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シリーズで最も使われたクラシック音楽は、
なんと
40作品で使われた『乙女の祈り


全作品『乙女の祈り』使用 当該シーン紹介




   









プロローグ


この美しく優しくはかない名曲【乙女の祈り】は、ほんの十数年前までは、
祖国ポーランドではさほど知られていなかったし、

若くして亡くなってしまったこの曲を作ったバダジェフスカも、祖国では埋もれてしまった人物だったのだ。
(ポーランド語では「ボンダジェフスカ」と発音)

十数年前までわかっていたことは
18歳もしくは22歳の若さで「乙女の祈り」を発表したこと。病気で27歳でなくなったこと。
そしてこの曲が、聖母マリアの物語を描いた宗教的な音楽だったとうことだけだった。



  



ここ十年は、世界で最もこの『乙女の祈り』が好きな日本からの逆輸入で
祖国ポーランドやヨーロッパで見直されてはいる。

実は、『乙女の祈り』は
発表19世紀半ば当時、初心者用の簡単なピアノ練習曲として
欧米でその甘い旋律の楽譜がかなり人気を得て売り上げを伸ばし、
世界初の楽譜のミリオンヒット作品になったともいわれている。

無名で若い女性作曲家であるバダジェフスカのこの曲が、急にたくさん売れたのは理由があり、
当事、フランスの著名な音楽雑誌が(La Revue et Gazette Musicale)、
1858年に雑誌の付録としてしてこの分かりやすく弾きやすい甘い旋律である『乙女の祈り』の楽譜を
付けたことがきっかけだったのだ。


日本でも明治に輸入されてから実に長く愛され続け、
誰もがどこかで聴いたことがある身近なクラシック作品となっている。

しかし現在、ヨーロッパでは20世紀にはすでに忘れ去られた作品となり、
作曲したバダジェフスカについても知る人はほとんどいなくなった。

19世紀当事の女性作曲家への着目度の低さは今の私たちの想像を超える
偏見に満ちていたらしいのだ。
それに加え、後に勃発した第二次世界大戦による彼女の曲の資料消失や
当時のソ連を中心とした共産圏のポーランドへの圧政により、不明な点も今でも多い。

この『乙女の祈り』が売れていた当事、
正式な音楽教育をほぼ受けないで作曲した彼女のこの曲は、いくら売れても、
今で言う、売れせんだけの俗なポップスのような扱いを受け続けたらしい

時は経ち・・・

10数年前、
日本でこの名曲を聴いたポーランド人の音楽関係者の手によって、
ラジオ番組を使い、もう一度この曲と作曲者が掘り起こされていったのだった。

2011年にはようやく彼女を記念したコンサートが祖国ポーランドで開かれ、
翌年2021年には研究者による本格的な評伝も発表されました。

何十年間も荒れ果てていた、かつて愛する夫によって建てられたバダジェフスカの墓と彫刻は、
近年では花やロウソクが供えられ、きれいに整備されるようになったという。


生まれた祖国で否定され、埋もれても、別の国で新たな命を得る。
音楽には、そういう不思議があると研究家さんたちは語っている。



このワルシャワの墓地には「乙女の祈り」楽譜を持つバダジェフスカの像がある。

    



    



ちなみに日本語のタイトルに使われているこの「乙女」という言葉は、
一般的な少女の意味合いではなく、聖母マリアである乙女 .処女を意味している。




ピアノ演奏動画↓↓

https://youtu.be/UAHNEm8kwJc

https://youtu.be/mD0A_p2QVrI











本題



さていよいよ本題。

『男はつらいよ』で『乙女の祈り』は
どの作品のどのシーンで使われたのか
全部詳細に当該シーン内容まで発表しよう。



そもそも、いったいこの『乙女の祈り』のBGMは何を意味するのか。

1960年代〜1980年代に多かった行政の清掃車の音楽だと思われる。

 私も、清掃車の音楽は1970年代〜1980年代あたりまで近畿圏は覚えているが
 「乙女の祈り」「エリーゼのために」「あかとんぼ」「草競馬」あたりがけっこう多かったと覚えている。
 日本中いたるところで、やっぱり【乙女の祈り】と【エリーゼのために】は双璧だった。

 ちなみに、私が3歳から高校まで育った大阪市は
 大阪をモチーフにした歌「小鳥の住む街」だった。なかなか可愛い曲。
 あの曲が流れたらみんなゴミだし忘れてた人たちは走り出すのだった。




台湾では清掃車は、ほぼ「乙女の祈り」のみ
https://youtu.be/I5mZ6-QtaPg


私の少年期の思い出、大阪市の清掃車の曲「小鳥の住む街」
https://youtu.be/kUi0Q5UuosE



清掃車の流す音楽だとするとお昼過ぎまでしか流れないはず。
全部のシーンで午前中やお昼過ぎまでしか聴こえない
夕方近くになったらもう聴こえない。夕暮れ時はもってのほか。
つじつまが合う!!



■午前中からお昼の3時くらいまで 【乙女の祈り】

■夕暮れ時 豆腐屋のラッパ


これ↑が、【男はつらいよ】のお約束音楽と音である。



使われている作品の8割以上は、
早朝でもなく夕方でもない「お昼前〜昼過ぎごろ」にのみ聴こえて来るのである。



つまり、あの『乙女の祈り』が本編で流れてきたら 
観客たちは「ああ、今はちょうどお昼ごろなんだなあ」と
条件反射で思うようになるわけだ。






それでは、ここからは、
制作順に当該作品と当該シーンを紹介して行く。








【第1作 男はつらいよ】


寅の失態により、見合いに失敗したさくらだったが、
その一方の心では博のことを好ましくも思っていたのだった。
そのことが唯一分かるのがこのシーン。ここで【乙女の祈り】が使われる。




博がさくら目当てに草団子200円分を買うシーンで流れている。



    






博。店先に来る。

博「
ごめんください


さくら、博を見て、表情が華やぎ


さくら「
はい

    





博「あのー、団子を200円ください


さくら、ちょっと嬉しそうな顔して





    



さくら、「はい




ここから【乙女の祈り】がオルゴールで流れる。



博、おいちゃんたちにお辞儀。



おいちゃんたち、微笑ましく見ている。

                 

     



さくら「私持っていってあげるわ


      



博「あ、そうですか…、どうも



    



     とても良い雰囲気の博とさくら

    



おいちゃん「博さん、裏からお帰りよ、
     なにも遠回りしていくこたあ、ねえやな。



ここで【乙女の祈り】が終わっている。




博「
そうですか、すいません


お辞儀をして、裏へ抜けていく。


    


博、庭に出る時焦って、こけそうになり、
庭にいる工員とぶつかる。


            












【第2作 続男はつらいよ】



このシリーズでの
数少ない地方ロケでの
例外使用
なんと柴又ではなく、
京都市内ロケでなぜか【乙女の祈り】が
使われていた。



産みの母親である菊が京都でホテル業をしていると聞いて
夏子さんと二人で菊に会いに行く寅だった。
その時道を聞いたシーンで『乙女の祈り』が流れる。



京都市の安井毘沙門町ラブホテル街のそばでなぜか『乙女の祈り』が・・・・

なぜ!?(;^_^A アセアセ・・・

京都市の清掃車も同じ曲使っているのだろう。


    




京都市東山区小松町


夏子「グランドホテルってこのへんですか?

お澄さん「へえ、うちどすが




【乙女の祈り】がここから流れはじめる。




    


夏子「おばさん…グランドホテルの…

お澄さん「へえ、グランドホテルのものどす。

      こちらどす。




夏子さんも寅も、この女性が瞼の母の「お菊さん」だとこの発言で思い込む。


    



【乙女の祈り】は、ここで終わっている。









【第5作 男はつらいよ 純情篇】


このシリーズでの
数少ない地方ロケでの
例外使用
なんと柴又ではなく、
第2作同様柴又参道ではない、
地方である
千葉県浦安
なぜか【乙女の祈り】が
使われていた。




寅が惚れている浦安の豆腐屋の娘、節子は、実は国鉄勤務の剛と結婚の約束をしていたのだが
そのことで、剛から転勤があるので一緒に来て欲しいと
話をされるその直前のシーンで『乙女の祈り』が流れる。



   



節子
あら〜〜、今日は?

剛「うん、夜勤明けなんだ

節子「またお豆腐?


【乙女の祈り】がここから流れ始める。


いや・・ちょっと・・時間ないか?大事な話があるんだ。」


   
 

緊張の空気が二人の間に漂う。


節子「あ・・そう・・・


節子「
母さん! ねえ、ちょっと出かけて来るけどね。
   店の人が来たら、30分くらいで戻るからって言っといて



   



母親、節子が出て行くのを不安そうに見ている。

節子がこの家を出て行く日が近いことを感じているのだ。


   



剛と節子 やや緊張しながら二人して歩いて行く。


    


ここで【乙女の祈り】は終わる。










     

【第6作 男はつらいよ 純情篇】



朝日印刷を辞めて博が独立する騒動がかなり佳境を迎えていて
タコ社長が絶望感を抱きながら、さくらに詰め寄り、問いただし、かなり焦っているとらや店シーン。
ここで【乙女の祈り】が流れる。


    




社長はさくらに どうなっているんだ って聞く。



   



おばちゃんも「
さくら、本当かい?

社長「
あー!ダメだ!ダメだ!
  オレの工場ダメだー!オレの工場…

 
タコおいちゃんにツバかけまくり

  



【乙女の祈り】がここから流れ始める。





っていうか、十年も二十年もあの工場で
満足している方工員がいたとしたら、それはそれでちょっと特別な感覚かも(^^;)



さくらと夕子さん 、このあとの騒動がなんとなく分かって黙ってしまう。

さくら、照れ笑いのような困ったような複雑な表情する。



   



遠くで募金のキャンペンの車通っている。

商店街のスピーカで

♪あなたの温かい手を
恵まれない方々にお渡しください…
(^^;)

社長には悪いが、この募金ギャグには笑った。




ここで【乙女の祈り】は終わる。














【第7作 男はつらいよ 奮闘篇】



沼津のラーメン屋で知り合った花子を派出所で助けてやって、
沼津駅で見送ったものの、心配でしかたない寅は
もしや津軽に帰らず、とらやに花子が訪ねていたら自分が助けようと
わざわざ変装して、とらやに戻って来るシーンで【乙女の祈り】が使われる。


    






花子が心配で、柴又に帰って来た寅。


おいちゃん「
来たよ、来た!



寅が
ちょび髭色眼鏡
かけてとらやの前を横切る。


おばちゃん「髭つけてたよ←おばちゃんのしぐさ面白い

社長「
変装しているつもりだよ

おいちゃん「
ばかだねえ、あの四角い顔
     隠せると思ってるのかねえ…
     ほんとにバカだね…いやになっちゃう




寅また覗きに来る。


おばちゃん「
しーーー!!来たよ来た



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



遠くかなり中に入り込んで台所を見ている。

みんな知らないふり
さくらだけ少し冷静


  



博と寅目が合う


びびる博

   


寅逃げていく。

さくら「まったく バカバカしいわね〜

と、立ち上げって 寅を呼びに行こうとする。


タコ社長「お待ちよ〜!


さくら「どうしてよ〜〜〜?


    


タコ社長「悪いよ〜〜、せっかく変装してるのにさ〜〜〜


おばちゃん「そうだよ。今見つけたりしたら怒るよ〜〜〜

さくら「じゃあ、どうすりゃいいのよ〜〜〜」と座りなおす。


このあたりまでで【乙女の祈り】が終わり。













【第9作 男はつらいよ 柴又慕情】



柴又に帰った寅は北陸の旅先で知り合ったみどりとマリと再会し、
とらやの縁側で歌子さんが、いろいろ不幸せな家族だったことを彼女たちから聞いて、
寅は自分が歌子ちゃんを幸せにしたいと思うよいになる。

朝起きて、庭で拍手を打ち、さくらがお寺に届け物をしに行くのを付いて行き、
お賽銭代をさくらからもらうという流れ。

乙女の祈りはこの朝起きて庭で拍手を打っているあたりから、さくらがやって来て
とらやの団子箱詰めを風呂敷で包んでいるところまで。



     





寅が朝起きて、
植木鉢の花を抜き取った時点で乙女の祈りが流れ始める。



【乙女の祈り】がここから流れ始める。




寅、拍手を庭で打つ。



さくら「おはよ〜〜

おばちゃん「いいとこに来てくれたね〜〜〜。
     今、さっきね、お寺さんから急な注文でさ〜〜、
     誰もいなくて困ってたとこなんだよ。
     すまないけど 届けてくれっかい?


さくら「うん



    



さくら「近頃お寺さんからのご注文多いのねえ。
   景気が良いのかしら


おばちゃん「バチ当たりなこと言うんじゃないよ。
     ご利益があるんだからね〜、帝釈さまは


さくら「そう?


このあたりで【乙女の祈り】が終わる。









【第11作 男はつらいよ 寅次郎忘れな草】


リリーと網走で知り合い、話をし、いろいろ人生について考えた末に、
網走で懸命に地道な労働をしようと試みて、ぶざまに失敗してしまった寅は
さくらに迎えに来てもらってなんとか柴又に戻る。

そのころとらや裏の朝日印刷の水原君と食堂のめぐみちゃんは同じ青森県だということもあり
かなりお互いを意識する親しい仲になっていた。
そのめぐみさんが工場の水原君を誘いにやって来るシーンで【乙女の祈り】が流れる。



    




店先に「来来軒」店員の女の子が立っている。


めぐみ「
あのー、こんにちは

さくら「
あー、めぐみちゃん、いらっしゃい

めぐみ「
あのー…いつもすいませんけど…

博「
あー、水原君ね、ちょっと待ってて




【乙女の祈り】がここから流れ始める。




おばちゃん「
ささ、おかけなさい

めぐみ「
はい、どうもありがとう」青森弁で。


おばちゃん「あんたも青森県?

めぐみ、うなづく。


    


おばちゃん「
そう、それじゃ、水原君とは話が合うわねー

めぐみ、照れながら、下を向く。


    



江戸屋小猫扮する水原君裏から店に来て、

帽子を取ってさくらたちに挨拶し、店先へ。





    



ここで【乙女の祈り】が終わる













【第12作 男はつらいよ 私の寅さん】


寅の小学生時代の友人デベソの妹で画家の柳りつ子さんは
売れない貧乏画家だが、その類まれな美貌に寄ってくる
画廊の一条が執拗に自分に絵の販売を任せてほしいと言い寄っているシーン。
寅はりつ子さんの恋人だと勘違いして、そのあと旅に出ようとする。




    




店の中



一条「そりゃあ、僕も画商ですから金儲けはします。でもあなたは…別なんだ。



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



あなたへの投資がまるまる赤字になっても
それは僕は僕は満足なんですよ。その分他で儲けますから…。



りつ子「
うん、私もジョーさんの気持ちはよく分かってるわよ


一条「
じゃあ、どうして承諾してくれないんですか

りつ子、下を向いて「ん・・・・・」と
困っている.
.



沈黙の時間


さくら、満男と買物から帰ってきて店先から一条を見て立ち尽くす。

やっぱり兄思いのさくらだね。失恋の予感があるのだろう。





    




【乙女の祈り】は、ここまでで終わり。




一条、しばし考えて、りつ子の肩に手を回して


一条「じゃあ、こうしましょう。
  2,3日考えていただいて、それからもう一度ってことで。




りつ子「
ええ…

一条「
じゃ、僕はこれで

りつ子「
どうもすいませんでした













【第13作 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ】



序盤、おいちゃんの夢枕に寅の父親が出てきて
寅はバカだからよろしく頼むと言われたという話を、
朝やって来たさくらに語っているシーンで【乙女の祈り】が流れる。


     




さくら、ちょっと笑って「いつも暇ねえ、このお店は


おばちゃん「あら、言うねえー、さっきまで忙しかったんだよ

おいちゃん寝巻姿でボー

さくら「何よおいちゃん今ごろ起きたのォ〜

おばちゃん「なんだか知らないけど、
    明け方
変な夢見て寝付かれなかったんだってさ


おいちゃん「変な夢じゃねえよ。いい夢だよ


さくら「おばちゃん、陽がさして来たから布団干しとくね


おばちゃん「あー、すまないね

さくら、布団片付けながら「ねー、どんな夢見たの?

おいちゃん「寅の奴が帰えーって来たんだよ

さくら笑って「フフ…お兄ちゃん元気だった?

おいちゃん「それが、いつもと違ってさ元気いっぱいでなんだか
     幸せそうな顔してさ、ズカズカっと
     俺のところへ来てこう言いやがったんだ。
     『おいちゃんよ、長い間心配かけたけど
結婚したよ』って

さくら、笑って「あらあらこの反応は笑える^^

その間も布団干したり片付けたりしている

おいちゃん「まあ〜オレそれ聞いたらオレゃ胸がいっぱいになっちまってさー。
    そりゃー良かったなって一言言ったら、あとは涙よ。


さくら「フフフ…それで?

おいちゃん「そしたら、あいつに起こされちゃった

さくら「ハハ!



おばちゃん、テーブル拭きながら「だってさー、寝ながらしくしく泣いてるんだもんこの人


さくら「いや〜ね




【乙女の祈り】がここから流れ始める。




おいちゃん、ハッとして「おい!

さくら「え?


おいちゃん「夢枕って言うけど、まさかそれじゃねえだろうな


これじゃ寅が死んだことになってしまう?(^^;)




おばちゃん、やめろ、というしぐさ。


さくら「嫌なこと言わないで

おいちゃん「でもさ、おまえの親父が死んだとき夢枕に出たんだぜ

さくら、座って「本当?

おいちゃん「おう!

おばちゃん「白い着物着てね枕もとに立ったんだってよ、あんたのおとっつあん

と言いながら幽霊のかっこうするおばちゃんってお茶目(^^;)
                            
                 
    


さくら「へぇ〜

おいちゃん「オレが何か用かい?って言ったらね、寅とさくらのことは
     よろしく頼む。特に寅の奴は生まれつきバカだから心配で仕方ねえ
     って哀しそうにそう言ってさ…す〜っと消えちまったんだよ



さくらおいちゃんの肩揉んでいる。


おいちゃん「目が醒めたら汗びっしょりよ。う〜ん

さくら「そんなことがあったの?

おいちゃん「うん

おばちゃん「お兄さん、未だに成仏できないでいるんじゃないかねえ・・

おいちゃん「おりゃあ寅の奴を甘やかし過ぎたのがいけねえんだよなあ
 

    




【乙女の祈り】はここまでで終わり













【第14作 男はつらいよ 寅次郎子守唄】


寅は吉田病院の看護師木谷京子さんに早く会いたくて、
土曜日が来ることを首を長くして待っているが
タコ社長は金作に追われ、日にちが早く経つことを嫌がっているゆえに、
話がかみ合わなくて喧嘩になってしまうそのきっかけのシーンで【乙女の祈り】が流れてくる。



    



社長「あー、忙しい忙しい、今日は水曜だったな

おいちゃん「木曜じゃねえか?




【乙女の祈り】がここから流れ始める。




社長「え??


社長「もう木曜日?本当か?

おいちゃん「ああ

社長「水曜日だとばっかり思ってたよ



   



社長「あ、いけねえ、土曜が期限の手形があるんだよな
   あと1日しかないじゃないか大変だこりゃこうしていられねえや

   なんでこう一週間ってのは
   早くたつのかな〜



おいちゃん「まったくだ


寅上から下りてくる


寅「
おいちゃんおいちゃん、」

おいちゃん「あん?

寅「今日は金曜日だろ?

おいちゃん「うん?木曜日だろ

寅「まだ木曜日?なんだよオレ、
 てっきり金曜日かと思ってたよ…。


ここまでで【乙女の祈り】終わり。




寅「あーあ、どうしてこうも
 1週間が長いかねえ…




それを聞いて、社長は悲しい顔をして・・・・


    



社長「あー嫌だ嫌だ俺生きてんのがになったよと情けない顔をする。













【第15作 男はつらいよ 寅次郎恋相合い傘】



リリーと小樽で喧嘩をしてしまって、
かなり落ち込んで柴又に戻って来た寅が、さくらたちがリリーが訪ねてきたことを
話しててそれを参道から聞いていた寅が驚いてとらやに入って来る
そのシーンで【乙女の祈り】が出てくる。




    



兵頭パパが自宅に帰ったことの電話連絡がさっきあり、
みんなで良かった良かったと言いあって・・・・




おいちゃんタバコの箱を開けながら「それで、寅どうした?

さくら「それがね…、小樽で別れたっきりだって

おいちゃん「小樽?」とタバコにマッチで火を点ける。

おばちゃん「小樽って、北海道かい?

さくら「うん

おばちゃん「まあ…ずいぶん遠い所にいるんだねえ




店先の参道に小樽から戻って来た寅がいる。




【乙女の祈り】がここから流れ始める。




おいちゃん「一緒に帰ってくりゃいいのに、あのバカ」と火を消す。


さくら「ねえ」一緒におばちゃんも「ねえ…


おばちゃん「私たちがこんなに心配しているのにわかんないのかねえ

おいちゃん「はー…うん…


3人ともしんみり下を向いて寅のことを想っている。


みんな、背中を向いているので寅には気づかない。

寅「


     




おいちゃん「そういや、リリーさんも北の方に
     行くって言ってたんだろ



さくら「うん…



寅、ビクッ  と反応
                                                

さくら「ひょっとしたらどっかで会ってるかも知れないわね




    



その発言を聞いて、ドドッ!っとさくらの
ところに駆け寄ってくる寅




                 


寅「おい!リリー来たのか…!

さくら「うん…つい、寅に気づかず、下を向いたまま返事をしてしまう。

寅「うん!

寅「いついつ!?いつ!…いつ!!


    




【乙女の祈り】は、ここまで




さくら「ええーっと…せせ、先月の始め頃だったかしら


寅「きのうやおとといじゃねえのか…


さくら「うううんん

↑倍賞さんのこの小刻みな首の振り方、愛嬌がありました(^^)



寅「チッ、何だよ…ガックリさせやがらァ



さくら、おいちゃんと顔見合わせて、
ようやく我に帰り、立ち上がりながら両手をあげて



さくら「…!お兄ちゃん!!



さくらの、カン高い大声に、
おいちゃんおばちゃん椅子から宙に浮く!!



    














【第16作 男はつらいよ 葛飾立志編】


序盤、最上順子ちゃんがとらやを訪ねて来て話をしている時に、
ちょうど寅がとらやに戻って来る。
それで轟巡査にとらやを訪ねるシーンで【乙女の祈り】が流れる。



     



寅、店先でとらやの中を覗いている。



さくら、寅に気づく。

さくら、嬉しそうな顔。


おばちゃん「あら!


寅、照れくさくて、くるっと回って右に行って、
荷物を背負った通行人のおじさんについて今度は左へ行く。


順子「つまり…


おいちゃん「噂をすれば影だ…




【乙女の祈り】がここから流れ始める。




さくら「ねえ、順子さんって言ったわね


順子「はい


さくら「兄が帰ってきたわ


順子、店先を見て


順子「ほんと?



    




寅、そっとかがみながら店を覗く。


   


一同と目が合う。

寅、背中を向けておろおろしながら立っている。


さっきの轟巡査やって来て


巡査「なにか、探し物ですか?


寅「ん…とらやって店どこかなあ…って思って…

巡査、後ろを見て「ここですよ

寅「あーっ、こんな近いとこにあったのか。
 ハハハごくろうさん、ここだったら知ってる




    





ここで【乙女の祈り】は終わり。



順子、じっと寅を見つめている。




寅「よう!おいちゃんおばちゃん!
 さくらも達者か?ん?

一同「
寅笑いながら「どうした?

寅、順子を見て、

寅「なんだいこの子は?

寅、順子を見ながら、突然『はっ』とする。













【第17作 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け】


満男の小学校入学式の後、教室で寅の話題が出て、みんなに笑われ、
そのことでとで、さくらが哀しい思いをしてして帰ってきた。
寅はそれを聞いて憤慨するが、おいちゃんは、
それはみんなに笑われる寅が悪いからだと言ってしまい、
おいちゃんと喧嘩してしまった寅は上野で酒を飲んでいるが、
そこで酒代を持っていなかったルンペン爺さんと知り合い、深夜にとらやに連れてくるが
その爺さんは、風呂わかせだのうなぎ代を払わせたりだのと、なかなか図々しく、
とらやの面々にかなり怪しまれ、疎まれる。

寅はしかたなく、うなぎの代金をとらやに払わせたことについて
領収書を見せながら爺さんに文句を言う。
爺さんは驚き「なんだ!・・・宿屋じゃないのか?」とつぶやくシーンで、
【乙女の祈り】が聴こえてくる。




    




とらや 二階


寅「別にここを出て行けって言ってるんじゃないんだよ
 お前が一文無しの年寄りだってことはみんな承知してるんだから、
 いや、今までどおり泊めてもやるし、飯も食わしてやるけどもさ
 よその店いってこうやってうなぎなんか食ってきてね、
 その勘定をこの家の者に払わしたりしちゃいけないんだよ。
 遠慮ってもんがあるだろう。
宿屋じゃないんだから





青観「!!…宿屋じゃない?なんだここ宿屋じゃないのか


見りゃ分かりそうなもんだ。草団子って旗に書いてあるのになあ。(^^;)



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



        




寅「ええ?お前ここ宿屋だと思ってたの?

青観「うん



     



寅「ハハハ、こりゃ驚いたなァ…宿屋のわけないじゃないか
 こんなうす汚ねえ家がそうだろう?ここはな、オレの叔父きと
 叔母と二人で経営してるケチな団子屋だよ



青観「そうか…ハハ、どうりで愛想が悪いと思った特にあのおかみさん

 おばちゃん「あのクソジジイ!」って怒ってたもんなあ…(^^;)

寅「当ったり前だよ本当の事言うと頭にきてたんだぞみんな

青観「そりゃそうだろ、こりゃ失礼したな。
   う〜んこりゃなんとかしなくちゃ


寅「うん、いやいいよ、なっ、別に礼をよこせとか、そう言うこと
 言ってんじゃないんだから。ただ帰る時さ、
 ちょっとお世話様になりました挨拶一言いって、なっ。
 家へ帰ってからほら、意地の悪い嫁に小遣いもらって、
 菓子折りのひとつ買ってここへ送りゃもうこの店のものは
 大感激なんだから



乙女の祈りはここで終わり。



青観「ううん、そういう分けにはいかんよ。困ったなこりゃあ



     













【第19作 男はつらいよ 寅次郎と殿様】


大洲に滞在中にふとしたことから知り合った大洲の殿様から
亡くなった末息子の元嫁で東京に住む「マリ子」を探して欲しいと頼まれ、
しかたなくとりあえず柴又参道から探し始める不精な寅。

この作品では珍しくセット撮影でなく、参道ロケから【乙女の祈り】が始まっている。




     




寅が源ちゃんを従えて帝釈天参道の店々で「マリ子」さんを探している。



煎餅の金子家で聞いて



       



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



寅「どうもありがとう

源ちゃんに

寅「いたか?いるわけない(−−;)

源ちゃん「いてへんそらそうやろ(−−;)

寅「あー、次いこ

もう相当疲れている。




寅たち、てんぷらの大和家に来て

寅「おい大和家、あのーおめえ、マリ子って女知らねえか?

大和家「ウチにいるよ



       



寅「!!年はいくつだよ!?」と、キョロキョロ

大和家「七十五六かな、オレのおばあちゃんだよ」 

おいおいおいヾ((((^^;)




寅「バカ、そんなこと聞いてねえや

源ちゃん、後ろでソーダ味の水色アイスキャンディ
食べてるだけで役立ってないぞ。


寅「おい、次いこ

寅ぜいぜいもの

彼らの後ろにパーマ屋「アイリスの屋根が見える。
まだ残っているんだねえ…。
お千代さんはまだいるのだろうか。


      



あのままいくと、
実は次は高木屋(お持ち帰りのほうの高木屋)なのだが、
なぜか寅たちはとらやの真向かいの江戸家に来るのだ。


店の位置関係がバラバラ(^^;)


寅、江戸家のおかみさんに

寅「おたく、マリ子さんって娘さんいない?


【乙女の祈り】は、ここまで





おかみさん「いないよ


寅「いない…

寅「次だ…


          

      











実はこの第19作はもう一箇所
この「乙女の祈り」が使われます。

寅友で、日本有数の寅さんファンである

兵庫県川西市の矢尾さんが発見されました^^



鞠子さんと会うことが出来たお礼を執事の吉田に託して東京に向かわせた殿様。
吉田はお礼の品物と手紙を持ってとらやを訪れたのです。
芸者の「こずえちゃん」を帝釈天境内や参道で待たせておいて・・・。




とらや 店


吉田「ごめんください


博だけがいる。


食パンを食べながら本を読んでいる博、
誰も他にいないので店に出て行く。



博「いらっしゃい

吉田「あのう…車寅次郎さんのお宅はこちらですか

博「はい、そうですが

吉田「ご在宅ですか




博、二階のさくらに声をかける。

博「さくら、兄さんどこへ行った

さくらの声「商売に行ったわよ

博「お客さんなんだけどなあ…

吉田「大洲の吉田と申します



博、下りて来たさくらに

博「大洲の吉田さん…変なオヤジおいおいおいヾ(^^;)




さくら店に出てくる。


吉田「これはこれは妹さんですか、
   お噂はかながね聞いております。
   私、藤堂家の執事をしております吉田と申します



と、頭を下げる。


頭を下げながら


博「大洲から来られたんですか


吉田「はい、この度は大変殿様が御世話になりまして
  ありがとうございました。
  おかげさまで大変なお喜びようで、
  ぜひお前にお礼に伺ってくるようにと命ぜられましたんで、
  わたくし参りましたもので




さくら「まあわざわざ恐れ入ります



        




吉田「これはつまらないものですが大洲の名産でございます。
  お受け取りくださいまし


さくら「まあ、こんなご丁寧なことしていただいて

博「申し訳ありません


吉田、大きな封筒を取り出して



        




吉田「それからこれは殿様からのお手紙でございますが、
  寅次郎様にどうかお渡しくださいませ



吉田「それじゃわたくしこれで


かばんに「大東京」と書かれた地図ガイドブック。

さくら「あら、そんな




        




博「お茶でも

吉田「いいえ、連れを待たせておりますから

さくら「あら、お連れ様が?どちらに?

吉田「いえ、そのへんに…


さきほどのこずえという女性が店を覗き込んでいる。

さくら「ではお連れの方もご一緒にお団子でも


吉田ブルブル首を振って


吉田「いいえおかまいなく、フフフ





     







こずえ店先にやって来て


こずえ「パパん、まだあ〜あちゃ〜〜〜 ((((((^^;)


吉田、ギョッとして振り返る。


吉田「あ、…なんだおまえか。
  お父さんね、すぐおいとまするから
  おとなしく待ってるんですよ



こずえ「え??


吉田照れながら


吉田「でございますうそ丸出し(^^;)


さくらたち「…?




【乙女の祈り】がここから流れ始める。





吉田「ろくに躾も行き届きませんで、
  お恥ずかしゅうございますんで





     




こずえ、クスクス笑いながら歩いていく。


吉田「ではあの寅次郎さんに吉田から
  くれぐれもよろしくとお伝えくださいますように



吉田あわてながら


吉田「じゃこれでどうも


ペコペコ頭を下げてうしろずさりで外に出る。


ちょっとつまづいて、こけそうになる。




     



     

                   




さくらと博がキョトンとして吉田たちを目で追いかけている。


     



吉田「こずえちゃん、おとなしくしていたかい



こずえ「ばかね、なにがこずえちゃんよォ




吉田「バカ、なんで来るんだとすたこら逃げていく。



ついでに遊びに来たんだね、このお人。


吉田こずえの機嫌取りながら二人して去っていく。



さくらたち店先から二人を眺めている。


清掃局の車の音楽。




こずえ「なによ


吉田追いかけながら


吉田「だからさ、あんなとこに来ることないだろ


こずえ「なによ、えらそうに!とおかんむり。


吉田タジタジ。


こずえ「いーや、いーや


     




【乙女の祈り】は、ここまで


















【第20作 男はつらいよ 寅次郎頑張れ】



博のつてで、とらやに下宿している島田良介は電気工事の技師だが、
【押し売りお断り】の札を店の表に貼り付けているところにうん悪く寅が帰って来る。
人相と風体で良介は押し売りだと決めつけ、大騒ぎになる。




      




良介仕事に行く。

おばちゃん「いってらっしゃい



良介、ワッペン見て

良介「押し売りお断り』…、おじさん

おいちゃん「えー

良介「これ、貼っとこうか




【乙女の祈り】がここから流れ始める。




おいちゃん「あー、どっか適当なところ頼むよ



店の入り口の上に『押し売りお断り』を貼る良介





なんと寅が後ろにニコニコ笑って立っている。




      




寅「押し売りお断りか…


良介、寅の顔を見、下から上もまじまじと見る。

寅もつられて下から上へ良介を見ていく。



寅から笑いが消えて、


寅「ち、なんだこのヤロ



       



と、ぶつぶつ言いながら店に入ってくる。

良介は寅を不振がり、店から出そうとする。



良介「何ですかあんた

寅「なに?



ここで【乙女の祈り】は終わり。



良介「歯ブラシとかね、ゴムひもとかね、
  そんなものウチ間に合っていますからね、
  出てってくださいよ



寅「…!おい、…、おまえなんだ!?


良介「オレはここのウチのもんですよ


寅「冗談言うなこのヤロウ!
 このウチにてめえなんかいるかい!
 オレは見たことねえよ!




        



良介「オレだって見たことないな、あんたなんか確かに(^^;)

寅「チキショウこのヤロ!
 おい!誰かウチのものいねえのか!ウチのもの!




        



電話の受話器を持ち、すぐさま警察に電話をかける良介。


おばちゃん台所から出てきて

おばちゃん「あら!!

寅「誰なんだ!こいつは!?

おばちゃん「なんだい、どうしたんだい


さくらも後ろから出てきて

さくら「お帰んなさいお兄ちゃん


良介「とらやですけどね、
  今、押し売りが入ってます。ええ、押し売り、ええ


寅「押し売り!?、コノヤロ!!

と、後ろから良介をつかむ。


良介、振り向きざまに寅を捕まえて

良介「さくらさん!こいつ押し売りなんだ!

さくら「違うのよ!と止めに入り、


寅「オレを誰だと思ってんだ!!


さくら、良介に

さくら「あのね、この人私の兄なのよ

寅「ただじゃおかねえぞ!コノヤロ!!

さくら「怒るのも無理ないけど、悪気があったわけじゃないの

寅「こいつは誰だ!!














【第21作 男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく】


とらやで喧嘩した寅は、旅に出、九州の熊本の田の原温泉に流れ着く。
その地でお金もないのに長逗留し、さくらに手紙を書き、なんとさくらは遠くはるばる熊本まで
寅を引き取りにやって来る。

反省した寅は改悛し、生まれ変わったようにとらやで真面目に働き始めるのだった。
そして寅に縁談話が生まれ進められる。
その真面目に働いているシーンで【乙女の祈り】
が流れる。




     





おいちゃん「寅に縁談だよォ



      



さくら「え〜」と驚きの表情で寅を見る。

おばちゃん「ちょッと、ほんとかい


寅、冷静を装う(^^;)



      




さくら「ね、どういう人、相手は

博「うちの取引先で働いてる人なんだ」.

さくら「知ってるの

博「ああ、知っている。
 あの人なら、兄さんきっと気に入るんじゃないかなあ
」.

さくら「へえ〜〜〜


寅、片付け物をおばちゃんに託し、


寅「博、お前もバカだなあ。
 オレが相手を気に入るかどうかじゃなく、
 相手が俺を気に入るかどうかが、問題だろ




これはもともとは
第13作「恋やつれ」で松村おいちゃんが言った名セリフ。

バカ!こっちが気に入るかどうかじゃないんだよ。
向こう様が寅を気に入ってくれるかどうかが問題なんだよ




     



おいちゃん「よく言った!まだ早まるな信じるな、早いぞ。ヾ(^^;)




【乙女の祈り】がここから流れ始める。


博「変わったなあ、兄さんは、
 九州でいったい何があったんですか




     



寅「いや、別に。
 ただあの静かな山里で、
 残り少ない己の人生について考えて見ただけです


おいちゃん「えらい!

おばちゃん「よかったねえ、さくらちゃんちょ、ちょっと早いってば ヾ(^^;)

博「わざわざ九州に行ったのも無駄じゃたかったなあ

さくら「そうね


    



感動している一同。


寅、しみじみと、


寅「
なあ、さくら、考えてみると
 オレももう惚れたはれたの歳じゃなくなったなあ、フフ



と感慨深く店の表を通るカップルに眼をやる。



    




博「やっばり、兄さんもいろいろとー



【乙女の祈り】はここで終わり。



さくら「ねえ、その話どっから聞いたの

博「うん、うちの社長がもって来た話だけどな

さくら「うん











【第22作 男はつらいよ 噂の寅次郎】


旅から戻って来た寅は博の父親の説教によって別人のように改悛していたが、
美しい店員、早苗さんの登場により、改悛は水の泡に帰す。
とらやで勤め始めた早苗さんは、どこか陰がある色っぽい女性ゆえに寅は夢中になる。
店の仕事の合間に早苗さん自身が持って来たお弁当を
食べるシーンから【乙女の祈り】が流れる。


     





早苗「どうぞ


とお茶を入れた湯のみを差し出す。


寅「
ああ、どうも



     



【乙女の祈り】がここから流れ始める。


そんないつもいつも清掃車来ないよ。




早苗「あのー…

寅「
え?

早苗「
私、ちょっと失礼してお弁当食べますね


    



額の汗を拭き、


     



と、食べかげの弁当のふたをとり、箸を手にする。

寅、胸をつかれる思いでその姿を眺める。

箸を持った早苗さん、



     



寅のお弁当への視線に気づき



    



恥ずかしそうに手で弁当をかくす。


早苗「
あ…見ないで



     


寅、ドギマギする。




寅「
そうだね、そうやって毎日お弁当作るんじゃ大変だなァ。
 なんかおかずを。うなぎのかば焼でも




【乙女の祈り】は、ここで終わり



見栄はるなよ、そんなもんないよ(^^;)

早苗「いいえ、いいんです

寅「
あ、漬物だそうね

早苗「ほんとうにけっこうですから













【第24作 男はつらいよ 寅次郎春の夢】


序盤、柴又とらやに帰ってきた寅だったが、
自分の二階の部屋がぶどうに占拠されているという
「ぶどう騒動」に巻き込まれて、不機嫌になってしまう。
この騒動に感しては寅は悪くは無い。
ダメ押しで博がおもいっきり失敗して寅はさらに不機嫌になる。



     






寅ギロリと睨みながら


寅「


博「
はい

寅「
社長はどうしてる?




【乙女の祈り】がここから流れ始める。




博「
はい、今税務署に行ってますけど

寅、頷きながら、立ち上がり

寅「
そうか、おまえたちがなぶどうがしょっぱいだの甘いだのと
  ゴタクを並べている時に、あいつは経営者の苦労を一身に背負って
  飛び回っているんだなあ…、可哀想に




    



と庭に出て行く。

博「
すいません…


寅のぶどうを持ちながら

博「まずかったなあ・・・


   


失敗したなあ・・・・ と後悔の表情の博。





【乙女の祈り】はここで終わり。












【第25作 男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花】



序盤 
水元公園のあやめが盛りなので、みんなでお弁当持って
あやめ見物に行こうとしていた矢先に
寅が帰って来る。このシーンで「乙女の祈り」が流れ始める。

みんな真っ青になってどうするか、
あやめ見物に誘うか、誰かが残るか、相談するが、
どうすることもできないまま、寅はついに店先にやって来た。



     





寅が題経寺の方から歩いて来るのをおいちゃんと博が店先で目撃。


おいちゃん「
ええ。…?…!!!!!


おいちゃんと博、題経寺方面を見て、慌てて


おいちゃん、博よりはやく、僅かな隙間を
押しのけるようにして戻ってきて(^^;)




     

ドドドド!


おいちゃん「寅帰ってきた!


さくら「え!?

博「おい、どうする?


博「ああ!

おいちゃん「何?

博「アレはまずい!



     




博、店の表の貼り紙をやみくもに外す。

第12作の『九州旅行騒動』思い出すなあ…(  ̄ー ̄)



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



おばちゃんお手洗いから戻ってきて

おばちゃん「はい、お待ちどおさま、さあ、行きましょう

さくら「おばちゃん、お兄ちゃん帰ってきた

おばちゃん「えぇ!!?



    




おいちゃん「おい、さくら、どうする、もうすぐ来るぞ




寅がついに店先に現れる!


しかし、例のごとく 一度わざと通り過ぎて行く。



     




博「しょうがないから、誘うか、アヤメ見物行こうって



     




おいちゃん「無理無理、あいつがそんなとこ行くわけなえだろっ

冬子さん、春子先生、綾さん、とは喜んで行ったんだけどなあ…、
寅はマドンナと一緒じゃないと行かない行かない(^^;)



博「そうか…

おばちゃん「どうすんだよ、早く決めなよ

さくら「い、いいわ、私残るから


おばちゃん「そんな、バカな、昨夜から楽しみにして、
    お弁当作ったのに


さくら「だってお兄ちゃん一人残して行くわけには


博「じゃあ、オレ残るよ、二人で酒飲んで帰り待ってる


おいちゃん「う〜ん、せっかくみんなでそろって
     出掛けようとしたのになあ・・・



さくら「あー!このお弁当、荷物隠さなくちゃ


メロン騒動の二の舞


おばちゃん「はやく!はやくどっか…




【乙女の祈り】はここで終わり





おいちゃん、さくらにぶつかってしまう。

さくら「あ、痛い!ごめん、

おいちゃん「大丈夫か?

あわてて弁当や水筒をそのへんに隠す。

わっ!おいちゃん、
さくらの帽子被っちゃった!
ヽ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∇ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄;)ノ





郵便屋さん「とらやさん、郵便です



寅、つかつかと近づいてくる。


寅「
♪郵便屋さん、 御苦労さん、この家だろ?

郵便屋さん「
ええ、速達なんですけど…




       




寅「あっそう、オレがもらっとく、どうもありがとう


と封筒を受取り、機嫌よく店に入ってくる。













【第26作 男はつらいよ 寅次郎かもめ歌】


序盤、寅はとらやに帰って来るが、国勢調査騒動になりそうにはなるがなんとか回避。
そしてさくらたちがようやく潜水艦アパートから脱出し、一軒家に引っ越したことを知り、
さくらと二人で新居を見に行こうと上機嫌でとらやを出発するのだった。
とらやを出発するシーンで「乙女の祈り」が流れる。



    




寅「そうかあ、家持ったのかおまえたち…と、しみじみ頷いている。



        


おばちゃん「2階建てだよ」とニッコニコ

寅「ほう、2階建て、そらたいしたもんだ

おばちゃん「うん


     




寅「いや、オレもね、心配してたの。
  いつまでこいつらがさ、あの
潜水艦みたいな
  アパートに住んでんのかなっと思って、へへ
もう最高!座布団2枚(^^)/



       



みんな「フフフ」と笑う。


寅「で、どこだい?、そこは


さくら「すぐ近くよ、題経寺の南側




【乙女の祈り】がここから流れ始める。





寅「行ってみようか!

さくら「行く!?嬉しそう(^^)

おいちゃん「見てやってくれよ、綺麗にしてるから

寅「そうか、よし、行こ行こ!」と二人して出て行く。

おばちゃん「あ、晩ごはん家で作るからねきめ細かい演出

さくら「うん



寅参道に出て

寅「おまえ庭広いのか?

さくら「ううん、庭なんて…

寅「池でも作って鯉でも入れろよ、オレ送ってやるよ、引っ越し祝いに

と、参道を歩いていく。


おいちゃん、二人を見て

おいちゃん「やっぱり兄妹だな…としみじみしている。

                 

国勢調査のおばさんが再び書類を取りに来る。

まだできていないので恐縮するおいちゃんおばちゃん。



    



【乙女の祈り】はここで終わり。















【第27作 男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎】



序盤、寅はとらやに帰って来るが
工場の経営がかなり危うくて、工場閉鎖も考えているくらいになってしまっている。
首をくくる気持ちになっているタコ社長に夢で見た浦島太郎の話の中に
タコが出てきてからかうようなことを言ってしまい大喧嘩になるが、
いつもより元気が無い社長を、ちょっと気にする寅だった。


    




帰ってきたばかりの寅と大喧嘩した後、タコ社長は大いに嘆き、




社長「あ〜、ヤダヤダ!!

おばちゃん「およしよ、もお〜昼日中からなんだい
    大の大人がみっともない!


おいちゃん「社長、機嫌直して金策へ行ってこいよ、え?

おばちゃん「なんだねえ、鼻水が出てるよ、

さくら「え?あ、はいハンカチと、さくらのハンカチを貸す。優しいね(^^)

おばちゃん「気をつけてね



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



さくら「ごめんなさいね社長さん

おいちゃん「ったくもう

寅「なんだい、人がせっかく帰ってきたって
 言うのによくそ面白くもねえ、ほれ
」とお土産を渡す。



    


さくら「上に上がってお茶でも飲む?それとも
   二階で一休みする?




寅、ちょっと、社長のことが気になって、考えている。



とぼとぼと参道を駅の方に歩いて行く社長だった。


   




【乙女の祈り】は、このシーンで終わり











追記


2020年12月19日

寅友の矢尾さんがもうひとつ発見されました!
でもこの箇所、
すでに僕の本編完全版に「清掃車の音楽」として記されていました。


つまり、自分でも書いたこと忘れていました(;^_^A



大阪の新世界で失意のうちにお互いが別れてしまった寅とふみさんだったが、
その後、なんとなんと、失意だったはずのふみさんが
東京のとらやに訪ねて来るという意外な展開が待っていた。

その、とらや店先にふみさん登場の最初のシーンで「乙女の祈り」が流れる。






おばちゃん、忙しい接客から台所へ戻ってきて



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



おばちゃん「あー!やれやれ、これで一息

社長「気の毒みたいだな、オレ手伝おうか?

おばちゃん「あんたがお店出たら
   お客さんみんな逃げちゃうよ




社長、苦笑い。


おばちゃん「さてと、濃いお茶でも飲んでと
疲れが取れるビタミンC



よたよた茶の間に上がっていこうとする、その刹那


ふみ「ごめんください」 


ふみ「ごめんください」 


ふみさん、やって来ました大阪からアポ無しで。


どのマドンナにも言えることだけどアポ無しで来ちゃって、もし
寅がいなかったらどうするの?
隆子さん、葉子さん、典子さんのように
「寅不在時の訪問」になっちゃう時もある。



おばちゃん「はーい、また来た、
   今日はどうしちゃったんだろ、まあ、忙しこと



おばちゃん、小走りで


おばちゃん「いらっしゃーい


社長、半分呆れている。


清掃車のメロディが流れている。




おばちゃん「なんにいたしましょう?


ふみ「あのー、こちらとらやさんですね?


おばちゃん「はいそうですけど



ふみ「寅さんいてはりますでしょうか?



     



おばちゃん、びっくりして


おばちゃん「あ、はい、いてはりますけど…、
   あの、さっき散歩に行くといって出かけましたが



普通は寅は旅に出かけてるからまず、いないよ。
ほんとラッキーな人だ。



社長、台所からのれんを上げて見ている。


ふみ「いやああ、そうですかあ!


   


  うち、
浜田ふみと申します。
  大阪で寅さんに大変お世話になりましてえ






【乙女の祈り】は、このシーンで終わり





おばちゃん「はああああ!あの芸者さん!?

いきなり言いますおばちゃん(^^;)



ふみ「はい!





        








おばちゃん「あら、ごめんなさい悪いこと言っちゃって…と反省。


ふみ「いいええ!


おばちゃん「あの、寅、もうおっつけ戻ってくるでしょうから、
   とにかくおかけになって、さあ、どうぞ、どうぞ



と、イスを勧める。


おばちゃん「あの、今、お茶でも入れますから


ふみ「おおきに


社長、台所で、気合を入れながら(^^;)

社長「遂に来たね!ベッピンが、
  大変だぞこれは!博さんに教えてやろ



と、まずは工場に知らせに行く。


社長ひまだねえええ〜 ┐(-。ー;)┌















【第28作 男はつらいよ 寅次郎紙風船】



旅先の熊本で知り合った愛子がとらやに訪ねて来て、
そのままとらやに居ついてしまう。
おいちゃんたちは未成年の愛子をこのまま預かることに疑問を抱いている。
愛子は明るく朝日印刷の工員たちとじゃれあっている。
このシーンで『乙女の祈り』が流れている。



    



とらやの庭で工員たちと楽しそうにしゃべっている愛子


おいちゃんはお茶を飲みながら


おいちゃん「寅は今日どこへ行ったんだ?

おばちゃん「商売だよ。着たっきりスズメの愛子ちゃんにシャツ買ってやるんだなんて

とお茶を飲む。


おいちゃん頷きながら


おいちゃん「そりゃ、あんなふうに慕われりゃ可愛いだろうけど、・・かと言ってなあ・・・・

と庭でじゃれている愛子ちゃんを遠目で眺めている。


愛子「あら、いやだ、びっくりするじゃない〜〜〜



【乙女の祈り】がここから流れ始める。




おいちゃん「人さまの娘さんをいつまでも置いておくわけにもいかんし・・・
      どういうつもりなんだ。あの子のおふくろは・・・



     




おばちゃん「なにしろ、電話しても、『あ、そうですか、よろしくお願いします』なんて
      他人事みたいな口きくおっかさんなんだからね〜〜〜



     




おいちゃん「確か兄貴が1人いとか言ってたなあ

おばちゃん「それがほれ、
      まぐろ船に乗ってて、めったに家に帰って来ないって言うんだろ〜





【乙女の祈り】はここで終わる。




お客さん「ごめんください

おばちゃん「はい、いらっしゃい

おいちゃん、愛子を気にしながら、仕事にかかる。

愛子は工員たちとおしゃべり。



    












【第30作 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎】



序盤、寅が帰って来るのだが、とらやに到着する直前真向かいの江戸家の娘の桃枝が
さくらに挨拶するシーンがある。この時に『乙女の祈り』が流れる。
この桃枝は寅と短いじゃれあいをした後に亭主に見つかって早々に去って行く。



   




その時、前の江戸家の桃枝が派手な服着てやって来る。

渥美さんと仲のいい朝丘雪路さんがチョイ役で出演。


おいちゃんは、別れたりくっついたりを繰り返す、この江戸家の娘のことを気に入らない様子。


     



桃枝さくらに気づいて



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



桃枝「
あら〜〜!さくらさんじゃないの〜!


さくら「
まあ〜〜、しばらくお里帰り?

桃枝「
ううん。ハワイにね、ちょっと行ってたもんだから、
   お土産届けに来たのよ〜〜


おばちゃんも店に出てくる。

桃枝「
まあ!おばちゃん、こんちは〜〜〜!

おばちゃん「
こんちにちは〜〜。旦那さんやり手なんだって?
       御徒町に大きなお店持ったそうだねえ〜〜


桃枝「
いいえ〜、フフフ

おばちゃん「
なんの商売?



【乙女の祈り】は、ここで終わり


桃枝「ゴルフ用品。自分が好きなもんだから。アハハハ



桃枝、店に入って来て


桃枝「あ、そうだ、寅ちゃん!寅ちゃんどうしてんのよー



    



寅のことを『寅ちゃん』と呼んだのは、
冬子さん、夏子さん、花子ちゃん、千代さん、そして…桃枝さん(^^)。


さくら「ええ、元気だと思いますけど、フフ」あまり親しく思っていないからか丁寧語^^;


桃枝「あいかわらず一人もん?


さくら「ええ、フフ


桃枝「いいわね〜気楽で、私も一人になりたい、フフフ












追記
2020年12月23日

寅友の矢尾さんが昨日、この第30作の中盤

蛍子さんに恋こがれる三郎が寅に恋のてほどきを受け、
寅に呼ばれてやって来た蛍子さんと江戸川土手で、デートするシーンの直前、

寅はまず、「偶然」を装って蛍子さんを実家からとらやへ誘い、
みんなで蛍子さんを楽しく迎えるシーンで「乙女の祈り」が流れる。

矢尾さんの発見はこれで3シーン目だ。








とらやに蛍子さんがやってくる。


みんなに挨拶。




蛍子さん、三郎青年に気づく



蛍子さん「あら…









寅「え?」と振り返る。


三郎青年「こんにちは



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



蛍子さん「あの…、私、先日はどうも…



三郎青年「…あの…



寅が割り箸の束持ちながらさりげなく三郎青年に寄って来て



寅「僕こそ失礼しました」とささやく。カンニング(^^;)


三郎青年「僕こそ失礼しましたと、にこっと笑顔。



みんな微妙に緊張している。



蛍子さん、思わず笑って



蛍子さん「ハ!…、びっくりした、フフフ

さくら「ねえ

蛍子さん「寅さん何にも言わないんだもん



みんな、とにかくスマイル(^^;)


三郎も、緊張しながらも微笑んでいる。


     






寅、何を思ったか突然

        



寅「あ、じゃあ、このへんで、
 若い者通し江戸川へでも散歩に行って…



さくら、寅が予定を飛ばしたので戸惑ってしまう。


      




【乙女の祈り】は、ここで終わり





寅「違ったかな…なんだったっけさくらと小声でカンニング。


さくら「三郎さんがどうしてここにいるか説明しなきゃいけないんでしょ


寅「あ、そうか…、こいつなんだけどね、蛍子ちゃんがここへ来ると聞いたらね、
  喜んで来ちまいやがんの、ヘヘへ…あ、違った…ええっと、なだったっけなあ…




       



さくら、クスクス笑いながら下を向く。



寅「あ、そーだ、偶然だよ!偶然こいつが来ちゃったんでね、
 よくまあ
偶然だなと思って…
 ほんとにびっくりした
偶然だよなあ!



         



蛍子さん、顔が緩み、笑いをこらえている。


寅「こんな偶然あるかしら…


さくら、笑いながら


さくら「お兄ちゃん…もうみんなバレちゃってるわよー、フフフ


蛍子さん、笑っちゃっている。


おいちゃんもクスクス下を向いている。


寅、蛍子さんに向かって


寅「ほんとか?そんなことないと思う…え??


蛍子さん遂に大笑い。


蛍子さん「何が始まったかと思った、フフフハハハ」と笑いが止まらない。


寅「思っちゃった、ハハハ


三郎青年も笑っている。


タコ社長、裏から出て来て


社長「なんだ、賑やかじゃないか


寅「なんだいタコ偶然だな、またこんなとこ出てきて


みんな大爆笑。


郵便屋さん、手紙持ってくる。

寅「よ!郵政省偶然だな、ごくろうさんおいおい ヾ(^^;)

手紙受け取って

寅「おいちゃん!偶然に手紙来たぞほら、ハハハハ


みんな大笑い。


















【第31作 男はつらいよ 旅と女と寅次郎】



序盤、寅がとらやに帰って来る直前に
保険屋さんがとらやで書類手続きをしている。
彼女は息子さんを大学まで入れたがんばりをさくらたちは感心している。
そのシーンで参道ロケと店の中両方で『乙女の祈り』が流れてくる。


   



とらや 店


さくら、自転車でとらやにやって来る。


店にはニッセイのおばちゃんこと中北千枝子さん


実はこの方、黒澤映画でも出演していたなかなか演技の上手い人。

作品の中でもやっぱり、『ニッセイのおばちゃん』らしき役やってました。


    



満男の小学校最後の運動会のことをしゃべり、


さくらは保険のおばさんに息子さんの大学受験のことを訊ねる。



さくら「
そういえば、息子さん そろそろ・・・


保険屋さん「
ええ、フフ・・・今年どうやら大学に

さくら「
あらあ〜〜、おめでとうございます」と深くお辞儀。


保険屋さん「
私はもう月謝しか払わないって約束だから
        一生懸命アルバイトなんかしてるわ



おばちゃん「
偉いねえ〜〜


保険屋さん「
ありがとうございました。 失礼しま〜す



【乙女の祈り】がここから流れ始める。




さくら「
ごくろうさま〜〜〜




   




   石井さん(い志い)のお店でいろいろ話かけている保険屋さん

   



さくら「
偉いわね、あのおばちゃん、女手ひとつで子供を大学まで上げて


おばちゃん「
ずいぶん 辛い時もあったんだよ

さくら「
へえ〜〜

おばちゃん「
でもねえ・・頑張り通しちゃったよあの人



    



おいちゃん「
結局、子供が重石になったってことさ


おばちゃん「
そういうこと


【乙女の祈り】はここで終わり。



    



おいちゃん「人間誰しも大なり小なり重石を背負って人生歩いてるんだ












【第32作 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎】


寅が備中高梁の蓮台寺でお坊さんになっていることなど露知らず、
さくら一家は博の父親の3回忌法事のために備中高梁まででかける。
その出発のシーンで『乙女の祈り』が流れる。


    



おいちゃん「博さん、お兄さんやお姉さんによろしく



お姉さん????
おいおい、博にお姉さんなんか
第8作の母親の葬式の時はいなかったぞ(@@;)




おばちゃん「さくらちゃんも大変だね、
    末っ子のお嫁さんだから




一同 笑いながら納得



満男、ハラハラしながら、

満男「早くしないと新幹線遅れるよ


博、腕時計見て

みんなでカバンを持って店を発つ。

さくら「そいじゃあ、いってきます

おいちゃん「
ああ、いっといでえ

満男「いってきまーす


社長「いってらっしゃい



おばちゃん「お土産なんかいらないからね


さくら、笑いながら


さくら「なんだか催促されたみたい、フフ

お土産ってどっちにしても買ってくるんだよね。



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



   


    


一同笑う





店先まで出て、見送る一同


おいちゃん「いい天気だ


社長「楽しい旅だといいねえ


御前様「ぱったり、寅と会うたりしてえ…

う〜ん鋭い


    





と、歩いていく。


おいちゃん「は…


御前様「いや、冗談冗談、
  ハアア!ハアア!ハアア!


といつもの御前様笑い(^^;)


源ちゃんもいつもの指差しヒヒヒ笑いで去っていく。



      



おばちゃん「まああ、お人が悪い、フフ


おいちゃん「悪い冗談を、フフ…どうも、フフ


社長、大笑い。



    




一同、遠くの御前様にお辞儀。



【乙女の祈り】は、ここで終わる。













【第34作 男はつらいよ 寅次郎真実一路】


序盤、あけみは夫婦仲が今もギクシャクしていて、悩みがつきない。
社長はなんとかあけみ夫婦を丸く収めさせようとするが、あけみは言うことをきかない。
そんな時、寅がとらやに帰って来る。
あけみはすぐさま寅に飛びつき、
みんなが世間体を気にして私の気持ちを分かってくれないのと寅にすり寄るのだ。





    




柴又 とらや 台所及び店


怒ったあけみがとらやに逃げてくる。
おいかけてくるタコ社長。
どうやらいつものように夫婦喧嘩をしたようだ。




ロールキャベツの中にマッチ棒を差し込んだあけみに
夫が怒り、料理を捨ててしまったそうだ。





おばちゃん「あんたも、少しは我慢してあげなくっちゃね



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



あけみ「私が謝んのお


深く頷くおばちゃん


さくら「一言ごめんなさいって言えばいいじゃないの
  彼だってきっと後悔してるわよ




タコ社長「一緒に行こう オレも謝ってやるから


さくら「


とても不満げにしつつも立ち上がるあけみ。

        
   



そこへ寅が帰ってくる。


あけみ「は、寅さん!!


タコ社長も気づいて 複雑。


    



寅「あけみちゃん、おまえ結婚したんだってなあ
 幸せか!



さくら「あ、おかえんなさい



    




助けを求めるあけみ。
抱きとめてかばう寅。




あけみ「寅さん、みんな、私のこと見方してくれないんだよお〜〜〜」



と寅に抱きつく。


寅「ん?・・どうしたんだよ?ん?


さくら「お兄ちゃん、今わけ 話すから


寅「んん?




    




【乙女の祈り】ここで終わり




タコ社長「あけみ!こっち来るんだ


寅「いいよ、ちょっと待て 待てよ


寅「なんだ?結婚生活うまくいってないのか?ん?



あけみ「私たちの結婚にはね、もともと愛なんてなかったの。
   それなのにね、父ちゃんたら無理やり元の鞘に納まれって言うんだよ


と胸に顔をうずめる。



寅「世間体を気にしてかと、社長を睨む。


        


で、怒った社長はいつものように大喧嘩


        



このあと、参道ロケ撮影による大喧嘩と言うとても珍しい撮影になっている。













【第35作 男はつらいよ 寅次郎恋愛塾】



序盤、五島列島での
ハマおばあちゃんとの一期一会と見取りの物語が一段落し、

中盤に入る。

前作に続き、あけみが夫婦の愛情が分からなくなり
とらやにやって来てさくらに聞いたりする。

このシーンで『乙女の祈り』が流れる。



    




柴又 とらや 台所



あけみがまた夫婦の愛情問題で悩みをさくらに打ち明けに来ている。


さくら「
あら、買い物に来たの?


あけみ「
さくらさん

さくら「
ん?

あけみ「
結婚っていったいなんだろ?


さくら、少し笑って


さくら「
どうしたの?


さくら「
また、夫婦喧嘩なんかしたの?


あけみ「
その喧嘩の種もないんだよ〜。
    8時か9時ごろくたびれた顔して帰って来るでしょ〜


さくら「
うん

あけみ「
お風呂に入って、ボ〜〜〜っと野球のニュース見て、終わったら
    寝る。だもんねえ〜〜



洗濯を干すのを少し手伝いながら


あけみ「
私はいろんな話したいんだよ。


さくら「
うん


 あけみ「
今日一日あったこととか

さくら「
うん

あけみ「
新聞載ってることっとかねえ。
    だけど、まったく受け付けないんだもんなあ




さくら「
ずいぶん深刻なのねえ・・


あけみ「
そうなのよ




【乙女の祈り】がここから流れ始める。




あけみ「
私本当にあの人を愛してるのかしら?


真剣に自分の内面と向き合う顔をするあけみ。


あけみを見るさくら。


   



これは良い演出だ。



あけみ「
ああ〜あ、うかつに過ごしちゃったな、青春時代を



   



さくら「
フフ・・


さくら「
お父さんに相談した?

あけみ「
タコなんかに言ったってわかりゃしねえよ

さくら「
悪いこと言って


あけみ「
工場の経営が厳しすぎてね、人間がいびつになっちゃったのねきっと。
    ま、そう考えりゃ哀れだけどねえ・・・




【乙女の祈り】は、ここで終わり。



あけみ「
寅さんに会いたいなあ・・・」とつぶやく。


さくら、あけみのほうを振り返る。


    












【第36作 男はつらいよ 柴又より愛をこめて】


2作品前からずっとあけみ(小島あけみ)は夫婦の愛情のことで悶々と悩み続けていたが
今作品で遂に家出をし、行方不明になってしまう。
さくらには「寅さんに会いたいなあ」と電話で打ち開けていたのだ。

ちょうどそこへ寅がとらやに帰って来た。
事情をさくらたちから聞いた寅は、あけみを助けてやろうと思うのだった。
このシーンで『乙女の祈り』が流れる。

そして下田にいることまではあけみからの電話でわかっているゆえに、
寅のネットワークであけみが探せそうだと、いうことで
寅はみんなに見送られながら早速伊豆の下田に行くのだった。




    



寅を頼りたいみんなはいろいろ言おうとするのだが
寅が早とちりしてしまってなかなか話がかみ合わない。

タコと喧嘩しそうにもなってしまう。



そこでおいちゃんがなだめに入る。


おいちゃん「悪かった悪かった


源ちゃん クスクス笑い。。




【乙女の祈り】がここから流れ始める。




おいちゃん「なあ、くたびれて帰って来たところへ、みんながわいわい言うから
     おまえの頭こんがらがるのも無理ねえよ、なあ〜〜




寅、頷く


おいちゃん「さくら、おまえから話してやってくれ、きちーーんと順序だててな


寅、頷く


     



おいちゃん「あんまり飲み込みの方じゃねえんだから



寅「そうだよ〜〜〜、悪いんだから」┐(~ー~;)┌


おばちゃん「さあ、さあ、お茶を飲んで




     



さくらが説明しようとしたら、また寅が工場が潰れたんだろとか
早とちりしそうになる。




おいちゃんが「最後まで聞けよ!


乙女の祈りはここで終わり。


さくらがおもむろにまず結果を言う。



さくら「あのね、あけみちゃんが家出したの


寅「え・・・・家出?














【第37作 男はつらいよ 幸福の青い鳥】


序盤、
この工場にしがみついていることがトシオにとって本当に幸せかどうか・・・。

故郷のお父さんのクリーニング屋を継ぐであろうトシオ君。
それゆえ彼が工場をやめることになりそうだという話を
博がさくらにしているとらやでのシーンで『乙女の祈り』が流れる。






とらや 台所



相談の後、台所で博はさくらに言う。


さくら「どう考えてるの?博さんは



【乙女の祈り】がここから流れ始める。




     




博「この工場にしがみついていることが、トシオにとってほんとに幸せかどうか

そう言うあんたはどうなんだ博。なぜ独立しないんだ??


さくら「トシオさんが辞めても困らないの?

博「一昨年、オフセットの機械を入れた時点で一人は余剰人員なんだよ。
  だから社長としては辞めてほしいところなんだけど、
  言い出せないんだ。気が弱くて



     



さくらしみじみ

さくら「余剰人員ねえ…


     












追記
2020年12月24日

寅友の矢尾さんが昨日、この第37作の後半
健吾がとらやに来て団子とビールを注文する直前の
寅とさくらの会話シーンで「乙女の祈り」が
もう一度流れるシーンを発見されました。




矢尾さんの発見はこれで4シーン目だ。




帝釈天境内

御前様の誕生日の纏奉納シーンがあり、
とらやの面面としばし歓談。




とらや 店


寅はこの前の反省から店番し、後片付けしている。



     



慣れない手つきで店番して、皿を片付けている寅。


【乙女の祈り】がここから流れ始める。


題経寺から帰ってきたさくらは、
寅のあまりにも下手なその仕事っぷりに笑っている。



さくら「お兄ちゃん ごくろうさ・・


寅が へたばっている。


さくら「フフ・・どうしたの?


寅「えーー、団子五箱(いつはこ)ばかり売ったらヨ
もううんざりしちゃったよ。
オレはしかししみじみ団子屋に合わないね




さくら、笑いながら 片付けして







さくら「今お昼作ってあげるから


寅「あ、それはね美保ちゃんに電話してチャーハン頼んだんだ。
  お前の分も頼んだよ



さくら「そういうことだけは気がきくのね



寅「そうだね〜




     






そんな時、健吾が参道を美保を探してうろうろキョロキョロし、


とらやにふらっと入って来る。





【乙女の祈り】は、ここで終わり。




     




      



とりあえず、『団子とビール』というへんな取り合わせを注文する健吾。


じっと見ている寅。














【第38作 男はつらいよ 知床慕情】


序盤、寅は渡し舟に乗ってとらやに帰って来たら、とらやは店を閉じていた。
寅は最初は理由が分からず、潰れたか?温泉旅行ですか?と茶化すが・・・
おいちゃんが病気で入院して入ることをさくらたちから知らされてシリアスになる寅だった。



     





博「しかしいつまでも店閉めとく
 わけにはいけないだろう


さくら「日銭商売って本当ねえ、
  あっという間にお店のお金なくなっちゃって
  明日から開けようかなあ




【乙女の祈り】がここから流れ始める。




博「まあ、一番大変なのは君だけどね

さくら「仕方ないわ恩返しよ。
  お世話になったおじさまとおばさまに



寅に気づくさくら

    




寅が心細そうに店を覗いている。


       


さくら覗き、気づいて


寅「お兄ちゃんだ



     



          さくら、嬉しそう(^^)
          



さくら、喜んで店先まで駆けて行く。

さくら「開いてるわよ


    



寅、入ってくる。

さくら「帰ってきたの?と喜ぶ。


寅「うん


さくら、寅の土産とかばん持つ。


博「お帰りなさい


寅「フフフフ


さくら「フフ


寅「なんだ、おい、え?
 当分の間休業いたしますなんてよ、
 とらやは不景気でもって
 とうとうつぶれちゃったか?
 それとも老人夫婦は温泉旅行ですか?




    



さくら「なんてこと言うのお兄ちゃん

しょうがないよ。寅はまだ知らないんだよさくらヽ(´〜`;)



博「おじさん入院してるんですよ

寅「え〜入院?



     




【乙女の祈り】は、ここまでで終わ




さくら「風邪こじらせて肺炎なってね

 一時は大騒ぎだったのよ



寅「……


博「万一の時はどうやって
 連絡しようか、新聞に尋ね人の
 広告を出そうか、そこまで考えたんですよ




        














追記
2020年12月26日

寅友の矢尾さんが昨日、この第38作の前半

おいちゃんが病み上がりゆえ、
寅がとらやを手伝う日の最初のシーンで
あけみが参道に出て客引きをしますが、
そのシーンで「乙女の祈り」がまたもや流れる。

この第38作は前半部分で2回も「乙女の祈り」が流れるのです。

矢尾さんの発見はこれで5シーン目だ。






翌日  とらや 店





【乙女の祈り】がここから流れ始める。



清掃車の音



あけみ「いらっしゃいませ!出来立ての
  草団子はいかがですかア




      
     


さくら「ありがとうございました〜



あけみ「いらっしゃいませ出来立ての
   草団子はいかがですかア




さくら、店先で団子の箱詰めしている職人さんの市川さんに、


さくら「市川さん、お茶置きます


あけみ「いらっしゃいませ、どうぞ〜


お使い途中の源ちゃん、
店の前から覗き、寅が座っているのに気づいて笑っている。


さくら「いらっしゃいませ


おばちゃん「いらっしゃいまし あ、
    あけみちゃん、これ向こうに


箱のフタを渡す。

さくら「なんになさいますか?

お客「草団子もらおうかな


あけみの声「美味しい美味しいとらやの
     草団子はいかがですかあ〜?

 

あけみ「いらっしゃいませ

客A「これにしよう・・・おねえさーん



寅「はい・・


あけみ「ハーイ!



客A「えーっと草団子一つに、磯乙女二つ





寅、腕を組んで 暇そう・・・・ ぼ〜〜〜〜〜〜〜




    




寅、あくび



【乙女の祈り】は、ここまでで終わ



      



あけみ「ハイ!草団子一つに、
  磯乙女二つ!




寅「ん〜〜

と、虫眼鏡であそぶ。




       



あけみ「おいしいとらやの草団子〜 いかがですかあ〜














【第39作 男はつらいよ 寅次郎物語】


序盤、
福島県郡山からはるばる訪ねて来た寅のテキヤ仲間の「般若マサ」の子供である秀吉。
とらやの人々は秀吉にどうして来たのかいろいろ聞くのだった。


   









とらや 店


あけみ「寅さんねえ〜、今いないのよ〜



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



秀吉「いつ帰る?


あけみ「
ん・・・わかんない

秀吉「
・・・・

あけみ「
坊や 寅さん知ってんの?

首をふる秀吉

秀吉を見ているさくら。

秀吉、少し気まずくなって

秀吉「
さようなら」 と去って行こうとする。

さくらは、秀吉を止める。

さくら「
ねえ坊や、ちょっと待ちなさい。
    ちょっと家で休んで行きなさい、おやつあげるからね


と、店の中に連れて入り

さくら「
あけみちゃん、何か飲み物持って来てあげて

あけみ「
はい

座らせて

さくらも座って

さくら「
私ね、寅さんの妹よ

頷く秀吉



【乙女の祈り】が、ここで終わる。


さくらは、ハンカチで秀吉の汗を拭いてあげる。

さくら「
坊や、どこから来たの?















追記
2020年12月26日

寅友の矢尾さんが昨日、この第39作の前半

秀吉に靴を買ってあげると二人で店を飛び出したあけみは寅を見つけ
「寅さん!!」と叫ぶ。
寅がやって来て、秀吉と最初に会うこのシーンで
「乙女の祈り」がまたもや流れる。

第38作同様、
この第39作は前半部分で2回も「乙女の祈り」が流れるのです。

矢尾さんの発見はこれで6シーン目だ。






とらや 店


あけみがやって来ておばちゃんと話


あけみ「
さくらさんは?



     




【乙女の祈り】がここから流れ始める。


おばちゃん「
ほら、考えたらね・・小学校のこともあるだろ。
       黙っているわけにもいかないからね、福祉事務所に相談に行ったんだよ。




あけみ「
ふ〜〜〜ん 学校なんか行きたくないって顔してるけどねえ〜〜・・・



あけみ秀吉の靴の紐持ちながら


あけみ「
おいおい、秀吉君、お姉ちゃんが靴買ってあげようか

おばちゃん「
あら・・・よかったねえ〜〜


あけみ秀吉と外へ行く。


あけみ「
行こ行こ


    



あけみの声「
寅さん!!!

おばちゃん、えっと外を見る。



     



寅「
ハハハ・・よ!あけみ、なんだ、お、
 子供生まれたかおまえ!ん



【乙女の祈り】が、ここで終わる。



あけみ「
何言ってんのよ!いきなりこんな大きな子生まれるわけないでしょ!


寅「
そらそーだ。少しデカすぎるもんなハハハ


秀吉をまじまじ見て

寅「
坊や、家どこだ…?


     


秀吉、あけみに隠れながら

秀吉「
郡山

寅「
秀吉…か、おまえ

頷く秀吉

寅「
そうかあ、やっぱり秀吉かあ














【第40作 男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日】


矢切の渡しに乗って柴又に帰って来た寅。

信州で縁があった余命いくばくも無いおばあちゃんのことで、人生を考えたようで
神妙な顔つきをして帰って来たのだ。


    





社長「何してんだろうね、後継者


みんな、寅に想いを馳せる。


【乙女の祈り】がここから流れ始める。



三平ちゃん、台所にやって来て


三平ちゃん「奥さん、すみません、親戚の人見えてますけど


さくら「え?



    




寅が店先で、うろうろして、入りにくそうにしている。



さくら「あらあ!嫌だあ、お兄ちゃんじゃないの
  どうしたのよ、そんな遠慮したような顔して




    



寅「いやいや奥のほうでみんななんか
 シンミリ話してるんでね、
 邪魔しちゃ悪いかなと思って、うん



さくら「何言ってんのよ




     




お客が入ってくる。

さくら「あ、どうぞ、

三平ちゃん「いらっしゃいませ!どうぞ


寅の間近で大声出す三平ちゃん。

寅目がペケ



さくら、台所に来て



さくら「おばちゃん、お兄ちゃん帰ってきた。



    




【乙女の祈り】は、ここで終わり




寅、暖簾くぐって台所へ

寅「よ!













【第41作 男はつらいよ 寅次郎心の旅路】


ノイローゼゆえに宮城県の『くりはら田園鉄道鉄道』で自殺未遂をしてしまった兵馬を助けて、
それがきっかけでウイーンに同行させられることになってしまった寅だったが
その直前に旅行代理店のイッセー尾形がさくらにチケットを渡しに来る。



     




せわしなく動く、極東ツーリストから来たイッセー尾形が突然訪ねてくる。


イッセー「こちら車寅次郎さんのお宅でしょうか


三平ちゃん「はい




【乙女の祈り】がここから流れ始める。



     



高速で挨拶をして、

イッセーえーーっと、早速なんですけども、
    これがですね、車寅次郎さんの航空券なってますね。これが。はい。
    これが保険関係がございまして、
    あとスケジュール表などその他諸々あるんですけれども、


   さっさとチケットや保険をテーブルに出し始める。


   


イッセー「奥さん、あの〜〜
     車寅次郎さんのパスポートをちょっと確認したいんで、
     ちょっと拝見できますか?




【乙女の祈り】は、ここで終わり



さくら「パスポート???

イッセー「ええ、旅券番号が必要なんですが

さくら「
誰の?

イッセー「
ですから、あの、車寅次郎さんの














【第42作 男はつらいよ ぼくの伯父さん】


序盤、
満男は浪人中だが後輩の泉ちゃんのことが気になってしょうがない様子。
両親ともなかなか意見が合わない状態が続いている。

そんな時、寅が柴又に帰って来る。

満男のことで寅に相談したいと思い、
さくらはお兄ちゃんが帰ってくればなあと思ってた矢先だったので
さくらは安心して満男のことを寅に相談するのだった。


    




柴又 とらや 台所



満男のことで悩み続けるさくらは、
寅の顔を見たいなあ・・・と思っている。




おばちゃん「
なんかあったの?あんたたち

さくら「
ふ・・別に。ただ、なんとなく顔が見たいな・・って思っただけ

と、元気が無い。


おばちゃん「
明るいだけがとりえだからね、あの男は



満男のことがあって寅に相談したいのだ。



    





【乙女の祈り】がここから流れ始める。




さくら、深くため息をついて・・・


さくら「
さてと・・」と仕事に入る。



    




そんなところへ ちょうど寅が帰ってきて

こそこそっと中の様子をうかがう寅と源ちゃん。


  


三平ちゃんの声に驚く寅。(;^_^A

寅「おう〜〜ふ〜〜、
  なんだい、おまえまだこの店で働いてんのか?


三平ちゃん「
お帰んなさい

寅「
ほ〜〜、辛抱いいねえ、おまえは。こんな汚ねえ店で
  


【乙女の祈り】は、ここで終わり



  


源ちゃん、三平ちゃんを指差しながら「ヒヒヒヒ」笑い。

三平ちゃん「みなさん親切にしてくださいますから

寅、笑いながら

寅「
調子がいいんだからおまえは〜〜ハハハ

と三平ちゃんを叩いていじっている。


おいちゃん「
寅じゃねえか〜〜!


おばちゃん「
今、さくらちゃんと噂してたんだよ


   


寅「
おいちゃん、まだ生きてたか

おいちゃん「
あたりめえだい

寅「
ヘヘヘ


   


みんな顔がほころぶ。



さくら「
お兄ちゃん おかえり



      





       



寅「よお!さくらもいたか

さくら「
うん












【第43作 男はつらいよ 寅次郎の休日】


離婚してしまった父親に会うため東京に出てきた泉ちゃんが、
とらやを訪ねて来た。
このシーンで『乙女の祈り』が流れる。



    




さくら「お寺30箱でよかったわね

おいちゃん「んん〜〜・・・


【乙女の祈り】がここから流れ始める。


さくらは店先の泉ちゃんに気づく。



    


さくら「あら〜〜

と、泉ちゃんに駆け寄る。

泉ちゃん「こんにちは〜〜

    


さくら「泉ちゃんでしょ〜〜〜

泉ちゃん「はい


さくら「どうしてここへ?


泉ちゃん「おばさんところへ寄ったんですけど留守だったから、
     たぶんこっちじゃないかなあって思って



さくら「そう



頷く泉ちゃん




    



さくら「あ、掛けなさい

泉ちゃん「はい

さくら「今・・・名古屋にいるんでしょ あなた



【乙女の祈り】は、ここで終わり



泉ちゃん「
急に、お父さんに会いたくなって出てきたんですけど、
    今日は父の会社定休日だったから





さくら「じゃあ・・会えなかったの?



泉ちゃん 頷く。



さくらも下を向きながら静かに頷く。




    



泉ちゃん「
せっかく出てきたんだから、
    おばさんや満男さんに会って行こうと思って





さくら「そう〜。 良く来てくれたわね〜〜

  

      












【第44作 男はつらいよ 寅次郎の告白】


序盤、朝日印刷も寅の商売も人出不足で困っている。
寅もとらやに立ち寄るが、とにかくどこも人手不足で困っている。
そこで寅は、三平ちゃんを「サクラ」として1日引く抜こうとするのだ。
この寅がとらやに最初に入って来るシーンで『乙女の祈り』が流れる。


    



社長が表に出ようと店に出て行った時


表を見て驚く社長。はい来ましたお約束(*´∇`*)


【乙女の祈り】がここから流れ始める。


さくら「どうしたの?


振り向くさくら。





       







寅登場




寅が江戸家の若い女性店員さんと楽しそうに話をしている。



       




さくら「お兄ちゃん

寅「よ!へへへへ

さくら「おいちゃんおばちゃん、お兄ちゃんよ


寅「
どうした、元気かさくらと、走り寄ってくる寅。

さくら「うん


   


寅「そうか、うん。 よ!!社長!!元気かい、
  どうだ、裏の工場の景気は?




タコ社長「お、うんうん、なんとかやってるよ



       



おばちゃんとおいちゃんも
台所から暖簾をくぐり店に出てくる。




おばちゃん「まあ、おかえり

おいちゃん「
やあ、しばらくだったな



    


寅「
よお、おばあちゃんたちも達者そうでなによりだったな



    


おばちゃん「ああ




【乙女の祈り】は、ここで終わり。




寅「今日はちょっと立ち寄っただけだ。
 オレこれから市川の方まで用事があるんだよ



おばちゃん「あら、忙しそうだねえ〜〜

寅「はい、おかげさまで



    

    



このあと寅は、三平ちゃんをサクラとして勧誘し始める。














【第45作 男はつらいよ 寅次郎の青春】



序盤、中秋の名月 おばちゃんはゆうご飯を家で食べようと提案するが
さくらは今夜泉ちゃんが家に来ることが決まっているゆえに断わり、
三平ちゃんにもふられてしまうおばちゃんは、
寅ちゃんがいてくれたらと寅を懐かしがるシーン。
ここで『乙女の祈り』が流れる。



    





おばちゃん「三平ちゃん、今夜うちでご飯食べないかい?お月見だし

三平ちゃん「あ、今晩 友達と約束が・・・

さくら「ガールフレンド?

三平ちゃん「フフフ・・・」と草団子を持って店にいく。



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



社長が裏から台所に入ってくる。



おばちゃん「社長、たまにはうちでご飯たべないかい?


社長「ダメダメ、今夜は税務署と飲むんだから税務署はそんなことしない。


さくら「いいじゃないの、おいちゃんとさし向かいで食べれば

おばちゃん「あんなおやじの顔見ながら食べたって美味しくなんかないよ


おいちゃん「バーカ こっちのセリフだいそれは



笑いながら、
焼き栗2つをお手玉にして遊ぶさくら。
これは珍しいシーン



おばちゃん「あ〜〜ああ、こんな時に寅ちゃんが居てくれたらねえ、
     あの子は優しいから、『いいよおばちゃんつきあうよ』



   


【乙女の祈り】は、ここで終わり



おばちゃん「なーーーんて
       言ってくれるかもしれないねえ。




    栗をお手玉にするさくら
    




タコ社長「と言って、懐かしがっているうちが華だよ、へへへ〜〜



     














【第46作 男はつらいよ 寅次郎の縁談】


序盤、満男は就職活動に失敗して、逃げるように家出をしてしまう。
さくらと博は憔悴しきっている。
そんな時、寅が旅から柴又に帰って来る。

寅は満男のことをさくらたちから聞いて
なんとか助けてやろうとする


     



カヨちゃん「元気出してください

    

さくら「
カヨちゃんは家出したことある?

カヨちゃん「
ありますよ。北海道行っちゃった


さくら「
ご両親心配したでしょ

カヨちゃん「
私、お父さんいないし、お母さん水商売で
     家に帰ったり帰らなかったりだから・・ふふ


さくら、あ、そうなのか・・というような、カヨちゃんに気を遣うような顔


    


カヨちゃん、店に戻って後片付け始める。

   



【乙女の祈り】がここから流れ始める。


   

郵便屋さんのゆうパック

土産を人差し指につるしながら
寅が店を覗く。



    


郵便屋さんがゆうパックを持って入ろうとして

郵便配達員「
小包ですよ〜〜

寅すかさず「
はい、ごくろうさん


   


カウンターの印鑑を、息で「ハー」と湿らせて
ポン と紙に押す。


郵便配達員「
どうも

    


カヨちゃん、怪しい男を見る目 (! ──__──) ジトーッ!


    


【乙女の祈り】は、ここで終わり

寅「
さくらいるかい?

カヨちゃん「
おじ、おじさん誰よ?

寅「
え? オレはな、この家の跡取りだ。車寅次郎


    


カヨちゃん「
うっそおおお!( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

寅「
なに?

カヨちゃん「
ちょっと・・(;¬_¬) あやしい

三平ちゃん団子製造室から出てきて

三平ちゃん居間に向かって

三平ちゃん「奥さん!寅さん帰って来ました!

    


さくら驚いて表を見る。

寅「
よ!とにこにこ。

さくら微笑んで

さくら「
お兄ちゃん!何してたの今まで

    


寅「何してたのって、商売の旅よ。奥州路を下ってな
  会津、越後、そして、北関東だ


その北関東でOPで
那須烏山でバイしてたんだね。


    


さくら、張り詰めていた気持ちがはじけて
寅の前で涙ぐんでしまう。


寅「どうしたさくら、え?なんだ、おまえ涙なんか出して


    


さくら「あのね、満男が家出したの

    


寅「え?

    













【第47作 男はつらいよ 拝啓車寅次郎様】


旅先の奥琵琶湖の畔で写真をライフワークにしている典子さんはこけて怪我をしてしまうが、
偶然居合わせた寅が助けてあげ、民宿での二人での楽しい夜を過ごした。
典子さんの夫が翌日に鎌倉から怪我を心配して迎えに来てしまったので、
お礼も満足に言えないまま別れた典子さん。
それゆえ、典子さんには不完全燃焼が残り、ついにとらや(くるまや)に訪ねて来たのだった。
この後半のとらや(くるまや)マドンナ訪問シーンで『乙女の祈り』が流れる。


     



典子さん「あの、失礼ですけど、さくらさんですか?


さくら「はい

典子さん「やっぱりそうですか。
    あのー、お兄さんの寅さんにお噂を・・・



さくら「あ、兄をご存知なんですか?



    




典子さん「あ、はい。旅先で大変お世話になりました

と、お辞儀する典子さん。


さくら「あ、まあ、あ、ごめんなさい。すぐお茶入れますから

さくらカヨちゃんに

さくら「カヨちゃん、悪いけどお茶入れてくれる?

カヨちゃん「はい

さくら「それとおだんご



【乙女の祈り】がここから流れ始める。






すませんどうぞお掛けになってください


典子さん「はい

さくら、テーブルを拭きながら


源ちゃんを見て



さくら「
あ、ちょっとごめんなさい。


典子さん「はい


さくら店先で立っている源ちゃんを見て


さくら「源ちゃん忙しい?


源ちゃん 手振りで 忙しくないそぶり


さくら「お届け物 持って行ってくれない?


源ちゃん 手でOKマーク


さくら、小走りで台所に向かい

さくら「三平ちゃん

三平ちゃん「はい

さくら「源ちゃんに頼んだから


さくらテーブルに戻って


    



さくら「失礼いたしました

と座る。


典子さん「お忙しいのに申しわけありません


さくら「いいえ。それで、兄とはどのような?


    



典子さん「実は・・・怪我をしまして


    



さくら「兄が?そうなるよなあ^^;




【乙女の祈り】は、ここで終わり



典子さん「あ、いいえ、わたくしなんです。
    ちょっとした不注意からなんですけど。
    お兄さんがいてくださって本当助かったんです。」
    ですから、一度、お礼を申し上げるべきだと思っていたんですけど
    ちょうどついでがありましたので、足伸ばしまして・・・




さくら「あ・・・それでわざわざ












【第48作 男はつらいよ 寅次郎紅の花】


泉ちゃんが結婚をすることになって、頭の整理がつかない満男は
津山の式場近くで待ち伏せして結婚式を台無しにしてしまう。

泉ちゃんは満男の真意とその心を知りたくて、東京まで満男に会いにやって来たのだが、
満男は会社にはいなかった。(奄美大島にいるゆえに会えない)・・・

この、泉ちゃんが訪ねてくるシーンで『乙女の祈り』が流れる。










とらや 店



客「ごちそうさま」

三平「ありがとうございました」

泉ちゃんが店の前にやってくる。


三平ちゃん「いらっしゃい

かよちゃん「いらっしゃいませ


泉ちゃん店に入らないで外で立って店の中を覗いている。


三平ちゃんたち「???



【乙女の祈り】がここから流れ始める。



    



泉「あ、あの…満男さんのお母さんいらっしゃいますか?



    




三平「今日はおでかけです。
  夕方ごろに戻ってくるって言ってましたけど



泉「じゃあ、お宅にもいらっしゃらないんですね


三平「んん…、と、思いますよ。あの、どんなご用ですか?


泉「あ、いいんです。どうもありがとうと、題経寺のほうへ去っていく。


三平ちゃん、首をかしげながら…



    



三平ちゃん「なあなあなあなあ、今のきれーな人、どっかで会ったことないか?



    




【乙女の祈り】は、ここで終わり




カヨちゃん、ちょっとブスッとして、


カヨちゃん「へえー、おたくあいうのタイプ?



カヨちゃん、三平ちゃんに気があるのかな?
そういえばさくらも第47作でそんなこと言ってたなァ(^^)



    



三平ちゃん、たじたじしながら



三平ちゃん「いや、そういう意味じゃないんだよ、
     ほら、別にね、オレのタイプじゃないけど…一応美人の…、
     あ!せや、思い出した!
     あれ、満男さんの彼女や!…ということは、
     オレ、工場行って来る。博さんに教えてくるわ!



と駆けていく。








以上



なんと全部で40作品(46シーン)で『乙女の祈り』は使われていた。



第1作 第2作 第5作 第6作 第9作 第11作 第12作 第13作 第14作 第15作 
第16作 第17作 第19作 第20作 第21作 第22作 第24作 第25作 第26作 
第27作 第28作 第29作 第30作 第31作 第32作 第34作 第35作 第36作 
第37作 第38作 第39作 第40作 第41作 第42作 第43作 第44作 第45作 
第46作 第47作 第48作 





【乙女の祈り】が使われなかったのはたった8作品

第3作 第4作 第8作 第10作 第18作 第23作 第29作 第33作 




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