世界初登頂
第39作「寅次郎物語」
三重県 志摩・(英虞湾・賢島)海路も含めて全踏破!
私と寅友の名古屋にお住まいの中島さんは今年2017年7月に
第39作「寅次郎物語」のロケ地である伊勢、志摩を完全踏破したが、
世界初登頂も数箇所あった。
その一つが先日の近鉄特急通過シーンである奈良県宇陀市の踏み切り、
そして志摩ロケの海からの全カット。そして湯の山温泉と四日市のいくつかのカットである。
ここのページでは「志摩編」を全て紹介しよう。
まずは志摩の海からの導入カットを紹介する。ジャストピンポイント
ジャストピンポイント撮影に成功!!(事情があってこの撮影場所は立ち入り禁止になっており特別許可なしには入れません)
そして、志摩のラストカット
寅を乗せた連絡船が英虞湾を出て行く。これもジャストピンポイント!!
ジャストピンポイント撮影に成功!!
ラストカットをパノラマで撮影↓
今度は、導入部分の映像の中から、海からの撮影 すべて世界初登頂
世界初登頂 撮影から30年。現在では建物がかなり建っている。
ピンポイント動画
https://youtu.be/dNfF6pt912E
ストリートビューピンポイント
https://goo.gl/maps/EqasyeygpT62
ミキモト多徳養殖場(ミキモト真珠養殖所)が見えてくる。
この中にミキモト真珠研究所が併設されている。
手前の岩は侵食されて小さくなり、上の松は全て枯れてなくなってしまっていた。
定期船の航路が岩の前だったので岩は写せなかった。
英虞湾のミキモト多徳養殖場の真上には幸吉が晩年を過ごした「真寿閣」が聳える。世界初登頂
研究所の中はこうなっている。(一般非公開の研究施設)
岩はずいぶん形も変わり松はなくなっていた。↓
撮影航路は岩の向こう側。撮影カメラは向こうからこちら方向を映していた。
ストリートビューピンポイント
https://goo.gl/maps/kB254qJrRMR2
ピンポイント動画
https://youtu.be/DuAE1qddgcM
なぜか最後に船!で、英虞湾を入り、賢島まで行くのだ。
ここの湾にはもちろん各島々を結ぶ小さな連絡船で着いたと思われる。
何らかの理由で終点の賢島駅に行かずに、途中下車し、何故かバスか何かを乗り継いで
連絡船に乗って違う島に行ってしまい、
そこから再度賢島行きの連絡船に乗ったのだろう…。無理があるなあ〜〜〜(^^;)ゞ
船長さんはお馴染み『すまけいさん』
前作「知床慕情」につぎ、2作品連続船の船長役。
同じようにへたな歌をうたう(^^;)
船長「♪飲み過ぎたのは〜〜〜、あなたのせいよ〜〜〜」
『男と女のラブゲーム』
船からの車窓風景
向こうに見える陸は上と同じ場所。
ここはストリートビューで紹介
木が繁っているが岩肌は同じ。
船着場や遊覧船、松井真珠店が見えてくる。
ストリートビューピンポイント
https://goo.gl/maps/usiT1cwqeE12
ピンポイント動画
https://youtu.be/LFjraRYPNkI
ロケ地位置
賢島に連絡船は到着
現在は大きな新しい屋根ができている。
賢島船着場に降り立つ寅と秀吉。
明治三十八年創業の松井真珠店がどーーんと聳える。
本編ではこうなっている↓
松井真珠店
三重県志摩市阿児町神明733の4
寅は、松井真珠店の女将さんである河内桃子さんから
おふでさんが病気で入院し、
今はこの店の別邸で静かに暮らしていることを知らされる。
女将さんはおふでさんが秀吉のことをいつも気にして
それが原因で病気になってしまったことを知っている様子だった。
めちゃくちゃな車の運転をするすまけいさんに
運転させて三人はおふでさんが静養する別邸へ。
河内桃子さんの抑えた確かな芝居はよかった〜。
船着場から見える松井真珠店。
私は撮影時に右端の堤防を入れるのを忘れたのでこの1枚だけは同行した中島さんのお写真↓をお借りした。
松井真珠店玄関
松井さんのご厚意で店の中からも撮影させていただいた。
撮影から30年ほど経った現在も店内はほぼ同じ
寅が店を訪ねてくるシーン撮影時の様子(松井さんのアルバムより。以下当時のメイキング写真は同出)
河内桃子さんは本当に美しかったそうです。
大きな配置的には撮影当時のままの店内
みなさんとても親切で、当時の撮影時の膨大なスナップ写真や渥美さんのサインやはがきなども拝見させていただいた。
本編でも従業員として出演していた松井真珠店の従業員さんや社長さん夫妻も写っている。
お客さん役で出演した社長さん夫妻。
中島さんはご家族のために真珠のネックレスを買われました。
この写真で中島さんに説明されているのは
河内桃子さんが演じられた女将さんのモデルになったご本人。
貴重動画:松井真珠店の女将さんインタビュー
https://youtu.be/vN153xcd0-Y
ふでさんの住むお店の別荘に向かって出発。
船長が運転する車が出たあとの風景
ふでさんの住む別荘へ車で出発するシーン撮影の様子
そして秀吉は松井真珠店の女将さんに連れられ、賢島の
高台にある白い別荘で母親のふでさんに再会するのだった。
この別荘跡地はすでに2014年にロケ地調査をしている。
2014年1月8日 寅次郎な日々562
世界初公開
第39作「寅次郎物語」
秀吉のお母さんの住む別荘は伊勢志摩ではなかった!
2014年1月24日 寅次郎な日々563
第39作「寅次郎物語」三浦半島大浦海水浴場についに登頂!
秀吉とおふでさんの涙の再会を再現
本編では別荘での再会シーンはこうなっている↓
海のそばの 松井家の 別邸
寅「あ〜。これはいいとこだ」
すぐにおふでさんを呼びに行く女将さん。
寅「おふでさんはやつれてるかい?」
船長「手術したあとはこんなにやせとったけど、この頃はもう、すっかり」
ちょっと安心する寅。
寅「そうか、そらよかった…」
家の中で女将さんの声「ほんまや〜、嘘なんか言うわけないでしょ」
寅小さな声で秀吉に
寅「母ちゃんだぞ」
入り口のほうを見ている秀吉。
半信半疑で走って入り口から出てくるおふでさん。
おふでさん「…!!寅さん…」
寅、にこっと微笑む。
寅「息子を連れてきたよ」
秀吉を見つめるおふでさん。
寅「さ、行け」
と、秀吉を送り出すが、秀吉はそこに止まったまま。
おふでさんを見つめる秀吉。
寅「秀、思い出したろ、母ちゃんだぞ」
オラ「行け」とさらに一歩押し出す。
何歩かゆっくり進んでいく秀吉。
緊張感のある音楽
ふでと秀吉のテーマ大きく流れる。
秀吉に駆け寄り、
秀吉を掴み、ひざをつくおふでさん。
秀吉を見つめるおふでさん。
秀吉「お母ちゃん」
想いが吹き出すように秀吉にしがみつき嗚咽するおふでさん。
おふでさん「ううううう…ごめんね…
ごめんね…うううううう」
次第に泣き崩れていくおふでさんだった。
彼女の後悔も懺悔も全て涙と共に吹き出していくのだった。
目をうるませて静かに見守っている寅と船長。
放心状態で見ている女将さん。
おふでさん、ハンカチで涙を拭きながら
おふでさん「寅さん、いったいどういうわけ?…」
寅「般若の政はな、‥死んだよ」
おふでさん「え…」と寅の顔を見る。
寅「この子をオレに頼むと言い残して」
おふでさん、何かを思い出すような目。
寅「ま、思い出したくもねえような男だろうけれども、
あいつも仏になっちまったんだ。
勘弁してやってくんな」
おふでさん、また嗚咽している。
おふでさん、立ち上がり
おふでさん「ありがとうございます。
とんでもない御迷惑かけてしまって」
寅「礼を言われるほどのことはねえよ。
名付け親としてあたりめえのことをしただけだ。
なあ秀吉」
寅にまとわりついている秀吉。
三浦半島 大浦海水浴場の別荘跡地
2014年1月24日 寅次郎な日々563
第39作「寅次郎物語」三浦半島大浦海水浴場についに登頂!
秀吉とおふでさんの涙の再会を再現
この別荘は神奈川県三浦市南下浦町松輪
なんとここは、三浦半島!!
寅たちの周りに見えていた愛子さんの畑は今は全部駐車場に変わり、マサキの垣根も様変わりしてしまった。
おばあさんが亡くなってから別荘前の庭の畑もなくなり、現在は駐車場になっている。
別荘を持っていた鳥海愛子おばあさんが亡くなるまでお世話をされたとなりの民宿経営の鈴木イチ子さん。
ちょうど別荘の出入り口があったっと思われる場所で記念撮影。
当時の三浦半島大浦海水浴場にあった別荘の持ち主の鳥海愛子さんと俳優たち
詳細はこれをお読みください。↓
2014年1月24日 寅次郎な日々563
第39作「寅次郎物語」三浦半島大浦海水浴場についに登頂!
秀吉とおふでさんの涙の再会を再現
さて、少し脱線した。話は志摩に戻る。
その後、松井真珠店に戻った寅は、さくらに電話する。
黄色い電話のシーン撮影時の様子
ロケ地位置
水中眼鏡で遊びながら海を見ている秀吉
秀吉と寅に別れの時がやって来た↓
船着き場別れのシーンのリハーサルの様子
船着き場別れのシーンのリハーサルの様子
本編では秀吉と寅の別れのシーンはこうなっている↓
数時間の後…
寅からの電話
寅は、さくらにことの顛末を電話している。
喜び安心するとらやの面々。
寅はこのあとすぐ帰るとさくらに伝える。
賢島 松井真珠店及び連絡船乗り場付近
女将さんが今夜おふでさんと夕飯を食べ、
宿泊もしてもらうと決めているのに
寅は振り切る思いで、それらを断り、
この地を去ろうとする。
寅「奥さん、どうぞ、おふでさんとあの子のことを
よろしくお願いします。それでは失礼します」
とお辞儀をし、船に乗ろうとする。
秀吉は寅と離れたくない。
急いで船まで駆けてくる。
秀吉「おじさん!おじさんどこ行くの!?」
寅「おじさんはな、これから柴又へ帰って、
秀吉が母ちゃんと会えたってことを
みんなに話してやるんだ」
秀吉「オレも一緒に帰る」
寅しゃがんで
寅「なに言ってんだ、お前はここに残るんだろ」
秀吉「いやだ!おじさんと一緒に帰る!」
寅、真剣な目になって、立ち上がる。
船長「どうだい、せめて一晩泊まっていったら…」
寅「頼むから口出さねえでくれ」寅の決意は固い。
メインテーマが静かに流れる。
寅「いいか秀よーく聞くんだぞ、おじさんはな、
おまえのあのろくでなしのオヤジの仲間なんだ。
いい年をして、おっかさんの世話もみねえ、
子供の面倒も見ねえ、
…そんな粗末な男におまえなりてえか?」
秀吉は悲しみで泣き始めている。
寅「なりたくないだろ秀。
だったらな、このおじちゃんおことなんかとっとと忘れて
あの母ちゃんと二人で幸せになるんだ。
わかったな、わかったら早く行け!」
秀吉は嗚咽しながら
秀吉「おじさんと一緒がいい‥ううう」
寅はきつい目をして
寅「これだけ言ってもわかんねえのか。おじさん怒るぞ」
寅「行け!これで涙拭いてっっさと行け」とハンカチを渡す。
泣き泣きよろよろ戻っていく秀吉。
女将さんの胸でエンエン泣いている。
女将さん「寅さん…それじゃあ…」
と、あまりの仕打ちに悲しんでいる。
お辞儀をして、船に乗り込む寅。
船の名前 いそぶえ
寅「船長行こ」
船長「なんちゅうことや…」
船が岸を離れていく。
そして現在、ロケ地での調査・・・
追いかける秀吉
カメラ位置は本編よりもちょっと遠くからだが、この方が建物がしっかり見える。
中島さんは寅に扮する私を撮影された。
私も無人の船を撮影した
本編ではこうなっている↓
秀吉は、思い切って防波堤の方へ走る。
桟橋を走り寅を追いかけてくる。
船長「寅さん!ほら!」
別れのテーマ曲(ふでと秀吉のテーマ)が流れる
秀吉泣きながら走り続ける。
秀吉「おじさん!!」
言葉とは裏腹に身を乗り出して秀吉を見ている寅。
秀吉「おじさーん、行っちゃダメ!!」
秀吉「おじさーん!!おじさーん!!」
ハンカチを地面に投げつける秀吉。
遠ざかっていく船
船長「ええのか行ってしもて」
寅「かまわねえ、どんどん行け」
船長「せつないことやなあ」と、うるうる。
秀吉、ハンカチを拾って、また泣いている。
もう二度と秀吉のもとには戻ってこない寅だった。
現地調査では・・・
ちょうど船がUターンするタイミングで写真を撮ることができた。ラッキー
ロケ地位置
第39作「寅次郎物語」
秀吉と寅の別れの連絡船再現動画 志摩・賢島
https://youtu.be/qBFrrZGOYug
そして志摩のラストカット
去っていく寅を乗せた連絡線 俯瞰
ジャストピンポイント撮影に成功!!
パノラマで撮影↓
この本編撮影場所は現在立ち入り禁止の建物だが、
この立ち入り禁止の建物を紹介しないことを条件に関係者の方々のご厚意によって案内していただいた。
言うまでもないが、
とにかく賢島には撮影当時すでに近鉄電車賢島駅があり、
奈良県からは英虞湾の海から来る必要はまったくないことは自明。
本来なら寅は松井真珠店からすぐの賢島駅から東京に向かって電車に乗れば良いのだ。
賢島から小さな島々への定期連絡船に乗っていったいどこへ向かうのだろうか。
外洋にでてしまうはず・・・。
矢切の渡しもしかり、丹後伊根の連絡船もしかり、平戸の連絡船もしかり、
この映画シリーズでは旅の風情や別れの味わいをだすために
わざわざ実際にはありえない海路を使って寅は立ち去っていくのである。┐(´-`)┌
次回アップは、7月に行った第39作「寅次郎物語」
志摩のあとの伊勢二見ヶ浦ロケ地調査です。
掲載は1月中旬になります。
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