2023年8月5日掲載
第41作「寅次郎心の旅路」ロケ地
アムステルダム スキポール空港の考察
ドタバタ芝居のピンポイントを探る
私の息子の宮嶋龍太郎は7月27日から8月19日までの
3週間、フランスのアヌシーとポーランドのクラコフに渡航している。
映像メディア博士課程後期論文に伴う研究発表の一環として
ポーランドのクラコフでポーランドの美大生たちを対象にワークショップを行うのだ。
で、クラコフへの途中、トランジットでアムステルダムのスキポール空港に3時間立ち寄る。
そこで、多忙な最中とはいえ
龍太郎に第41作「寅次郎心の旅」本編で出てくるスキポール空港ロケの空港内を
短い時間の中で調査してもらった。トランジット自体が3時間半なので
せいぜい使える時間は最大2時間ちょっとまでとなる。
今回は坂口兵馬と寅の空港通路内ドタバタシーンを中心に調査してもらった。
本編のスキポール空港の中での芝居はこんな感じだ↓↓
寅はノイローゼで自殺未遂をしてしまった坂口兵馬を人助けのつもりで面倒を見たが
坂口兵馬は寅になついてしまって、寅と一緒にウイーンに行きたいと本気で言い出した。
とりあえずは坂口兵馬に付き合い成田空港まで行った寅だったが
なんと逃げ切れずについにKLMに乗せられ飛びだってしまった。
トランジットでアムステルダムのスキポール空港にたどり着くのだが、
運悪く空港内で兵馬と離れてしまう。
心細くなった寅は空港内で勤務している日本人スタッフの手助けで
日本にいるさくらの家の電話に国際電話をかけてきたのだ。
おどろくさくら。
スキポール空港の寅「はぐれちゃったんだよ あいつと」
さくらの声「え?誰と?」
寅「決まってるじゃないか、あのうらなりのノイローゼだ」
さくら「成田で別れたんじゃなかったの?あのお面かぶったような人とは・・・
えーーー!!?失敗したあ〜〜〜??」
さくら、はっとして・・・
さくら「お兄ちゃん、ねえお兄ちゃん 今・・どこから電話してるの?」
アムステルダム 14時45分(時差は無視 (;^_^A)
スキポール空港の寅「え??どこ??、ここどこ??」
職員「スキポール空港です」
寅「え?」
職員「スキポール空港です」
寅「?? すきっぽ だってさ〜〜ん」
国際電話ゆえにどんどんコインを入れる職員
寅「よ!なんとかできねえかよ、警察に連絡するとかさ、御前様に相談するとか・・
できねえ??どうして??」
目の前の階段から焦って駆け上がって来る兵馬
兵馬「はあ!!見つかった〜〜」
寅も兵馬を見て
寅「あ!いたいた」
寅、受話器を職員に渡して
寅「どうもありがとね」
寅「おまえねえ〜〜!どこいってたんだよ〜〜!」
兵馬「こっちこっちィ〜!こっちですよ〜〜〜!」
寅「どこ行ってんだよ〜〜 向う探したり あっち探したり〜」
寅別れを惜しんでいるカップルを凝視(;^_^A
兵馬「こっち!こっちですよ!!」
スキポール空港の姿
飛んでいく飛行機
この空港内ドタバタ劇のゲートのピンポイント位置を
3時間のトランジットだった龍太郎が2時間近くをかけて調査してくれた。
まず、寅と兵馬の位置を決めるものは何か・・・
と、なると、唯一寅の場所が分かるカットがこれ↓
スキポール空港の黒い看板
【Schiphol Amsterdam】
これの見え方が唯一の寅たちの位置がわかる物証
この黒い看板↑がこの空港のどこにあるか!ポイントはこの1点だ。
そして、龍太郎に探してもらった。
空港内のゲートの位置はこうなっている。
結構広いのだ
航空写真によると黒い看板の位置がわかって来る。↓↓
GATE E の出発点近くにその看板があった。
ということは
窓から黒い看板が右手に見えるのはGATE D の通路だ!!
この斜めからの俯瞰写真が黒い看板の位置が判明するきっかけになった。
赤丸が黒い看板
先で枝分かれしないでまっすぐ伸びている通路がGATE E
GATE E
15分ほど窓から見えるあの黒い看板を探しながらこの迷路のような中を歩いてくれて、
おおよその眺めがここ。GATE D7のあたり。下記案内図参照↓↓
35年間で幅を広く増築してあるため、窓から見える角度がやや違っているかもしれない。
★あの黒い看板の手前にもいろいろ商業施設や空港の施設が上に増築され、
黒い看板は半分隠れそうになっている。
看板の真下手前に増築してあるために 見え方が少し違っているが
角度的にはこのD通路1階なのは間違いない。
★考慮すべきポイント★
すでに35年が過ぎて、あきらかに幅を増築しているゆえに
あの看板が見える窓は通路のそばにはない。
公衆電話の元の位置はもちろん窓のそばにはない。
「動く歩道」の設置位置も兵馬が上がってきた階段もすべて
改築によりややずれてはいると思われるので
映画撮影位置とは10メートル〜15メートルの誤差はありそうだ。
わずかに見えるターミナルの幹の部分への通路と柱。
寅たちが後に歩いて行く方向とは逆のターミナルの本部の部分。
こうして見てみると、そこそこターミナルの幹まで距離はあるようだ。
ターミナルの幹の部分が向うの方に見える。
今度は逆に寅と電話越しに、向うの窓を映すカメラ
おおよそこんな感じかな↓天井のデザインが今も同じ!!照明のあり方も同じ!
黒看板が見える公衆電話位置からカメラは
ターミナルの先の枝分かれ方向に向かって
歩く寅と兵馬を撮影している。
『四角い柱』や『天井のデザイン、ライトのあり方』
などが今もほぼ同じ。
「動く歩道」は当然新しいタイプものに変えられている。
前方のDの通路の枝分かれまで
約6〜7本ほどの四角い柱
が見える。
映画でもそれくらいの見え方だ。
各ゲートの間に「動く歩道」がある。
現在のD7ゲート付近前後10メートルあたりは 映画撮影当時のB23
これは電話のやや外側からのアングル↓
公衆電話は当時は窓に近い場所。今は幅が増築されたのでこんな感じか↓
動画説明
■ロケ撮影のピンポイントを説明する龍太郎。https://youtu.be/lyt49fBnvJg
ピンポイントとしては世界初登頂
B23 B24 などのゲート番号は、
空港が増築改築のたびに変わってしまうので
一応このB23とB24に行ってもらったが、
いまやもうまずもう場所自体が黒い看板からかなり離れて
ぜんぜん別の場所になってしまっている。
一方、兵馬が上がって来るカットは、カメラ位置はグンと低い↓
こんな感じか・・・↓
■参考程度に 参考資料1 ↓↓
現在のB23、B24は番号が同じ故に一見似ているように見えるが、天井や柱が全く違う。
そしてそもそもこのBゲートは黒い看板から遠いことから
このBゲートの館は 新しく建設された場所の可能性が強い。
■参考資料2
ロケの場所とは離れているが、龍太郎は、このFゲートの通路を通過中、
ココの通路は横幅の増築をしていないことを発見した。
つまりこのFゲート通路は35年前のあの撮影通路の面影を残していると言えよう
■参考資料3
このピンポイントD通路は2階もあるのだが、
2階はなんと柱が使われていない。そして天井もかなり違っている。
黒看板の見え方の角度も2階ではやや高すぎる。
2階はそもそも柱がない。1階と2階ではこの空港はデザインのコンセプトが違うのだ。 天井も違う。
そして最後に
本編のこの空港の外光景↓、あらゆるゲートから徒歩ではかなり遠い。
トランジット故時間が短いゆえにここに降り立つことは無理だった。
参考資料を添付するにとどめようと思う。
.
龍太郎ありがとう!本当にお疲れ様でしたm(__)m
現在ポーランドのクラコフ滞在中
.