号外!
柴又ロケ地 最後の未踏地
第20作『寅次郎頑張れ!』の
ワット君の電柱ロケ地遂に発見!
追記記事: そして幸子ちゃんの働く「ふるさと亭」のモデルになった『かなん亭』が今年3月末でお店を閉じられました。
全48作品での柴又ロケは
この10年で急速に解明されて行った。
私や寅福さん、小寅さん、などが地道な努力によりひとつひとつ踏破していったのだ。
つい近年まで解明されていなかったあけみのアパートも昨年寅福さんによって解明され、
私が現地調査を受け持った。
特にここ数年は寅福さんによる解明が続いている。
しかし、どうしても解明されないワンカットがあったのだ。
それがこの第20作『寅次郎頑張れ!』の電柱シーン。
本編では、
この仕事場はとらやから徒歩圏の柴又だということになっている。
私は2011年の春から数週間かけて柴又1丁目から7丁目までを
この↑の風景を探して自転車でくまなく回り続けた。
インターネット上でもストリートビューを使って巡り続けた。
しかし・・・・難攻不落になってしまったのだ。
その町その町でしつこいくらいに聞きこみもかなりしてきたのだが。
しかし、さっぱり見当が付かないまま月日が経っていった。
こんなにも見つからないのはこれはもう例の大船(神奈川県)トリックに違いないと
いう思いが湧いて来た。
とはいえ、あけみのアパートや朝日印刷のロケ地のように
本当に柴又でロケをした可能性もまだ捨てがたいのだ。
それでも、やはり、人気俳優が電柱に上がるというやっかいな撮影から考えると
撮影所からなるべく近い神奈川県でのロケの可能性の方が高い。
たとえば
第3作「フーテンの寅」 OP歌のシーン、地方ロケと見せかけて神奈川ロケ
第5作「望郷篇」寅の浦安自転車漕ぎ風景 浦安と見せかけて神奈川ロケ
第6作「純情編」スケベ医者病院風景 柴又と見せかけて神奈川ロケ
第19作「寅次郎と殿様」葛飾区水元付近で啖呵バイと見せかけて神奈川ロケ
多すぎて、以下略^^;
おそらく、このような神奈川ロケのトリックは30箇所以上ある。
しかし、じゃあ仮に神奈川県大船近くのロケだとして、
いくらなんでもローラー作戦ではきりがないし、何ヶ月もかかってしまう・・・
私は時間がなく、そんな無茶はできない・・・
そこでいつものように伝家の宝刀 大明神『寅福さん』を呼んだのだ。
寅福さんの数々の偉業は私の過去の記事を読んでいただければわかると思う。
もちろん、まず、寅福さんも最初の1ヶ月以上は柴又を探し続けられた。
しかし、さすがに柴又探索を諦めた寅福さんはその後冷静に考えられ、
当事の超売れっ子中村雅俊さんは拘束時間が限られるゆえ、
遠くでのロケはできないと思われる。
と、いうことは、松竹のセット撮影がある大船撮影所の近所だと勘が働いたようだった。
こういうところが寅福さんのセンス。
しかしいくら近所だからと言ってもそこそこのあたりのエリアは調べないといけない↓
赤丸囲いが旧松竹撮影所があった場所。
この画像に映っているエリアだけでも膨大でローラー作戦は時間がかかりすぎ、お手上げだ。
ある意味これだけでも気が遠くなるストリートビューローラー作戦だし、
第一、旧撮影所の近所でロケをしたと言うのはあくまでも『仮説』であってなんの確証もないのだ。
私ならこの時点で心が萎える。
しかし寅福さんはアパートや手前の空き地、
特に、このシーンの斜め電柱を手がかりとして、
この撮影所からの徒歩圏エリアで斜め電柱を地道にストリートビューで探し続けられたのだ。
今までの私たちの経験上、アパートや空き地は変わっても、
電柱というのは何十年もさほど移動はしないのだ。
垂直電柱を斜めの電柱で支えているのは時々町で見かける。
電柱には柴又という長細いボードが取り付けてある。『柴又幹77』
ただし!マークを留める釘がこの白いボードのどのにもない!これは偽物の証!無視してよい。
そして探しはじめて何日か後・・・・
寅福さんは、ついに似たような斜め電柱を探し当てられた。
大船撮影所から北に徒歩10分以内!(画像はストリートビュー)
右に見える大きな家の塀も建て替えられているが似ている!塀から見える植物も似ている!
特に門の脇の松が同じ。
電柱の向こうに、映画に映っているアパートらしきものも見える!
なんと50年近く経っていると思われるが、まだ取り壊されていなかったのだ!!
アパートの名前は後に『第二あづま荘』だと判明。
電柱もアパートもそっくり!
しかし、電柱にしてもアパートにしても、『物証』としてはやや独自性が足らない。
ほぼここであることは今までの経験上90パーセント間違いないのだが、
もう一歩の完全同一と思える『物証』が欲しい。
その時寅福さんは、ストリートビューの一番古いものだったら昔の面影がもっとあるのではないかと思われ、
ストリートビューのタイムマシンをクリックされた↓
一番古いストリートビューは2010年の4月に撮影されたものだった。
なんとなんと!本編で映っていた手前の家の塀が
2010年ではまだあるではないか!!
近づいてよく見てみると・・・・
映画の中の塀と非常に共通点が多い!
この塀の穴や角のアールの飾り。
もうこれは物証と言える!
100パーセント決まりです。
位置的なものはこんな感じだ↓鎌倉市岩瀬1丁目
この昔の地図画像は、↓寅福さんのブログより拝借しました。
1975年の航空写真と1973年の住宅地図(住宅地図は国会図書館)
そして2019年5月
寅福さんはついに鎌倉市岩瀬の現地に立たれたのでした!↓
(この写真は寅福さんのブログより拝借しました)
寅福さんのブログの当該記事↓
https://love.ap.teacup.com/torafuku/224.html
下に追記があります↓
かなん
追記
ところで、
ワット君の恋人、幸子ちゃんの働く「ふるさと亭」のモデルになった「かなん亭」が今年3月末でお店を閉じられました。
43年間の歴史に幕を閉じられました。ご主人夫妻が体力的にきつくなられたようです。
私がこの8年間、柴又で一番足しげく通ったのがこの「かなん亭」でした。
モツ煮込み、カンテン、牛スジカレー、そして焼き鳥 が旨かった!
看板娘さんのお嬢さんお二人も美人でサービスもよく人気者でした。
7月半ばから新しくこの土地を買われたオーナーさんが「おじぎ茶屋」という食べ物屋さんを始められるそうです。
昨年2018年11月下旬に寅友の寅福さんと歓談した際のかなん亭。
私が日替わり定食のあと、焼き鳥の追加注文しているところ。
かなん亭で一番注文した『オールスター定食!』かなん亭名物が全て入っていた。
かなん亭と言えば、とりあえずこれ↓名物の「トリプルセット」 モツ煮込み、あんみつカンテン、ミニうな丼
日本一のロケ地ハンター、日本一のコアな本編の知識派お二人。
ありえない豪華メンバーで乾杯^^ 2018年11月
一昨年、2017年11月、トリプルセットを食べる京都一のコアな本編追究派の酒井さんと私の息子
私の大学時代からの絵画関係の親友で
私のコレクターさんでもある櫛橋氏ともかなん亭で毎回歓談するのが楽しみだった。
店の前のガラスケースの中に当事の台本や渥美さんとの写真が飾ってあるのわかるかな。2018年11月。
櫛橋氏もベトナムラムネをオーダー
中部地方随一の本編派の寅さんファンである中島さんもよく通われた。
かん亭でかならず食べた「豆カン」
これも必ず注文した「ベトナムラムネ」炭酸に練乳がシェイクしてある。
このコップと赤いストローが大好きだった。
沖縄本島ロケ調査でお世話になったコレクターさんでもある
お酒大好き吉川明さんも、生ビール、きゅうりの一本漬け、モツの煮込み(寅さんセット)が大好きだった。
全作品全カット全国ロケ地踏破をもう少しで成し遂げようとされているちびとらさん父子ともかなん亭でよく歓談した。
映画評論家の佐藤利明さんともかなり通ったなあ〜〜〜。壁の集合写真に注目
そして今 閉店後1ヶ月半が過ぎ、ポスターだけを残してなにもなくなったかなん亭の中。5月下旬
2019年5月 今はひっそりとしている。この姿も6月からの改装工事でなくなってしまう。
シャッターにはご主人の閉店のお知らせの紙が貼ってあります。この日は新しいオーナーさんが来られていた。
かなん亭で使われていた食器をいただいた。
2011年に住み始めたばかりのころの取材でのかなん亭です。↓
雪の朝 かなん亭 2013年
夕暮れ時のかなん亭 2012年冬
夜になったかなん亭
雰囲気のある夜のかなん亭 全貌
お店のアップ
かなん亭で使われていたお水のコップをいただいた。
かなん亭さん、長い間ありがとうございました。
福島県一の寅さん本編派であり、私のコレクターさんでもある金子さんは、
もう何年もかなん亭のご家族全員とずっと懇意にされていて、お店を閉じる数週間前にも行かれている。
最後列左端で泣き真似をしているのが金子さん。
さてここでクイズです。
「第20作寅次郎頑張れ!」 以外にも
このかなん亭の手前を寅さんはあと2回映画の中で歩いています。
どの作品でしょうか?
お分かりになられる方はコアなファンですね^^
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