2022年2月18日
号外!!世界初登頂
第18作寅次郎純情詩集 信州ロケ地のリベンジ
この寅が旅する山田池の土手近くの田園風景...。↓実はこのポイントは間違っていたのだ!!
6年前、私は一人でまずこの塩田平を調査し、その後寅福さんやちびとらさんと
再度この地に来て、本編の90パーセント以上の撮影場所を探し出し、登頂したのだった。
この信州ロケのちょっとした風景描写も含めたほぼ完璧に近い判明率で、ほぼ全てのシーンに
登頂し、達成感のある調査だった。
そして、ここに添付した寅次郎純情詩集のこの叙情的な旅のシーンの
映画撮影ピンポイントも一応は確定したのだった。
この映画撮影場所を確定した後も、自宅に戻ってから、
寅福さんと、この場所だけが...どうも疑問が複数残ることを話し合った。
整合性が合わない部分が確実にあったのだ。
それを6年後の今、展覧会のオフシーズンの中で
この判明し切れないポイントをもう一度考察してみた。
それではまず、このポイントを5年前に見つけた時のことを再現してみよう。
↓↓
6年前私は第18作「寅次郎純情詩集」のロケ地上田市の塩田平ロケ地調査を
1度目は一人で、二度めは3人で、合計2度に渡って行なったのだった。
このパノラマの位置は別所温泉駅から車で7分の山田池の東南土手下。
実は上田市にご縁がある小関さんのご助言もあって、
数年前2010年年ごろからストリートビューで確実には押さえてはいたが
ピンポイントは私一人で行った2015年9月のスケッチの際にほぼ確定した。
この風景のスケッチは2回描きに行った。そして3回目の訪問はこのロケ地めぐりの日。
その3回とも晴れた日だったが、
このように本編同様にバックの山まですべて見えたのは2回だった。
この地方は雨が比較的少ないが、山がこのようにクリアに見えることは実はさほど多くないのだ。
寅は緩やかに農道を曲がって行く。
当時はこのあたりの道はまだ存在していなくて
地道の農道が細く通っていたようである。
■2022年2月のこの考察により、実は寅が歩く道はアスファルトの大きめの道だったことが判明。
パノラマ動画 https://youtu.be/FvPMnLVeY1U
今回のカメラ位置よりほんのちょっとだけ、
おそらく2〜3メートルほど山田池に近いあぜ道
だと推測できる。現在の道ではこの↓の撮影位置が
最も山の見え方が近いのだ。
■2022年、今回の考察により、このポイントは間違ってい入ることが判明した。
寅はやや左に曲がっていくのだが、上右の当時の航空写真で見ると
どうも左に曲がっていく道が見当たらない。
おそらくこの黄色矢印のあたりの細いあぜ道があったのだろう。
■当然ながら、ポイントがぜんぜん違っていたので、この記述は間違っていた。あぜ道はなかった。
ということだった。
この調査は6年前の2015年の秋に行なわれたのだが
その際一つだけ解決できない大きな問題があった。
それは寅が歩く向うに見える比較的大きな家が当事の航空写真には
全く見えないということだった。
映画撮影当事の航空写真を見ても田園の中には家はないのだ。
一緒に行かれたちびとらさんも、今回もう一度考察され、
6年前に決めたこの場所はどうも2つの山の見え方が違うんじゃないかって言われていて
2022年2月、一週間ほど前にもう一度検討したわけだ。
まず、2つの山の見え方は山田池の土手に上がればほぼ解決できる。
しかし、撮影当事の航空写真では家はない。
南の方には家があるので
ちびとらさんは寅が歩いて行く近くにある赤い屋根の家に注目して
南の方じゃないかと問いかけて来られた。
6年前のあたりをつけたポイント周辺にはあるが、どうも大きさが違い過ぎる。
高さも足りない。低すぎる。
南の方の台地に行くと...少しは撮影当事も家がある。
2つの山の上下の見え方は本編と似てくるが
左右の見え方がかなりずれて行く。
左右がずれて行くので南方向ではないようだ。
撮影当事も家もいろいろ存在はするが南の高台からだとしても
山と山、そして↓の家々の方向がかなり合わない。
この時点で山田池の南方面の高台は可能性が消えた。
ひょっとしたらこの『家』はこの田園地帯にはないのかもしれない
と思えば理屈は合うのだ。
ただしカメラ位置はもっとずっと西だということになる...
さらに、
山と山の見え方や田園の中の神社の木々の位置関係(赤点)は
維持したまま同じ方角の延長線上に移動して行かなければならない。
東の遠くに見える2つの山山の見え方が同じなのは
このラインのみ!!↓↓
しかし、もしこの推測通り、西方向のライン↑↑だとすると、
本編映像の中に山田池が映っていないといけない。
本編で池が映っているのか????
みなさんこの映像 ↑↑ 池が映っているように見えますか??
DVD再生じゃ、池には見えないなあ...
ここで、昨年手に入れたブルーレイ再生で観てみます。
さすがブルーレイ 情報量がDVDよりも多い!
いろいろなものが見える。↓↓
家も細かいところまで見えるし
農作業をしている二人の農夫の姿も見える。
崖かもしくは段丘の上に家が建っている!のが見える。
手前にも三角の地面があってここも段丘になっている。
つまり、この手前はくぼ地!!
ブルーレイでの画像↓
あ、。。。
この段丘の断面は何を意味するんだろう...
この くぼ地は田んぼではなく
池か!! 水か!!
これは水だ!!
もしこの黄色囲みが山田池だとすれば、
そうだとすれば...池のほとりにこのグレーの屋根と
サイドに青いひさしの家があるはず。↓
池の東側は下り坂なので、池のほとりから離れると
もう屋根は見えなくなるはず。
それゆえ、このラインの中の池のほとりの家(3つある)のどれか↓。
この家!!グレーの屋根と青いひさし!!
そして手前に三角のとがった地面!
これだ!!!
1986年の航空写真ではもっとはっきり見える↓↓
本編の手前の三角の突起のある地面も見える。
2000年を過ぎても数年はまだ存在した。↓この2014年が最後のこの家の姿だった。
では、今度は、ストリートビューで観てみよう。
ストリートビューは2012年なのでひょっとしたらまだ家が残っているかも。
航空写真と同じ位置に大きな古い家を発見!
アップで観て見る↓
白壁の柱、なにより左に見える青いひさし!!
まさに間違いなくこの家!!!
間違いなくこれは同じ家!
1975年 三角の突き出した地面は半分が植物、半分が地面。
三角の土地を見ていただきたい。
半分が地面で、半分が植物が繁茂している!
まさに航空写真と同じ。↓(息子の指摘に拠る)
ただ、この場所では、高度が足りない。
山の見え方からしてもう少し高度が必要。
もっと池から遠ざかり、 もう一度考察。
高さが足りないなあ...。
山と家の関係がまだまだもっと南西方向に、そして高度ももう少し高い場所に
行かないと合致しないかな。
坂道を西に上がって行ったらかなり本編に似てきた。
あとはもう少し南に行かなければ本編と合致しない。
さらに
ちょうど映像制作の休憩中だった息子がその南西方向で
本編のこのシーンの最後で見える赤い屋根の家を見つけてくれたのだ。
共通点もたくさん見つかった↓
2つの換気口 白いビニールハウス 出っ張った赤のひさし。
最後にビニールハウスの遥か向うの丘も
グーグルアースを器用に使って息子が丘の存在を示してくれた。↓
現在の奥のお店の方に赤い小屋は建っていた(奥の方)
ストリートビューでは現在は蕎麦屋さんだった。
当時は普通の家なのか店なのかは不明。
この蕎麦屋さんは2022年現在で創業20年なので
映画撮影当時はこのお店ではないはず。
そば処 美田村
田舎おしぼりそばで有名
大根の汁をつけて食べる「田舎天ざるおしぼり蕎麦」
いろいろなレビューを読んでみると↓
田舎そばは十割でつなぎなし。見た目、食感、喉ごし、味、全て。
つけ汁は濃いめで、蕎麦と合います。
くるみだれで時々、味変するとさらに美味しい。
天ぷらも、カラッと揚がっていて、高評価。
そば湯も大好きな、とろみ系。らしいです。
値段は高めですが、十分、味に見合っているらしいです。
軽井沢から上田あたりでは、一番美味しい蕎麦だそうです。
映画カメラピンポイントを、ストリートビューで見てみるとこうなった。↓↓
3つの点の間隔が合致する場所はここ↓
現地調査から6年後、
これで完全にピンポイントが確定し、リベンジは成功した。
山田池基本資料
山田池は、貯水量が20万トンを超える大きなため池。
貯水量V=26万トン、堤高H=11m
自然の丘陵地形を利用し谷側を大規模な堤でせき止めた巨大なため池で、
強大な政治力や経済力と農業土木技術の向上により出現できたダム的開発型のため池。
その水源は、別所温泉を流域とする一級河川湯川から導水されている。
「水を使う権利の変遷」 宝永差出帳(1706)によると、代官所から発行される通水切手に基づき、
池元2村(山田、八木沢)と池下6村(舞田、五加、本郷、中野、十人、小島)へ配水されていた。
その後明治から昭和にかけ、池下6村は水利権を放棄して、
現在は八木沢と山田の両地域の人々により管理が行われ、
池の水を使う権利は八木沢52.5%、山田47.5%となっているとの事だ。
1976年の映画撮影当事と現在の航空写真を比較↓
1976年撮影
現在の航空写真 ついに2015年には家がなくなり更地になった。
6年前の調査と比べてみよう↓
6年前にあたりを付けた場所からかなり西(徒歩で700mほど)で
山田池を通り越してややそのまた高台からの撮影だったのだ。
■2022年12月3日 追記
本日、2022年 12月3日土曜日
私の長年の寅さん友達であり、私の絵のコレクターさんでもある
名古屋中区で会社経営をされている中島均さんが
上田映劇で上映される第18作寅次郎純情詩集を観に行かれる途中で
このロケ地に寄られました。
その時のお写真がこれです↓↓
映画と同じ高場アングルです。
木々が邪魔なので、細い木々の前に出て、映画の高場アングルで撮影されました。 感動です。。。
なお、
龍太郎によって判明したこのロケ地は、今回の中島さん現地到達以外では、
今年2022年の秋に寅友のちびとらさん父子も現地に行かれています。
山田池の北側から南側を見た写真。(信州の農業資産を巡る旅のHPより)
コロナ渦が収まったら、もう一度この地を訪ねてみようと思う。