第6作純情編 序盤

寅の赤電話は山口県ではなかった!!
実はまたもや
神奈川県!!






      













まずは純情編の当該箇所から紹介しましょう。↓



原作監督 山田洋次の文字のバックが帝釈天の門
→そのままの構図で白黒テレビの画面に変わる。

なかなか上手い手法。


いきなりテレビの白黒番組で柴又が映る



ナレーションと字幕が入り、これがテレビ番組だと
いうことがここで分かる。




ナレーション

この江戸川のほとりに
周囲の繁栄から取り残されたような町

柴又があります。


周囲の繁栄から取り残されたって、
柴又の人聞いたら怒りそうなナレーション..



柴又駅への案内版が映る。

おっと、御前様が映る。

ここで、そば屋の古ぼけたテレビに映る御前様になる(^^;)

寅は、山口県の港のとあるそば屋で
偶然この番組を見ている。

↑このそば屋のテレビが凄いアンティーク!


テレビのナレーション


江戸時代から多くの人々の信仰を
集めた帝釈様として知られる題経寺。

昔は江戸川を船でさかのぼって
人々はこのお寺にお参りをしました。』


『今も門前町には江戸庶民の味覚を楽しませた
お団子屋さんが軒を並べています。


江戸時代から続いて
六代目だという
車竜造さんは団子も若い人たちに
そっぽを向かれてしまってと、
悲しそうに語っていました。』



おいちゃん、なかなか渋い職人さんとして
映ってるねえ!寡黙な人柄に見えるから不思議(^^;)


このナレーションによれば寅は7代目となるわけだ。


           
渋いね〜!
         


↑寅は「浪花の恋の寅次郎」でふみさんには
奈良時代創業と言っていた。


「知床慕情」ではりん子さんにはちょっと控えめで
鎌倉時代
若返っていた(^^:)



寅「
!……

いきなり、題経寺やとらやが出てきて驚いて
食い入るように番組を見ている。



店の店員チャンネル回そうとする。

さわるねい!!ほらっ


江戸川の岸辺に満男とたたずむさくらが映る。


さくら!!


              



テレビ画面ではさくらが満男と一緒に
江戸川のほとりにたたずみ、さくらが満男を抱いて
微笑んでいるアップが映っている。
なぜさくらが取材されたのか?
おそらく、おいちゃんの取材の際、美しいさくらと
可愛い満男を見て、江戸川まで一緒に行ってたたずんで
もらったのだろう。実にいい雰囲気で
映っていた。ほんとうに地味だが、味わい深い番組。




とらや  茶の間



とらやでも皆で見ている

(とらやのテレビはそば屋のものよりもずっと新しいタイプ)


続男はつらいよの「おかーさーん」の時のものが
壊れて買い換えたのだろうか。



  第2作のテレビ
                                   
   

   第6作のテレビ
   

   第10作は第6作と同じテレビのまま
  


社長「映った映った!いい女!ホラ!」

おばちゃん「スマシちゃってさ!ハハハハ!」

社長あーこうやって見ると江戸川もきれいだもんなあー…


ナレーション

『このあたりの美しい自然の景色はいつまで
残ってくれるのでしょうか…、

今、江戸川は静かに暮れようとしています…』


ふるさとの川 ― 江戸川 ―  



しかし、番組スタッフも、目が高い。
数あるだんご屋からとらやのメンバーを
選んで取材して、さくらたちにも眼が行く。
なかなか感覚が冴えた番組制作会社だね(^^;)



社長よかったなー!んー、イヤー!パチパチパチ 
  イヤーけっこうでした!ハハハ!


さくらあー恥ずかしかった!!顔から火が出ちゃったー!!

おばちゃんいいじゃないか、美人に映ってたから

さくら何いってんのよー

おいちゃんオレなんかわりと男前だったろう?


社長蜜柑食いながら

社長えー、ほんとほんと、
 落ちぶれた団子屋オヤジって感じがよく出てたよー


おいちゃんバーカー、ハハハハ
初めてテレビなんかに映っちゃってみんな上機嫌。



                  


とても短くて地味な番組。
スポンサーはどこなんだろう(^^;)?
ひょとしてNHK教育か?
それよりもまだ地味。これはおそらく
間違いなくシリーズもの。視聴率は
低いがなんとも味のある番組
の典型だね。(^^)私は毎週見ますよ〜。

社長しかし、な、なんだね、とらやさんも大宣伝だったな!


おいちゃんほんと全国の人が見てるんだもんな


一同「
そうですねえ」「うん

さくらもおいちゃんも『全国の人』で、ちょっと気づいて、


さくらどっかで見てなかったかしらね…お兄ちゃん





電話 リ―ンリーン


おいちゃん本当になぁ、どこで何してんだかねー、あのバカ


とタバコに火をつける。




博、電話に出る。


博「えっ?兄さんですか!?



一同、驚く。

おいちゃん、手にマッチの火が付いて、熱がる。

↑森川おいちゃんおなじみのミニギャグ(^^;)
マッチの火が指につくパターンは第1作でも出てきた。


博「
えー、みんな元気ですよ! 
 あー!今のテレビ見てたんですか!僕たちもみんなで、
 さくらもいますよ。


さくら(今どこなの?)


博「今どこですか?兄さん、え?遠いところ?

おいちゃん「
嘘だよ、すぐ近くにいるんだよはずれ(^^;)

↑確かに第3作「フーテンの寅」で、遠くのふりして、
とらやの斜め向かいからかけてたこともあったぞ。



おばちゃん「そうだよ、駅前あたりじゃないのかい?

博「兄さん、近所にいるんじゃないですか?え?山口県?


とまあ、こういう物語の流れだ。




しかし、実はここは山口県ではないのだ!


撮影監督の高羽哲夫さんの脚本の当該箇所部分書き込みによると
このシーンは、神奈川県 相模線 
寒川駅でロケが行なわれた。

2021年10月16日 東京から3時間半!


  湯川村たから館に到着。

  



この会津湯川村の高羽哲夫さんの記念館にて、第6作の脚本に

寒川駅の書き込み箇所発見!



    



  
前から気になっていたロケの様子 スチール写真
   





   寒川駅の駅舎入り口の売店脇の赤電話からの撮影だ。山口県ではなかった!!

   


    

    郷土史の絵にもあの売店が描かれている。

    



     
まだ寒川駅前に売店があった頃の昭和の写真。 ロケが行なわれた売店が見える↓

      



     
     



     




   現在の寒川駅の駅舎は二階空中部分にあり、もう、当事の面影は無く、激変してしまっているが、
   当事の売店の位置をあえて示すとしたらこのあたりか↓赤囲い参照。


    





本編に戻ろう↓↓


寅が赤電話に10円入れながら


寅「これから九州に行くところよ。
 オレかぁ?うん、
 元気でやってるから心配するな、え?
 あっ、みんな仲良くやってるか?
 あーっ、もう10円なくなっちゃうんだよ、
 帰ってこいって?
 そーもいかないよ、オレ忙しいんだよ。
 なっ、みんなによ、よろしく言ってくれよ、な!
 オレも元気でやってるからよ!うん

 あっ、さくら!!あの、あんちゃんな!!
 おい??…





私はこのシーンが好きだ。
寅の郷愁が滲み出ていて少し悲しい




                   



ツー、ツー



さくらもしもし!お兄ちゃん、もしもし…。切れちゃった



おいちゃんやっぱり近所からじゃねえのか?


十円玉がどんどん落ちていた音がしたことで、
本当に遠くからかけていたことが分かって、
おいちゃんたちは実はがっかりしている。
寅に対する気持ちが出ていていいシーンだ。




おいちゃん「山口県ね…、
    あーあー、帰ってきたら帰ってきたで、
    おめえ頭がいてぇし、
    帰ってこなけりゃ帰ってこねえで
    気がもめるし、困った奴だなまったく…




↑このヤマアラシのジレンマがこのシリーズの
最大の面白みだ。
とらやのみんなもなんだか寂しそう…





以上、神奈川県 相模線 寒川駅でのロケ発見!!のレポートでした。

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