お気楽コラム 【 寅次郎な日々 】 たぶん…一週間に一度くらいアップかな… ![]() 【柴又日記】 その29 柴又と金町全ロケ地めぐり 地図つき 相合傘のリリー、怒りの鉄拳から 満男の自転車泥棒まで ― 柴又界隈拾遺集 2011年6月16日 寅次郎な日々 その493 地震被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。 多くの犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。 この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。 柴又に住んでいて買い物と言えば実は柴又では不十分。 高砂は柴又とそう変わらない。 やはり常磐線も通っている金町が賑わっている。 芸大に通う息子も上野校の時は京成だが、取手校の時はもちろん金町から常磐線。 だから学校帰りに用事を頼むこともしばしば。 私も時間があれば金町へ行く。 ついでに中央図書館で本を借りたりもする。 金町の中央図書館は新しく大きくそれは使い勝手がいい。 本の数、システム、サービス、施設、全て申し分無い。 自宅から自転車で10分というのも嬉しい。 特にサービスは東銀座にある松竹の図書館に負けないくらい素晴らしい。 どんな質問や疑問にも一生懸命に答え、そして最後まで手伝ってくれる。 で、そういう意味で金町に行くたびにデジカメで現場を写してはいた。 それゆえ、もうずいぶん前に金町ロケ地めぐりは終わらせていたが、 なかなかここ1ヶ月以上その時々の旬の話題が続き、 アップする余白の時間が無かったのだ。 金町ロケでちょっと厄介だったのは、第18作の文房具の啖呵バイの場所だったが、 ここは地元の強みで、商店街の人に聞いたらあっという間に解決。 全部回るにはやや時間がかかったので、 何日間かに分けてめぐったが、結構当事の面影が残っている場所もあった。 とにかく、金町は初期から晩期までロケ地の宝庫だ。 お隣だということ、そして常磐線が走っていることもあって街が賑やかで絵になるので ロケが頻繁に行われたということだ。 あの原田由紀ちゃんのボーイフレンドもウィーンのマダムも金町出身。 同じお隣でも反対側の高砂はロケはゼロ。話題にも出てこない。 あそこはどちらかというと住宅街。 ここから本題 さて金町ロケを簡単に箇条書きして行くとこうである↓ 柴又街道から順番に北上して行こう。 第15作「相合い傘」リリーを待つ柴又6丁目バス停 第46作「縁談」博が朝日印刷のライトバンでとらやに戻ってくるところ。柴又八幡神社前 第48作「紅の花」寅とリリーの旅立ちと三平ちゃんエイトマンの走り 第43作「休日」満男の裏切りと柴又街道自転車急ぎ漕ぎ 第2作「続男はつらいよ」 金町中央病院 第16作「葛飾立志編」寅の啖呵バイ 金町すずらん通り 第8作「恋歌」」寅の啖呵バイ 金町 第8作「恋歌」寅の啖呵バイ 金町 第9「柴又慕情」の駅前の林不動産 第20作「頑張れ!」 金町ルノアール横 東金町 第43作「休日」満男の電話と自転車無断拝借 地図で表すとこうである。↓ ![]() 金町駅前エリア↓ ![]() さて、まずは柴又街道の柴又6丁目バス停から。 柴又街道のバス停がスクリーンに映る。映画では第17作でちらっと「柴又帝釈天」のバス停が 映るが、これはあまりにも参道に近いので当たり前の場所。 もう一つある。金町から行くと「柴又帝釈天」の次のバス停。「柴又6丁目」だ。 もっとも映画では「柴又3丁目」とさくらが言っていた。実際は「柴又6丁目」 第15作「相合い傘」でリリーが酔っ払いに怒りの鉄拳をぶつけたあのシーンだ。 ここはちょうど参道からほんの少し南、交番のそばである。 ここはもろ柴又で、金町ではないが、一応柴又街道なのでここを出発点とする。 棲家を失ったリリーを一晩アパートに泊めてやるさくら。 このバス停、実は松竹スタッフが作ったもの。 実際のバス停はもう少し南(50メートル先)にある。 この作られたバス停の前にある洋服店の人に当事のことを伺った。 なんとこの洋服店でスタッフキャストが休憩しながら長い時間をかけて偽のバス停を作り バスが来るたびにリハーサルを何度もし、ようやく本番撮影したそうだ。 ![]() さくらが待つ向こうに柴又郵便局が見える。 これで私はロケがここだとわかったのだ。 ![]() 同じような時刻、さくらが立っていた場所から撮影。 郵便局の建物は建て替えられているが小物たちは今も同じ! この道は私が夕飯の野菜などを買うスーパーがあるルート。 ほぼ毎日通る。 ![]() バスを下りてどこへ行ったかは不明だったが、次のシーンをよく見ることで解明! 下の↓画像をよく見ていただきたい。 酔っ払い客の背後になんとあの柴又郵便局がわずかに見えるではないか!。 ![]() つまりさくらたちはバス停からすぐに右に曲がったのだ。つまり土手の方へ歩いていった。 (当事さくらのアパートは柴又駅線路近く(4丁目)なので本当はまったくの間逆^^;) ![]() で二人が角の洋服店横を歩いていると、 ![]() ![]() そのすぐ横で すぐに酔っ払いにからまれる。 この時表札「イシハラ」がうっすら見える↓ ![]() ![]() なんと今もある! ![]() この表札を過ぎた瞬間に男がさくらに抱きつくのだ。 そしてご存知リリーの怒りの鉄拳! (*▼▼)=◯)`ν°) ![]() リリーの背後にトタンが貼ってある店が見える。 それがこの店↓ なんと理容店だったのだ。 お店は当事とほとんど変わっていなかった。 あのトタンもかなり錆びてはいるが健在(^^) これでようやく誰も落とせなかった難関不落だったあの第15作でのリリーのビンタの場所が この時解明されたのだ。 柴又街道郵便局向かいから東にたった30メートルほど。 ![]() ドアの様子も当事と同じ ![]() さっそく理容店の方に聞いてみる。 ご主人ははっきりそのロケを覚えていらっしゃって 夜のまだ浅いうちにこの店を撮影のために閉めてほしいと頼まれたそうだ。 浅丘ルリ子さんがちょうどこの店の前で酔っ払い男にビンタしたんですよ。って伝えると 驚いていらっしゃった。 このお店はそれからもずっと外も中も模様替えをすることなくやってこられたそうだ。 ![]() ビンタをした後、リリーとさくらは急いでその場を立ち去り角を曲がる。 その角には映画では「佐藤」という家が映っていた。 理容店のご主人が「佐藤さんなら、今もその角に住んでいるよ」っておっしゃられた。 これで全部決まったな… ![]() 現在の曲がり角(佐藤さんの家)。向かいのアパートは白い家に変わっていた。 柴又街道から東に約70メートルほど。 ![]() リリー怒りの鉄拳ロケ地を後にして、 さて、柴又街道に70メートル戻ろう。 柴又街道を金町方向に歩いて行く。すぐに田中家とえびす家が見えてくる。 ここは当然帝釈天参道が左右に横切っているのでもう数え切れないほどのロケだらけ。 それゆえここは無視。 で、えびす家を過ぎて柴又街道を金町の方へどんどん歩くと1分以内に左に踏み切りが見える。 その柴又街道横踏み切りの向こうに【柴又八幡宮】がある。 柴又八幡神社境内の古墳埴輪がたくさん見つかった場所だ。あの寅の顔をした顔で有名。 ![]() その「柴又八幡宮」を朝日印刷のライトバンに乗った博が、通過する。 第46作「寅次郎の縁談」で、博が寅を東京駅に送ったあと戻ってきたシーンだ。 ![]() 今もほとんど同じ風景。 ![]() 映画では、えびす家の看板を曲がって行く。 ![]() 今もまったく同じ看板がある! ![]() 実は…この看板を曲がっても、参道のとらやとは関係がない道。かえって遠回り((^^;) では次行きましょう。 柴又街道に戻って… 金町方面へもう数十秒歩くと、あのタクシーに乗った寅とリリーの場所にたどり着く。 第48作「紅の花」の名シーン。 ![]() ![]() ![]() タクシーは映画ではかなり長く走った後に止まったのに、実はあの出発点の「だるまや」さん前から 徒歩でたったの3分程度。車でなら5秒以内(^^;) だからかばん持ってツッカケ履いた三平ちゃんが走って追いつけるのだ。 次行きましょう。 そこから、柴又街道を金町に歩いていくと、第43作「休日」で満男が友人の自転車を 無断拝借したあと泉ちゃんが待つ自宅までの風景がいろいろ見つかるのだ。 この黒い鉄の囲いはおなじみ金町水道局。ここの敷地は広い広い! ![]() ![]() 「どさん子チェーン本部」の倉庫も今も健在。 ![]() ![]() もうすぐ水戸街道ってあたりの線路脇↓ 線路横の家々も残っているものも結構ある。 シリーズ晩期のロケなので残っているのは当たり前か(^^;) ![]() ![]() 金町にかなり近づいてきたあたりで、水戸街道をちょっと左(西)に曲がってみる。 しばらく歩き続ける。歩くこと約5分。 新宿(にいじゅく)郵便局がドーンと見えてくる。 その大きな郵便局の裏が「金町中央郵便局」である。 第2作で寅が胃痙攣で救急車で運ばれ緊急入院するあの病院である。 ![]() ちょうど5月に息子が熱を出して2日寝込んだので、 この「金町中央病院」で偶然検査してもらった、個人的にも思い出の病院でもある。 もちろん藤村医師はいなかったし、谷よしのさんもいなかった。(^^;)ゞ ![]() さて、病院ロケめぐり^^;も終わり、いよいよ金町の街中に入っていった。 まずは柴又よりにある「京成金町駅」近くのロケ。 第16作「葛飾立志編」に出てくる「すずらん通り」という通りは今はもうない。 ![]() 金町の商店街の老舗のご主人に「すずらん通り」を聞くと、 京成駅前の今の図書館がある通りが昔そう呼ばれていたということ。 駅そばから斜めに走る小道もある。 そういう気持ちで見てみると、呆れるくらいすぐ見つかった。 あの啖呵バイのロケ地はまさにその斜めの小道だったのだ。 ポイントは「島村小物店」当事から映画の中で映っていたのだ。 シマムラ(島村)小物店の文字 ![]() 中央図書館前の花屋さんで聞くと、ちょうど目の前で啖呵バイの撮影が あったことをなんとか覚えていらっしゃった。 このカメラの位置が、なんと花屋さんの店だったらしい。 ![]() ということで、この角が寅が学生服を着て、文房具を売っていた小道↓ 同じような位置で今も向こうに見える島村小物店 ![]() 息子が立っている位置が寅が立っていたピンポイントの場所。 ![]() ![]() さて今度は駅向こうJR(旧国鉄)金町駅に行ってみよう。 この画像↓は第8作「恋歌」の一場面。 当事からすでに「東急ストア」はあった。 左に見える茶色いビルは今も健在。 ![]() ![]() で、カメラは手前に移って、現在の「タカラブネ」の横、自転車置き場近くで寅は本の啖呵バイ。 ロークの貴子さんの借金のことが重くのしかかり商売が空回り。 おまけに警察官に許可証を見せろと言われて、場所を移動。 ![]() ![]() どこに移動したかというと、すぐ斜め向こうの東急ストアの横、現在の銀座アスター前。 しかし貴子さんの借金のことが依然重く心にあるのでバイはやはり空回り。 おまけにまたもや警察官に絡まれ、すごすご退散。 ![]() 茶色のタイルなどは今もまったく同じ ![]() ちょっと、とってかえして、 駅前の先ほどのタカラブネを曲がったらすぐに第9作「柴又慕情」で 出てきた「林不動産」だ。 寅は下宿人を入れようとしたとらやの面々に腹を立て、林不動産に行くが、体よく断られてしまう。 ![]() 当事のことを知る社長夫人さんがいらっしゃったので、お話を聞く。 撮影は外からだけだったのだが、大船セットを作るために写真やスケッチを 入念にされたとおっしゃっていた。2度ほど美術さんが来られたようだった。 ![]() そこから歩いてほんの十秒ほどで、第43作「休日」のロケ地がある。 ↑にも自転車に乗る満男のロケ地を紹介したがまさにそのシーン。 正月、家に泉ちゃんが来ていることを知った満男が、急遽、新年会を取りやめて 友人岡部の自転車をパクッて柴又まで漕いで行く。 ![]() ![]() 自動販売機があった場所は、現在喫茶店になっている。 ちょうど、第8作でとらが啖呵バイをしていたビル(現在の銀座アスター)が道向こうに見える。 ![]() で、今度は、この自動販売機がかつてあった曲がり角の 一つ手前を入っていくとおなじみ喫茶店「ルノアール」がある。 このルノアールは第20作「頑張れ!」で寅が易のバイをしていたところ。 ![]() 現在「ルノアール」の横は私が時々本を買う本屋さんになっている。 ![]() と、まあ、こんなところですね。 源ちゃんが第16作「葛飾立志編」で寅に言っていた 金町の「ハワイ」というキャバレーは無かった((((^^;) もう潰れたのか、もともと架空のものなのかは恥ずかしくて地元の人に聞けなかった((^^;)ゞ それではもう一度下の地図で確認してくださいね。 ![]() ![]() 寅さん世界の柴又周辺マップと合わせてごらんください。↓
![]() 今日はこれでお開きということで(^^) 「君の知らない柴又を見せたい」 撮影 : 吉川孝昭 RYOTARO(宮嶋龍太郎) 構成 .編集 : RYOTARO(宮嶋龍太郎) 今年の11月には、↑の映像に「夏」と「秋」を入れて、再構成し、 四季折々の柴又を表現し、自分たちなりの「完全版」をアップしようと思います。 ![]() 雨降る江戸川風景 吉川孝昭 2011年4月3日 水彩 14cm.×24cm. 帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影) ![]() 矢切の渡し 2011 冬 (2月10日) ![]() ![]() 雪の日の寅次郎 RYOTARO pos 『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました! ![]()
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