子」の片腕を切り取った話です。
この歌舞伎では
渡辺綱は源頼光の使いの帰り道に、
「一条戻り橋」で道に迷って困っている
若い美女の早百合と云う娘に出会う。
しかし、水に映る若い美女のその影を見て「鬼」と知る。
それを承知で舞を所望し、鬼を退治しようとする。
立ち回りの末に鬼は右腕を奪われて天空へ逃げ去る
という話。
鬼に戻った小百合を追いかける渡辺綱
鬼が化けた美女早百合
「戻橋」の名場面が演じられている。
恐竜の串刺しをフーフー、ハフハフしながら、食べる寅^^;
名人芸の渥美さん。
食べた後、楊枝でシーハーする寅
東京 葛飾 柴又
早朝 諏訪家
諏訪博の表札
一階寝室
博はようやく起きた。
さくらと満男がダイニングで面接のための用意している。
さくらの声「ジャムいる?」
さくらの声「あら、もうないわね、買ってこなくっちゃ」
さくらの声「ハンカチ持ったわね、アイロンかけたの」
満男の声「うん」
さくら「いつも言ってるけど、口をはっきり開けて返事しなきゃ
だめよ。満男は時々なに言ってるのかわからないことが
あるんだから」
満男目玉焼きを直接吸い込んでいる。
(これは学生時代からのくせ)
さくら「あ、ね、ちょっとこのネクタイ・・・」
としわがよってしまっているネクタイを持つ
満男は無視して
立ち上がり、スーツを着る。
さくら「あら、もう食べないの?
まだ時間があるでしょ、ちゃんと食べなさいよ〜」
満男は玄関へ
さくら台所と玄関の境にしゃがんで
さくら「はあ・・ ねえ、あがらないおまじない知ってる?
隣のばあちゃんが言ってたんだけどね、
小指ね、こう、力いっぱい引っ張るんだって。
面接の時いいわよきっと」
博、寝室のふすま開けて
博「もう行くのか」
さくら「帰りは遅いの?」
満男「今日は最終面接だから、結果は今夜中に電話で来るんだ。
だから、早く帰る」
さくらカバン渡して
さくら「がんばってね」
満男の肩を両手で叩いて
さくら「はい、いってらっしゃい」
家で出て駅へ向かう満男
実は満男が歩いていった方向は
柴又駅からはどんどん遠ざかっていく方向だ。
っていうか、このさくらの3番目の持ち家は柴又にはなくて
江戸川区北小岩7丁目30 にあるのだ。
それゆえ、満男の行く方向は「京成江戸川駅」もしくは「京成小岩駅」
また、たとえ満男が逆方向つまり柴又駅へ歩いて行っても
徒歩25分〜30分はかかる。
博に朝刊を渡すさくら。
さくら「はあ〜〜、なんとか受かってくれないかしらね〜今度の会社。
もう秋なのよ〜。」
博「夕べ兄さんの夢見ちゃったよ」^^;
さくら「呑気でいいわね〜、私なんか眠れなかったわ」
と・・満男がほとんど手をつけてないおかずを流しに持っていく。
子供がほとんど手をつけなかったんだから
親が食べればいいじゃないかって思うのは私だけだろうか^^;
博「でもさ〜
そろそろ帰ってくる頃じゃないか?」
さくら「今はだめ、満男の就職が決まってからにしてほしいわ」
博、深くため息・・
博「ふ〜〜〜〜」
柴又駅 ホーム
満男がホームに立っている。
向こうホーム(金町方面行ホーム)
に三平ちゃんとカヨちゃんが満男を発見し線路越しに呼びかける。
三平ちゃん「満男さ〜〜〜ん」
満男手を振る。
三平ちゃん遠くから「どうしたの、ネクタイなんか絞めて」
満男遠くへ「就職試験〜〜〜」
三平ちゃん「まあだやってるの〜〜?
たいへんやねえ〜〜、がんばって」
同じような年齢で三平ちゃんと満男は生き方が違う。
三平ちゃんは、小さな店であるとらやのバイトをしている。
おそらく時給か日給でしかも絶対に薄給。
満男は一応、いわゆるそれなりの会社の社員を狙っている。
しかし、もし三平ちゃんがとらやで培ったいろいろな技術を武器に
あと十年以内にどこかにお店を作り、それなりに成功して行ったとしたら
満男と三平ちゃんの生涯年収逆転する可能性は十分にある。
しかも、満男の場合大会社は無理だから
勤めているうちにリストラも大いにあり得るし、左遷などもあり得る。
帝釈天 境内
さくらが帝釈堂の前で手を合わせている。
さくら二天門をくぐり参道へ歩いて行く。
源ちゃんが掃除サボって漫画見ている。
さくらの犬の模様が入ったカーディガンかわいい(*^^*)
さくら「源ちゃん、御前様お元気?」
源ちゃんさっと立ち上がって掃除するふり^^;
源ちゃん「身延山行ってます」日蓮さんのお墓があります^^
さくら「そう」
参道の犬をかまうさくら。
日蓮宗総本山 身延山久遠寺
鎌倉時代、日蓮聖人によって開かれた日蓮宗の総本山。
日蓮聖人の遺骨は遺言によって身延山に葬られ、
以後、法華経の聖地、魂の宿る棲神の地として、
法華経信仰者の参詣が絶えない。
明治8(1875)年、大火のために伽藍と宝物の多くを焼失したが、
再建が進み、2008年には五重塔が復元された。
とらや 店
三平ちゃん「えーっと800円になります」
さくらが入ってくる。
さくら「いらっしゃいませ」
三平ちゃん「あ、奥さん、こないだ話した女の子
一応連れて来ましたけど」
さくら「働いてくれるって?」
三平ちゃん「ええ」
いったいこの店の大きさで
二人も店員雇ってどうするんだ?一人だろ普通┐('〜`;)┌
暖簾くぐって台所へ
さくら「おはようおばちゃん」
おばちゃん「さくら、この子、木村カヨさんって名前なの」
さくら「こんにちは さくらです」
カヨちゃん お辞儀
おばちゃん「三平ちゃんのアパートのすぐ近くに住んでんだって」
さくら「じゃあうちからそう遠くないわね」
さきほどの金町方面の駅ホームと
さくらの発言で、三平ちゃんはおそらく「金町」に住んでいる。
と思われる。
カヨちゃん、履歴書を渡す。
さくら「あ、履歴書ね」
おばちゃん「前にパン屋さんで勤めてたんだって。
だから、こういう仕事慣れてるんだよ。
ね、カヨさん」
頷くカヨちゃん
さくら「条件は三平ちゃんから聞いてくれてるわね」
カヨちゃん「はい」
さくら「今日から働いてくれるの?」
頷きながら
カヨちゃん「よろしくお願いします」
さくら「こちらこそ」
さくら、ノート見せて
さくら「じゃあ、・・・ここにね、あなたのお名前書いておくから、
出勤した時間と帰る時間と自分で書き込んでくれる?」
おばちゃん「じゃあ、二階の部屋でで着替えしてらっしゃい。
荷物もそこへ置けばいいからね。」
カヨちゃん 頷く。
おばちゃん団子をつめた箱を
積み上げようとするが落ちそうになって
どこに置いたらいいか迷いながら
テーブルの横に置く。
これは三崎さんにとっては
意外なハプニング。
なんとか乗り切ったっていうところか^^;
カヨちゃん「じゃあ失礼します」と二階へ上がって行く。
さくらの声「わかる?」
カヨちゃん「はい」
おばちゃん「長続きしてくれるといいんだけどね〜」
おいちゃん台所にやって来て
おいちゃん「さくら、どうしたん?満男」
さくら「今日も面接に行った」
おいちゃん「いくつ会社受けたんだいったい」
さくら、ふっと笑いながら
さくら「三十いくつ」
おばちゃん「そんなに受けてまだ入らないのかい?」
おいちゃん「見る目がないんだよ〜、会社の人なんて〜」
おばちゃん「ねえ〜〜、あんないい子なのに
どうして採用してくれないんだろう」
「人が良い」というのと「こいつ使える」は違うんだよなあ・・。
さくら「口下手だからあの子・・・」
おばちゃん「そこがいいとこじゃないかあ〜、
べらべらしゃべるのがいいんだったらば
寅ちゃんなんかどこの会社だって受かっちゃってるよ」
そういえば・・・第28作紙風船で「日の丸物産」の面接で
寅はべらべらしゃべって笑わせて試験落とされてたなあ・・( ̄о ̄*)
おいちゃん、呆れながら
おいちゃん「受かるわけねえだろ、バカ」
おばちゃん「だからぁ、受かんないって言ってんだろ」
笑ってしまうさくら。
おいちゃん「今日はどんな会社受けたんだ?」
さくら「なんとかっていう広告代理店。ほら、
博さんのお兄さんから紹介してもらった会社」
博の兄・・・あんな人間的な豊かさのない兄たちか・・・・・・・( ̄。 ̄ )ボソ...
おいちゃん「だったら大丈夫だよ」
さくら「最終面接だしねえ〜
今度はなんとかなるんじゃないかしら」
もうそろそろ決まってくれないとくれないと
私病気になっちゃうわ」
おばちゃん「ほんとだねえ〜」
カヨちゃん階段を下りてくる。
さくら「支度できた?」
さくら店の方に向かって
さくら「三平ちゃん、今日から働いてもらうから」
三平ちゃんの声「そうですか」
さくら「教えてあげて」
三平ちゃん団子製造部屋かた顔出して
三平ちゃん「じゃあ、そっちまわって」
カヨちゃん店へ
さくら「はい、よろしくね」
三平ちゃんはいろいろカヨちゃんに教えている。
さて・・・満男は・・・
麹町3丁目
広告代理店の「内藤一水社」
東京本社ビル ビルは2015年12月にリニューアル
満男が最終面接を受けている。
麹町3丁目の交差点が映る。
ここは数年前に寅友のちびとらさんが発見され、
寅福さんがピンポイントまで押さえられた場所。
満男「父親に相談しましたら、
この会社は、あ、間違えました。
御社は、いまのところ規模は小さいけれど
大変将来性があると思いまして
ぜひそういう会社に入りたいと思って
御社を志望しました」
この若者の「父親」はこの会社を小さいと思っている。
この「小さい」いう言葉に敏感に反応している面接官たち。
気にしてるんだね┐('〜`;)┌。
面接官たち「規模が小さいといわれ」 ちょっと笑っている。
だから彼らはこのあと父親の会社を尋ね、「町工場か」と復讐するのだ。
このやり取りで、
もう満男はここ会社に落とされることが決定していたと言えるだろう。
面接で、その会社のことをたとえわずかでも否定的なことを言うのはNGだ。
「父親に相談しましたら」とか言う受身の言い方ではなく、
自分の考えとして言うべきだし、なによりも、「今のところは規模は小さいけれども」ではなく
「御社は現在とても勢いがあり、将来的にも成長が大いに期待され」と
いうような内容のことを言わなければならないのだ。
で、物語に戻ろう。
面接官A「えっと・・・お父さんの会社は?」 逆襲^^;
満男「朝日印刷株式会社の社員です」
面接官A「朝日印刷・・・ 本社はどこなの?」父親のことはどーでもいいやろが、しつこい^^;
満男「葛飾区柴又・・帝釈天のすぐ近くです」
面接官B「ああ、・・町工場か」ま、そうくるわな┐(-。ー;)┌
満男「はい・・・」
面接官A「あ、なるほど」気が済んだかい?おじさんたちよ・・……(-。-) ボソッ
面接官Bの声「ほかになにか?」
面接官Cの声「そうですねえ・・・」
満男のBGMが哀しげに流れる
健気にさくらの助言を実行する満男^^;
(小指を引っ張っている)
面接のビルから出てくる満男
ここからロケ地は変わる。
玉川通り
渋谷区道玄坂1丁目16
満男のテーマ ピアノ
よっちんが待っている
よっちん「満男」
満男「あれ?来てたの?」
よっちん「よく会うなおまえと」
満男「よっちん内定決まったって言ってたじゃん」
よっちん「んーー、信用金庫なんだよ、田舎の」
いまいち乗らないんだよな〜」
ふざけながら歩いていく二人。
柴又 朝日印刷
印刷機の爆音
外国人労働者が働いている。
社長「博さんは?」
外国人労働者「あそこです」
社長「お、サンキュー」
博、満男のことが気がかりで、ぶすっとした顔で仕事している。
社長「博さん、秋の慰安旅行なんだけどね、
温泉に浸かって、酒飲んで、カラオケ歌うなんて
くだらないことはやめて、
ちょっと勉強になる旅行しないか」
博、一応社長の持ってるパンフの方を見る。
社長「たとえば、日光江戸村とか
会津武家屋敷とかさ」
日光江戸村のホームページ
http://edowonderland.net/
博うわのそらで
博「いいですねえ・・・」
中村君「社長!」
社長「?」
中村君「博さん、今それどころじゃないんだよ」
社長「なんで?」
中村君「息子の就職!」と缶コーヒーを飲む。
社長「そら大変だなあ〜〜」知らないわけないと思うんだけどなあ・・
ユカリちゃん「ねえ、うちの工場に来たら?満男君」ヽ(´〜`; ォィォィ さすがにそれは・・赤字法人には・・・
社長「いよいよとなったら そうしろよ」 ボーナス毎回標準額払えてから言えよな・・・(○`。 ´○)ボソッ
博「冗談じゃありませんよ、 あんな遊び癖がついてるやつに
こんな厳しい仕事ができますか!僕が断りますよ」ものは言いよう┐('〜`;)┌
と歩いていく。
博歩きながら「沢田君、あと何枚残ってる?」
沢田君の声「300枚です」
中村君も社長も博の言い回しがきついので
二人とも「・・・・」
夕暮れ時 柴又 諏訪家
博が自転車で家に帰ってくる。
博「ただいま〜」
さくら「おかえりなさい」
博「帰ってきてるのか?」
さくら「会社からの電話待ってるの」
博「うまくいったらしいか?」
さくら「けろっとしてたから案外自信があるんじゃない?」
博、満男の部屋に上がってきて
博「おい、めしだぞ」
博、「ステーキだぞ」と満男の部屋に入って
リクルートの就職情報雑誌を手にとって見ながら
全部会社の資料か・・・
冷めないうちに早く来い。と呼ぶ。
大音量でロック音楽を聴いて気を紛らわせている満男。
※このロックの歌がわかる方いらっしゃるでしょうか?
メールいただければ嬉しいです。(人-)
2017年追加記事
2017年5月に
龍野での展覧会に来てくださった私のサイトの読者さんである
成田さんと言う方が
家に帰ってから調べてくださりました!
浦田健志さんの『TROUBLE MAKER』です。
https://youtu.be/-N253FwQswU
本編で使われているのは2分30秒過ぎからです。
この歌はわからなかったんです。
ずっとわからなかった。
嬉しいです!!
浦田健志(うらたたけし)
アマチュア時代のバンドで、いくつかのコンテストでグランプリ及びベストヴォーカル賞を獲り、数社獲得戦の末、『キティ・アーティスト』に所属。
1990年:作曲家・林哲司氏主宰の『バンダイ・サムライレーベル』より、
全作詞・作曲アルバム「Blue」・シングル「Fallin’ in the rain 暗くなるまで雨を聴いた」でデビュー。
吉岡秀隆(映画「ラスト・ソング」の挿入歌)でも使われたそうです。
それ以外では
映画「学校」(山田洋次監督)
そしてこの、映画「男はつらいよ 第46作」
もうひとつ追加記事
友人の寅福さんによれば
その曲を奏でていたコンポは
Panasonicの "half"コンポシリーズだそうです。
型番はSC-CH9かなぁ〜だって((^^;
http://minkara.carview.co.jp/userid/812335/car/1791313/4096702/photo.aspx
会社からの電話を待ちながら食事をする3人。
ステーキを食べながらも微妙な緊張が流れる。
電話が鳴る
3人とも (◎_◎;) ドキッ!!
さくら「あー、わたし・・出ようか?」
満男「いいよいいよ」とこわごわ立ち上がって電話口へ。
ちょっとためらいながらもさっと受話器を上げる満男
満男「はい、諏訪です」
満男がらっと声が変わって
満男「なんだよ、なべかあ」(ヘ;_ _)ヘ ガクッ
さくら、博 微妙に気が抜ける
満男「なに?今頃、えー、受かったの!やったねえ〜。
オレ?今会社からの電話待ってるとこなんだよ。
うん、じゃあ切るよ、うん、
うん、じゃあな、おめでとう」
電話を切って。
満男「なべのやつさ、
田舎の町の中学校の先生に決まったんだって〜」
博「ふーん」
満男「笑っちゃうよ、あいつが先生なんて」とステーキを切る。
さくら「そうね」
と言って
博のステーキを置く。
博、満男のコップにビールを注ぎながら
博「どうだった、今日の面接は」
満男「うん、まあまあじゃないか」
さくら、席に着きながら
さくら「じゃあよかったじゃない」
博がさくらにビールを注ぐ。
満男「だいたい聞くことは同じなんだよ。
オレくらい場数踏むとそれはわかるんだ」
さくら「ふーん」
博「じゃあ上がらなかったのか今日は」
満男「まあね」
親二人ともほっとしている。
さくら「どっちに似たんだろうね、この子の上がり症は。
博さんのほうかしら?」
博「そうだろうなあ・・・
オレ子供のころはほんとにひどかったから
すぐ、真っ赤になるんだ」
さくら「ふふふ」
博「はははは」
満男「オレだって最初のころはずいぶん上がったよ〜。
あれは火災保険の会社受けた時だったかな・・」
さくらと博興味津々
さくら「うん」
満男「オレもうガチガチにあがっちゃって、
自分でも何しゃべってるんだかわからなくなっちゃって
『けっこうです』って言われて『ありがとうございました』って言って
出て行くんだけど、オレその時ついドアをノックしちゃったんだよ〜」
博「え〜、部屋を出るときかあ?」
さくら「いやだ〜ははははははははは」超大笑い
博も笑っている。
満男「もう面接のおじさんたち大声で笑ってやがんの」
満男「でもね、もっと酷いやついるよ。オレの友達だけどさ、
そいつなんか自分の名前忘れちゃったんだよ」┐(-。ー;)┌
さくら、博「えええ〜〜??」
満男「ところがね〜、あいついい会社葉言ったんだよ
一部上場のいい会社なんだよ」
さくら「ほんと〜〜?」
博「はははは、そういうもんだろうなあ ははは」
さくらサラダを皿に盛り付ける準備しながら
さくら「ふふふ いやだわもう ふふふ」
電話が鳴る
プルルルル・・・・ プルルル・・・
3人とも緊張
満男、電話口へ行く。
さっと受話器をとって
満男「はい、諏訪です。
はい、僕です。
・・・・・・・・・はい・・・・。
わかりました。
どうも。」
そのまま沈んでいる満男。
博とさくらも気を落としている。
台所に入ろうとして、台所の階段に座ってしまう満男。
博とさくら、満男の元に寄って行く。
満男薄暗い階段に沈みながら沈黙。
博「おい、だめだったのか?」
沈黙
博「いいじゃないか、また機会があるんだから。飯食お」
博とさくらテーブルに着こうとする。
満男「母さん・・・」
さくら戻って
さくら「え?なあに?」
満男「もういやめた、就職活動なんか。
オレ、就職しねえからな」
さくら、満男のそばに行き、
さくら「・・・・、就職辞めてどうするの?」
満男「自分の好きなことして自由に生きんだよ。
サラリーマンなんかなんないでさ」意味不明^^;
さくら「そんなことができるなら
何もこんな苦労しなくてもよかったはず・・」
さくらにかぶさるように
満男「だからそうするって言ってるだろう」
さくら、座って
さくら「満男、落ちつきなさい」
さくら「自分で好きなことしてっていうけど、
あなたにはそれがあるの?」
さくら「大学で一生懸命勉強して、
そのことなら誰にも負けないっていう
何かを持ってるの?」
満男「・・・・」
さくら「だったら、母さんたち何も言わないのよ。
でもそうじゃないんでしょ」
さくら「あなたは、就職試験から逃げたいんでしょう」
そんな意気地のないことでどうするの!」やや叱咤気味
満男「母さんにはわからないんだよ、オレの苦しみは」
さくら「少しはわかってるともりだけど」
満男「わかるもんかよ。百枚もハガキ出して、
四十何通も身上調査書いて、ボールペンで、きれいな字で
住所、姓名、家族関係、自己PR、」
博も廊下に出て聞いている。
満男「城東大学経済学部経営学科 諏訪満男です。
よろしくお願いします。
聞くことは決まってんだよ。
『自己PRをしてごらん』
僕は痩せているから頼りないように思われがちですが
実は粘り強い性格です。
友人関係も広く浅くではなく
ほんとうに信頼できる友人と深く付き合うタイプです。
サークルの合宿の時には
僕は常にサブリーダーとしてリーダーをコントロールする役目で・・・」
満男、泣き出し・・・
満男「もう嘘つくのはいやだよ…テープレコーダーじゃないんだぞオレは!」
と号泣する。
どうしていいかわからなくて満男を見つめているさくら。
満男「二度とやるかこんなこと!!」
と泣き崩れる満男。
何も言うことができないさくら・・
博、満男の前まで行き
かがんで
博「泣くのはやめろ、
泣いたってなんの解決にもならないんじゃないか」
さくら「そうよ満男」
博「おまえが選んで歩いてきた道なんだからな」
博「壁にぶつかったからって、
父さんたちに当たるのはやめろ」
満男「オレが選んだんじゃないよ!
父さんが押し付けたんだよ!」
博「なに〜〜」
満男「オレ大学なんか行きたくなかったんだよ。
どうしても行けって行ったの父さんじゃないか!」
満男「母さんだってそうふうに言ったじゃないか!
父さんは大学に行けなくってとっても悔しい思いをしたから、
あなたがかわりに行ってちょうだいって・・・
だからオレ行ったんだぞ!」
さくら、びっくりしている。
博、満男の頬に平手打ちをする。
博怒って声を荒げながら
博「言っていいことと 悪いことがあるんだぞ!」
さくら博の腕をつかみ 止める。
満男、階段を駆け上がっていく。
博、イラついて 外に出て行こうとする。
さくら「どこ行くの?」
博「酒飲んで来る」 ヽ(´〜`; ォィォィ ・・・・ まあ図星だったんだよな
チェロの低音で満男のテーマが流れる。
さくら、心が沈みながらテーブルに座って茫然とする。
ステーキをナイフで触りながら泣いてしまっている。
階段を駆け下りてくる満男
驚くさくら
追いかけるさくら
さくら「ど、どうするの?」
かばんを持っている満男
玄関で靴を履いている。
満男「気晴らしに、どっか旅行してくる」ヾ(- -;)マジか・・・
さくらしゃがんで
さくら「やめなさいいよ、そんなこと。
旅行したからと言ってどうにかなるもんじゃないでしょ
伯父さんじゃあるまいし」
このシリアスなやり取りの中に寅のことが盛り込まれると、
つい笑ってしまう。
さくら満男のかばんを奪いながら
さくら「第一まだ試験は残ってるんでしょ」
靴を履いた満男、
さくらの抱いたかばんを力づくで奪い取る。
さくら「どこへ行く気なの?」
満男戸を開けながら
満男「わかんないよ そんなこと〜!」
と外へ出て行く。
さくら「いつ帰るの!? ちょ ちょっと!」
さくら夜の道に飛び出して 歩いていく満男を追いかける。
またもや柴又とは逆方向^^;
さくら「満男!待って!」
追いついて
満男の腕を掴んで、
さくら「お願いだからやめて、ね、
母さんと話あおう」
満男「離してくれよ!うるせえなあ〜!」
と歩いてゆく。
目を潤ませて茫然と見送るさくら。
近所の家の人 窓を開けて様子を見、 そして閉める。
さくら「・・・もう・・・」
JR 東京駅 10番線
ブルートレイン 瀬戸 号 高松行き
21時00分 発
東京駅を発車して行く「瀬戸」
満男が虚ろな様子で、廊下の椅子に座っている。
車掌を呼び止めて
満男「すいません」
車掌「はい」
満男「寝台空いてますか?」
車掌「空いてますけど?」
満男「1枚ください」
車掌「1枚って、どこまで?」
満男「この汽車どこ行きなんですか?」
車掌、怪訝な顔をしながら
車掌「四国の高松行きだけど?」
満男「じゃあ、そこまでください」
車掌「・・・後で来ますから・・」
と、立ち去って行く。
乗客の人見明さん
寝台から顔出して
人見さん「おい、おまえ学生か?気楽でいいな」と馬鹿にしたような口調。
気持ちはわかるが失礼な乗客だ。
満男は別に人に迷惑をかけたり奇異な行動をしているわけではないのに
その言い草はおかしい。
寝台の中での声
窓ガラスに映っている人見さん。
人見さんの声「行き先も決めてねえってよ。
ろくなもんじゃねえよ」
音楽が鳴って
車内アナウンス
「今日も寝台特急瀬戸号ご利用いただきましてありがとうございます。
ただいま、東京駅21時ちょうど、定刻に発車いたしました」
それから1週間ほど経って・・・
葛飾柴又 江戸川土手
ゆったりとした「寅次郎夕焼け小焼け」のBGM
第17作「寅次郎夕焼け小焼け」龍野での宴会の翌朝、
朝の風景描写でこの美しく気品のある曲が使われている。
山本直純さんの名曲のひとつ。
川面に水鳥
犬の散歩
サッカー部員たち
部員「ヘディングいくぞ〜〜!!」
一回〜〜 2回〜〜 3回〜〜 4回〜〜 5回〜〜 6回〜〜」
金町方面から寅が歩いてくる。
サッカー部員たちとすれ違い 手を振る寅
メインテーマが美しく流れる。
微笑がある。
土手をゆったりと歩く寅
大きな犬を散歩させながら
土手で寝転がっている源ちゃん。
寅笑って 源ちゃんに石を投げる。
石が源ちゃんに当たって
源ちゃん「いて!」
振り返って
源ちゃん「兄貴〜〜〜」
と大喜びで土手をあがろうとして
コケル ┐('〜`;)┌
またにっこにこで土手上がろうとして
またコケル。(ノ_-;)ハア…
大きな白犬がなんともとぼけていて笑える( ̄∇ ̄;)
源ちゃん顔土手にうちつける(T^T)
柴又 とらや
カヨちゃん「ありがとうございました〜〜」
カヨちゃん、お茶を運んで居間に上がる。
仏間でさくらが沈んで、憔悴し切ってうつぶせになっている。
カヨちゃん「奥さん、お茶どうぞ」
カヨちゃん「元気出してください」
さくら「カヨちゃんは家出したことある?」
カヨちゃん「ありますよ。北海道行っちゃった」
さくら「ご両親心配したでしょ」
カヨちゃん「私、お父さんいないし、お母さん水商売で家に帰ったり
帰らなかったりだから・・ふふ」
さくら、あ、そうなのか・・というような、カヨちゃんに気を使うような顔
おなじみの「乙女の祈り」が流れる。
毎回昼間に流れるごみ収集車の音楽
郵便屋さんのゆうパック
土産を人差し指につるしながら
寅が店を覗く。
郵便屋さんがゆうパックを持って入ろうとして
郵便配達員「小包ですよ〜〜」
寅すかさず「はい、ごくろうさん」
カウンターの印鑑を、息で「ハー」と湿らせて
ポン と紙に押す。
郵便配達員「どうも」
カヨちゃん、怪しい男を見る目 (! ──__──) ジトーッ!
寅「さくらいるかい?」
カヨちゃん「おじ、おじさん誰よ?」
寅「え? オレはな、この家の跡取りだ。車寅次郎」
カヨちゃん「うっそおおお!」( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
寅「なに?」
カヨちゃん「ちょっと・・」(;¬_¬) あやしい
三平ちゃん団子製造室から出てきて
三平ちゃん居間に向かって
三平ちゃん「奥さん!寅さん帰って来ました!」
さくら驚いて表を見る。
寅「よ!」とにこにこ。
さくら微笑んで
さくら「お兄ちゃん!何してたの今まで」
寅「何してたのって、商売の旅よ。奥州路を下ってな
会津、越後、そして、北関東だ」
その北関東でOPで
那須烏山でバイしてたんだね。
さくら、張り詰めていた気持ちがはじけて
寅の前で涙ぐんでしまう。
寅「どうしたさくら、え?なんだ、おまえ涙なんか出して」
さくら「あのね、満男が家出したの」
寅「え?」
おばちゃん、台所からささっと出てきて
おばちゃん「寅ちゃんお帰り、さくらちゃんとこ大変なんだよ」
さくら「今話してんの」
寅も座りながら
寅「で、原因はなんなんだ?」
さくら「就職活動がなかなかうまくいかなくて・・」
寅「ああ」
さくら「片っ端から落ちちゃってね、
そのことで博さんと喧嘩して飛び出しちゃったの」
寅「ふ〜〜ん、で、いつごろからなんだ」
さくら「ちょうど1週間・・今日で8日目よ」
寅肩透かしで
寅「あ〜〜〜あ、なんだい。
オレはまた半年か1年間くらいかと思ったよ」
さくら「だってどこにいるのかわからないのよ」
寅「いいか、このオレはな、自慢じゃないけれど、
16の時にこの家をぷいっと家出して、
それから20年間帰って来なかったんだぞ」
さくら「・・・」
寅「ちぇ!たかが一週間。
目の色変えてガタガタ騒ぐんじゃないよおまえ
え!ガキじゃないんだぞ、
あいつは大人なんだ」
小包を手で遊ばせている寅。
三平ちゃん「そんなん言うたらね、奥さん可哀想ですよ」
おばちゃん「そうだよ、
おまえの帰ってこない20年間、
あんたのおっかさんや私たちが
どんんなに心配したことか、
そんなこと考えてみたこともないだろう!
この親不孝ものめ!」
この長いシリーズでとらやの誰かが
さくらのお母さんについて語ったのはこれが初めてだ。
今まで話題に出すことさえタブーだった母親の話題がようやく
少しだけ露出した瞬間だった。
寅「久しぶりに帰ってきたオレに そういう厭味を言うのか!え?
使用人まで一緒になって」
後ろでカヨちゃん、興味津々
ひそひそと
カヨちゃん三平ちゃんに
カヨちゃん「ほんと、誰これ?」ヾ(・ε・。)ォィォィ
寅「なに?」
三平ちゃん「あとで説明する・・」
寅「オレはお前たちのことが心配だから
こうやって寄ってやったんだぞ。
汽車賃使って遠回りして、
ありがとうって、お茶ぐらい出したらどうなんだ!
なんだい、その物の言い草は!」
寅「ったく!ばか!」と
持っている小包を見る。
寅「諏訪満男か・・・」w( ̄▽ ̄;)wワオッ!!
さくら「ん!?」
寅「ばかやろう、おまえのために揉めてるんだ」
と、小包を指先でこづく。
さくら、諏訪満男と聞いてびっくりして小包をぶんどる。
さくら「ちょっとお兄ちゃん かして!」
寅「え?」
表書きを見て
さくら「あら!満男からよ!」
カヨちゃん覗きながら
カヨちゃん「あー!」
さくら「香川県琴島・・香川県にいるのよ!あの子」
おばちゃん「生きてたの・・」ヾ( ̄o ̄;)オイオイ
さくら急いでゆうパックを開ける
さくら「なにこれ?」
三平ちゃん「ままかり・・瀬戸内海の名物の」
おばちゃん「ふーん」
カヨちゃん、ままかりに興味示す
カヨちゃんままかりを手で持ちながら
カヨちゃん「ままかり・・・」
三平ちゃん、勝手にいじってはいけないという顔で
カヨちゃんから取り上げる。
ままかり(サッパ)
サッパ は、ニシン目 ニシン科 ニシン亜科に分類される魚。
汽水域に生息する魚で、ママカリ(飯借)という別名でも知られ、
ママカリ料理は岡山県の郷土料理として有名である。
ままかりの「まま」は、「まんま」と同じ「飯」のことで、
漢字では「飯借り」と書く。
この魚の酢漬けがあまりにも美味しいため、
飯がなくなってしまい、
隣の家から飯を借りてまで食べたことから、「ままかり
「サッパ」の名前は淡白でさっぱりしている味に由来する。
小骨が多いが淡白な味で、塩焼きや唐揚げ、酢じめ、刺身、みりん干し
などで食べられる
さくら、中に入っていた手紙を広げて・・
さくら「僕は元気です。心配要りません。琴島にて 満男」
さくら「はあ〜〜」
おばちゃん「やれやれ」
寅「ふ、ほら見ろ、えー、
満男はちゃんと元気でやってるじゃないか〜、
申し訳ないからこんなままかりの瓶詰め送ってきてよ
なにも大騒ぎなんかするこたねえの、ハイお土産」
とお土産を渡す。
さくら「だけどね・・」
三平ちゃん「奥さん、奥でお話になったらどうですか?」
続きは奥で話すことに
寅立ち上がりながら
寅「オレみたいな家出人がいて
この家に迷惑なんじゃないのか?」
さくら背中を押しながら台所方面へ
さくら「今満男は大変な時期なのよ〜・・・
就職活動って言ってね・・」
おばちゃん店から
おばちゃん「お風呂は私が沸かすからね
あんたお茶入れてよ」
さくらの声「はーい」
おばちゃん はあ〜・・ とため息。
柴又 夕暮れ
題経寺 鐘の音
ゴーーーン
帝釈天 参道
カヨちゃんと三平ちゃんが仕事終わって参道を歩いている
カヨちゃん「ねえ、寅さんって、
本当にあの奥さんのお兄さん?」
三平ちゃん「ふふ そうだよ」
カヨちゃん「信じられない」
三平ちゃん「なんで?ふふ」
とらや 茶の間
博が地図を見ている。
瀬戸内の丸亀近辺の島を指差して
博「あった、琴島。
丸亀か多度津から連絡線が出てるなあ」
さくらも見ている。
博「ちいさな島だよ・・。こんなとこにいるのか」
社長「多度津か・・・懐かしいなあ・・
その昔ね、金比羅参りの帰りにね、
精進落としであそんだんだよ
親切な女がいてね〜〜〜」
おばちゃん「社長、そんな話をしてる場合じゃないでしょ」
さくら「どうしてもわかんないわ〜・・・
なんでそんな島に行ったんだろう」
おいちゃん「友達がいるんじゃないのか?
その島出身の?」
さくら「聞いたことないけど、四国出身の友達なんて」
おいちゃん、釣りの竿を磨きながら
おいちゃん「まえに旅行で行ったことあるとか・・」
博「行ったことないはずです」
さくら、寝そべっているとらに向かって
さくら「お兄ちゃん、何か聞いてない?満男の口から」
普段ここにいないのに聞いてるわけないでしょヽ(´〜`; ォィォィ」
寝そべっていた寅、起き上がって
寅「旅と言うもんはな、行き先を決めてから
でかけるもんじゃねえんだよ」
おいちゃん「ふーん」
みんな寅の言葉に耳を傾ける。
寅「汽車の窓から・・のんびり外を見ている。
穏やかな瀬戸内海。
緑の島
あ〜〜、行ってみたいなあ・・」
寅「傷ついた満男はふらり駅に降りる。
ポンポンポンポンポンポン・・ポンポン」
さくら「なあに?」
寅「連絡線」
さくら「あー」
寅「島の人は親切だ。
宿なんかなくたってかまわない」
寅「『よかったら家へ泊まりいなあ。
部屋は空いてるけえ』
東京の人が来たと言うんで
みんな集まって酒盛りだ。
一晩が二晩、
一週間二週間は夢のうちだよ〜〜」
社長「なるほどねえ、浦島太郎みたいなもんだよ、
な、博さん、満男君はね・・」
おばちゃんすかさず
おばちゃん「社長!少しは黙っていらんないのかよ」
さくら「電話番号でもわかればかけてみるんだけど・・、
島の名前しかわからないしねえ」
さくら「どうする?博さん。
ねえ・・私行って来ようかしら」
博「そんな必要ないよ」
さくら「どうして?」
博「今まで何度もそういうピンチがあって
そのたびに親のオレたちが手をかしてやって、
それがあいつをだめにしたんだぞ」
さくら「それはわかるけど、
今帰らないと大変なことになんのよ」
博「ほっとけよ!」
さくら「可哀想じゃないの!」
博「だいたい、女親は男の子に甘すぎるんだよ!
問題だよ、君の態度は!」
と、かなり強い口調。
さくら、ぷいっと横向いてふくれる。
寅「やめろよ、おまえ。
二人は愛し合ってる夫婦なんだろ、
もうちょっと、こう・・・
美しい言葉で語り合えないのかよ・・え」
美しい言葉で・・・語り合う 寅だねえヽ(´〜`; ォィォィ
さくら、めずらしく「ぷんぷん」(`´メ)
社長、寅の発言に笑っている。^^;
寅「さくら、兄んちゃんにまかせろ。
な、オレ明日の朝一番でもって
あの・・瀬戸内に満男のこと迎えに行ってやるから」
さくら「ほんと?」
寅「おお、オレ四国へ商売へ行こうと思ったんだよ。
ついでだから」
さくら「そうしてもらえるとありがたいけど」
寅「うん」
おいちゃん「ちょっと待てよ、
色恋沙汰なら寅の出番かもしれねえけど、
就職問題はちょと複雑だからなあ・・・」
おばちゃん「寅ちゃんのお説教、
あの子が聞いてくれればいいけどね」
さくら、座敷に上がって
さくら「ねえ、どういう風に話すつもり満男に会ったら」
寅「決まってるじゃないか、満男、
伯父さんの顔をヨークみるんだ。
これが一生就職しなかった人間の成れの果てだ」
・・・・・・・・・ε-(ーдー)ハァ
寅「おまえもこうなりたいか?」 ┐(-。ー;)┌
おいちゃん「わかってるじゃないかおまえ〜〜」
と寅の腕をたたく
寅「オレだって反省することあるさ」 うそコケ ヾ(--;)
社長「その言葉、効き目があるよ!」効き目ないって ヾ^^;
寅「オレの顔をじいいっと見ていた満男は
はっとするな。
『あ〜〜、伯父さんの言う通りだ。
いけない!
これからすぐ帰ろう柴又へ。
そして堅気のサラリーマンになろう。
荷物をその場でまとめて
柴又へすぐ帰ってくるよあいつは」
社長「なるほど」
おばちゃん「ありがとう寅ちゃん、これで安心だよ」んなわけないだろ┐('〜`;)┌
とお辞儀。
どこが安心なんだ┐('〜`;)┌ 過去の失敗を全部忘れてるとらや面々。
寅「こんなところでいいか博」
おばちゃん「よかった」
博正座して
博「よろしくお願いします。
経済的な問題は僕がカバーしますから」
寅、手を左右に振って
寅「いいや、そんなこといいそんなこといい」
さくら「でもあの子、飛行機代なんか持ってないかもしれないから」
寅「あ、そうか、じゃああとで清算することにして。
きっちり。 忘れんなよ」
さくら「ねえ、ごめんね、せっかく骨休みしようと思って
帰ってきたのに、
こんな面倒なこと、お願いする羽目になっちゃって」
寅「何、水くさいこと言ってるんだよ、
それでなくたって、普段おまえには迷惑かけてるんだからさ。
せめてものご恩返しってこと、ね」
博「恐縮です」
さくらともどもお辞儀。
寅「さて!、な、明日の朝も早いし、
今日はこのへんでお開きということにしよう」
さくら「そうね」
寅「はい」
寅「ごめんよう」
と台所へ
おばちゃん「布団敷いてあるからね」
柱時計が鳴る。夜9時
寅「しかし、幸せなやつだな満男も。
こんなに心配してくれる
身内がいるんだからなあ」
一同頷く。
おばちゃん「ほんとだねえ〜〜」
寅「反省してるんじゃないか?今頃」
おばちゃん「優しい子だからねえ〜、元々」
寅「寂しい離れ島で、東京の空に向かって
手なんか合わせているかもしれないぞ」
寅「『お父さんお母さん心配をかけてもうしわけありません。
僕はすぐ東京へ帰ります』」
おばちゃん( ̄ー ̄)(ー_ー)( ̄ー ̄)(ー_−)頷く
寅「『ダメ!!
満男!!
帰っちゃいけないからあ〜〜』」 へ ( ̄∇ ̄;)?
みんな(´○`; ポカーン
博「誰ですか?それ」
寅「決まってるじゃないか、島の娘だよ」ヽ(´o`; オイオイ
博とさくら、「はあ〜〜」と俯く。
寅「あいつはもてるからねえ〜。
オレに似ているから」 ヽ(´〜`; ォィォィ
寅「ん! さあ・・」
寅「両親の元へ戻るか、
その島に留まって愛の巣を営むか。
満男の心は千々に乱れるなあ・・・
去るべきか 留まるべきか
それが問題だ。
日の暮れる浜辺に佇み、沈む夕日を見つめる満男。
ボ〜〜〜〜〜。
遠くをゆく貨物船。
ダダダダダダダ
ザブ====ン
寄せては返す波の音。
瀬戸の夕焼けってのは
そりゃ綺麗だからねおばちゃん」
おばちゃん「そうかい」
寅 歌を歌い始める。^^;
寅「瀬戸は〜〜日暮れて夕波小波〜♪
あなた〜〜の島へ〜〜♪」
同時に流れる「瀬戸の花嫁」のBGM
瀬戸の花嫁
作詞 山上路夫 作曲 平尾昌晃
昭和47年(1972年)4月に、
小柳ルミ子の歌でレコード発売
(1)瀬戸は日暮れて 夕波小波
あなたの島へ お嫁にゆくの
若いと誰もが 心配するけれど
愛があるから 大丈夫なの
段々畑と さよならするのよ
幼い弟 行くなと泣いた
男だったら 泣いたりせずに
父さん母さん 大事にしてね
(2) 岬まわるの 小さな船が
生まれた島が 小さくなるわ
入江の向こうで 見送る人たちに
別れつげたら 涙が出たわ
島から島へと 渡って行くのよ
これからあなたと 生きてく私
瀬戸は夕焼け 明日も晴れる
二人の門出 祝っているわ
みんな寅が駆け上がるのを見ながら唖然。
社長「 ふふ 無駄だよ無駄!
だいたいね無事四国へ行き着けると思うか
あんな無茶苦茶な男が。
無駄ですよ 無駄 無駄だ〜〜〜い!!」と、家に戻っていく。
まあ、今までのトラブルを考えると社長の考えのほうがまともかな(○ ̄ 〜  ̄○;)
おばちゃん「うるさいね〜〜!」
みんな、ちょっと後悔している様子。
おばちゃん「はあ・・・」
翌日 午後
柴又駅横の八幡神社の前の踏切を
博が運転する朝日印刷のライトバンが渡っている。
『朝日印刷株式会社』のロゴ
作品によって有限になったり株式になったりたいへんだ〜〜( ̄∇ ̄;)
ありゃりゃ、博 そっち曲がったら
参道からは逆走だよ〜〜ヽ(´〜`; ォィォィ
とらやに本当に行こうと思うなら
踏み切り渡ってひたすら直進し
ロークの前を右折し、二天門前を
さらに右折し、参道に入って行くしかない。
博、駅の方向から車は知らせて来てとらやの前で止まる。
ハイ、これ一応逆走です (-_-メ)
タバコをなんと店の中で吸っている三平ちゃん。
博、車降りて、車庫に入れるように三平ちゃんに支持。
三平ちゃん、
お客さんが来る店の中でタバコ吹かさないほうがよい。
従業員はお客さんの入る店の中では
タバコを吸わないのは食べ物接客業の基本だ。
悪いのはそもそも博やおいちゃん。
彼らがちょくちょく店の中で吸うから影響受けてしまうんだな。
実際は午前9時から夕方5時くらいまでは車は
一切参道の中には入らないルールがある。
私は二天門前に5年住んでいるが
昼あたりに車が入ってきたことは一度たりともない。
ただし、郵便屋さんのバイクだけは入ってくることを
許可されている。
宅配便はみんな大通りから参道へは台車で運んでいる。
黄緑色が本編で博が走った道(現在は通り抜けは不可能です)
博「ひどい目にあっちゃったよさくら」
さくら「どうしたのいったい?」
博「ホームまで行ったら、
急に新幹線はいやだって言い出すんだよ」
車で東京駅なんかよく行くなあ・・┐('〜`;)┌
日暮里乗換えで東京駅行ったほうが駐車場のこととか
考えないですむのに。
博「スピードが速すぎて目が回るんだってさ」
さくらとカヨちゃん笑ってる。
博「オレ腹立って『だったら「かご」でいったらどうですか』
ッって言ったんだよ」
カヨちゃん 笑ってる。
博「ふ、喧嘩になっちゃってさ」
さくら「大変だったわね。
それで乗ってったの?」
博「うん、岡山行きのひかりにな」
さくら「ごくろうさま。お茶入れるわ」
さくら、ふと、表の気配に気づき
店先を見る。
なんと!冬子さんが立っている。
彼女は終始一貫 第1作も 第7作も 第46作もすべて着物姿。
さすが新劇の光本幸子さん。
さくら「まあ!冬子さん」
冬子さん、三越の紙袋持ってる^^
さくら「しばらく」
冬子さんお辞儀しながら
冬子さん「みなさん、おかわりなく?」
さくら「はい」
博「こんにちは」と立ち上がる。
冬子さん博にもお辞儀する。
となりに高校生の娘さん。
さくら「あら、お嬢ちゃん?
まあ!おお〜〜きくなってえ」
おそらく5〜7年は会ってなかったんだろうね。
冬子さん「しばらく主人が家を空けるものですから
親孝行しようと思って、ふふふ」
さくら「御前様お元気かしら?」
冬子さん「ええ、おかげさまで。
寅ちゃん・・・
最近お帰りになるの?」
さくら「ええ、あの、昨日帰ってきたんですけど
今朝、急な用事ができて、四国の方へ」
冬子「まあ、残念。
いっつもお噂してるんですのよ。
よろしくおっしゃってね」
さくら「はい」
冬子さん「じゃ、ごめんなさい」
博、さくら お辞儀 「どうも、失礼します」
二人、冬子さんを見送りながら
博「若いないつまでも」
さくら「何年前かしら、お兄ちゃんがあの人に恋をしたの?
満男がまだ生まれてないころよ」
っていうか、さくらが博とまだいちゃいちゃしてないころだよ(((^^;
参道を歩く冬子さん母子。
冬子さん「あら、備後屋さん」
備後屋「なんですか今日は?」
冬子さん「お里帰り」
備後屋「はあー」
冬子さん、店の主人と挨拶
笠智衆さんがこの年の3月に
亡くなられたばかりなので
追悼の意味もこめて光本幸子さんが出演されたのだ。
夜 二天門 前
このカメラ位置はジャストで
私のマンション前だw(゚ー゚;)wワオッ!!
2016年1月31日日曜日の夕方
現在の寅さん記念館のそばの道を南に歩いている。
東京都葛飾区柴又6丁目23付近
さくら「はあ〜、お兄ちゃんと会えるといいんだけどね満男」
近くのアパートの女性
女性「こんばんは」
さくら「あ、こんばんは〜」
さくらの家からはこの地点は徒歩でなんと40分!!(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
まあ、物語としては
あと5〜7分で家に着くって考えたほうがいいんだろうな ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
博「なあさくら」
さくら「はい」
博「考えてみると、
オレも子供の時は親父がひたすら憎くたらしくて
母親がいつも味方になってくれてたよ」
さくら「うん」
博「なんでこう親父っていうのは
わけのわからないことばかり言うんだろって
思ってたけど・・・
今それとちょうどおんなじことを
自分が息子にしてるんだものな」
さくら「うん」
本当は、彼らが曲がって行った方向は
たった10メートルで行き止まり^^;
貼紙に「下町説法のお知らせ」
・・・葛飾の歴史
ポスター「車でお金」3629-8118
(これは綾瀬にあるローン会社)
新東和(株)
この道は、実は第36作「柴又より愛をこめて」で
あけみのアパートへ立ち寄った帰り道にも使われていた。
その時は進行方向は逆方向。
現在↓ 手前のアパートも
向こうのアパートもいろんな設備もほとんど同じ。
目隠しの白いトタンも同じ。
手前アパートの階段の色は塗り替えられていた。
同じ場所をさくらのように自転車を息子に押してもらって撮影。↓
このあたりは柴又駅からも新柴又駅からもまあまあ近いのでアパートが多い。
階段前の石の門も今も同じ、鉄の柵も同じ。
博たちが曲がる塀に車で
(車に乗ったままという意味らしい)お金が
借りられる街金の看板がある。
この街金は文字が「新東和」と読める。
電話も読める。
ネット検索してみると実際に存在した綾瀬の会社だったので
松竹大船でのロケではなく
正真正銘ここが柴又のどこかだとわかる。
松竹はこの手の会社をわざわざ自分からは
大船ロケのカモフラージュに塀に貼らないからだ。
さて、探そうという目でシーンを再度チェックしてみると、
どこかで見たことがあるアパートが映っている。
っていうより、しょっちゅうこのアパートは見る・・・。
もしそうだとしたら私の日々の自転車通路範囲内といういことになる。
そこで、ちょっと夕方に近所を自転車でうろうろしながらチェック。
偶然か何かわからないが、いきなり怪しいところ発見。
なんと自宅から自転車で3分(徒歩6分)の
寅さん記念館の裏(南)だったのだ。
まさに「灯台下暗し」
さて、物語に戻ろう。
場面は変わって・・・・
ここから瀬戸内が始まる。
簡単に見れる瀬戸内ロケhttp://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/setouti1.html
簡単に見れる瀬戸内ロケhttp://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/setouti2.html
簡単に見れる瀬戸内ロケhttp://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/setouti3.html
簡単に見れる瀬戸内ロケhttp://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/setouti4.html
名前は琴島
実際のロケは香川県の2つの島。
海岸や波止場やお墓や店や
お寺階段での語らいやキスシーンなどは志々島
高台のお寺や葉子さん登場関係の全シーンは高見島
さて、物語は満男が働く夜明けの海から始まる。
志々島の近くの海
2015年5月調査 世界初登頂
夜明けの蟹漁を手伝う満男 おそらく朝の4時ごろ。
満男、ワタリガニを網で獲りながら
満男「大きいですね、ふふ」
朝日が輝く海
亜矢のテーマが流れる。
よね子さんの影武者として、地元志々島本村の高島孝子さんが運転
戸内名産ワタリカニを獲った満男が乗る船。
瀬戸大橋を渡って行く満男たちの船。
さっき漁をしていたのは志々島近く、
この瀬戸大橋近辺とは
何の関係もない^^;
まあ、風景として「瀬戸大橋」を見せたかったんだろう。
満男たちの通る瀬戸大橋の場所
カメラ位置の岩黒島から羽差島を越えて遠く与島を眺める場所↓
上田亜矢がちゃんが多度津からの連絡線に乗っている
よね子さん「満男ちゃん、ほれ、看護婦さんやで」
振り向く満男。
顔が生き生きしている。
亜矢ちゃん「魚獲れたあ〜〜〜〜??」
満男「今日はカニ〜〜〜〜〜」
2015年5月調査 世界初登頂 この風景は志々島へ行くまでの海
思いっきり手を振り合う二人。
よね子さん運転してるふり^^;
よね子さん「いつも元気な子やな」
光に照らされ輝く瀬戸の海
2015年5月調査 世界初登頂 この風景は志々島へ行くまでの海
志々島
四国本土多度津の近く詫間港から船で
北方およそ6キロメートルの沖合に浮かぶ、
周囲3.8キロメートル、面積0.74平方キロメートルの小島
塩飽諸島の最も端の島のひとつ。
両墓制を採用し。埋墓群は海岸にあり、
小さな小人の住まいのようになっている。
最盛期は200戸、1000人が住んでいた。
最盛期には100軒以上の農家が仏花として使われる
小菊、ストック、除虫菊マーガレット、キンセンカなどを栽培していた。
2014年ですべての花栽培は終了してしまったようだ。
現在は島の人口いは19人に激減してしまっている。
高見島
高見島はかつては塩飽(しわく)諸島の中心。塩飽七島のひとつ。
その昔瀬戸内海の塩飽水軍として活躍し、
江戸時代は人名(にんみょう)による自治が許され、
廻船業で栄え財を成したのがこの塩飽七島であり、高見島。
今の高見島にある多くの石垣は、江戸前期に旧浦集落が大火事になり、
当時の人名(にんみょう)が中心になって石垣を築き、計画的に造成し家を建てた時のもの。
今はひっそりと漁業や農業で数十人が暮らしている。
急な坂が多い、坂の島として知られている。
そして、満男たちを乗せた船は
志々島の波止場に入って行くのだった。
ここから後編
島の診療所の野外スピーカー。
「お知らせいたします。
中央病院の中島先生がお見えになりました。
今日の診察は10時から10時半までです。
患者のみなさまがた遅れないようにおいで下さい」
ここも世界初登頂!
高見島ロケ
大聖寺山門
真向かいの家は「田宮善右衛門」
坂出葉子さんの父親の家
坂を上がって来る亜矢ちゃんと中島先生。
亜矢ちゃん「先生、しっかり」
亜矢ちゃん、大聖寺の和尚さんを見上げて
亜矢ちゃん「おはようございます」
和尚さん「おはよう。今日は先生の診療日だったか」
亜矢ちゃん「はい」
中島先生が「どっこいしょっと」と、大戸をくぐって行く。
志々島 ロケ 船溜まり
満男が船を掃除している。
満男掃除しながら
よね子おばちゃん「ほんなら頼むで」
満男「あ、おばさん、今日ママカリ漁に出ますか?」
よね子おばちゃん「市場の値が悪いけん今日はやめとくわ」
満男「じゃあ、畑の方手伝います」
よね子おばちゃん「悪いねえ。
ついでに隣の伊勢屋さんの畑もてつどうてくれるんな」
満男「いいですよ」
よね子おばちゃん
独り言で
よね子おばちゃん「助かるわ。若いもんがおると」
なぜ山田監督が志々島を選んだのかなどなど^^
あの志々島にある小さな小さな両墓制の埋墓群の方が気に入って、
ここをロケ地にしようとしたそうだ。
私の田舎の三重県も含め、
土葬中心の近畿には多かった両墓制の墓地が、
ここ瀬戸内塩飽諸島付近の志々島にも存在する。
埋め墓の上に霊屋を建てるという特徴があり、
山田監督はその小さな小人の家のような霊屋が気に入ったようだった。
田宮善右衛門の屋敷
葉子さんの寝室
葉子さんが布団で寝ている。
中島先生「やっぱり休息は必要だったんだよ。
あなたの体は疲れきってたもんね
でも、もう心配ないよ」
葉子さん「はい」
中島先生「まあ、当分の間ぶらぶらして、体慣らして、
神戸に帰るのはまだ無理だよ」
葉子さん「はーい」
亜矢ちゃん「この島を散歩したり、魚釣ったり…
ま、退屈かもしれへんけど、それくらいのほうがええんで」
葉子さん「はーい」
中島先生「お大事に」
葉子さん「おおきに」と手を上げる。
亜矢ちゃん「じゃ、これお薬ね」
葉子さんの父親が部屋で立っている。
中島先生「あ、どうも」
父親、ゆっくり頭を下げる。
亜矢ちゃん「じゃ、お大事に」
亜矢ちゃん父親に気づいて
亜矢ちゃん「おじいちゃん、お元気?」
父親は亜矢ちゃんの声に反応せず。
葉子さん、ゆっくり布団から起き上がり、ため息をつく。
葉子さん「はあ・・・・・」
高見島ロケ
坂を下って行く中島先生と亜矢ちゃん。
中島先生「あの人・・本当の娘かい?あのじいさんの」
亜矢ちゃん「この島の人の噂だと、愛人の子供だとか・・・」
中島先生、振り返りながら
中島先生「えええ〜〜?」
中島先生「なにやってたんだ?あのじいさん」
亜矢ちゃん「外国航路の船長さんやったんやって」
中島先生「あ、船長かあ・・・なるほど〜」
満男とすれ違う
満男「おはようございます」
中島先生「おはよう」
亜矢ちゃん「昨日の虫さされようなった?」
満男「うん、だいぶいい」
と、腕を見せる。
階段を下りながら
亜矢ちゃん「ねえ、石鹸つけたり、擦ったりせんほうがええのよ」
満男「わかってる」
葉子さんの父親の家
庭先に腰掛け、物思いにふける葉子さん。
満男が帰って来て
葉子さん「おかえり」
満男「あれ、お姉さんもう起きていいんですか?」
葉子さん「そう。退屈だから、なんか美味しい料理でも
作ろうかと思うて」
満男え、お姉さん料理うまいの?」
葉子さん「あら、知らんかったの?うち料理屋の女将よ」
BGMで『ラ・パロマ La Paloma』が流れる。
『ラ・パロマ La Paloma』は、
19世紀スペインの音楽家イラディエルが作曲したキューバの民族舞曲(ハバネラ)・ラテン音楽。
タイトルの「ラ・パロマ」とは、スペイン語で「鳩・ハト」を意味する。
日本のガス器具メーカー「パロマ」の社名も同じ意味。
満男「へえ〜」
上等なハマキというくらいだから
音楽の趣味的にも
船長時代は中米を中心とした定期(貨物)航路だったと想像できる。
二階の父親の部屋からの眺め
船の汽笛
外を眺めている父親。
葉子さん「お父さん、お医者さんがな、もう起きてもええって」
父親「そうか」
葉子さん「この島で、退屈して過ごすのがなによりの養生やて」
父親「そうか」
葉子さんコーヒーを出して
葉子さん「はい」
受け取る父親
ラ・パロマ La Paloma』が長く流れ続けている。
葉子さん「子供の時、お父さんタンゴの踊り教えてくれたことあるやろ。
お父さん大きくて、上等のハマキの匂いがして・・・覚えとる?」
ゆっくり葉子さんを見て、静かに頷く父親。
LPレコードの入れ物を置き、ゆっくりとため息をつき、
窓を眺める葉子さん。
志々島 ロケ
お花畑
花畑で紐を取り付けている満男。
よね子おばちゃん「満男さ〜〜ん、なるべくちゃんと張っといてな」
満男「はい」
高台から亜矢ちゃんとヘルパーさんが息を切らして降りてくる。
亜矢ちゃん、ヘルパーさんを気遣う。
亜矢ちゃん「は、はあ・・・、すごい汗大丈夫?」
ヘルパーさん ぜいぜい言ってる^^;
亜矢ちゃん「ふふ、大丈夫?」
よね子おばちゃんを見つけ声をかける亜矢ちゃん。
亜矢ちゃん「おばさ〜〜〜ん。おじいちゃんの具合どんなん?」
よね子おばちゃん「ありがとう〜〜。だいぶようなったで〜〜。
あんた、どこ行きよんの?」
亜矢ちゃん「ホームヘルパーのウエオカさんのお手伝い。
シンデのおばあちゃんをお風呂に入れたげんの」
亜矢ちゃん「ほんなら」
よね子おばちゃん「ごくろうさん」と手を振る。
満男も手を振る。
亜矢ちゃん急な坂に
亜矢ちゃん「危ない、気をつけて、ひゃ〜〜」
このお花畑は本当に眺めの良い場所。
とんびが鳴いている。
ここに山田組が持ってきた「琴島 原 籐治郎」と書かれた箕(み、みの)が
置かれていた。
原さんは当事のここの家主さん。すでに引っ越されていたが名義は原さんのままだった。
母屋もほぼそのまま残っていた!↓ 奇跡だ。
撮影当事すでに空き家で、亀井久野さんは
本村(中央の村)から呼ばれて、演技をしてくれたとのこと。
亜矢ちゃん「はい、寝ますよ〜、しんどくない?」
ヘルパーさん「手はどう?わ、だいぶ上がるようになったな。
よかった。足はどうかな?」
亀井さん「足は動かさないかんな・・」
ミノにこの家の本当の持ち主である「琴島 原善治郎」さんの名前が書かれてある。
原さんはこの撮影当事すでに引っ越され、この家は空き家になっていたそうだ。
亜矢ちゃん「ウエオカさん、お湯お願いしますね」
満男がお花畑から戻ってきて、
亜矢ちゃんの声が聞こえてくる亀井さんの部屋を眺めている。
亀井さんが言ったようにほんとうにこの庭からは海が見える↓
亜矢ちゃんの声が聞こえてくる
亜矢ちゃん「ちょっと待っててね。寒くなったらカーディガン着るのよ」
亜矢ちゃん外に出て来て
亜矢ちゃん「じゃあウエオカさん、あとお願いします」
ヘルパーさんの声「はい、ごくろうさぁん〜〜」
亜矢ちゃん、縁側から部屋を覗きながら
亜矢ちゃん「亀井さん、海よう見える」
亀井さん「見えるよ」
亜矢ちゃん「じゃあまた来るね」
亀井さん「はい、ありがとう」
亜矢ちゃん、満男を見て
亜矢ちゃん「あら〜〜」と瞳が輝く。
満男「大変な仕事だな」
亜矢ちゃん「あのおばあさん独りやけん、ほんと気の毒。
重いものなんも持てないんだもの。
電気ストーブとかポットとか...あ!あ」
とこけそうになるのを
満男が助ける。
亜矢のテーマが流れる。
村から降りた浜辺で話をする二人。
満男「亜矢ちゃんはどうしてこんな寂しい島で働いてるんだ?」
亜矢ちゃん「どうして言うて・・大阪の看護学校出て、地元の役場に就職して
ここへ来るようになったんやけど」
満男「大阪や東京に住みたいと思ったことないか?」
と海に向かって石を投げる満男。
亜矢ちゃん「うち、都会は好かん。人が多いし、やかましいし」
それにね、ここの診療所辞めたら島中の人たちが怒るんよ」
満男「そらそーだろうな。
みんな、亜矢ちゃんの大ファンだもんな」
亜矢ちゃん「57人のおじいさんとおばあさんやけどね」
二人で笑いあう。
満男「凄いな亜矢ちゃんは」
亜矢ちゃん「どうして?」
満男「自分の生き方に自信を持ってるし、
しかも、みんなに必要とされてるんだからな」
亜矢ちゃん「掻いちゃだめって言うたでしょ。
ちょっと見せて。
ほら、赤うなっとる〜〜」
亜矢ちゃん、ちょっと驚きながら
亜矢ちゃん「いやだ〜。満男さんの手こんな柔らかい!
ほら私のと比べてごらん。肉体労働で鍛えとるけん」
満男「へへ〜〜、どれどれ」
と、おどけながら亜矢ちゃんの腕を掴む。
満男「固てえ!!ははは」
亜矢ちゃん「いや!ははは、いやだ〜〜」
亜矢ちゃん、笑いながら逃げる。
亜矢ちゃん「ふふふ」
笑いながら追いかけていく満男。
まあこのようにちちくってるわけです┐(´-`)┌
寅を乗せた小さな連絡船が島の入り江に入ってくる。
『あわしま − 詫間』
神戸(かんべ)浩さん初登場!!
寅、船から出てきて
寅「はあ・・この島か」
寅「兄さんよ〜」
神戸さん「はい」
寅「この島に飲み屋かなにかあるかい?」
神戸さん「ありません」
寅「・・・、こりゃ、長居は無用だ」
と、そそくさと村へ歩いて行く。
琴島観光の案内看板を見ながら、考えている寅。
この看板は山田組が撮影のために作ったもの┐(´-`)┌
あまりにもおおまかな観光案内図( ̄∇ ̄;)
この看板を見ながら、
寅「ん〜〜、こりゃ、ひとまわりすりゃ見つかるな」
寅、島の笹野高史おまわりさんを呼びとめ。
寅「おまわりさん」
おまわりさん「へえ」
寅「この島には泥棒いないかい?」
おまわりさん「いません」
寅「ごくろうさん」
と、かばんを長いすに置いて、歩いていく寅。
亜矢ちゃんと満男が村のセンター方面に向かって
海岸の一本道を歩いている。
亜矢ちゃん「はじめて会うた時よりだいぶ日焼けしたね」
満男「朝早くから外で働いてるからなあ・・」
亜矢ちゃん「この島の暮らし満男さんに向いとるんやないの?」
満男「いっそ、島で雇ってもらおうか。力仕事ならなんでもするから」
亜矢ちゃん「ふふふ、もう雇われてるやないの、ふふふ」
満男「あ、そっか、ふふふ」
満男の前方を男が早足で向かってくる。
寅である。
満男「・・・・!」
亜矢ちゃん「・・・??」
寅、村のおばあちゃんに「こんちは〜〜」と挨拶しながら、スタスタやって来る。
亜矢ちゃん「だれ?」
満男「僕の伯父さんだよ・・・」
亜矢ちゃん「え〜・・・」
満男「何しに来たんだろ」
と寅の方に向かう。
へらへら笑いながら小走りで満男に近づいてくる寅。
ポケットに手を突っ込みながら
寅「へへへへ、へへへへへへ」と、にやにや(*^▽^*)
満男「こんにちは」とお辞儀。
寅にっこにこで
寅「こんにちは、満男さん」
寅、亜矢ちゃんにニヤニヤ
満男「診療所の看護婦さんで亜矢ちゃんって言うんです」
寅「おー・・」
亜矢ちゃん「こんにちは。はじめまして」
寅「よろしく」
上田亜矢 本名フルネーム
満男と亜矢ちゃんに緊張が走る。
亜矢ちゃん「満男さん、私行く」
満男、頷く。「うん」
亜矢ちゃん「それじゃあ、私、失礼します」
寅「ごくろうさん」
亜矢ちゃん、お辞儀しながら、歩いていく。
寅、満男を見て、いろいろ察する
寅「両親の心配をよそに、
この孤島で可愛い娘さんと歌を歌っていたか。
さぞかし気が晴れただろうな」
満男「・・・・・」
寅「さ、支度して、伯父さんと一緒に柴又へ帰ろう。そうしよう。さ」
満男「なんだよ、おふくろに頼まれてオレを連れ戻しに来たのか?」
寅「左様です。
このせわしいスケジュールの中うまく工面してな」
さ、行こう」
寅は歩き始める。
満男「嫌だよ。オレ帰らない」
寅「・・・・」
満男「わざわざ来てもらって悪いけど・・」
メインテーマが静かに流れる。
頷く寅。
階段に腰掛け
寅「わけを話せ、わけを」
満男「もちろんはじめは、一晩か二晩で東京に帰るつもりだったんだよ。
だけど、あんまり親切にしてくれたから、
お花畑に肥やしを担ぐ仕事手伝ったんだ。
そしたら、とっても喜んでくれて、
『あれもしてほしいこれもしてほしい』って。
ほら、この島は年をとった人ばっかりだろ、
力仕事する人がいないんだよ」
寅腕を組んで「・・・」
満男「オレなんかが役に立つんだよ」
満男「朝、四時に起きて漁に出たりするんだ。
この新鮮な空気を吸いながら一日中働いてるとね伯父さん。
『ああ、オレは今生きてんだな』って・・・
そんな気持ちが心の底から沸いてくるんだよ」
寅「・・・・」
満男「ねえ、伯父さん、わかってくれよ、
今のオレのこの気持ち」
寅「結構毛だらけ 猫灰だらけ
おしりの周りはまけっけだ。
おまえ、東京帰らねえのか」
満男「すいません」
寅「伯父さんが頼んでもか?」
満男「断ります」
寅「しゃあねえなあ・・。
じゃあ、オレもここで泊まって
一晩おまえと語り明かすか。この忙しいのに」
満男「いいんですよ、伯父さんもう帰ってもらって」
寅「それじゃ、オレの顔が立たないんだよ。
満男が帰るの嫌だから、オレ一人帰ってきましたって
言えるかおまえ。子供の使いじゃねえんだぞ」
寅、立ち上がって
寅「さ、案内しろ」
満男「どこに?」
寅「旅館だよ」
満男「ないよ、そんなもの〜〜」
寅「おまえ、どこに泊まってんだよ」
満男「島の人の家だよ」
寅「そこは狭いのか?」
満男「狭くはないよ」
寅「オレも泊まれるんだろ」
満男「泊まれないこともないけど・・」
寅「誰がいるんだ、その家に」
満男「年寄りの爺さんと・・・あと・・・」
満男、葉子さんのことを思い出し、しまった顔^^;
満男「あと、もうひとり・・・・」( ̄∇ ̄;)
寅「はあ?誰だよもうひとりって?」
満男、スッと意識をずらして
満男「病人だよ」
寅「病人?・・・ったっくまあ、
とんでもねえとこへ来ちゃったなあ、おい」
寅「どっちなんだい、こっちか?」と指をさす。
寅歩き出しながら
寅「行こ行こ、ほら」
満男、追いかけて
満男「でもねえ、すっごい遠いよ、そこの家」
寅「遠いたってこれだけの島だ。
たかがしれてるじゃないか」
満男「凄いね、急な坂道を行くんだよ。
とっても疲れるよ」
寅、満男を見て、ニヤッとする。
満男、ビクッとする。
寅「おい・・・・おまえ、
なにか隠してることあるな」
オレがそこに泊まっちゃ、
具合の悪いことあるんだろ」大いにあります^^;
満男「そ、そんなわけないよ。行こうよ」
と寅の背中を押しながら歩いていく。
寅「ん?・・」と、ぎくしゃく。
満男「あ・・・籠忘れた」
と走って取りに行く。
寅、どうも怪しいなと言う感じの表情で
首をかしげながら歩いていく。
ここからまた
高見島ロケ。
急な坂を上っていくが寅はもうかなりヘロヘロになっている。
満男は寅をひっぱって歩く。
2015年5月の調査時に再現^^
坂道を満男の鍬の柄を持ちながら
満男に引っ張られて坂をヒーヒー上っていく寅。
寅「満男、・・・まだか・・・」
満男「もうすぐ・・・」
満男「もうすぐだよ・・・こっちこっち」
寅はもう限界でヨタヨタ。
寅「満男、ちょっと待てよおまえ」
さっきから・・もうすぐもうすぐって・・
どれだけ歩かせるんだオレのことを」
寅「そうしようそうしよう」
満男「探してくる」
と、走っていく。
寅、へとへとになりながら
寅「まいったなあ・・・・」
トンビの鳴き声
葉子のテーマが静かに流れる。
坂の上から
白い日傘をさして絣の着物姿の葉子さんが
坂をゆっくり下りて来る。
へたばってる寅の前で立ち止まって
葉子さん「こんにちは」
寅、立ち上がって
寅「こんにちは」
葉子さん「どちらかお尋ねですか?」
寅「さあ・・・・・どちらでしょうか??」ヾ(ーー )ォィ
葉子さん「は?・・・・・・・」
満男の声
満男「伯父さあ〜〜〜ん」
葉子さん、満男の声に反応する。
満男走って来て
満男「大丈夫みたいだよこの家でも、雨漏りしてないから」
葉子さんを見て驚く満男。
葉子さん「あ、あら、満男君の伯父さん?」
満男「はい、一応・・」
葉子さん「まあ・・・こんにちは」とお辞儀。
満男、寅にだけ聞こえるように近づいて、
満男「病人っていうのはこの人なんだ」
寅目がハートand緊張しながら
寅「バカな甥がお世話になっております」
葉子さん「いいえ、こちらこそいろいろ助けてもろうて。
まあ〜、満男君に会いに来られたの」
寅「・・・いいえ・・あの・・・
いろいろご迷惑かけてるんじゃないかなと思いまして」
葉子さん「それはそれは。 さ、どうぞ」
寅「はい」
満男焦って
満男「あ、お姉さん、どっか行こうとしてたんじゃないの・・・」
寅すかさず
寅「行かない行かない」ヽ(´o`; オイオイ
満男は、やべ〜〜〜って顔
葉子さん「買いもん。 あとで満男君に頼むわ」
満男、小さく頷く。
葉子さん「さ、伯父様」
寅きっぱりと
寅「はい!失礼します」とついていく。
満男、だめだこりゃ 的な顔┐('〜`;)┌
寅「いい島じゃありませんか」嘘コケ・・……(-。-) ボソッ
葉子さん「なんにもなくて」
寅「でも、そこが値打ちじゃありませんか」舌抜かれるで┐(-。ー;)┌
遠く後ろからオタオタついて行く満男。
葉子さん坂の上の家を指差し
葉子さん「そこなんですよ」
寅「立派なお屋敷だなあ」
大聖寺の和尚さんとすれ違う二人。
葉子さん「こんにちは」
和尚さん「もう、ようなったんか?」
頷く葉子さん。
寅がすかさず
寅「はい、おかげさまで」ヽ(´o`;
和尚さんふり返りながらいぶかしげな顔。
満男が寅のかばんを背中に担ぎながらヒーヒー上ってくる。
葉子さん「面白い方、ふふふ」
これは第32作同様のパターン。完全な一目ぼれで、
マドンナの家にすいすい葉子さんの父親の家に吸い込まれていく寅。
後ろから上ってきた満男が大戸をくぐろうとすると
寅がパシッと閉めてしまい、
満男がびくついて立ち止まる (T_T)
和尚さんもふり返って、驚く。
夕暮れが迫って来た琴島漁港風景
ここは志々島漁港ロケ
2014年5月調査
島民たちが寅について憶測をしている。
よね子おばちゃん「ほんなら・・・葉子ちゃんの旦那と違うな。
ほれ、パ・・トロンちうの?」
おまわりさん「いや、旦那・・というほどの貫禄はないけどの〜〜」( ̄∇ ̄;)正しい
よね子おばちゃん「ほんなら・・ヒモや」露骨^^;
おまわりさん「ヒモちゅうほどの顔でもない・・」(゜ー゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)ウンウン
神戸さん「ヒモってなんや??」^^;
よね子おばちゃん「ふんどしのヒモのようにつまらん男って言う意味や」
神戸さん「ふんどしのヒモなかったら落ちるか・・?」( ̄○ ̄)
みんな「はははは」
よね子おばちゃん「うるさいな!あんたは」
『ヒモ男』の語源としては、
独り身に見える女性をたぐっていくと、
最終的には情夫がいる「ひもがついていた」
といったところから来ている。
女性の裏に隠れて存在しているイメージがあるのだろう。
元々は「貢がせる」といった意味は含まれていなかった。
和尚さん走り下りて来て、
滑りそうになってみんなに支えられる。
おまわりさん「判明しましたか?あの男の身元」
和尚さん「わかったわかった〜、
満男さんの伯父さんやったわ」
よね子おばちゃん「ありゃ」
和尚さん「甥のことを心配してわざわざ来たんやて〜〜」
はるばる東京から」
おまわりさん「伯父さんかいなあ〜〜」
よね子おばちゃん「伯父さんやて・・はは」
和尚さん「ほんでな、あの人の歓迎と、葉子ちゃんの全快祝いを兼ねて
今晩みんなをお招きしたいゆうとんやあ」
おまわりさん「そらえーーーなあーー」
みんな拍手
和尚さん、よね子おばちゃんに
和尚さん「あんたのお、魚集めてあつめとけ」
よね子おばちゃん「はい」
和尚さん「それからのお駐在、ええ酒がないんやけどなあ」
おまわりさん「わかってます。
緊急用のモーターボートで丸亀行って
買ってきます」w( ̄▽ ̄;)wげ!!
和尚「よういうた!おまえも混ぜてやるけん」
おまわりさん「お、ありがとうございます」と、敬礼。
和尚「はよう行け」
おまわりさん「はい」
と自転車に乗る。
神戸さん「僕もまぜてください・・・」
和尚「まぜたる まぜたる」
おまわりさん、自転車漕ぎながら
おまわりさん「こりゃ楽しなってきたのお〜〜〜
♪こんぴらふねふね〜〜おいてにほかけてしゅらしゅしゅしゅうう〜〜か」
夜 葉子さんの父親の家
大宴会
♪こんぴらふねふね
あ、ちょtぽんがちょん
金毘羅船々(こんぴらふねふね)
追風(おいて)に帆かけて
シュラシュシュシュ
まわれば 四国は
讃州(さんしゅう)
那珂の郡(なかのごおり)
象頭山(ぞうずさん)
金毘羅大権現(こんぴら だいごんげん)
一度まわれば
葉子さんたちが徐々に早く踊っている。
寅もいっしょに騒いでいる。
谷よしのさんもはしゃいでいる。
葉子さんの踊りに鼻血が出るおまわりさん。
満男「あ〜・鼻血が出てるよ」
おまわりさん、手でぬぐいさろうとする^^;
♪
讃州(さんしゅう)
那珂の郡(なかのごおり)
象頭山(ぞうずさん)
金毘羅大権現(こんぴら だいごんげん)
一度まわれば
寅は葉子さんにビールを注いでやる。
寅「さ、じゃあ、いっぱいどう」
葉子さん「おおきに」
父親、突然立ち上がって 満男に何か言っている。
満男はおまわりさんの鼻血をふいてやってる^^;
葉子さん「お父さん、どうしたん?」
父親「タンゴ・・・」
満男「へ?」
父親強い口調でステレオを指差して
父親「タンゴ!!」
満男「あ、はい」
満男針をレコードに乗せる。
『奥さま お手をどうぞ』 がかかる。
ヨーロッパ一帯に広まったタンゴを、
アルゼンチン・タンゴに対してコンチネンタル・タンゴ、
つまりヨーロッパ「大陸のタンゴ」と呼ぶ。
この『奥様お手をどうぞ』はドイツ製のタンゴ。
ドイツの作曲家ラルフ・エルヴィンが作曲した
コンチネンタルタンゴの名曲「奥様お手をどうぞ」。
英題は「I Kiss Your Little Hand, Madame」という。
キスが入るんですね。^^
父親は葉子さんを踊りに誘う。
胸をポンと叩いて手を差しのべる。
踊りながら微笑む父親。
村人「笑とるわ」と驚く。
ダンスを踊り続ける二人。
よね子おばちゃん「上手やな、葉子ちゃん」
みんな見とれている。
回転しすぎてキャーっと寅に倒れこむ葉子さん。
父親は葉子さんの前でブレザーを脱いでおどけている。
さりげなく葉子さんにカーディガンをかけてやる寅。
村人たちも一緒に踊っている。
おまわりさんや谷よしのさんも踊り始める。
谷さんは、前を踊る笹野さんの腕が当たらないように
距離を微妙に保ちながら踊っている。
葉子さんも寅も手拍子しながら見ている。
葉子さんは、さりげなく寅の手の上に自分の手を置く。
葉子さんの手がのっかかっているので
寅はちょっとびびって、彼女のその手を見つめる。
葉子さんはさらに 二の矢を放つ
寅の肩にもたれかかるのいだった。
緊張する寅。
見てしまう満男。
葉子さんを見てしまう寅。
葉子さんは、今日会ったばかりの寅に対して
いくら寅が親しみのある好人物だとはいえ、
肩にもたれかかるなんて堅気のすることではない。
彼女もいわゆる玄人の水商売の女性だから
こういう行動に出るのかもしれない。
みんなの前でしてしまうところが軽率とも言えなくもない。
なによりも、渥美さん自体がもう動けなくなっているので
なるべく早い恋の展開にしたい監督さんの意向もあるのだろう。
しかし、晩期の作品はこの点が特に欠点で
物語のひとつひとつの階段無しにどんどんマドンナが寅を好きになり、
アプローチしていくのだ。
そして寅の良さをあえて「言葉」で説明しようとする。
これは、30作台以降に共通する脚本の弱さと言ってもいいかもしれない。
数日経って・・・
雨の日 港風景
会った初日に葉子さんにもたれかかられた寅。
例のごとく寅はマドンナにアプローチされると
その先のリアルなやり取りや面倒な堅気の生活が怖くなり
立ち去ろうとするのだった。
葉子さんの父親の家 玄関 大戸
満男が寅のかばんを持って大戸を開ける。
寅はどうやら出て行く気なのだ。
和尚さんとおまわりさんが大聖寺山門からそれを見ている。
和尚さん「満男さん、満男さん、それ、寅さんのかばんやないか」
2014年調査
満男「はい、伯父さん次の船で帰ります」
和尚さん「もう、いぬんかい え」
満男「お世話になりました」
和尚さん「さみしいなるのお」
和尚「満男さんはまだおるんやろ?」
おまわりさん、すかさず
おまわりさん「おるおる。おらいでどうする。
満男さんは看護婦さんと所帯持って
この島で暮らすんや。の〜〜〜」
満男怒って
満男「誤解ですよそれは。
僕と亜矢ちゃんのことをそんなふうに言うなんて」
満男坂を下りながら
満男「亜矢ちゃんに失礼ですよ〜〜何言ってんだ〜〜」
おまわりさん「怒りましたの〜〜」
和尚さん「怒った怒った」
おまわりさん「やっぱり、本気ですかいの〜〜」
和尚さんとおまわりさん満男の方を眺める。
っていうかさあ〜〜
満男がこの島に来てからまだ約2週間弱だろ
満男も寅も展開に無理がある┐(´-`)┌
父親の家の縁側
部屋を覗く寅
向こうの座敷で寝ている葉子さん。
寅は葉子さんへの挨拶を諦め・・・
父親に挨拶をする。
寅「おじいちゃん」
父親、船長帽を磨いている。
寅に気づいて
父親「おお」
寅「長い間世話になったな。あんまり長居して、
妙な噂が立つと、葉子ちゃんに悪いからよ。
オレはこのあたりで失礼するよ」
父親「帰るんか」
寅「ああ」
父親「ん・・まあ、座ってくれんか」
寅「へへ・・なんだい」
父親「君だけにはほんまのことを話すがの」
と、葉子さんの寝ている部屋をチラッと見て
父親「葉子は、わしが神戸の女に産ませた隠し子なんよ・・・」
寅、静かになんどか頷く。
父親「ほんまやったら・・わしを憎んで当たり前やのに、
どういうわけか・・ここへふらーーーっとやって来ては、
ゴロゴロして・・また帰っていきよる」
頷く寅
父親「いったい、何を考えとんのやろ・・・」
寅「オレのおふくろと言うのも
妾をやったような女だから
オレは葉子ちゃんの気持ちもよーくわかるんだ」
父親「・・・」
寅「あの子はな、親父(おやじ)がほしかったんだ。
淋しかったんだよ。
そんな気持ちをわかってやんな」
葉子のテーマがゆっくりと流れる。
父親「実はな・・・、わしには葉子の他に
何人にも子供がおるんやが・・・」屑やなこいつ┐('〜`;)┌
寅「他にもいるのか?」
父親、恥ずかしそうに頷く。
父親「取るもん取ってしもたら・・だあれも寄りつかん。
葉子だけがわしのことをな・・・」
寅、静かに頷いて・・・
寅「不幸せに育った人間ってのは・・
妙に情が深けえもんなんだよ」
父親ぐっと近づいて
父親「どうかの、寅次郎君
あの子がすっかりようなるまで、
ここにおってくれんか」
寅「ありがてえけれども、いつまでいてもキリがねえしな」
父親「頼んでもあかんか・・」
こっくり頷く寅。
寅「連絡船も来るころだし
オレはこのへんで失礼するよ」
父親が葉子さんを呼びに行こうという動作。
寅「いいんだいいんだいいんだいいんだ」
寅「葉子ちゃんはちょうど昼寝の時間だから」
握手を求める父親
寅「おお、握手か」
握手して
両手を添えながら
寅「じいちゃん、葉子ちゃんと仲よくな
・・・あばよ」
とにっこり笑う。
いつまでも寅を見る父親。
最後に手を振る寅。
父親も帽子を少し振る。
大聖寺山門
おまわりさん「出てきたな・・・」
番傘を差した寅が坂を下り始めて躊躇している。
家の大戸を見ている寅。未練があるのだ。
「はあ〜〜〜・・・・・」とため息をついて
意を決し、下りて行く。
その時
葉子さんの声
葉子さん「寅さああん!」
ピタッと寅の足が止まる。
三味線の音 ぺんぺん
葉子さん、こうもり傘を広げ、寅を呼び止める。
葉子さん「なんでえ!?
なんで黙って行ってしまうのー?」
三味線 ぺぺぺぺんぺんぺんぺんきゅん
寅「はじめてお会いしたあの日から
別れる時が来るのが
辛うございました・・・」
葉子さん「だめよお!行ってはだめ!!」
三味線 べんべん
寅「葉子ちゃん幸せになっておくんなさい。ごめんなすって」
三味線 ぺんぺんぺんぺんぺんぺんぺん ぺぺん
葉子さん「寅さん・・」
上から覗きこんでいる和尚とおまわりさん。
その時まさに 満男と神戸さんが坂を戻ってくる。
満男「おじさああん、連絡船欠航だって、波が高くて」
神戸さん「低気圧がはりだしてるから2,3日はだめです」
満男、バツが悪そうにしてると・・・
突然
にかああああと笑う寅の顔。( ̄∇ ̄;)
葉子さんここぞとばかりに
葉子さん「寅さん、戻ろう!」
寅おおはしゃぎで^^;
寅「戻りましょう!! さ!!」ヾ(ーー )ォィ
と、葉子さんの手を繋いで走って家の中に入ってゆく。
葉子さん、キャッキャはしゃいで大喜び。
ほわ〜〜〜っとその一部始終を眺めている
和尚とおまわりさん。
番傘を満男に渡して
ささ!っと大戸を閉めてしまう寅。
戸が閉まって満男呆然。
満男が閉め出しを食うのはこれで2回目┐(´-`)┌
呆然としながら 和尚とおまわりさんを見る満男。
小さく手を上げる和尚。^^;
必死で大戸を開けようとする満男^^;
雨の柴又参道。
郵便屋さんのスクーター
お!参道に雨・・
これは手紙かハガキの予感。
山田監督は雨の日に手紙やハガキを読ませるのだ。
三平ちゃん、カヨちゃんが昼ごはんを出されて食べている。
おばちゃんが味噌汁をよそっている。
庭を見ながら
おばちゃん「よく降るねえ・・・」
普通これだけ降ったら間違いなく庭の戸は閉めるだろ┐(´-`)┌
郵便屋さん「ゆうびんでーーーす」
さくら「はい。ごくろうさま」
郵便屋さん「はい」
さくら、寅のハガキをみつけて
さくら「おいちゃん!おばちゃん!
お兄ちゃんからハガキよ!」
おばちゃん「え?」
おいちゃん居間から身をのりだして
おいちゃん「どこにいるんだあいつ」
さくら「香川県琴島にて。! 満男とおんなじとこにいるのよ!」
会ったのよ、あの子と!」
と、顔がほころぶさくら。
おいちゃんおばちゃん寄って来る。
おばちゃん「えー?」
さくら「読むわよ。
『前略、都合があって帰れない。
満男も元気だ、心配するな
寅次郎』
なによこれえ〜〜!」
おいちゃん、さくらの持っていたハガキを持って
また読み始める。
おいちゃん「あいつは満男を連れ戻しに行ったんじゃねえかあ〜」
おばちゃんも座りながら
おばちゃん「電話一本かけてよこさないで、
4日も5日もハラハラさせといて、挙句の果てが
このハガキかよ!
まったく、何が心配するなだよ〜〜〜」
おいちゃん、おばちゃんにハガキ渡しながら
おいちゃん「なんの役にもたちゃしねえなあ〜〜」
おばちゃん「へったな字書いて」 字のうまい下手はどうでもいい^^;
さくら「!なにかあったのよ、きっと。
そのことの方が心配になってきた・・・」
おいちゃん「なんかって・・どんなことだ?」
さくら「見当つかないけど・・・」つくやろヾ(ーー )
おいちゃんおばちゃん顔を見合って「???」
さくら「このハガキ博さんに見せて来る」
と裏の工場へ急いでゆくさくら。
おいちゃん ため息。
そこへなぜか「ハマちゃん」こと
浜崎(ハマサキ)伝助が釣りの格好で登場!!
友情出演 西田敏行さん (クレジットなし)
ハマちゃん「コンチハ〜〜〜!!」
おばちゃん「あら、こんな日に魚釣りかい?」
ハマちゃん「ぜんぜんだめ、雨の日は 釣れんだけどねえ、
こんなでかいのがあ〜〜ブワッハハ!(▼▽▼)」
と両手を広げる。
おばちゃん「気楽でいいねえ〜〜〜あんたは」 しみじみ
おいちゃん「ろくなもんじゃねえや・・・」
この「ろくなもんじゃねえや」は、あのブルートレイン「瀬戸」での
満男を見た乗客(人見明さん)のつぶやきと重ねてある。
琴島
志々島 ロケ
祭りの神輿が置かれている。
祭りが近いらしい。
三富市国民健康保険 志々島診療所
琴島 祭りの準備
ロケ地的にはここは「志々島」
診療所の窓からの撮影
おまわりさんの声
おまわりさん「また(畑)行くの〜?」
満男の声「はい」
おまわりさんの声「あ〜、ごくろうさん^^」
おまわりさんが自転車で通り過ぎる。
隣が駐在所。
満男は亜矢ちゃんを見たくて 診療所の窓を覗き、
ぴょんぴょん跳ねる。
亜矢ちゃんの声「満男さあ〜〜〜ん」
亜矢ちゃん窓から身を乗り出して手招き。
亜矢ちゃん「お昼、一緒に食べん?お弁当作ってきたんやけど」
亜矢ちゃん今日の頂上作戦開始!( ̄^ ̄ゞ
満男「いいなあ〜・・」 デレデレ^^;
2015年5月調査
亜矢ちゃん「どこで食べよう?」
満男「ほら、あの丘の上、見晴らしがいいから」
亜矢ちゃん「わかった」
満男、歩いていく。
亜矢ちゃん「寅さんたちでかけたの?」
満男「うん、医者の許しが出たからって張り切って行ったよ。
金比羅参り」
亜矢「へえ・・・」
亜矢ちゃん 歌う
亜矢ちゃん「金比羅ふねふね〜〜♪」
仲多度郡琴平町
象頭山中腹
金比羅宮
御本宮の前からの讃岐平野 俯瞰
香川県琴平町の象頭山中腹に鎮座する神社
「金刀比羅宮(ことひらぐう)」の愛称が「こんぴらさん」
この神社は全国にある金刀比羅神社・琴平神社・金比羅神社の総本宮。
海上交通の守り神として信仰されており、
漁師、船員など海事関係者の崇敬を集める。
「さぬきこんぴらさん」で有名な金刀比羅宮は、
象頭山の中腹に鎮座し、古来より海の神様、
五穀豊穰・大漁祈願・商売繁盛など広範な神様として
全国津々浦々より、善男善女の信仰をあつめてきた。
参道口から御本宮までは785段、
奥社までは1,368段の石段があり、
参道には旧跡や文化財が多数ある。
このロケ導入部分の御本宮は、大社関棟造という独自の様式。
祀られている御祭神は、大物主神(おおものぬしのかみ)
コンチネンタルタンゴ 「奥さまお手をどうぞ」が流れる。
本宮拝殿で賽銭を投げ込む寅。
石段を785段登った海抜251メートルのところにある、
大社関練造、檜皮葺の壮厳な社殿。
ご祭神は大物主神と崇徳天皇。 農業、殖産、医薬など
広範なご神徳をもつ神様として広く一般大衆に親しまれている。
海の神様として特に有名。
桧皮葺、大社関棟造の社殿は明治11年に改築、
創立は遥か昔、大化の改新以前にまでさかのぼるとされている。
寅は拾った1円玉を投げようとしている^^;
一方葉子さんは
葉子さん、小銭いれ全部ひっくり返して
葉子さん「ええい、めんどくさい、
浅野内匠頭(あさの たくみのかみ)じゃないけど、
腹切ったつもり!
もってけ泥棒!!」
全部小銭を投げ入れた!
二拍手 手を合わせて拝む葉子さん。
寅も横でとりあえず拝んでいる。
1701年 3月14日江戸城松の廊下で播磨赤穂城主浅野内匠頭長矩(ながのり)が
高家肝匙(きもいり)(旗本)であった吉良上野介義央 (よしなか)に
突然斬りかかって傷を負わせた事件を発端として
直ちに長矩は捕縛され、即日切腹。
切りつけた原因は
浅野からの謝礼が少ないことに腹を立てた吉良義央が
朝廷への接待に対して意地悪くウソを教えたり、足を ひっぱたりした結果、
恥をかかされた長矩が腹を立て殿中で刃傷に及んだと言うことになってはいるが、
身内の接待担当の部下が自分の無能さを隠すために主君の浅野内匠頭長矩に
背後にいる助言役の吉良が悪いと言い続けたようである。
おぼっちゃまの浅野内匠頭長矩はなぜか信じてしまい。切れた。・・・らしい。
公文書がほとんど残されていないためこの事件から討ち入りまでのすべてが
推測がものすごく多いのもこの事件の特徴である。
そして、以後、赤穂浅野家五万石は取り潰しになる。
一方吉良家に対しては何のお咎めもなし。
これが赤穂旧藩士の不満が募り、後々吉良邸への討ち入りの 原因となる。
以下略^^;
ちなみに寅が「腹切ったつもり!」と言うが
浅野内匠頭長矩の切腹の実行は六つ時過ぎ(午前5時頃)、
当時の「形式」どおり、内匠守が白木の三宝の上に置かれた九寸五分の短刀に
手を伸ばした瞬間に一刀で首を打ち落とされたらしい。
まあ、だからこのころの切腹は腹切るのはポーズだったわけだ^^;
浅野内匠頭長矩 辞世
風誘う 花よりもなお 我はまた 春の名残を いかにとやせん
これは美しい歌ですね。
もちろん別の方が後に作っているらしいです^^;
以上余談。
葉子さん歩きながら
葉子さん「やけのやんぱち日焼けのナスビ・・・
それから?」
寅、追いかけてきて
寅「色が黒くて食いつきたいが」
葉子さんも「食いつきたいが」
葉子さん「あたしゃ入れ歯で歯がたたないよ!」
寅「そうそうそうそう」
葉子さん「覚えた!フフフ!」
寅「できたできた!」
石段籠
かごだけで20kg
籠やさん「お殿様の おとお〜〜〜〜り〜〜〜」
籠の料金
1段目から、365段目(大門)まで利用することができる
往復:6800円
上り:5300円
下り:3200円
寅「籠屋さん」
籠屋さん「はいよ」
寅「これはどこまで行けるんだい?」
籠屋さん「あの石段の下までですよ」
寅「具合がいいからよ いっそのこと高松までやってくれねえか。
なあ、葉子ちゃん」
葉子さん「せやねえ〜〜、ご祝儀弾むから」
高松琴平電気鉄道琴平線
名物 灸まん の看板
琴電車内
お土産を数えている葉子さん。ちょっと落として
葉子さん「ああ・・」
寅「なんでそんなにいっぱい買いこんだんだよ〜〜」
葉子さん「島の家全部に買わんといけないから。
確か34軒って聞いたんやけどなあ」
灸まん34箱┐('〜`;)┌ 凄い慣習やなあ・・。
全世帯に土産はナンセンス。
島の中の自分の地区内だで十分だろ。
葉子さん「寅さんにはあとで買うからね」
寅「いや、オレには買うこたねえ」
葉子さん「お礼がしたいんよ〜。
何がいい?シャツとか・・・靴とか・・・」
葉子さん、お金で感謝を表すことは寅には通用しないよ。
葉子さん借金だらけなんだから無茶使いするなよな・・……(-。-) ボソッ
寅 笑いながら
寅「へへへ、シャツは着ねえんだ」
と背広をはだけて見せる。
寅「靴ははかねえんだ」
と雪駄を手に持って見せる。
葉子さん「あら、ほんと」
と言いながら
背広の内側の浮世絵を見つける(*^▽^*)
寅、サービス精神で
背広の裏にある浮世絵刺繍を見せる。
寅「これか!!へへへへへへ」
数年前に渥美さんが40作台で使った本物の背広を
松竹さんに試着させていただいたことがあった。
刺繍が見える。
葉子さんも大笑い。
お遍路さんが見ている。
さて一方
満男と亜矢ちゃんは
島の高台の利益院
の階段でお弁当を食べ終わっている。
利益院はもう誰も住んでいない。廃墟となっていた・・・
満男のトレーナー universty school
ユニバシティ
亜矢ちゃん お弁当を食べた後、お茶を飲んでいる。
亜矢ちゃん「何考えとるの?さっきから」
満男「伯父さんたち今頃なにしてるのかな?って思ってさ」
亜矢ちゃん「おかしな人やね、ええ年した伯父さんのこと心配すやなんて」
満男 果物を食べながら
満男「いろいろあったんだよ。オレがガキん時から」
亜矢ちゃん「どんなこと?」
満男「美人に弱くってな。
よせばいいのにすぐ好きになって、
最後は必ずふられるんだから
一生あれで終わるのかなって思ってさ」↓の表参照
亜矢ちゃん「惚れっぽい人なんやねえ」
満男「向こうがその気だったこともあるんだぜ」
亜矢ちゃん「ほんと?」
満男「だけど伯父さんの方が逃げ腰になっちゃうんだ。
見てて歯がゆくってさ・・・」↓の表参照
車寅次郎のそれぞれの好きになった女性との相性表(あくまでも個人の意見です)
作品名 | マドンナ名 | マドンナの寅へのホレ度 | 寅のマドンナへのホレ度 | 相性 | 総合点数 | 寅の痛手度 |
第1作「男はつらいよ」 | 冬子さん | ● 30 | ● 80 | ● 50 | 160 ● | キツイ |
第2作「続.男はつらいよ」 | 夏子さん | ● 40 | ● 80 | ● 60 | 180 ● | キツイ |
第3作「フーテンの寅」 | 志津さん | ● 10 | ● 70 | ● 30 | 110 ● | キツイが立ち直りも早い |
第4作「新.男はつらいよ」 | 春子さん | ● 30 | ● 70 | ● 30 | 130 ● | ヤヤキツイ |
第5作「望郷篇」 | 節子さん | ● 30 | ● 80 | ● 70 | 180 ● | かなりキツイ |
第6作「純情編」 | 夕子さん | ● 20 | ● 70 | ● 40 | 130 ● | ヤヤキツイ |
第7作「奮闘編」 | 花子ちゃん | ● 60 | ● 70 | ● 60 | 190 ● | キツイ |
第8作「寅次郎恋歌」 | 貴子さん | ● 60 | ● 70 | ● 40 | 170 ● | 敵前逃亡ゆえのつらさ |
第9作「柴又慕情」 | 歌子ちゃん | ● 40 | ● 80 | ● 70 | 190 ● | キツイ |
第10作「寅次郎夢枕」 | 千代さん | ● 90 | ● 80 | ● 90 | 260 ● | 敵前逃亡ゆえのつらさ |
第11作「寅次郎忘れな草」 | リリー | ● 80 | ● 70 | ● 90 | 240 ● | 追い出してしまったつらさ |
第12作「私の寅さん」 | りつ子さん | ● 40 | ● 80 | ● 60 | 180 ● | キツイ |
第13作「寅次郎恋やつれ」 | 歌子ちゃん | ● 50 | ● 80 | ● 80 | 210 ● | せつなくヤヤキツイ |
第14作「寅次郎子守唄」 | 京子さん | ● 30 | ● 70 | ● 40 | 140 ● | ヤヤキツイ |
第15作「寅次郎相合い傘」 | リリー | ● 90 | ● 80 | ●100 | 270 ● | 敵前逃亡ゆえのつらさ |
第16作「葛飾立志編」 | 礼子さん | ● 30 | ● 70 | ● 40 | 140 ● | ヤヤキツイ |
第17作「寅次郎夕焼け小焼け」 | ぼたん | ● 80 | ● 70 | ● 80 | 230 ● | せつない&うれしい |
第18作「寅次郎純情詩集」 | 綾さん | ● 60 | ● 70 | ● 70 | 200 ● | あまりにもつらく悲しい |
第19作「寅次郎と殿様」 | 鞠子さん | ● 30 | ● 70 | ● 40 | 140 ● | キツイ |
第20作「寅次郎頑張れ!」 | 藤子さん | ● 50 | ● 70 | ● 60 | 180 ● | ヤヤキツイ |
第21作「寅次郎わが道をゆく」 | 奈々子 | ● 40 | ● 70 | ● 50 | 160 ● | キツイ |
第22作「噂の寅次郎」 | 早苗さん | ● 60 | ● 70 | ● 60 | 190 ● | ヤヤキツイ |
第23作「翔んでる寅次郎」 | ひとみさん | ● 30 | ● 50 | ● 40 | 120 ● | ヤヤキツイが仲人もする |
第24作「寅次郎春の夢」 | 圭子さん | ● 20 | ● 70 | ● 40 | 130 ● | ヤヤキツイ |
第25作「寅次郎ハイビスカスの花」 | リリー | ● 100 | ● 90 | ●100 | 290 ● | せつない&至福のラスト |
第26作「寅次郎かもめ歌」 | すみれ | ● 30 | ● 50 | ● 40 | 120 ● | ちょっとだけキツイ |
第27作「浪花の恋の寅次郎」 | ふみさん | ● 80 | ● 80 | ● 80 | 240 ● | キツイがラストで再会 |
第28作「寅次郎紙風船」 | 光枝さん | ● 60 | ● 70 | ● 80 | 210 ● | キツイ |
第29作「寅次郎あじさいの恋」 | かがりさん | ● 90 | ● 80 | ● 70 | 240 ● | 敵前逃亡に近いゆえのつらさ |
第30作「花も嵐も寅次郎」 | 蛍子さん | ● 30 | ● 60 | ● 40 | 130 ● | ちょっとだけキツイ |
第31作「旅と女と寅次郎」 | はるみさん | ● 20 | ● 60 | ● 30 | 110 ● | ややキツイ |
第32作「口笛を吹く寅次郎」 | 朋子さん | ● 90 | ● 90 | ● 80 | 260 ● | 敵前逃亡ゆえのつらさ |
第33作「夜霧にむせぶ寅次郎」 | 風子 | ● 50 | ● 50 | ● 60 | 160 ● | 別れは後味が悪いがあとで祝福 |
第34作「寅次郎真実一郎」 | ふじ子さん | ● 40 | ● 60 | ● 40 | 140 ● | ややキツイがほっともしている |
第35作「寅次郎恋愛塾」 | 若菜さん | ● 30 | ● 60 | ● 40 | 130 ● | ちょっとだけキツイ |
第36作「柴又より愛をこめて」 | 真知子さん | ● 40 | ● 70 | ● 40 | 150 ● | キツイ |
第37作「幸福の青い鳥」 | 美保さん | ● 30 | ● 50 | ● 40 | 120 ● | ちょっとだけキツイ |
第38作「知床慕情」 | りん子さん | ● 70 | ● 70 | ● 70 | 210 ● | 敵前逃亡ゆえのつらさ |
第39作「寅次郎物語」 | 隆子さん | ● 60 | ● 60 | ● 60 | 180 ● | ちょっとだけキツイ |
第40作「寅次郎サラダ記念日」 | 真知子さん | ● 60 | ● 70 | ● 60 | 190 ● | 敵前逃亡ゆえのつらさ |
第41作「寅次郎心の旅路」 | 久美子さん | ● 30 | ● 60 | ● 50 | 140 ● | ややキツイ |
第42作「ぼくの伯父さん」 | 寿子さん | ● 20 | ● 50 | ● 40 | 110 ● | ちょっとせつない |
第43作「寅次郎心の休日」 | 礼子さん | ● 30 | ● 60 | ● 30 | 120 ● | ちょっと同情 |
第44作「寅次郎心の告白」 | 聖子さん | ● 70 | ● 60 | ● 70 | 200 ● | 敵前逃亡ゆえのせつなさ |
第45作「寅次郎心の青春」 | 蝶子さん | ● 70 | ● 70 | ● 70 | 210 ● | 敵前逃亡ゆえのせつなさ |
第46作「寅次郎の縁談」 | 葉子さん | ● 70 | ● 70 | ● 70 | 210 ● | 敵前逃亡ゆえのせつなさ |
第47作「拝啓車寅次郎様」 | 典子さん | ● 30 | ● 60 | ● 50 | 140 ● | 人妻ゆえに身を引く |
第48作「寅次郎紅の花」 | リリー | ● 90 | ● 80 | ●100 | 270 ● | 恋の成就と心の置き場誕生 |
番外編(第16作葛飾立志編その2) | 絹代さん | ● 20 | ● 70 | ● 50 | 140 ● | キツイ |
以上、もちろんこれは私、吉川孝昭の個人的な見解ですのであくまでもシャレで見てください(^^)
亜矢ちゃん「・・・・じゃあ・・・
満男さんにも遺伝してんや。フフフ・・・」
( ̄□ ̄;)ギョッ
満男、びくっとして そーーーーっと亜矢ちゃんを見る。
さあ、いよいよ、亜矢ちゃんのジャブが炸裂し始めました!
亜矢ちゃんの
一の矢が放たれたあ!
満男「フ・・あ・・どういう意味だよ?」
亜矢ちゃん「さあ・・・」
と、何かを取りに行く。
満男は亜矢ちゃんの発言の意味を
考えて頭が混乱している。
亜矢ちゃん、ぱっと顔出して
亜矢ちゃん「ね、脱いで」
満男「え!!??」w( ̄▽ ̄;)w
亜矢ちゃん「トレーナー脱いでって言ってるの」
満男「どうして??」ねえ^^;
亜矢ちゃん、満男のトレーナーを引っ張りながら
亜矢ちゃん「ええから脱ぎなさいって」
満男「ちょっと・・わかったわかった。
・・・なんでえ・・・・」ねえ^^;
亜矢ちゃん「はやくう〜〜!」
満男「わかりました」と、
意味不明のまま(# ̄З ̄) ブツブツ言いながら脱ぐ満男。
亜矢ちゃん
後ろで隠し持っていた手編みのセーターを
パッと満男の前に出して
亜矢ちゃん「プレゼント!!」
満男「ええええ!!これ、手編み!??」ヽ(*'0'*)ツ
頷く亜矢ちゃん。
亜矢ちゃんの
二の矢が放たれましたあああ!!!
満男と出会ってから1週間以内に編み始めたとしても・・・
約1週間から10日で編み終わってるのか!
凄い熟練の技!!( ̄∇ ̄;)
亜矢ちゃん「着てみて!」
満男「うん」
満男着終わって
満男「うわ、これ、ちょうどいいよ」罠にはまった!!
亜矢ちゃん「よかったあ!」
亜矢ちゃん、満男のトレーナーを自分が着ながら大喜び。
満男、驚いて
満男「だめだよ!そんな汚いもの!」
亜矢ちゃん、満男のトレーナーの臭いをかいで
亜矢ちゃん「わあ、満男さんの臭い!」
満男「やめろよ〜!臭いから脱げって!」
亜矢ちゃん、階段を下りて逃げて行く。
満男「ちょっと待ってよ!」
満男はおいかけて行く。
満男、階段を下りながら
満男「ちょっと待ってよ!!ほんとに」
亜矢ちゃん「いや」
亜矢ちゃん、どんどん逃げながら 小屋の方に走って行く。
満男「汚いんだから〜〜」
亜矢ちゃん、逃げながら「いやだ、もらったんだもん」
とあらかじめ予定していたと思われる小屋に
逃げるふりをしながら満男を導く。
三の矢が放たれましたあああ!!
満男追いかけながら「頼むから」
と、亜矢ちゃんの罠にはまって行く。
追いかける満男。
亜矢ちゃんは、廃屋の奥まった部屋に入っていく。
ここからは↓実は大船のセット撮影
満男、足を引っ掛けて「痛い」って言いながら
亜矢ちゃんが入った奥まった部屋に入っていく。
満男「亜矢ちゃん!ちょっとだめだって〜〜」
亜矢ちゃん はしゃぐ
満男、脱げって
板が地面に倒れる
このあたりずっと大船のセット撮影
調査でわかったことだが・・・、実際にもこのような入り口も壁もあったのだ。
これももちろん大船のセット撮影↓
実際に現地にあったこのような部屋を真似して作ったのだろう。
急に静かになって
満男の声
満男「痛かった・・・??」
満男「ごめん」
亜矢ちゃんはうつむき後ろを向いている。
満男は亜矢ちゃんにくっついて肩を持っている。
無言の時間が流れて行く。
亜矢ちゃん、振り向いて
満男の顔を見て
満男に抱きつく。
亜矢ちゃん「好き・・・」
罠にはまった満男の理性は崩壊し
亜矢ちゃんの顔に頬を寄せ、
キスをする。
肩に手を回し、亜矢ちゃんも応じる。
亜矢ちゃん Mission Complete !!
亜矢ちゃんの完全な作戦勝ち。
うなぎの仕掛けに入ってしまったようなもの。
で、その時
よね子おばちゃん「満男ちゃああ〜〜〜ん!!」
満男「はい??」
よね子おばちゃん「どこにおる〜〜〜〜ん?」
満男、廃屋からから外に出て
満男「はい・・・」
ここから↓再び志々島でのロケ撮影!
手をふりながら
満男「あ、ここにいます、へへ」
2015年春 調査 誰も住んでいないので植物が覆い、ジャングルになっていた。
よね子おばちゃん「そんなとこにおったんなん?
昼からママカリ漁にいくんやけど、
手伝うてくれる?」
満男「はい」
満男廃屋の入り口で立っている亜矢ちゃんの方を振り向いて、
満男「おばさんが呼んでる、オレ行かなくちゃ、ごめんね」
頷く亜矢ちゃん。
満男の去ったあと、
一人たたずむ亜矢ちゃんだった。
よね子おばちゃんの声「なにしょったんな?」 ねえ(〃 ̄ω ̄)σぁゃιぃ
満男の声「いや・・・ちょっと寝ちゃって」 ┐(´-`)┌
満男は亜矢ちゃんのことを本気で好きなのだろうか。
亜矢ちゃんは好きなのは間違いないが・・・。
満男はどうだろうか。
好ましく思っているのは確かだが、本気かどうかは疑わしい。
亜矢ちゃんのあのような「罠」「作戦」にはまってあのような状況で
キスをしない男はいないだろう。
独身でかつ約束している婚約者がいない場合、
誰もが応じるだろう。
しかし、本気でないのなら、これ以上は危険なのだ。
それゆえ、
あそこでよね子おばちゃんに呼ばれたのは
満男にとって「救いの神」だったかもしれない。
よね子さんGJ!!
ちなみに
亜矢ちゃんが仕掛けた方法は
鰻の捕獲箱(竹編みもある)方式。
満男を細長い迷路のような行き止まりに誘い捕獲(抱擁とキス)に成功した。
鰻の捕獲とは下の図のごときものである。
入ったら出られないような形状をした道具で魚類を捕獲(トラップ漁法)
ウナギの仕掛けは筒状になっており、形状が特殊なためか各地で呼び名はいろいろ。
筌(ウケ)、モジ、筒、胴などなど。
竹で編んだものが一般的で釣具屋などの店頭で安価なものは
1000円以下で販売されている。
これらをウナギがいそうな淵、堰堤などに紐をつけて放り込んでおく。
餌にはミミズや鮎の内臓などを入れるが、
箱の中にそのまま放り込むとたまに流されてしまうので、
箱の中に網袋を入れたり、仕切りをつけたりするなどの工夫をする場合が多い。
仕切りをつけておくと一度ウナギが獲れても餌が食べられていないので
再度その餌を使えるという利点もある。
亜矢ちゃんの場合 餌は「満男のピンクのトレーナー」
満男(鰻)は必死でその餌を欲しくて追いかける。
Michitoshi Hayashi さんのHPより掲載させていただきました。
このような竹製もスタンダード。
話を元に戻そう。
栗林公園(りつりんこうえん)
香川県高松市にある県立の都市公園(歴史公園)、日本庭園
高松松平家が5代にわたり100年以上をかけ造営を行い、
18世紀半ば、第5代藩主松平頼恭の時代に完成、
「栗林荘」の名で高松藩別邸として使われた。
明治4年(1871年)、廃藩置県によって明治政府の管理下におかれた後、
県立公園になり一般に公開された。
昭和28年(1953年)には国の特別名勝に指定された。
公園名に「栗林」と付くものの、完成当初から園内の樹木はマツを主要としている。
名の由来となったクリの林は、最初は北門付近に存在していたが、程なく伐採された
葉子のテーマがゆったり流れて行く。
葉子さん「ね、寅さん寅さん、こっちにあげて」
寅大きな餌をほりこみながら
寅「ほれ!これくえ〜〜!これくえ〜〜!」
葉子さん「あ、ははは」と、はしゃいでいる。
お客さんたちがわいわい餌を食べる鯉を見ている。
茶店で休憩する寅と葉子さん。
讃岐手打ちうどんの店
ガイドさんがツアー客を案内している声がする。
ガイド「お客様こちらでございますよ。
園内の中で一番大きな太鼓橋でございます。
・・・・・・中略
絶景でございます。
絶景かな絶景かな余は満足である・・・」
葉子さん「人ごみにいるとほっとするわ。
静かな島も悪くないけど・・・」わかるわかる。
寅「神戸の店のことが気になるんだろ。
あんた経営者だから大変だな」
葉子さん「もうええの。あのお店のことなんか」
寅「そうはいかねえだろ、女将なんだから」
葉子さん「ほんとはね、寅さん
お店はとっくにに売ってしもうたの。
残ってるのは借金だけ」
寅「え・・」
葉子さん「はぁー・・・・」
葉子さん「うち、馬鹿だから、
欲出して銀行からお金借りて店広げたりして
それがこの不景気でどうにもならんようになってしもうて・・
夜逃げするみたいに、島に来たの・・」
お父さんの顔見たら、あとはもうどうでもええ、
死んでもかめへん、
それこそやけくそ。
やけのやんぱちひやけのなすび
そんな気持ちやったんよ・・・」
寅「んーーー、そんな苦労があったのか」
まあ、葉子さんの未来に待ってるのは・・・
数千万円単位の借金を返せるわけがないから、
破産宣告だろうなあ・・・。
それしかない。
葉子さん「でもねえ・・・
お父さんのそばで毎日毎日波の音聞いてたら
思いつめてた気持ちが、風のように消えてしもうてね・・。
そんな時よ
寅さんに会うたんわ」
寅「坂の上から、日傘さして、あんたが下りてきたっけ・・・」
葉子さん「そう、一目会うた時、
あーこの人ならなんでも話聞いてもらえるわ。
そう思うたんよ」
あんな出会い方で、
あんな急激になかなかそこまでは思えないけど
物語が薄い分、山田監督も言葉で説明するしかないのだろう。
寅「オレは毎日面白おかしく生きてりゃそれでいい人間だから」
葉子さん「寅さんみたいな人もおるのねえ・・
どうしてもっと早う会わんかったんやろう」
と、急須を持ってきて お茶碗に注ぐ葉子さん。
寅「オレもそう思う」
葉子さん「ね、なんかプレゼントさせて」
葉子さんお金で買えるものなんてしれてるよ┐(´-`)┌
寅「着ない」 だよな^^
葉子さん「着ない・・・」
葉子さん「ネクタイは?」 見てわからんかヽ(´o`; オイオイ
寅「締めないな」
葉子さん「コート」
寅「羽織らない」
葉子さん「じゃあ・・・・温泉にでも行く?」
寅「オレ、風呂には入らねえ」
葉子さん「もう!意地悪〜〜〜!!」
と手をつねる。
寅「あいたたたたた」
ガイドさん
「鯉が三千匹おります。ちょうど鯉がささやかな恋をしております」ヽ(´o`; オイオイ
そっぽを向く葉子さん。
瀬戸内海
瀬戸大橋を渡る寅と葉子さん。
なぜにここを船で^^;
小柳ルミ子が歌う 「瀬戸の花嫁」が流れている。
いっしょに歌う葉子さん。
1972年4月に発表された小柳ルミ子の4枚目のシングル。
小柳ルミ子としては「わたしの城下町」に次ぐヒットとなった。
♪瀬戸は日暮れて 夕波小波
あなたの島へ お嫁に行くの
途中から歌いながら照れる葉子さん。
瀬戸の花嫁
山上路夫作詞・平尾昌晃作曲
瀬戸は日暮れて 夕波小波
あなたの島へ お嫁に行くの
若いと誰もが 心配するけれど
愛があるから だいじょうぶなの
だんだん畑と さよならするのよ
幼い弟 行くなと泣いた
男だったら 泣いたりせずに
父さん母さん だいじにしてね
岬まわるの 小さな船が
生まれた島が 遠くになるわ
入江の向うで 見送る人たちに
別れ告げたら 涙が出たわ
島から島へと 渡ってゆくのよ
あなたとこれから 生きてく私
瀬戸は夕焼け 明日も晴れる
二人の門出 祝っているわ
寅はにっこにこ^^
瀬戸大橋 京阪フィッシャーマンズワーフ
1988年の瀬戸大橋開通から開園し、2011年全面閉鎖。
瀬戸大橋真下。
夕日が二人を照らしている。
満男のカニ漁あとの航路と寅たちの観光船の航路↓
琴島 夕暮れ風景
さくらの家
満男から電話。
さくら「満男!?本当にあんた満男なのね」 オレオレ詐欺か^^;
いったい何してたの今まで〜〜〜。どうして連絡しないの!?」
満男の声「オレね、明日帰るから」
さくら「明日帰る?」
さくら博を見ながら
さくら「ほんとに、帰るのね」
博が聞き耳をたてている。
さくら「お兄ちゃんも一緒?」
琴島 いせや雑貨店 の前で
ロケ地は志々島
赤電話
満男「伯父さんは残ると思うよ。
一応説得はしてみるけどね。
無理じゃないかなあ〜〜」
いせやの中で
よね子おばちゃんたちがお酒を飲んでいる。
満男「わけ?わけは、
つまりいつものパターンだよ」
あんまり言いたくないなあ〜
想像つくだろ母さん」
さくら「なんのことかわかんないわよ」
わからない??w( ̄▽ ̄;)!!うそおおお
えええ、うそやろさくら、
毎回毎回同じパターンなのに┐('〜`;)┌
さくら「もしもし」
満男「とにかくオレ一人で帰るから」
さくら「そんなこと言わないで一緒に連れて帰ってよ〜〜」
満男「切るよ」
さくら「え・もう切るの?」
満男「うん」
さくら「あ、じゃあ明日待ってるからね」
受話器置いたあとも、
「いつものパターン」の意味を考えているさくら。
あまりにも鈍感。これは演出がさすがに不自然(;^_^A
さくら、博に
さくら「なんだろ、いつものパターンって・・・」
博「うん・・・・・」
さくら ため息
さくら「!!」
さくら「あら・・・・」
博も同時に
博「ええ!!」
二人顔見合わせて
博「恋か」
さくらと博 ようやく腑に落ちて
二人してため息
琴島
葉子さんの父親の家 満男たちの部屋
新しいシーツを敷いてあげている葉子さん。
満男が帰って来る。
葉子さん「お帰り」
満男「ただいま」
葉子さん「寒うなったから掛け布団出してたの」
満男「すいません」
葉子さん「寅さんは?」
満男「祭りの相談とかでまだ飲んでます」
葉子さん「あ、そう」
葉子さん障子を閉める
満男「おやすみなさい」
満男、着替えでズボンを下げようとする。
外で葉子さんの声「満男君・・・」
満男あわててズボンを上げて^^;
満男「はい・・・」
葉子さん、満男がズボン上げてるのを見てちょっと照れて
葉子さん「あんたに・・・一度聞いてみたかったんやけど・・・」
満男「はい・・」と、座る。
葉子さん「寅さん、本当に独身?」
満男「そうですよ」
葉子さん「離婚した奥さんがいるの?」
満男「いません」
葉子さん「じゃあ・・ずっと一人?」
満男「そうですよ」
葉子さん「どうして?」
さあ、もてないからでしょ
と、すすっと障子戸がすべって
満男がひっくり返る。
このひっくり返りは
第2作「続男はつらいよ」と第5作「望郷編」と
第38作「知床慕情」のアレンジコント。
葉子さん座って
葉子さん「満男君 男の魅力はね。
顔やお金じゃないんよ。
あんたまだ若いから寅さんの
値打ちがわからんのよ〜」
満男「じゃあ、お姉さんわかるんですか?」
葉子さん「わかるわ」と
満男「伯父さんどんな魅力があるんです?」
葉子さん「そうねえ・・温かいの。
それも電気ストーブのような暖かさじゃのうて
ほら、寒い冬の日、お母さんが、かじかんだ手を
じっと握ってくれた時のような・・。
体の芯から温まるような・・温かさ」
満男「お姉さん、・・・伯父さんのこと好きなんですか?」
静かに頷く葉子さん。
満男「だったら伯父さんと・・・
結婚してくれればいいじゃないですか」
葉子さん、驚いて
葉子さん「え?」
満男「一目会った時から
伯父さんはお姉さんに恋をしてるんだ。
伯父さんの胸の中はお姉さんのことでいっぱいなんですよ」
ただ、何十辺も失恋して、
自信がまったくないから口に出せないんです」
葉子さん下を向いて「・・・・・」
満男「お姉さんみたいな人が
伯父さんのお嫁さんになってくれたら
柴又にいるオレのおふくろなんか
泣いて喜ぶと思うんだけどなあ〜」
葉子さん、しばらく沈黙の後立ち上がって
怒った顔になる。
満男「怒っているんですか・・・?」
葉子さん「そんなことはね、
本人の口から直に聞きたいの。
あんたみたいな寅さんの良さがちっともわかっとらんような
青二才から聞いたってなんにもうれしゅうない、
余計なおせっかいよ!」
満男下を向いて
満男「どうもすいません」
葉子さん、去って行く。
そこへ寅が戻って来る。
寅「あ、はは・・・」
葉子さんと庭で出会う。
葉子さん「おかえり」
寅「いやあ〜、島の連中は酒強いねえ〜。
すっかり酔っ払っちゃった フフフ」
葉子さん「ごくろうさま」
満男はそっと部屋から聞いている。
寅「じゃ、お休み、へへ」
部屋に向かう寅。
葉子さん呼び止めて
葉子さん「寅さん」
寅「はい」
葉子さん「ほら、月がきれい」
寅「はあーー・・・ほんとにきれいだ」
寅「今まで、月なんて・・・」
葉子さんはそっと行ってしまう。
満男はそっと障子戸を閉める。
寅が寝床の部屋へ入って来て
寅「なんか話をしたのか?葉子ちゃんと」
満男「オレ・・・あの人を怒らせちゃった・・・」
寅「何 言ったんだい・・」
満男「伯父さんはあなたに恋をしてるんですよって
そう言っちゃったんだ」
寅「えええ・・・・」( ̄∇ ̄;)
寅、ちょっとおろおろして 嫌がり
寅「そしたら・・な、なんて言ったあの人」
満男、たじたじしながら
満男「余計なおせっかいだって」
満男よ
葉子さんが言った
寅の良さ「お母さんの温もり」
の発言もちゃんと伝えろよな。
動揺している寅。
満男「オレ、ほんとにバカなことを言っちゃったな。
酔ってたんだな」
寅「いやだなあ・・・・は・・」だよなあ〜〜
メインテーマがゆっくり静かに流れる。
満男「伯父さん許してください。
でも、もし伯父さんのあの人へプロポーズしたら
あの人はきっと・・・」
寅「うるさい!!
オレはな明日の朝一番の連絡船で帰るからな」
満男「僕も帰ります」
寅「おまえはいいんだよ!
おまえはこの島に残って、
あの看護婦の姉ちゃんと
いちゃいちゃいちゃいちゃしてりゃあいんだよ」
もとこもない・・・┐(´-`)┌
満男「そんな言い方ってないだろ」
満男悲しみの中で 電気を消す。
満男布団にもぐりながら
満男「自分がふられたからって・・
なにもそんな言い方しなくたって・・」
満男布団の中で「ちくちょう・・冗談じゃねえよ〜」と悔しがる。
翌朝 船着場
寅と満男はそっと家を抜け出して、
逃げるように島を出るようだ。
神戸さんがしゃがんでいる。
四国香川県詫間からの連絡船
志々経由粟島行きの(あわしまー詫間)が着く。
亜矢ちゃんが連絡船でやって来る。
亜矢ちゃん神戸さんに
亜矢ちゃん「おはよう」
神戸さん「おはよう」
亜矢ちゃん満男に気づく。
笑顔が徐々に消えていく亜矢ちゃん。
深刻な顔の満男。
寅も気にしている。
下を向いてしまう満男。
かもめの鳴き声がさわがしい。
呆然と立つ亜矢ちゃん。
意を決して亜矢ちゃんの前に進む満男
満男「オレ・・・東京帰る…」
満男を見る亜矢ちゃん。
満男「いつまでもここにいたいんだけど・・・
そうもいかないんだ・・・」
亜矢ちゃん泣きそうになっている。
満男「就職のことなんかあるから・・」
亜矢ちゃん「そう・・・・」
亜矢ちゃん、我慢し切れず
亜矢ちゃん「他にわけがあるんでしょ」
亜矢ちゃんの言った「わけがある」
亜矢ちゃんが思うこと。2パターン
@ 亜矢ちゃんの告白を受け入れられない満男が逃げる。
A 他に満男には意中の女性がいる。
まあ普通考えれば@ですねえ(T_T)
満男、図星なので何も言えない。
亜矢ちゃん、みるみる泣き顔になる。
満男を払いのけて
走る。
橋で止まって。
涙がとめどもなく出てくる亜矢ちゃん。
そして走り去っていく。
亜矢ちゃんに扮する小手寅さん GJ! (T^T)
その姿を見て
寅は満男に
寅「おまえはもうちょっとここへ残ったほうがいいんじゃないのか?」
満男、自分に言い聞かせるように首を何度も振る。
船に乗り込む満男
堤防の道を走って行く亜矢ちゃん。
神戸さん「寅さん」
寅「おう」
神戸さん「船、出しますよ」
寅「そうか。。。兄さんも達者でな」
乗り込む寅。
動き出す船
手を上げて
神戸さん「さよなら」
徳永英明の「最後の言い訳」が流れる。
作詞 麻生圭子
作曲 徳永英明
寝たふりがこんなに
つらいことだとは
今落ちた滴は
涙だね
そして君が出て行く
夜明けを待って
暗闇が恐い君のことだから
いちばん大事なものが
いちばん遠くへいくよ
こんなに覚えた君の
すべてが思い出になる
誰からも君なら
好かれると思う
心配はいらない
寂しいよ
無理に僕のためだと
さよならの理由
思ってる君だからせつなくて
いちばん近くにいても
いちばん判り合えない
こんなに愛した僕の
すべてが言い訳になる
いちばん大事なものが
いちばん遠くへいくよ
こんなに覚えた君の
すべてが思い出に
いちばん近くにいても
いちばん判り合えない
こんなに愛した僕の
すべてが言い訳になる
いちばん大事なものが
いちばん遠くへいくよ
いちばん近くにいても
いちばん判り合えない
いちばん大事なものが
いちばん遠くへいくよ
2015年5月 個人宅にお邪魔して取材。 完全に同じ構図にしてみました。
葉子さんの父親の家
葉子さんが満男たちの部屋の障子戸をゆっくり開ける。
葉子さんが灰皿にはさまれた置手紙を手にし、
そして
静かに読んでいる。
南天の赤い実がなっている。
満男のナレーション
満男の筆跡
長い間 お世話になりました。
またあらためて お礼の手紙を書きます。
さようなら
車寅次郎
諏訪満男
この俯瞰の中で
神戸さんが細かい芝居をしてくれている。
船は防波堤を巻いて行く。
満男は落ち込んで下を向きっぱなし。
寅は腕を組んで葉子さんのことを考えている。
左前方の防波堤を見る寅。
驚いた様子で
満男の肩を叩く。
防波堤を見る満男。
驚き、立ち上がって―。
今にも叫びそうになっている。
なんと亜矢ちゃんが満男のトレーナーを振りながら
防波堤を沖に向かって走ってくる。
防波堤の端がかなりせまくなりそこでスピードは落ちる。
亜矢ちゃんはその細い防波堤の上をそれでも歩き
先端近くまで行く。
亜矢ちゃん「満男さーーーん!!」
防波堤を巻く連絡船。
満男力の限り手を振り叫ぶ
満男「亜矢ちゃーーーーん!!」
泣きながら
亜矢ちゃん「さようならああーーー!!」
泣きながらも健気にトレーナーを振り続ける亜矢ちゃん。
満男気が動転して、泣きながら
満男「伯父さん、オレやっぱり島に残るよ!」
寅「バカヤロ!!
男は諦めが肝心なんだ!」それはあんただけヽ(´o`; オイオイ
満男「ううう・・・」と泣き崩れる。
ついにうずくまって 泣き崩れる亜矢ちゃん。
手を振る寅。
下を向いて泣き続けている満男。
亜矢ちゃんが小さくなっていく。
亜矢ちゃん涙の別れ船ルート再現動画!
簡単に見れる瀬戸内ロケhttp://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/setouti1.html
簡単に見れる瀬戸内ロケhttp://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/setouti2.html
簡単に見れる瀬戸内ロケhttp://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/setouti3.html
簡単に見れる瀬戸内ロケhttp://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/setouti4.html
四国 香川県 高松市 高松城天守閣
中央に横たわっているのは童話『桃太郎』で登場する「鬼ヶ島」のモデルと言われている女木島、
その右には映画『喜びも悲しみも幾歳月』の舞台となった灯台で知られる男木島。
その向こうには大きな豊島。
向こうに小さく横長に見えるのは瀬戸内の島々と本州です。
中央通り
第29回 高松祭り (さぬき高松祭り)
毎年8月12日から14日に行われている祭り
なぜか夏祭りが晩秋の11月に行われているのは大人の事情ということで(((^^;
祭りを観ている寅と満男。
去っていく寅
寅「オレは商売があるからこれで別れるがな
おまえは無事に家に帰って、
ちゃんと就職してさくらたちを安心させるんだぞ」
寅「じゃあな」
満男「でも、伯父さん!」
寅「ゆめゆめオレのような遊び人になるなよ。あばよ」
満男「ちょ・・ちょっと待って・・」
どんどん去っていく寅。
人にさえぎられてなかなか進めない寅。
満男「伯父さん」
背中のまま手を上げる寅。
テキヤ仲間が寅に次々に挨拶をして行く。
寅も手を上げて挨拶。
さぬき高松まつりのフィナーレを飾る恒例の「総おどり」
琴島
ロケはこのシーンは高見島
お祭りが始まっている。
葉子さんが買った魚を容器に入れて歩いている。
よね子おばちゃんが声をかける。
よね子おばちゃん「葉子ちゃん、淋しいなったな、寅さんと満男ちゃん
一緒にいなくなってしもて・・・」
葉子さん「おばちゃんも不自由やね〜これから」
よね子おばちゃん階段を下りながら
よね子おばちゃん「ええ子やったのになあ・・」
軽く頷きながら葉子さんも歩いていく。
葉子さんの父親の部屋
船が遠く通っていく。
海を見ている父親
祭りの笛太鼓 と 船の汽笛。
葉子さん父親のそばに座って
葉子さん「お父さん・・・長い間お世話になりました。
そろそろ神戸に戻るわあ」
父親「神戸かあ・・・・・」
葉子さん「またそのうち来るから」
机の横から2つの大きな封筒を取り出して
父親葉子さんに渡す。
父親「開けてみい」
葉子さんひとつの封筒開けて
葉子さん「これ、ここの土地の権利書やないの・・・」
と驚く。
もうひとつの封筒も開ける。
そこには株券がおおよそ14枚〜18枚ほど・・
葉子さん「お父さん・・これ・・」
父親「もう、それしか残っとらん。
みんなおまえにやるけん、お取り」
父親「おまえ・・・困っとるやろ」
葉子さん「お父さんどうして・・それ」
父親「うん・・寅次郎君が・・言うてくれたんや」
父親「あー、気いつかんですまんことしたな」
と印鑑や証書を渡す。
印鑑を受け取る葉子さんの手を握る父親。
葉子さん「うち、要らんのに・・・こんなもん」
お茶を飲む父親
泣き出してしまう葉子さん。
テーブルにうつぶせになり
葉子さん「うううううう」と嗚咽。
祭りの子供神輿の声と笛
葉子さんの嗚咽が続く。
この高見島の高台にある家の実質の価格は
当事からもうすでに坪数千円に近いとは思う。
超過疎の島の場合、せめて港のすぐそばならまだ買い手が付くが、
急な坂道がある島の上手にあがって行けば行くほど
誰も新たに住むことはないだろう。
家屋はもちろんゼロ円だが、
土地もたとえ80坪あったとしてもせいぜい200万ほどだろう。
実際の取引は100万程度かもしれない。
2015年5月ロケ地取材↓葉子さんの父親の家跡地。
父親の家は奥も少しあるのでまあイメージとしては80〜90坪ほどかと思われる。
株券(15枚ほど)はもちろん銘柄によっても株数によっても価値はかなり違うが
あの父親は株で儲けてるやり手の感じではないので
まあせいぜい多くても全部で500〜700万程度ではないだろうか。
結局土地は間違いなく200万以下(へたしたら100万以下)。 株券も500万ほどだとしたら
葉子さんの抱えている大きな借金を返せる額の半分にもならないと思われる。
銀行のお金で神戸の料理屋を拡大(おそらく姉妹店を開店したのだろう)してしまって
潰れ、夜逃げしてきたのだから、最低でも2千万とか3千万の借金はあるはず。
父親のくれたものでは到底返済は無理。
おそらく、今後神戸で破産宣告の手続きに入っていくと思われる。
大きな財産を持っていては破産はできないので
当面はこの父親の財産を受け取ることはできないのかもしれない。
ただし、
破産開始決定後に新たに得た財産というのは、
破産手続きの中で処理されることはないと思われる。
こちらはもちろん相続によって得た遺産であっても同様の取り扱いがされる。
積み重なった借金は、
破産の手続きがそのままスムーズに進めば免責決定によって支払い義務がなくなる。
贈与ではなく父親の死後の相続が賢い受け取り方なので、
父親が当面は持っていた方がいいと思われる。
もちろん、後に相続した遺産は破産後であるならば、すべて手元に置いておくことができるのだ。
つまり、葉子さんの父親からの相続が開始する前に
すべての自己破産手続きを終えてしまうのが一番理想的。
もちろん、父親が公的な遺言書を作成し、土地の権利書と株券はすべて
坂出葉子一人に相続させると記載してもらうことが必須。
なんせこの父親には子供が何人もいるそうだから^^
満男を乗せた飛行機が瀬戸内上空を飛んでいる。
ANA 全日空 東京羽田行き 634便
女木島と男木島が見えている。
手前は高松の港。
機内乗務員さんがお客さんに応対している。
飛行機は なぜか、西に戻って
瀬戸大橋が映るw( ̄▽ ̄;)wワオッ!!
櫃石島と岩黒島が見える。
手前は広島の倉敷地区のはずれ。
その向こうには左から 大きな本島 向島 長島 六口島
本島の向こうには大きな広島 その右横は手島
柴又 夕暮れ 題経寺屋根が遠くに見える
さくらの家
鍋料理をほぼ食べ終わっているさくらと博。
さくらが時計を見ながら満男が戻って来るのを待っている。
玄関の引き戸が開く。
満男の声「ただいま」
はっとするさくら。
博食べてる箸を置き、
とりあえず急いで広告の紙を見てるふり。^^;
洋服の超特価大感謝祭
靴を脱いだ満男
高松名物の「灸まん」を水屋の上に置いて
満男「お土産」
すっと2階へ上がって行く。
さくら、急いで廊下へ出て
さくら「み、満男、ちゃんと顔を出して挨拶しなさいよ。
お母さんたちこんなに心配してんのに」
満男、しぶしぶまた階段下りて
さくらに深々と頭を下げながら
満男「どうもすいませんでした」
すぐにまた上に上がって行く。
さくら、ちょっと不満気に台所に戻り
さくら「なんだろ、あの態度・・・」
博は怒って
博「片付けちゃえ、食わせることなんかないんだ」
さくら、お土産の「灸まん」を手に持っている。
博怒りながらまた夕飯を食べる。
さくら、ふと大事なことを思い出したように
階段を見上げて
さくら「満男!お兄ちゃんどうしたの?」
満男の声「失恋した・・・・」
さくら「・・・・・・・・・・」
失望の念を隠せないさくら。
寅はふられてはいないんだけどね。
いつもの敵前逃亡。
満男は二階の自分の部屋で
亜矢ちゃんの写真を取り出す。
いったい あの短い期間でいつ誰が撮影し
どこで焼いたのだ??
あんな島には写真屋ないし・・・。
多度津で亜矢ちゃんが焼いたんだろうけど。
素早いなあ^^;
これは寅に会う直前 いつカメラを?
これはキスの時の服装 いつカメラ??
あ!!なんと・・・
この黄色いトレーナーは物語の流れて的に不可能。
やばいっす。↓
港での別れの時の亜矢ちゃんの服装と満男のピンクトレーナー
別れの時に写真を撮ってもう焼いている??
これは絶対に無理だし、こんなにニコニコしているわけないし・・・
結局ロケ撮影のスナップを使っちゃったんですね〜〜。
春の夢でマイケルが持っていたさくらの写真と同じくらい不可能┐('〜`;)┌
この履歴書で
満男の生年月日がわかった!
昭和45年 10月10日 当事23歳
この0,5秒の間で
さくらの家電話番号もわかる。
とらや(くるまや)の家電話もわかる。
満男の小学校の正式名称もわかる。
満男の中学校の正式名称もわかる。
高校の正式名称もわかる。
もちろんこの作品第46作「寅次郎の縁談」限定の真実であって
他の作品では小学校の名前や高校の名前は
違う名前の時もあった。作品ごとに一話完結なのだ(*^▽^*)
昭和45年10月10日 23歳 東京都生まれ
葛飾区立東柴又小学校 卒業
葛飾区立桜道中学校 卒業
東京都立南葛飾高校 卒業
ちなみに過去の作品では
小学校は
名前が出るたびに「柴又小学校」だった。
この第46作「寅次郎の縁談」だけなぜか「東柴又小学校」
満男の小学校がしっかり出てくる第18作「純情詩集」でも
柴又 満男の小学校『柴又小学校』とある。
正式名称は映像的には『葛飾区立柴又第二小学校』(実際は架空の小学校)
映画では校門に実際の住所「金町3丁目44−1」が見える。
場所的には江戸川土手が校庭から見える。
ロケでの本当の名前は『葛飾区立金町小学校』
第31作「旅と女と寅次郎」の時も小学校の運動会準備風景が映るが
その時のロケも第18作「純情詩集」の時と同じく『葛飾区立金町小学校』を使った。
金町3丁目44−1
中学校は
映画では過去に中学校の名前は出てこないが
第35作「恋愛塾」冒頭付近
満男が下校する中学校正門が映る。
その時のロケ地は
実際同じ柴又の「桜道中学校」正門でロケ。
で、この第46作「寅次郎の縁談」でも
ロケ地の学校の名前をそのまま使って
「葛飾区立桜道中学校」
高校は
満男は「葛飾高校」だった。
いずみちゃんもそう言っている。
ただ・・・
第26作「かもめ歌」ですみれちゃんが通う「東京都立葛飾高校定時制」
これは「南葛飾高校の定時制」がロケとして使われた。葛飾区立石六丁目。
「なんかつ」の名前でサッカー漫画などで知られている。
もちろん地元でも「なんかつ」だ。
満男の通う「葛飾高校」が映るのは第39作「寅次郎物語」からだ。
しかし、実は「葛飾高校」というのは現在葛飾区にない。
満男の高校のロケは葛飾区亀有にある「東京都立葛飾野高校」。
第42作「僕の伯父さん」から第44作「告白」までの
思い出のシーンもロケは葛飾野高校だった。
もっとも
「葛飾野高校」はほんの一時期旧制の「葛飾中学」から
名前が移行した昭和24年には「葛飾高校」になったようです。
その後名前が変わり、今に至っている。
つまり満男の通っていた高校は旧「葛飾高校」でもあったわけだ。
まあ、この履歴書はほんの一瞬(0,5秒)だったので
今日まで誰もわからなかったってわけだ。
39作 42作 43作 44作 では満男の高校は葛飾高校だったのに
なぜこの第46作「寅次郎の縁談」だけ南葛飾高校にしてしまったのか。
ほんの一瞬0,5秒なので見えないからなんでも書いちゃったのかな。
実際かなり上手にストップかけないと映像が止まらない。
私も20数年気づかなかったのだから・・・。
大学は
満男の通う八王子のこの「城東大学経済学部経営学科」
実は八王子の「東京薬科大」 ロケ
あ、住所と電話番号も読める。
さくらの家は 柴又5丁目37番2号
03−3657−4489
くるまやは 柴又7丁目7番3号くるまや
03−3657−4588
住所は今までも玄関に取り付けられていたり
複数の作品で見ることが出来る。
もちろんそれぞれ違う住所だったりする┐('〜`;)┌
一話一話が別の設定なのだ。
何度も言うが、このシリーズは一話完結の要素もあるので
あくまでもこの第46作「寅次郎の縁談」限定の
満男の経歴であり、住所であり、電話番号なので
ご理解いただきたい。^^;
ある日の朝
満男は面接の予定らしい。
さくら「面接通知のハガキには10時って書いてあったの。
もう出ないと間に合わないんだけど..
声かけようかしら・・・」と
時間を気にして腕時計を見る。
博「ほっとけよ〜。
あいつの人生については、
あいつに責任があるんだよ。
そのことを、思い知らせてやる必要があるんだ」
さくら「そんなこと言っても〜・・・」
博「頼むから、手を出すなって・・・」
と新聞を読む(ふり^^;)
さくら「・・・・」
2階のドアが開く音
二階を見るさくら。
階段を下りる音
満男がスーツを着て下りて来る。
さくらを見て
満男「行って来ます」
玄関には
モディリアニ「ジプシーの女」
さくら、廊下の方を見て、博を見る。
博は満男の格好見ている。
さくら玄関まで行き、
面接に行くのね」
満男「うん」と靴を履いている。
さくら「ねえ、ご飯は?少しでも食べていったら?」
満男「いらない」
博立ち上がって廊下へ行き
博「満男、ちょっと待て」
と、言って
箪笥を開けてネクタイをすばやく選ぶ
さくらの声「ね、ハンカチ持ったの?」
博、玄関まで来て
博「そのネクタイよくないからこっちにしろ、おい」
満男「うん」
今までのネクタイをはずす満男
首に新しいネクタイをかけてやる博。
さくらは玄関にしゃがんで汚れた靴を磨こうとする。
さくら「こんな汚い靴葉履いて・・・」
と布できれいにする。
満男「もう行くよ」
と靴を再度履き始める。
戸を開ける満男
博「満男、・・・・・がんばれよ。
心にもないことなんか言うことないんだぞ」
ありのままの自分を見せればな」
さくら、博を見ながら頷いている。
さくら満男を見る。
博「それで不合格なら構わないんだ!」
さくら「そう」 と満男を見る。
満男「わかった」
と外へ出て行く。
歩きながらネクタイを締めている満男。
さくらも道にまで出て見送る。
さくら「いってらっしゃい」
満男、振り返って手を振る。
さくら安心したにこやかな顔で見送っている。
小さく頷いているさくら。
諏訪博の表札が見える。
お昼 題経寺 二天門前
さくらが江戸川土手から「うなぎの宮川」前を曲がって
題経寺の前を歩いている。
冬子さんがオレンジのタクシーで自宅へ戻ろうとしている。
トヨタ カローラ
足立56 あ 12−27
第1941 太陽自動車
太陽タクシー(チェッカー無線) チェッカータクシー
太陽156
初乗り 600円
お近くでもお気軽にどうぞ。
東京都葛飾区四ツ木5−5−18 tel:0120-081-892
60余年の歴史を誇る太陽自動車は、
業界大手のチェッカーグループに所属するタクシー会社です。
現在タクシー車両を244台保有し650名の乗務員さんが活躍中です。
うなぎの宮川が映っている。
冬子さん「さくらさん〜〜」
さくら「あらあ〜〜〜〜、お帰りになるの?」
冬子「ええ〜」
源ちゃんが荷物やお土産を後ろのトランクに入れている。
冬子「今夜主人が戻って来るもんですから」
さくら「そう。御前様いかが?」
冬子さん「ええ、元気よ〜
今朝も寅ちゃんの
お噂してたの〜〜('-'*)フフ」
笠智衆さんが亡くなられた後も
映画の中で御前様は生き続けていることが
はっきりわかるシーン。
ちょっと照れて微笑むさくら。
冬子さん「ね、さくらさん、遊びに来てやってちょうだい」
さくら「はい、いろいろご報告もありますから」
冬子さん「じゃ、私急ぎますので」
とタクシーに乗り込む冬子さん。
冬子さん「みなさんによろしくね」
さくらお辞儀をしながら
さくら「はい。どうも」
さくら「どうも」
冬子さん、源ちゃんの方を向いて
冬子さん「ごくろうさま」
さくら「失礼します〜〜〜」
冬子さんも後部座席からお辞儀。
源ちゃん「ほら、危ない危ない。
おばちゃんも危ないからどきな〜〜
危ないからこっち来ときなよ」
と通行人に指示。
一方寅は・・・・
香川県高松市牟礼町牟礼
第八十五番札所 八栗寺 参道
横をケーブルカーが走っている。
高松市牟礼町牟礼にある真言宗大覚寺派の寺院。
四国八十八箇所霊場の第八十五番札所。
樫原福善商店(手作りよもぎ餅の店)
手作りよもぎ餅の文字。
草鞋もぶらさがっている。
塩あんも出来ます。
赤電話でさくらに電話している寅
寅「おう、あ、さくらか、オレだよ。フフ
満男無事帰ったってな、うんよかったよかった。うんうん」
十円玉入れながら
寅「えー、いやや〜、
どっか寄り道でもしてるんじゃねえかって心配してよ
うん、へへ・・・オレと違うって?ハハ そりゃそーーだ
ハハハハ」
柴又 とらや
電話
さくら「いろいろありがとう。
うん、今日はね、就職試験に行ってる」
小さな会社だけど、あの子なりに何か考えたんだと思うわ」
八栗寺 参道
電話
寅「大丈夫。うん、合格するよ」
あいつは頭もいいしな、
人間も素直だしうん。
必ず、社長に気に入られるよ」
柴又 とらや
電話
さくら「うん、そうかもしれないね」
おいちゃんが、台所から
暖簾を手で上げて聞いている。
さくら「ねえ、お兄ちゃん
瀬戸内の島でいったい何があったの?」
あの子なんにも話してくれないのよ」
八栗寺 参道
寅「そうか、何も言わなかったか・・」
メインテーマがゆったりと流れる。
寅「うん、オレはな、
あいつのそういうところが気に入ってんだよ。
よし!就職したら伯父さんとしては背広の一つくらい
作ってやるか フフ」
寅「そうとなったら稼がなきゃならねえやな。
おお、こりゃ大変だな、こうしちゃいられねえや。
そいじゃあまた連絡するから。
え?ああ、わかったわかったうん」
と、電話を切る。
隣をケーブルカーが下って行く。
坂を下っていく寅。
お遍路さんたちが「般若心経」を唱えている。
『般若波羅蜜多心経』(はんにゃはらみったしんぎょう
・・・・・・・
三世諸仏、依般若波羅蜜多故、
得阿耨多羅三藐三菩提。
故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、
是無等等呪、能除一切苦、真実不虚
三蔵法師がインドから持ち帰った経典を漢語に訳し、
600巻ほどにまとめた大般若波羅蜜多経が有名です。
この大般若波羅蜜多経のなかから、空の思想に関する部分だけを抜粋し、
まとめたものが般若心経なのです。
正月
東京 柴又 江戸川土手
よっちん おかべ 満男 がとらやに向かっている。
凧揚げ
獅子舞
おかべがやっこ凧を揚げるのを手伝ってやってる。
おかべ「よし、走れ」
よっちん「お、いねえ」
柴又 とらや
おいちゃんが正月のお土産タオルを配っている。
おいちゃんお釣りを渡しながら
おいちゃん「ありがとうございました。
これ、今年もよろしくお願いします」
お客さん「ありがとうございます」
カヨちゃん「先ほどのお客様です」と
レジのおいちゃんに千円を渡す。
おいちゃん「はいはいどうも」
おいちゃんレジに千円しまっている
ポスター↓
和・生菓子折詰
こがね餅
草だんご詰合せ
各種取り揃えてございます。
くるま菓子舗
満男たち店に入ってくる。
満男店先で
満男「ちょっと待ってて」
よっちん「うん」
おかべが軒先でマイケルギャグをかましている。
頭を打ちそうになっている。
さくら「カヨちゃ〜〜ん」
と団子が乗ったお盆を渡す。
カヨちゃん「はい」
満男 「母さん、何の用だよ〜」
さくら「ちょっといらっしゃい」
と台所へ導くさくら。
ちょっと階段上を見る。
満男、座敷のタコ社長を見て
満男「おめでとうございます」
タコ社長「おめでとうございます。
今年はいよいよ社会人だね」
ちらっと二階を見るさくら。
さくら、やや怒りながら満男に、
さくら「ちょっとここに座んなさい」
と自分も座る。
満男「なんだよ〜〜・・・」
と座る。
博がさりげなく階段上を見ている。
満男「早く用を言ってくれよ。
あいつらと遊びに行くんだからさ〜〜」
階段を着物姿and割烹着の女性がそっと下りて来る。
さくら「私たちがこんなに一生懸命働いてんのに
あんた手伝おうともしないの?」
階段から女性台所に着地する。
満男気づかないまま
満男「いいじゃないかよ、
学生時代最後の正月なんだぞ〜〜〜」
さくら、後ろからのカメラではあるが
にやにやしているのが頬の動きでわかる^^;
頬だけで見せるのはいい演出。
満男「なに?わざわざそれ言うために呼んだの?」
とため息。
さくら、かなりにっこにこの頬。
あくまでも後ろからのカメラ。
満男の背後にやって来る女性。
満男さくらを見ながら
満男「????」
満男の目をパッと隠す女性の手。
満男「あれ、・・・だ、だれ??」
第27作「浪花の恋の寅次郎」での浜田ふみさんの
行動と全く同じパターン。
第27作では被害者は寅だった。
あの時の松坂慶子さんは若く可憐な女性だったが
今は色気があって貫禄もあるいい女になっている。
目隠しをされた満男は、手を持って女性の方を見上げる。
女性はパッと手を広げる。
満男の顔が華やいで
満男「あれ!!お姉さんどうして!!??」
葉子さん「寅さんに会えるかと思って来たんやけどねえ。
でも、満男君がいてよかったああ〜〜〜」
満男、博たちの方を見てニッコニコ
葉子さん満男に抱き付いて
葉子さん「懐かしい〜〜〜〜!!」
満男たじたじになって
パッと離れてしまう。
さくら大笑い。
満男「お姉さんどうして割烹着なんか着てるんですか?」
葉子さん「あんまりお店が忙しそうやから、
うちもお手伝いしようかと思うて。満男君も働いたら??」
満男「はい!もちろん、そのつもりで来たんですよ」ヽ(´o`; 寅か
博呆れている。
葉子さん クスクス笑ってる。
この、マドンナが混んでいる店を手伝う設定も
「浪花の恋の寅次郎」のまま^^
満男「働こ・・・」と店の方へ急ぐ。
満男の声「いらっしゃいませ〜〜〜」
博「バカ・・・」と言いながら年賀状を見ている。
満男、よっちんと岡部に
満男「お団子ですか、お客さん」
よっちん「何言ってんだよ早く行こうぜ」
満男、お土産用のタオル手で持って
満男「あ、これ、お年玉です!」
岡部「なんだよこれ・・・」
満男「今年もよろしくお願いします」と店の外に追い出す。
満男「あの、お店混んでますから、また今度」
岡部また頭 入り口で打つ^^;
二人「え、え?」
満男お辞儀しながら
満男「どうもありがとうございました!」
二人、気迫に押されて
お辞儀してすごすご駅の方へ去っていく。┐('〜`;)┌
このシリーズで第42作からひたすら満男にドタキャンされ
こけにされていた岡部とよっちん。
長い間お疲れ様でした〜〜〜。
お客さんたちが席を立つ。
葉子さん、ぱっとやって来て
葉子さん「ありがとうございました」
ささっと、お客さんのお皿を片付ける。
おいちゃん「すません、恐縮です。助かります」
葉子さんにっこり。
カヨちゃんもさっとやって来て
カヨちゃん「あ、私やりますから」と手伝う。
葉子さん「満男君フキンちょうだい、そこにあるやん、
早よ早よ!」
カップルが入ってくる
葉子さんすかさず
葉子さん「いらっしゃいませ、どうぞ」
とさっきまでのテーブルにすぐに案内。
満男の声「三平ちゃんここいくら?」
葉子さんの声「なになさいますか?」
お客さんの声「草団子2皿」
葉子さん「はい!草団子2皿!」
三平ちゃん「はい!」
タコ社長と博が酒を飲みながら満男の豹変に驚いて笑っている。
博「お恥ずかしい・・」
タコ社長「ははははは」
おまえらも働けよ!(-_-メ)
とっくりのお酒がなくなって
博がさくらに合図
博、くそ忙しいんだから自分らの酒くらいおまえが自分でやれよ!(▼▼)
さくら、素直に言うこと聞いて空いたお銚子を手で振って確かめる。
寅の年賀状
寅の声でナレーション
新年おめでとうございます。
思い起こせば旧年中は恥ずかしきことの数々、
私 深い反省の中に新しき年を迎えております」
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
車寅次郎 拝
香川県 小豆島 土庄
富丘八幡神社
土庄 双子浦を望む。
ここは、双子浦八幡山とも呼ばれる由緒ある神社。
応神天皇と神功皇后を祀っていて、応神天皇来島の旧跡地であり、
応神天皇が小豆島への巡行にあたり、
丘に登って島の美しさをたたえたという伝承がある。
また、馬場と呼ばれる広場があり、
秋祭りにはたいへん賑わう。
10台ほどの太鼓台が馬場に集まり担きくらべる。
また、桟敷席(さじきせき)というべき席があり、
段々に区画があり、家々で場所が決まっていて、
地域の人でないと桟敷席を持つ事ができない。
太鼓と共に
獅子舞を舞っている。
ほいほいほいほ〜〜〜〜い!!
富丘八幡宮
正月吉日 氏子中
の登り旗が風にひらめいている。
長い階段の登り口で啖呵バイをする寅とポンシュウ。
今年はワンダフルな年に。
犬のぬいぐるみ2000円より。
ポンシュウはS.スピルバーグ提供の
ジェラシックパークより直輸入恐竜を
売っている。ヽ(´o`; オイオイ嘘八百
ビニール恐竜800円
寅手で犬の置物を持ちながら
寅「さ、これだ!
ちっちゃいワンワンちっちゃいワンワン!」
よし!もうこうなったら
オッキイワンワンもほとんどおまけしちゃおう!!」
あ、寅置物一つ倒して下に落ちた!!
気づかぬふり^^;
NGでなかったんだね^^;セーフ
寅「さあ、おっきいワンワン・・・・」
そこへ・・・
見覚えのある顔。
寅、ふと声を止める。
なんと晴れ着姿の亜矢ちゃん!!
and新しい彼氏^^;
彼氏「だれ?」
寅「あれ?・・・フフ・・・お姉ちゃん
琴島の看護婦さんじゃねえか!?」
亜矢ちゃん、確信を得て
亜矢ちゃんにっこにこで
亜矢ちゃん「おじさん!
何しとお、こんなとこでえ〜」
寅「フフ、ごらんの通り、
恥ずかしながらこれがオレの稼業だよ」
と手をポンと叩く。
亜矢ちゃん「はあ・・・」と納得して頷く。
寅「フフフ・・・なんでえ・・・
新しいボーイフレンドか?」
と興味津々^^;
こそこそしゃべってる寅^^;
亜矢ちゃん大いに照れて
亜矢ちゃん「何言うとお、『新しい』やなんてえ」
と、言いながらも幸せいっぱいの表情。
寅「わかってんだよわかってんだよ」
寅、大きなハスキー犬持たせて
寅「さ、二人にプレゼントだ」邪魔やろこんな大きいのヽ(´o`; オイオイ
亜矢ちゃん「いや、こんなもん・・・」
寅「いいんだいいんだ。
持っておいき持っておいき」
と無理やり持たせる。
亜矢ちゃんけっこう喜んで
亜矢ちゃん「すんません」と
新しい彼氏の方へ戻っていく。
寅「フフフ うん」
大きなハスキー犬は
新しい彼氏に渡す亜矢ちゃん。
メインテーマがゆっくり流れ始める。
亜矢ちゃんと新しい彼氏 寅にお辞儀して
階段を上っていく。
ハスキー犬邪魔やろ。┐('〜`;)┌
寅、亜矢ちゃんに
寅「幸せになれよ〜〜〜〜〜」
亜矢ちゃんたち振り返って
亜矢ちゃん「ありがとう!!」
新しい彼氏「どうも」
寅手を振りながらにっこにこで
寅「ああ」
w( ̄▽ ̄;)wワオッ!!
彼氏の手にハスキー犬がないぞ・・・・。
左手にコートは持っているがハスキー犬とコートは
片手では持てないはず。
ま、白いコートと保護色になっているんだろう。(ということにしておこう^^;)
寅、天に向かって
寅「満男!!
おまえはまたふられたぞおお!!
ざまあ見ろ!!」
寅、パーンと手を叩いて
寅「さあ!!
やけのやんぱち
日焼けのナスビ!
色は黒くて食いつきたいが
あたしゃ入れ歯で
歯が立たないよ!ときた!
どうだいこの大きいやつ!
これなんかもう
ただ同然の値段で売っちゃおう!!
さあ!手にとって見てやってください!」
階段下から初詣の人々が次々に上がってくる。
メインテーマ 盛り上がって
梅の花を手前に 双子浦の絶景。
小さくオレンジや黄色い風船が空に舞う。
終
1993年12月25日公開
上映時間 104分
観客動員 216万2000人
配給収入 15億7000万円
同時上映 『釣りバカ日誌6』。
さあ、次回はいよいよこのシリーズで
唯一「本編」を未だ掲載していない
第47作「拝啓車寅次郎様」です。
早ければ2017年2月中旬に前半をアップします!
この第47作が掲載されると
ダイジェストも含めて、全48作品がとりあえず揃います。
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