お気楽コラム 【 寅次郎な日々 】 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…
2015年6月23日 その587
第46作琴島ロケ(高見島 志々島) パーフェクト 完全踏破記録
亜矢ちゃんの悲しみをたどる旅 100カット完全高羽アングル再現
超新作 本編小窓付き再現動画
https://youtu.be/uGH6VSUuP6o
第46「寅次郎の縁談」は縁談でもなんでもない意味不明タイトルだ。
実際は寅と葉子さんではなく上田亜矢ちゃんで持っている。
主人公は決して美人の坂出葉子さんではない。
亜矢ちゃんのあの明るくたくましく初々しい輝きは、
第46作で唯一の救いだったとも言えるだろう。
物語はまず、満男の就職試験の騒動から始まる。
正直で不器用な満男は成果主義がはびこる企業の面接で
ことごとくはねられてしまう。
もっと要領がよくて積極性を前面にアピールできる人間が
入社できるシステムになってしまっているのかもしれない。
博やさくらは、不合格だった満男を慰めようとするが、
もともと博ができなかった学業の道(学歴の道)を、代わりに満男に
歩んでほしいと思っていたことが長年満男を苦しめていたことも
ついに露出してしまい大喧嘩になってしまうのだった。
精神の限界に達した満男は、家を飛び出し、放浪する。
ブルートレインの「瀬戸」に飛び乗り、行き着いたところが四国の香川県高松。
そこから、紆余曲折があり、
なんと琴島という人口50人ちょっとの小島に滞在することになっていったのだ。
一方さくらと博は、
柴又に帰郷した寅に満男を瀬戸内の小島から連れ戻すことをお願いするのだった。
寅は快諾。翌日琴島へ向かうことに。
そのころ満男は、親の心配をよそに、
琴島の人たちの農漁業仕事を手伝うようになり、
誠実な気質でもあることからとても頼りにされ始めていた。
そして同時に、四国から毎日琴島の診療所に通う
看護婦の上田亜矢ちゃんと急速に仲良くなっても行くのだった。
そして寅が琴島にやって来て、
いよいよ物語は佳境に入っていく。
亜矢ちゃんと満男の悲しい別れをクライマックスとして
琴島(もちろん高見島と志々島がロケ)をパーフェクトに巡ってみた2日間だった。
事前調査に2週間30時間はかけただろうか、
今まで誰もたどりつけなかった場所も含めて約100カットの
本編の高羽アングル撮影に挑戦した。
旅の日程 2015年5月6日〜5月7日
昨年同様っていうか、毎年恒例のメンバー
小手寅さん(龍野)
ちびとらさん(品川)
私(柴又)
の3人だ。
はっきり言って日本最強メンバー。
これに寅福さんが加われば超最強なのだが
寅福さんはあまりにも多忙で今回も来れなかった。
まずは 第1目 高見島
高見島本編のB班撮影や風景描写も含めた全カットを
本編と全く同じ完全な高羽アングルで撮影、踏破!
高見島はかつては塩飽(しわく)諸島の中心。塩飽七島のひとつ。
その昔瀬戸内海の塩飽水軍として活躍し、
江戸時代は人名(にんみょう)による自治が許され、
廻船業で栄え財を成したのがこの塩飽七島であり、高見島。
今の高見島にある多くの石垣は、江戸前期に旧浦集落が大火事になり、
当時の人名(にんみょう)が中心になって石垣を築き、計画的に造成し家を建てた時のもの。
今はひっそりと漁業や農業で数十人が暮らしている。
急な坂が多い、坂の島として知られている。
朝9時 播州龍野を小手寅さんの車で出発。
途中、岡山駅でちびとらさんと待ち合わせ。
正午12時 瀬戸大橋を渡って四国へ上陸。
午後1時半 多度津着
午後2時 多度津発 高見島行きに乗船。
と言う予定
さあ、播州龍野から瀬戸大橋を渡り、一路香川県の多度津へ!
この瀬戸大橋の真下は実はこの第46作で2回ロケが映っている。
まずは本編中盤に映る、瀬戸内名産ワタリカニを獲った満男が乗る船。
カメラ位置の岩黒島から羽差島を越えて遠く与島を眺める場所↓
もうひとつは 金比羅帰りの寅船からの風景。
映画後半での与島 フィッシャーマンズワーフ前を通過するシーン。(現在は閉鎖)
さて、午後1時半過ぎに多度津到着。
多度津に到着して、すぐ連絡船が来た!
あぶなかった〜〜〜。
多度津から三洋汽船で25分で高見島。
久しぶりの船の旅
午後2時半に高見島に到着。天気はうす曇り。
遺伝子の妙っていうような柄の猫ががお出迎えしてくれました。
赤色がとりあえずの高見島全ロケ地
たった一軒の民宿「森田」の前を通り、
細い階段を上へ上へと登って行った。
坂道はさすがに結構な勾配。
海岸からこのあたりかなって思いながら坂を上がって行くと
いきなりロケ地だった^^;
ラッキーというより、事前調査を十数時間費やしたことが
こういう勘にも表れるのだ。
この場所は 世界初登頂
赤色がカメラ位置 黄緑矢印が海の方へ向かってのカメラ方向
発見時の動画
https://youtu.be/iW2b5hhSBJI
この場所も 世界初登頂
赤色がカメラ位置 黄色が演技場所
満男に寅が引っ張ってもらってる石段の再現動画
https://youtu.be/wLscl3UhGp0
ここは満男と亜矢ちゃんたちがすれ違う四つ角。
ちびとらさんが、亜矢ちゃんの演技をしてくれています^^;
赤色がカメラ位置 黄色が演技場所
亜矢ちゃんの再現動画
https://youtu.be/fpcLO08ruUo
そして、この二人のやり取りはしみじみいいシーン。
その四つ角の道から上がって来た葉子さんと
逆に下がっていくよね子おばちゃん。
赤色がカメラ位置 黄色が演技場所
今も同じ石垣のまま
これは、本編撮影時と同じように建物の上に上がって撮影した。
ここはさすがに世界初登頂
寅に扮する私( ̄∇ ̄;)
赤色がカメラ位置 黄色が演技場所
近所で、はしごを借りてこうして上って撮影するのだ。
パーフェクトの道はなかなかきついものだ^^;
インタビューの方はそのハシゴの持ち主さん。
よい子の皆さんは危険ですから絶対に真似しないように( ̄∇ ̄;)
満男に引っ張られる寅の再現動画
https://youtu.be/kgDiWRDet7I
https://youtu.be/_6dusQjKh6U
そして、ここは有名な場所。
↑の屋根の上から降りたらそこもロケ地。
そこは例の消化器具(火の用心)のある倉庫の前。
ここで寅は葉子さんと会ってしまう┐(~ー~;)┌。
もう扉の文字はほとんど読めなくなっているが何とかまだ読める。
ホースの格納庫を隠すために
松竹山田組のスタッフさんたちがあの祠を作ってきたと、
この近くの家の方が証言されていた。
祠は山田組のトリックだった。
この近所の方へのインタビュー
動画 https://youtu.be/q-I8Z4_e-GM
亜矢ちゃんたちもここを通って診療所へ下っていく。
まとめ撮りかな・・・と思ったが、
天候が違うので日傘が似合う葉子さんの時は
晴れた日を選んだのかもしれない。。
村のこの付近の方の証言で
なんとこの祠は山田組が持ってきたことがわかった!
第2作の毘沙門町の祠と同じパターン。
映画用に作られたものだったのだ。
この祠の中にはホース格納庫が入っている。祠は格納庫を隠す役割がある。
赤色がカメラ位置 黄色が演技場所
寅の背後は遠く海が見える。
寅が満男に引っ張られて歩くシーンは、後ろの建物の上で撮影していた。
赤色がカメラ位置 黄色が演技場所
そして寅は、吸い込まれるように、葉子さんの後を付いていくのだった。
この風景は坂の島である高見島をよく表している。
赤色がカメラ位置 黄色が演技場所
石段をかなり登った上 大聖寺の真向かいの家だった。
このように葉子さんの父親の家はずいぶん前から更地になっている。
これは第32作同様のパターン。
完全な一目ぼれで、マドンナの家にわき目も振らず吸い込まれていくコメディ。
すいすい葉子さんの父親の家に吸い込まれていく寅。
今は更地になってしまったが、石垣は残っている。
近所の方のお話によると、あの撮影時はすでに空家になっていて、
ここの住人の方は、おばあさんだったので
海岸の近くまで下りて、その海岸近くで商店を経営されていたのだそうだ。
近所の方(ハシゴの持ち主)にこのロケに使われた家に関するインタビュー
動画 https://youtu.be/QKpb78BUSeA
寅の真似をしてくださるちびとらさん。
数日後の雨の降る設定の撮影もほぼ、同じ場所で行われた。
赤色がカメラ位置 黄色が演技場所
真向かいの大聖寺の石段上からもたくさん撮影された。
やや高台から大聖寺山門を撮影した映像は2枚ある。導入部分
もうちょっとだけ山門に近づいた映像がこれ。別れの前日。
赤色がカメラ位置 黄色ピンク水色が演技場所や風景
地図はごちゃごちゃしているが
まあ、行けば全てのカットわかります^^
これは中央病院の高島先生の往診のシーン。 父親の家の門の中からの撮影
雨の中、山門に腰掛けて寅が帰る物語を見物している暇な人たち。
この笹野桜井コンビはこの島の諜報部員and野次馬and世話役
ここは、いろいろな角度から撮影されている。
ほんの数秒だが夜のロケも行われた。。
赤色がカメラ位置 黄色ピンク水色が演技場所や風景
このシーンは大船のセットだが、臼は本当にあったのだということがわかる。まだ残っていた。
新国劇の重鎮、島田正吾さんはここまで上がってこられたんだね・・・
そしてこの田宮善右衛門家の中からのロケ地も
事前調査で発見してあった。
世界初登頂
ちょうど父親の家から見える真向かいの屋根がまさにロケ地だった。
その横の窓から斜めに海を撮影した風景↓
現在は家はなく、更地になっているので、当然ながらジャストの位置からは撮影できないが
一脚を2メートルに伸ばして撮影してみた。
2つ見える前の家の屋根は今も同じなことがわかる。
ここも同じく世界初登頂↓。
葉子さんの実家窓から見える風景
https://youtu.be/tWyNLQLi1Vc
窓から見える風景2種類
そして高見島最後の難関 子供御輿を映す俯瞰映像。
おそらく大聖寺の境内かその真下の家の庭から撮影したと思われるが
今は大聖寺からの風景は木々が覆い繁って何も見えない。
その真下の家も空き家で敷地は木々が生繁ってしまっている。
それゆえ、私たちはそのまた下まで下りて・・・
つまりあの見えていた木の電柱の場所まで下りて
撮影せざるを得なかった。
一脚を思いっきり伸ばして撮ってみると
意外に、当事と同じ家々が残っていることがわかった。
この木の電柱も奇跡的に当事と同じ姿をそのまま残してくれていた。
金具や電線のあり方が20年前と同じ!
世界初登頂
電柱横の手前の家もまったく今も同じ。
ただ、向こうの下の方の家は、壊されて
3〜4軒ほどは更地になっていた。
赤丸が当事と同じ箇所
子供御輿の位置と直線状に並ぶ
物証を映し出した貴重な動画
https://youtu.be/8CHYjw80S-M
みこしを担いでいた海岸場所からから見た電柱
https://youtu.be/eS30t-OiSuY
最後の子供御輿は連絡線が出る20分前に
最終確定した。
2時半から5時半まで3時間しっかり使って高見島は
なんとか全カットパーフェクトだった。
さらば 高見島
その夜 丸亀で高見島パーフェクトの打ち上げ。
魚がべらぼうに旨かった。