2023年8月3日掲載

号外!!
小島奈々子の自宅マンション発見













みなさん「小島奈々子」ってどなたかおわかりになるだろうか?

そう

第21作「寅次郎我が道をゆく」のマドンナ
松竹歌舞団、そうあのSKDの
紅奈々子だ。

実家のお母さんの家が「小島」の奈々子だ。


さくらの幼馴染であり寅のことも良く知っている奈々子である。

「お兄ちゃん」と寅のことを呼ぶあの奈々子だ。


彼女は柴又のすぐ隣「
高砂」に住んでいる。

たぶん帝釈天参道のとらやから自転車で行ける距離!


しかし、奈々子のマンションが映るのは寅といたあの夜のシーンだけ。

恋人のタカシが映るあの雨の夜の俯瞰の映像と
マンションの下に降りた奈々子が映るマンション前の道。

ほとんどなにもヒントはない。

調難攻不落ロケ地



私も探していたがヒントがないゆえに難航していた。

同時に寅福さんにもお願いしていたのだ。




   




   



こういう…夜のロケでどこかわからない場所の場合
本編の設定場所とは関係なく、
実際にトラックで『
電話ボックス』などの大きな機材を運んだり、
役者さんのスケジュールの都合などで
ほぼほぼ8割の確立で大船撮影所から車で
十数分までのところでロケが行われている。

それゆえ、僕も寅福さんもハナから設定の京成高砂など
探す気にもなれないわけだ。

山田組の「やり方」は私はもう何十年も見抜いている。
夜ロケで物証が少ない場合は必ず大船から近いロケだ。

寅福さんは、このヒントがほぼゼロの夜シーンで唯一注目されたのが
タカシと電話ボックスが俯瞰で映っていたあのカット

白い柵が見える。
この白い柵の向うには公園かもしくは川があると思われる。
公園か・・・川か

街灯か撮影ライトかによる水の波紋が照り返しによりキラキラ輝いて見える!!

そう!!
この柵の向うは川なのだ。


  


  




  アップのこのシーンは柵の右は明白に川だとわかる
  



大船撮影所からほど近い場所にある川といえば・・・・砂押川




   当時の大船撮影所のすぐ北。隣接するようにするように
砂押川がある。


砂押川は すなおしがわと読む。

神奈川県鎌倉市北部を流れ、柏尾川と合流する鎌倉市管理の準用河川。

具体的に言うと今泉・今泉台・岩瀬・大船地区を抜けて北西に流れ、大船駅地下を潜って柏尾川まで続く。
水位は低いが規模に見合わぬ大きさの鯉も生息している。

砂押川の途中には、川の横に桜が植えられている所があり、
一部散歩道の
砂押川プロムナードも整備されている。
植えられている桜はソメイヨシノ、カンヒザクラ、早咲きの玉縄桜など。

  



そして寅福さんならではの方法を実行

川沿いに1キロほどひとつひとつ物証を
ストリートビューで探されました。


そして遂にグーグルストリートビュー名物の「タイムマシン」も利用して、
ついに2010年のタイムマシンにより当時の面影を発見!!

あの本編の花壇金網排気口ブロック塀 
などを確認し新発見されたのです。





   





     2010年のストリートビューのタイムマシンによって物証を何カ所も発見。

    



    




40年以上も同じ物証を残していてくれてありがとう!!




   

   







↑にも書いたが
このロケ地シーンでの意味合いは紅奈々子の人生のターニングポイントとなるのだ。
それゆえに寅福さんは大きな意義深い発見をされたのだ。


いったんは結婚しないことを決意し、歌と踊りの道を生き抜こうとする奈々子だったが
長年の恋人タカシが激しい雨の中、自宅下の道に立ち、奈々子の部屋を見つめている姿を見て
芸に生きる決意が変化していく。

   



   マンションの表に駆け降り、ずぶ濡れになりながらタカシを見つめ

   


   タカシの元に駆け寄り

   


   対峙する二人

   


   窓からその二人の姿を俯瞰で見つける寅

   



   



   タカシは、立ち去ろうとするが・・・奈々子が呼び止める。

   


   タカシに走り寄る奈々子を見て、愕然とする寅、雷が顔を照らす。

   


   


   


   雷の中、抱擁し、キスをする二人

   


   


このあと紅奈々子はタカシとの結婚を決意し、
SKDを引退するのだ。

山田監督はこの作品に「わが道をゆく」というタイトルをつけた。

監督は、奈々子の恋愛も結婚もそれはそれで一つのわが道を進んでいるとでも
言いたいのであろうか。「愛に生きる」ことも「道」だとでも言いたいのであろうか。


私はそうは思わない。

「わが道をゆく」とは、愛に生きることでは決してない。


奈々子は神様から秀でた才能(gift)を与えられたのだ。
与えられし才能の人はこの世界の人々に光を注ぐ役目を負っている。

自分が神様から与えられた才能は完全に開花させて
人生を終わらせなければならない。


タカシは奈々子が結婚後家庭で料理をしたりすることを望んでいるのだろうか。
タカシは奈々子が歌と踊りをやめてしまうことに対してそれを是とするのだろうか。

奈々子は年齢とともに身体が言うこと効かなくなっていることの自覚がある
しかし踊りに切れが無くなっても演技でカバーできる。歌はまだまだ全盛期だろう。

タカシは奈々子に結婚を迫っていたが、彼女を家に閉じ込めて何を望んでいるのだろうか。


奈々子はタカシの所有物ではない。
寅が奈々子に言ったように、奈々子の才能は舞台を見に来るみんなのものだ。

結婚して踊りも歌もやめてしまい、タカシという個人の鳥かごに入った奈々子を
タカシはどのように感じるのだろうか…。

寅がさくらに言っていたように
このままでは、一時、家庭に入っても奈々子は必ず後悔する。
かつてのリリーの離婚と歌の再開のように、抑圧は必ず回帰するのだ。
リリー同様、舞台やステージの道を再度模索するだろう。


しかし、まあ、
とりあえず、今度のこの決意はタカシでもSKDでもなく、
最後は奈々子が自分の意思で踊りとの別れを決めたことなのだ。

やはり…
やめたくないと言っている口とはうらはらに、踊りに対する情熱が
肉体の衰えのこともあって僅かに冷めてきているのかもしれない…。

そんな折、タカシがいよいよシビレを切らして強く結婚を迫ってきたのだ。

で、表面上は、奈々子は今はタカシタカシだろうが、
giftを与えられし奈々子は、いずれそう遠くない時期に必ず歌と踊りに戻るだろう。

そしてそこからが奈々子の第二の人生が始まる。

その時こそ本当の「わが道をゆく」が再開されるだろう。

giftを与えられし藤井聡太君が生涯将棋を続けるように
紅奈々子は歌と踊りを再開していくのだ。
大いなる才能はその人を飲み込んでいくのである。



★寅が奈々子に言った言葉を思い出す

「あんたの踊りがどんなに素晴らしいか、
あんたは分からないんだろうけども、

大勢の人が、…、オレだってそうだよ、
あんたの踊りを見て、大勢の人がうっとりして、
苦しい思いや、辛い思いを忘れようとするんだ」





そして

★寅がさくらに言った言葉

寅「
踊りをやめたりしたら、
 後悔するんじゃねえのかな。
 オレだったらそんなことさせねえ…




そういうことだ。
この作品の結末のその向こうに本当の未来の物語が待っているのだ。



さて、最後に

話はロケ地場所の詳細に戻ろう↓↓




   見つかったのはこの場所↓↓

   神奈川県鎌倉市大船2丁目19


    






    




■ストリートビューではこの場所


奈々子の場所https://goo.gl/maps/PWkLc3rHQgZxEQSQ7



タカシの電話ボックス前https://goo.gl/maps/zYokincatMGQPz1x8







俯瞰映像のカメラ位置は道に対してほぼ真正面に近く、左に大きな壁が見える。

   




2010年までのストリートビューにはこの白いビルがあった。
このベランダからの撮影だと、左にマンションの大きな側面の壁が見える。


      




35年前の撮影当時は窓があって、カーテンをかけることができたのだろうか、
それともあの二階の柵の付近に山田組スタッフが
カメラレンズの右端にカーテンがわずかに映りこむようにトリックを仕掛けたのか

    



   2014年以降はすっかり大きなマンションに建て直されている。


    







このロケ地はマドンナの自宅ゆえに今回の寅福さんの発見は
この映画の研究に大きな前進をもたらしたものとなりました。

寅福さんありがとうございます。


■寅福さんがご自分のブログに昨夜アップされた当該記事