お気楽コラム 【 寅次郎な日々 】 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…
2015年11月24日 寅次郎な日々 593
秋の大特集 vol.4
名作第15作「寅次郎相合い傘」第5作「望郷編」
あのロードムービー、小沢駅と銀山駅、余市駅、蘭島駅付近
函館本線 小沢駅から蘭島駅
余市駅付近のSL前方展望と
タクシー疾走ロケ地 発見!
2つとも世界初登頂!
前回の掲載vol.3 ↓ 長万部の車窓風景発見!
http://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/torajironahibi.htm#592
前前回の掲載vol.2 ↓ 函館、日ノ浜
http://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/torajironahibi.htm#591
前前前回の掲載vol.1 ↓ 青森港
http://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/torajironahibi.htm#590
さて、函館本線、長万部手前の車窓風景を調査して
そのまま車で約2時間半走って
一路小樽の手前にある「小沢(こざわ)駅」に向かった。
小沢駅は第5作「望郷編」で寅と機関士が絡む場所であり
駅前は寅と登が宿泊する旅館「末次旅館」があった場所だ。
寅が政吉親分の死を電話で知るのもこの旅館入り口の赤電話。
当時の重厚な小沢駅舎は当の昔に取り壊されてこのような無人駅に
なってしまっている。
手前には末次旅館は無く、空き地になっている。
翌朝の光でもう一度駅舎とその前の広場を撮ってみる。
末次旅館は更地になってしまっていてもう現存しない。
手前が寅が宿泊した「末次旅館」。
その背後には今も残っている「たけだ旅館」がチラッと見える。
末次旅館の建物はこの黄色い(昼は茶色に見える)建物の手前にあった。
全て無くなってしまったが、本編で後ろに見えていた「たけだ旅館」がこの黄色い建物。
「たけだ旅館」は今も営業している。
高羽アングル的には建物の上の方だけ撮影だが、
そうすると、後ろのたけだ旅館だけが映ってしまう。
昼はこう見える
小沢駅の近くの温泉施設に宿泊して、翌朝もう一度小沢駅に行く。
今度は、昼の撮影を調査。
右端に見える小さな建物がわずかに当時の雰囲気を残している↓
映画撮影時に近い頃の小沢駅舎↓
小沢駅 駅舎とホーム 線路↓
駅舎の中も「望郷編」ではいろいろな角度からしっかり出てくる。
このアングルもあった
そして汽車が立ち去っていく名シーンがこれ↓美しい・・・
現在線路は一つになり、直線ではなく、緩やかなカーブを描いている。
末次旅館の末次さんは駅舎の前の現在国道5号線(羊蹄街道)の通り沿いに移動し、
小沢名物のトンネル餅を販売されている。
小沢駅名物「トンネル餅」
末次さんのお店には「望郷編」の写真が飾ってあった。↓
国道付近から駅舎を眺めるとこうなる↓
一路 銀山へ急ぐ!
本編SL車窓風景撮影のための余市からの電車時間が迫ってきたので
小沢駅の取材が終わり銀山駅に向かった。
銀山での滞在時間はたった20分!しかない。
寅はタクシーに乗って汽車を追いかけ、銀山駅に汽車より先に到着し、
待ち伏せをするのだが・・
小沢駅同様銀山駅もこのような小さな無人駅になってしまった
撮影時に近いころの「銀山駅」
趣のあるホームへの改札も・・
無人駅になったらどこもかも北海道の駅舎は
高羽アングルで撮っても・・・このような貧相な館になってしまう・・・現実は厳しい。
高羽アングルで見てみると、ホーム下の断面に昔の名残が残る。背景の山々は今も昔も同じ。
さあ、「望郷編」のSL前方風景撮影に向けて余市駅に急ごう!
余市発の各駅停車の電車がホームに。間に合った。
「望郷編」本編では汽車の前方上部に撮影機を取りつけ、疾走する様子を撮った。
余市駅を出て約5分で撮影位置に来る。(次の駅は仁木駅)前方窓から撮影!
世界初登頂!
実は、ここのピンポイント特定には結構時間がかかった。赤い印が汽車の前方展望
ピンポイントは余市から南下約5分の場所。
■「望郷編」汽車の前方展望再現動画
https://youtu.be/tOFzFGbl2Oo
さて、今度は余市駅に戻ろう。
その後次の駅である仁木駅で降りて、余市駅に各駅停車で一駅戻り、今度は車で
タクシーと汽車の競争シーンを撮影。
ここの発見まではいろいろ試行錯誤があった。
場所の特定に何日もかかってしまった。
山の見え方から考えて明らかに余市駅と銀山駅の間。
そしてさらに・・・
道路と山の関係がこのように見えて、かつ、
線路と道路が約20メートル〜40メートルくらいの狭い幅で
平行に走り、道路自体がしばらく直線のあと右にやや曲がっていく・・・
このような条件が合うのはたった一箇所しかないことが地図で判明!
この場所だけが汽車の線路と車の道路が20メートルほどで本編と一緒。
山と道路の位置関係もぴったり!
世界初登頂!
ここ20年くらいで店がどんどん乱立し、このエリアは撮影当時の畑が少なくなってしまった。
高羽アングル的にはこういう感じ。
実は汽車の上からの撮影と、タクシーと汽車の競争シーンはかなり近い場所だった。↓
黄緑の印。
たとえば、間違えやすいのは↓
こちらはもっと南に下った場所。↓(ストリートビューで事前に調査してみた)
畑があって本編と一見風景がとても似てはいるが、山と道路の位置関係がかなり違うのと
なによりも、道路と汽車の線路が100メートル以上離れているので、この一帯は全て違う。
ところで
この、タクシーと汽車の競争シーンの最初に、
タクシーがトンネルから出てくるが、
実はあの場所は、その直後の競争シーンとは別撮り!
かなり2つの場所は離れているのだ。
このトンネルは余市の南ではなく、
小樽市西部、日本海に突き出した忍路(おしょろ)半島のそばの
忍路(おしょろ)トンネルだった!
で、今度は、余市のあと、一路蘭島駅近くのこの忍路トンネルに車を走らせた。
今も線路に沿ったサイドの上から下りて来る細い路は同じ。 踏切ができていた。
そして一方・・・
汽車の車窓は実はもう一つある。
このシーン↓向こうに見える竜ヶ岬とカブト岩
ここは車窓からの撮影が今回は、難しいので、
線路の真下に行って写真撮影。岬の見え方がほぼ同じ感じで成功!
世界初登頂!
一脚で2メートル伸ばして撮影するとこういうふうに見える。↓
この撮影位置のすぐ背後の丘に汽車の線路がある。
さて、夕方になってきたので
第15作「相合い傘」の
蘭島の夕暮れの海を撮りに行くことにしよう!
石投げをして遊んでいたのは蘭島海岸(蘭島海水浴場)
塩谷海岸の可能性もあったが、現地でいろいろ調査した結果、やはり野宿をした
蘭島駅そばの蘭島海岸がもっとも適当だと判断した。
寅の服に急遽着替えて石投げをしてみた^^;
ここはこの日大勢の海水浴の方々がおられたので恥ずかしかった^^;ヾ
そして、夜になって、蘭島海岸から徒歩7分の蘭島駅舎で野宿した3人だった。
高羽さんのアングルにかなり近づけるため、
一脚を2メートルの高さに伸ばしさらに持ち上げて撮影。↓
駅舎も回りも変わってしまったが、
線路を跨いで渡る跨線橋(こせんきょう)と手前の黒いポールの関係が
まさにこの駅であることの物証になっている。後ろの山々は今もほぼ同じ。
蘭島駅舎の跨線橋から見た山々。撮影当事と変わらない形。↓
そして、駅舎の前でのこのカット。 左の木のポールに注目。
このカット。現在でも残る唯一の目印が左の黒っぽい木のポール。
今回はここまで
さあ、次はいよいよ小樽の町に入る。小樽の町は一度にアップする!
「望郷編」と「相合い傘」と「噂の寅次郎」の3作品のロケ地が存在するのだ。
次回更新は12月5日〜8日ごろです。
続く