お気楽コラム  【 寅次郎な日々 】  たぶん…一週間に一度くらいアップかな…





2015年8月24日 寅次郎な日々 589

第25作 寅次郎ハイビスカスの花

オープニング軽井沢ロケ地踏破レポート


■ オープニング完全再現動画

https://youtu.be/ODQbXYImFHU


鼠小僧寅吉の夢から覚めて・・・




2015年7月中旬 晴れ。


ここは、北軽井沢

群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原 鎌原神社内 鎌原の郷倉


私の寅友の加藤さんがかつて4年前にこの郷倉を世界初で発見された。


鎌原神社の横には、嬬恋村指定重要文化財の郷倉がある。

郷倉とは飢饉や災害に備えて穀物などを保存しておく蔵であるが、
1783年に被災した鎌原村は、被災から5年後の1788年にこの土壁の郷倉を建てたのだった。



なんとこの文化財の郷倉の中で寅は寝ていたのだ。

子供たちの声と笛の音

「御用だ! 御用だ!」

まだ夢と現実とのハザマにいる寅は窓から外を恐る恐る覗き込む。



  



  今は窓が閉じられている↓
  夕暮れ時ゆえ画質が荒いことをご了承ください。

  



   御用だ!の声と笛の音で 恐る恐る戸から出てくる寅。

   



   


   


    さらにもう薄暗くなった夕暮れ時に再現したために、画面が暗くなってしまった↓

   



     子供たちが「御用だ!御用だ!」と走っていく。

   


   




   


   
実際はもうかなり暗かった。

   



    御用だ!御用だ!

    
   


   



    
ようやく我にかえって、鎌原神社を出て行く寅だった。

    



    



    


タイトル イン



世界初登頂!!

軽井沢倶楽部 ホテル軽井沢1130 のやや東。
群二公民館の少し西。
カメラは南西の浅間山を撮影。

この旅に出かける3日前に私がなにげに
ホテル軽井沢1130のブログを見ていて、新発見した。

ホテル軽井沢1130の支配人さんにメールでお伺いして
ピンポイントの場所を確かめた。



   



午後2時 現地で動画撮影

https://youtu.be/PnO0r48kwPM


   
 






タイトルの直後


一本道を歩く寅が映し出される。

この場所はストリートビューでまず寅さん友達の寅福さんが発見。
今回、一緒に現地到達。

これも現地到達世界初登頂。

鎌原神社の郷倉から徒歩10分。
北方向の一本道500メートル。



  



  



  


   
振り返れば南方向に夕暮れの浅間山から噴煙が。

   



  おばあさんに道を聞く寅。


   その一本道から南に500メートル同じ道を歩くとこのカットにたどり着く。
   寅福さんがストリートビューで発見されていたこの場所は、当時の家は残っていないが
   電柱が今も同じ。


   




    

 
 この扇の蔵のカットは実は上のカットの向かい側だった。

  蔵の模様は色は逆になっているが、「
」が一緒。
  この家のご主人にお聞きして、ここで撮影があったことを確認。


  ご主人も奥さんも、当時の撮影のことを少し覚えていらっしゃって
  このおばあさんは、向こうに映っていた茅葺家の
  おばあさんだそうだ。


   


  

 


    鎌原神社からすべて徒歩圏

   




そして、寅は白いワゴンを拾って白糸の滝に向かう。

この場所はどうしても、最後まで見つけることができなかった。

おそらく近くなんだろうが、わからなかった。


      


   




   そして白糸の滝にたどり着く。


   



   
ここの水はそれはもう冷たかった。

   



   


   



   


   



  寅が冷たい滝つぼの水に飛び上がるシーンを再現。
  実際に入ってみると、想像以上に冷たく、おもいっきり飛び跳ねてしまった。


   


    ちょっと、高くジャンプしすぎか┐('〜`;)┌

   


   カメラ側にギャラリーが15人ほどいて、気恥ずかしかったが、
   気丈夫な寅福さんは撮影し続けてくださった。
   意味のある行為をしているんだと自分に言い聞かせて私も演技を続けた。


   


   


   


  白糸の滝からの帰り道、撮影当時はこのような橋になっていた。
  現在は普通に遊歩道になっている。


  


  



  男はつらいよ ハイビスカスの花特別編では
  新しくなった遊歩道が撮りなおされて、採用された。↓

  


   特別編にはなかった新たに柵が今は作られていた。

  




  


  
茶店への道。

  


  
茶店の中からの撮影。

  


  
今も店はある。

  



 店の中には撮影時のスナップも。 
やっぱり渥美さんは夏前なので黒足袋を履いている。

 






  
草軽交通白糸の滝売店前

  



  


   長屋の店は「いわなの塩焼き店」がひとつ増えている。

   


   





   


   


山田洋次 監督 のクレジット。







そして、本編が終わりに近づき・・・・




ラストの大団円。




群馬県吾妻群中之条町入山
旧 六合村(くにむら)

上荷付場バス停





 思いもよらぬリリーとの再会。




   



   



 坂の途中の小さな待合所。


 降るような蝉しぐれ。


 寅が暑さにうだっている。



 眼を閉じて手にしたウチワで扇いでいる寅。



   


   



  崖下からの映像もある。

   


   



 バスの警笛を聞いてフラフラと.上り、
 バスに対して片手を上げる。


 ミニバス、寅を無視して通り過る。


    


    




 寅「バスじゃねえのか。うああー、暑い暑い」



 フラフラとベンチに座り込む。



    


   





 ミニバスは少し行き過ぎた所で急停車し、
 中からサングラスをかけた女が下りる。

 リリーだ。


 女性たちの声

 「ねえ、すぐに終わる?」
 「うん」


 日傘を差して歩いて来るリリー




 蝉しぐれ



 途中から小走りでやって来るリリー




   


   




   崖下からも撮っている。

   



   



 (カメラは崖上から俯瞰)


 バス停の前で、足がゆっくりになり、そして止まる。

   



   




 眠くなって眼を閉じていた寅、

 団扇をふと落としてしまう。


   



   
本編の団扇を水彩で描いて再現しました。

   



  ある気配に気づき、前を見る寅。



 サングラスをかけた女…

 …!! リリーが立っている。


   


   



 サングラスを上げ、


   


   




   素顔を見せ 笑うリリー。

   


   




 はっと、輝いた表情をとり戻す寅。



 ちょっと格好つけて、


 寅「どこかでお目にかかった
   お顔ですが、

  姐さん、どこのどなたです?」


   



   




 リリー、ニツコリ笑って答える。


 リリー「以前お兄さんにお世話に
     なったことのある女ですよ」


   


   




 寅「はて…?

   こんないい女を
   お世話した憶えは…ございませんが」


   



   




 リリー「ございませんか、この薄情者!」


 リリー「ハハハ!」

 寅「ハハハ!」


   


   





  明るくメインテーマが流れ始める。




  

  寅「何してんだ?、お前、こんなとこで」


  リリー「商売だよ」


  寅「え」


  リリー「お兄さんこそ
      何してんのさ、こんなとこで!」


   


   




 
寅「オレはおめえ、

  リリーの夢を見てたのよ




  



  


   リリー「フッーキャ!」



  リリー照れながら
  寅を肩でつついて大笑い


  


  


 リリー「ね、これから草津へ行くんだけどさ、
     一緒に行かない?」


 寅「あ、行こ行こ!
   オレどっか行くとこねえかなって
   思ってたんだ!行こ行こ行こ!」


 リリー「おいでおいで!」


   


   




 あ、リリーのサングラス鼻までずれ落ちた(^^)。


 
おでこの上のサングラスが落っこちたのは
 なんと本番で偶然だったそうだ。
 (浅丘さんのインタビューから)


   
リリーのサングラスが落ちかける。
   



   
寅福さん、渾身のサングラス落とし!2テイク目でOK!

   




  寅「フホハハハ!!」


  駆けていく二人。


   


   




  ミニバスの前に来て


   リリー「ちょいと、この人も乗せてあげてー」



  寅「これはこれはバンドのみなさん、
    いつもリリーがお世語に
    なっております!どーも!


   挨拶をする楽団の若者たち。


   


   




   崖下からの撮影

   



     現在はカメラ位置に小屋が建っているためやや崖に迫った場所からのみ撮影。

   




草津ナウ.リゾートホテルのミニバス

草津ナウリゾートホテル
標高1,200mの草津高原の中心、天狗山の麓ベルツの森にある
ヨーロッパスタイルの建物は四季折々の自然に囲まれたリゾートスペース。



声をかけながら乗り込む寅。


ミニバス、エンジンをふかして走り出す。


深い緑に覆われた山々。


寅とリリーを乗せたバスがぐんぐん遠ざかって行く。


お〜い、草津は逆の方角だぞォー(^^;)




   


   



   




       


   





ラストでもう一度最愛のリリーに再会するという、
奇跡の演出をしてくださった山田監督。

間違いなくこのシリーズ最高のハッピーエンド。

リリー4部作の中で最後の最後リリーと
一緒に終わるのはこの作品だけである。

このふたりにはこのあともうひとつ
忘れられない草津での思い出『草津物語』がある。

もちろん映画には映らない。
だからこれは私たち一人一人が勝手に想像できる
特権を与えられているのだ。

しかし、草津では、もうあの沖縄のような
甘い蜜月は繰り返されなかっただろうことは
想像に難くない。

どちらかというと、第15作「寅次郎相合い傘」での
北海道の旅のような、気楽で楽しく、和気あいあい…
という爽やかな『草津物語』だったのではないだろうか。

そして…

「じゃあまた、日本のどっかで会おうな」

「うん、またどっかでね」

って言いながら、にこやかに別れたのだろう。

この二人の縁がここから一層深くなるのは
まだ気の遠くなるような相当の歳月が必要なのである。


その歳月の間に寅はリリー以外のマドンナと多くの恋をし、
リリーはもう一度、ある老人と結婚もする。


しかし、それでもなぜかこの二人の間には「赤い糸」が見える。
ちょっとやそっとでは絶対切れない運命の糸だ。

そして、その鍵を握っているのはやはり『さくら』なのかも
しれない。


ここ数年


寅は…ある晴れた日
奄美のリリーの家に時々帰ってくるようだ。


彼女は長旅で疲れた寅の顔を見て
微笑んでこう言うのだ。


 「 おかえり 寅さん 





おわり