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まだ作品をご覧になっていない方は作品を見終わってからお読みください。



                 

三崎千恵子さん ありがとう (2012年2月15日)

山田洋次ミュージアム12月開館 (2012年2月10日)

雪降る柴又 今年初めての雪(2012年1月26日)

「虹をつかむ男 柴又ロケ地発見」(2012年1月15日)

新年のご挨拶とお年玉「君の知らない柴又を見せたい Four Seasons(完全版)」(2011年1月1日)

筑波山神社ロケ地めぐり 第34作「真実一路」(2011年12月17日)

続.寅次郎音楽旅 みんなの寅さん〜(2011年12月6日)

謎の女優 川井みどりさん ついに解明!(2011年11月14日)

『君の知らない柴又を見せたい Four Seasons』(2011年10月29日) 

奄美大島 菜穂ちゃん失恋物語(2011年10月5日)

『八重子さんはなぜ活男の愛を受け入れられないのだろうか』(2011年9月17日)

越中八尾 日記「寅次郎 風の盆恋歌」ロケ地めぐり(2011年8月26日)

【バリ寅日記】バリで逢った「寅次郎ハイビスカスの花(2011年8月11日)

【柴又日記】その(32)歌子ちゃんの実家ついに発見(2011年7月26日)



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           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…






2012年2月10日  寅次郎な日々 その509


三崎千恵子さん ありがとう  おばちゃんよ永遠なれ


おばちゃん、知られざる名シーン  その1



    



俳優の三崎千恵子さんが
13日午後7時15分、老衰のため死去されました。
90歳でした。

かなりお年だったし、弱られてもいたので、
この日がいつかは来ることはわかってはいたが、
もう少し・・・何年か先ではないかとも思っていた。


今夜、私はバリ島で
おばちゃんをしのんで数々の名シーンをダイジェストで観ている。

私にとって三崎さんはとても大事な人だった。


寅次郎の叔母 車つね

無条件で寅を誰よりもかわいがり
親バカ丸出しで寅をひたすらかばい
誰も怒れないところで寅に思いっきりかみつき、
寅のやんちゃにチャルメラ泣きをし、
寅が大好きな料理を作ってあげることを生きがいとし、
寅と別れる時はいつも「寅ちゃん、帰ってくんだよ」と
言いながら
涙がこぼれてしまう・・・

そんなおばちゃんが大好きだった。
まさに「とらや」の【顔】だった。



第14作「寅次郎子守唄」で
おばちゃんは、寅がつれてきた赤ちゃんを大事に思い、
しばらく背中におぶって育てるシーンがあるが、
私はあのシーンが忘れられない。
そして赤ちゃんが引き取られて帰ってしまった後の
あの、おばちゃんの涙。
子供ができなかったおばちゃんの悲しい人生を
垣間見た気がした。

おばちゃんの一番深いところでの悲しみを見てしまった気がした。




第36作「柴又より愛をこめて」

寅が釣竿をもって式根島に向かう愚行を見ながら
おいちゃんに

「行かせておやりよ〜」

と泣いていたおばちゃんのあの姿も忘れられない。

親子ではないけれど。、親子と同じくらい縁が深いおばちゃんと寅。
無条件で寅をかばい、そしてあんなふうに、
時には盲目的に寅に寄り添えるのがおばちゃんだった。



三崎さん

おばちゃん、

さようなら 

たくさんの思い出ありがとうございました。

僕はあなたを一生忘れません。


心よりご冥福をお祈りいたします。






で、こういう機会なので、
おばちゃんの知られざる名シーンを語っていくことにしましょう。

今日と明日と明後日の3回にわたって
「おばちゃん、知られざる名シーン1〜3」を書きますね。



今日はその1


私が勝手に個人的に好きなささやかなシーンをいくつか振り返っていきたい。
おばちゃんの一般的な名シーンというよりも、
あくまでも私個人のお気に入りシーンです(^^;)ヾ





まずは、第1作で冬子さんの寅に対する欺瞞を鮮やかに見破るあのセリフ。


おばちゃん「
お嬢さんもはっきり言ってくださりゃいいのに。
       わたしゃね、お嬢さんにも罪があると思うよ


このセリフに私は救われた。
あの失恋に関しては冬子さんにも罪があると私はしつこく今も思っている。
それゆえ、もやもやした自分の気持ちをズバッと言ってくれたおばちゃんに感謝!


     






第6作「純情編」で夕子さんを紹介するおばちゃん。

おばちゃん「
私の従兄弟の嫁行った先の主人の姪の夕子さん

こうなったらもはや親戚ではない^^;
よくまあこの程度の関係でとらやに来たもんだ^^;
おばちゃんのこのバカバカしいセリフは、私は普段よく家庭内で使わせてもらっている。


      







第7作「奮闘編」で寅がしてしまった大きくてとびっきりくさいおならを
回想し文句を言うおいちゃん、おばちゃん、さくら、のシーンで、
おならがいかに臭かったかを、セリフなしの4セリフを言わないで、
手で臭いを避けるジェスチャーだけで
見事に表現しきったおばちゃん。これ何度も笑いました^^↓


     








第8作「恋歌」

博の父親の受け売りで、りんどうの咲きこぼれる庭先でのエピソードを
しゃべる寅に対する、おばちゃんの徹底した現実主義の発想が悲しいくらいに
心地よかった。


おばちゃん「
で、要するにこれからどうしたいんだい寅さんは?

寅「なんだよ、その冷たいものの言い方は。
  そんなことまでいちいちおばちゃんに
  言わなきゃ分かってくれないのか、おい」

おばちゃん「
じゃ、電気の下でご飯食べたいの?


こういう人には何言っても無駄。ヾ(ーー;)
だって幸せに満ち溢れているんだもんねおばちゃんは。


     








第8作ではもう一箇所忘れられないおばちゃんワールドがある。
寅とおいちゃんの喧嘩を止めながらも、すばやくおいちゃんに肩叩きの
木槌という
武器を渡すおばちゃん。
この一瞬のギャップが笑える^^;
ほんとうにおばちゃん元気そのもの。よく動いている。


     









第9作「柴又慕情」暑い夏にガリガリカキ氷を回すおばちゃん。
お皿から零れ落ちたカキ氷を
ぽいっと口に放り込む姿がなぜか下町情緒たっぷりだった。
このシーンほんと大好きなんです。


     








第10作「夢枕」

岡倉先生が引っ越してきて、学生たちがマクスウェル理論の妥当性について
議論しているのを聞いて

おばちゃん「
難しい話してるねえ〜,偉いんだろうねえ〜

やみくもに難しい話をしている人を尊敬するおばちゃん。
実に下世話で庶民的でよろしい^^

この癖は第16作でも出てくる。


     









第11作「忘れな草」で、リリーの孤独な一人旅について語る寅。
同じ女性としておばちゃんに同意を求めるのだが、
おばちゃんがボケを一発かまします。


おばちゃん「
そうだね。第一ねえ、御不浄が困っちゃうんだよ、女は〜。男だったらさ…」 ヾ(^^;)



     








第12作「私の寅さん」

九州旅行に出かけるが留守番の寅のことが気になってしょうがないおばちゃん。
阿蘇山と浅間山を言い間違えて、さくらに訂正される時の駄洒落は忘れがたい。


さくら「阿蘇よ」

おばちゃん「
あ、そう・・・

後ろで博があざやかに笑っているのを見逃してはならない。


     







第14作「子守唄」

寅が連れて来た赤ん坊をおぶって世話をしているおばちゃん。
忙しそうだがとても嬉しそう・・



    




でも、赤ん坊が引き取られて帰って行ったあと、
ついにおばちゃんは泣いてしまうのだった。

幼い満男はわけがわからないでおばちゃんに向かって

満男「ばあば、泣いてるの?」

このシーンのおばちゃんはせつなく可哀想だった。

おばちゃん というと、私はなぜだかいつもこの「子守唄」の
この涙を思い出す。


     







そして第15作「相合い傘」であのリリーの夢をかなえてやりたいという『寅のアリア』を聞いて、
泣いてしまうおばちゃん。



寅「ハハ……、なんだか話がしめっぽくなっちゃったな、おい」

博「いや、とてもいい話でしたよ」

おいちゃん「あ〜あ、よかったァ〜」

さくら、感動して下を向いている。

さくら「……」

寅「そうかい?」

おばちゃん「
ほんと、泣けちゃったよ・・・


このシーンは日本映画史の中にいつまでも残るだろう。
そしてこのおばちゃんの涙もいつまでも残るのだろう・・・。



    



その1 おしまい

明日の夜アップの その2 に続く。














        
 2012年正月元旦  吉川孝昭 「雪降る帝釈天」 お礼の年賀状の中の1枚

        








なお、お年玉代わりに、
昨年秋に息子が完成させました
「君の知らない柴又を見せたいFour seasons(完全版)」をアップしましたので
できるだけ
高い画質の【720p】以上でご覧ください。
ネット上では初公開です。

前回の作品(冬と春)に、
新たに新緑と初夏と盛夏と秋と晩秋を加え【四季折々】の知られざる柴又を表現しました。


それではご堪能ください↓




2011年宮嶋龍太郎 制作  できるだけ高い画質の【720p】以上でご覧ください。















          

                
「 宮嶋龍太郎+2 展 」中綴じパンフレット12ページ  表紙















       満月と立山連峰


      













撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)








    

                                雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




pos


『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
Computer Graphics  : RYOTARO







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508

                          

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 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…






2012年2月10日  寅次郎な日々 その508


山田洋次ミュージアム 12月開館


バリの家に戻った。6ヶ月ぶりのウブド、サンギンガン村。

バリで観る「男はつらいよ」はやっぱり心にしみる。
日本を離れると開放感もあるが、心細くもある。
渥美さんと倍賞さんの声を聞くとほっとするのだ。





    



昨日の『読売オンライン』 によると↓こんな記事がでていた。

東京都葛飾区は2月8日、
1691億円(前年度比0・6%減)の一般会計など
新年度当初予算案を発表した。

映画「男はつらいよ」を紹介する「葛飾柴又寅さん記念館」の展示を
刷新するほか、
「山田洋次ミュージアム(仮称)」をオープンさせ、
観光客の誘致に力を入れる。

「寅さん記念館」では、
現在、展示されている「くるまや」のセットを撤去し、
太宰久雄演じる「タコ社長」が経営する印刷工場を実物大のセットで再現。
印刷所内に入ることもできる。

また、同館の隣にあるレンタサイクル置き場の建物を、
山田洋次監督の作品を紹介する「山田洋次ミュージアム(仮称)」に改装する。
レンタサイクル置き場は移設する。
「幸福の黄色いハンカチ」や「学校」など、山田監督の名作を、
映像や小道具などの資料で紹介する予定で、映画ファンの誘客を図る。
いずれも今年12月の完成予定で、予算は計9500万円。


だそうだ^^



あそこはレンタサイクルの館でもあるのだが
館全体を決して有効利用しているとは言えない状態が
続いていたから、常々もったいないと思っていた。。

寅さん記念館の催し物の控え室、
倉庫、着替え室、昼食部屋などに使われていることもある。

あそこの館は寅さん記念館に隣接されているので
同じ館に見える。

葛飾区の条例にあえて従って言うと、
本当は、葛飾観光文化センターという
大きな敷地の中に
あの寅さん記念館や上の柴又公園もあるという形になっているのだ。




12月に開館する「山田洋次ミュージアム」の展示は
おそらく1月に池袋西武で行われた山田洋次監督50周年展の感じを再現するのではないだろうか。

1月のあの展覧会は初日に観に行き、すぐ近くで山田監督の講演も聞いた。


一般的には展示と言うのは限界があるが、あの時の西武ギャラリーでの展示は
DVDやオブジェでふくらみを持たせていた。

あんな感じになるのかも・・・





        






        




おしまい。















        
 2012年正月元旦  吉川孝昭 「雪降る帝釈天」 お礼の年賀状の中の1枚

        








なお、お年玉代わりに、
昨年秋に息子が完成させました
「君の知らない柴又を見せたいFour seasons(完全版)」をアップしましたので
できるだけ
高い画質の【720p】以上でご覧ください。
ネット上では初公開です。

前回の作品(冬と春)に、
新たに新緑と初夏と盛夏と秋と晩秋を加え【四季折々】の知られざる柴又を表現しました。


それではご堪能ください↓




2011年宮嶋龍太郎 制作  できるだけ高い画質の【720p】以上でご覧ください。















          

                
「 宮嶋龍太郎+2 展 」中綴じパンフレット12ページ  表紙















       満月と立山連峰


      













撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)








    

                                雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




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『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
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 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…






2012年1月26日  寅次郎な日々 その507


雪降る柴又 今年初めての雪





2月初めから仕事でバリ島に向けて出発する。
今回も息子を連れて行くので、彼の大学に合わせて40日のバリ滞在となる。
みなさんバリ島滞在中は更新がやや遅れることをお許しください。




今日1月23日、今年はじめてしっかり雪が降った。そしてなんと深夜には積もった。
柴又の雪はモチーフとして最高なのだが、なかなか積もってくれない。

しっかり積もるのは数年に一度だと言われている。

昨年は2月中旬に積もった。そしてたくさんスケッチをした。

今年はどうかな?2月初旬からバリに行ってしまうので無理かな・・・と、思っていたら
出発1週間前に降ってくれ、そして積もってくれた。

私の家がある富山のように雪でお困りの地方の方には申し訳ないが、
東京の柴又の雪は風情がある。得したなあ〜って感じ。


水彩スケッチはまた後日アップするとして。
今日はとりあえず、雪の日のスナップ写真を見ていただこう。







      寅さんも雪の帽子をかぶっていた。雪の降り始めた深夜


     










     夜の10時半にはこのような↓吹雪に近い降り方になり、これは相当積もるかもと期待した。

     










     11時にはやや小降りになっては来たが、まだまだ降る気配は見せていた。5センチ〜7センチくらいかな。

     









     参道の雪景色はやはり絵心が湧き立つ。いいね。


     







取材は深夜1時半で終わり、仮眠を取る。







     一夜開けて 朝の6時半 簡単なはがき大スケッチを何枚か短く描く。

     








     
参道 朝7時過ぎ、プラスチックのシャベルで固まった雪や氷をかき出す店の従業員の方々

     









     
江戸川河川敷 7時半 人の姿もまばら。 はがき大スケッチを鉛筆速描きで何枚かやっていく。
     雪景色ゆえ、刻一刻と変わっていくので時間がもったいない。どんどん動く。着彩は家で。
     アトリエでの着彩のために写真もそのつど撮る。


     








     
母と子が雪遊び。

     









     
7時半 江戸川土手 左端に川甚のビル。向こうに金町浄水所のタンクが見える。

     









     

     おなじみ 金町浄水場取水塔 いい雲。そして朝日が輝いていて絵になる風景だった。フォトジェニックだ。

     









     
レンガの茶。白い雪。深いグレーの川面。青い空。これらのコントラストが絶品だった。

     









     
ボートが二隻。水道局の業務用なのだろうか…

     









     
矢切の渡し付近の朝日 7時半 木々の青い影が美しい。

     









     
ふと土手を見やれば近所の写真家のFさんが手を降っていた。彼も取材に来ていたのだ。

     









      
まだ人にほとんど踏まれていないグラウンドの雪

     










     
矢切の渡しも雪化粧

     









     
矢切の渡し 朝日の中の渡し場

     










     8時半に帝釈天境内にもどる。まだ雪はさほど解けてはいない。

     












     










     もうかなり日が高くなってきた。8時半

     








     
私はこの横の角度からの帝釈天が好き。

     









     
家のバルコニーから帝釈天を撮って 仮眠に入った。

     






なんとも幻想的な朝だった。








おしまい










        
 2012年正月元旦  吉川孝昭 「雪降る帝釈天」 お礼の年賀状の中の1枚

        








なお、お年玉代わりに、
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前回の作品(冬と春)に、
新たに新緑と初夏と盛夏と秋と晩秋を加え【四季折々】の知られざる柴又を表現しました。


それではご堪能ください↓




2011年宮嶋龍太郎 制作  できるだけ高い画質の【720p】以上でご覧ください。















          

                
「 宮嶋龍太郎+2 展 」中綴じパンフレット12ページ  表紙















       満月と立山連峰


      













撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)








    

                                雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




pos


『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
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Illustration  : RYOTARO
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           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…






2012年1月15日  寅次郎な日々 その506


「虹をつかむ男 柴又ロケ地発見」




先日、自転車で金町に用事に行った時、
見覚えのあるマンションが目に入った。

どこかで見たなあ・・・って思いながら、
しかしケータイを忘れて持っていかなかったので
その時は写真を撮れず、頭に刻み込んで
家に帰ってDVDでいろいろチェックしてみたら、
やはり「虹をつかむ男」で
主人公の平山亮(吉岡秀隆君)が
父親と大喧嘩して自分のマンションを飛び出して行くが、
私が見た建物は、まさにそのマンションだった。




さっそくストリートビューでぐるぐる見ている。



映画の中で見える向こうの鉄塔や、前のマンションなども
今も同じようにある。

外壁は、タイルからさらにフラットに新たに塗り替えられているが
丸い形をした階段の踊り場や
廊下のガラスの仕切りは今も全く同じだった。



映画でもマンションから線路が映るが
このマンションは京成金町線沿いにある。

柴又駅に近い方(駅から徒歩7分ほど)で、
ちょうど金町浄水場の真向かいあたりだ。


ストリートビュー参照↓








で、翌日あらためてデジカメを持って、マンションを訪れた。(許可を取って撮影)







本編では、亮君が家を飛び出した時前の廊下や向こうの鉄塔が映る。亮君を追いかける家族たち↓









向こうに鉄塔、丸い踊り場がある階段。これは今も同じ。









亮君は半泣きで、マンションの前の京成金町線沿いの道を柴又駅方面へ走って行く。










ちょうどマンションの前あたりがロケ。









マンション4階の踊り場から見える金町方面の風景。










今もほぼ同じ。右のほうに高層ビルが建った。










階段踊り場から見た、4階の廊下










外壁はタイルからフラットに模様替えされていた。










階段を下りていくところで亮君とお母さんはすれ違う。向こうに金町線が見える。










金町に高層ビルが建っていた。







結構いつも前を通っていたのに、気づいたのは住み始めてから1年後だったとは・・・。
何気なく通っているのでなかなか気づかないものだ。




おしまい













        
 2012年正月元旦  吉川孝昭 「雪降る帝釈天」 お礼の年賀状の中の1枚

        








なお、お年玉代わりに、
昨年秋に息子が完成させました
「君の知らない柴又を見せたいFour seasons(完全版)」をアップしましたので
できるだけ
高い画質の【720p】以上でご覧ください。
ネット上では初公開です。

前回の作品(冬と春)に、
新たに新緑と初夏と盛夏と秋と晩秋を加え【四季折々】の知られざる柴又を表現しました。


それではご堪能ください↓




2011年宮嶋龍太郎 制作  できるだけ高い画質の【720p】以上でご覧ください。















          

                
「 宮嶋龍太郎+2 展 」中綴じパンフレット12ページ  表紙















       満月と立山連峰


      













撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)








    

                                
雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




pos


『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
Computer Graphics  : RYOTARO







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【 寅次郎な日々 】カテゴリー別バックナンバー【2005年11月〜2011年7月26日までの分】
寅次郎 さくら 名脇役たち タコ社長 満男 シリーズの流れ おいちゃん、おばちゃん 源ちゃん
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505

                          

           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…






2012年1月1日  寅次郎な日々 その505


新年のご挨拶とお年玉
「君の知らない柴又を見せたい Four Seasons(完全版)」







        
 2012年正月元旦  吉川孝昭 「雪降る帝釈天」 お礼の年賀状の中の1枚

        










新年 あけましておめでとうございます。

皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。

昨年は、息子の大学進学にともない、
憧れの葛飾柴又帝釈天二天門前に
住居兼アトリエを構えることができまして
私にとりましては、20年前のバリ島移住以来の
大きな転機でもありました。


まさに激動の年、
いろいろな刺激が公私ともどもおこりました年でしたので
更新が昨年以上に遅れ続けましたことを深く反省しております。


なお、わたくし事ではありますが、
絵画をはじめ、日記、男はつらいよ覚え書きノートなど、
相変わらず稚拙で、ダラダラした無教養な内容ではありますが、
私のかけがえのない作品でありますれば、今後とも
くれぐれもお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。


私のかけがえのない古くからの親友たち、
ずっと長年支え続けてくださっているコレクターの方々、
寅さん仲間の方々、
このHPをいつもご覧下さっているみなさん、
柴又で新しく知り合った仲間たち、
画家仲間の方々、
美術関係の方々、
展覧会の仕事でいつもお世話になっている方々、

それらの皆様の幸せを心よりお祈りしております。


葛飾柴又帝釈天二天門にて


2012年 正月

吉川孝昭 拝







なお、お年玉代わりに、
昨年秋に息子が完成させました
「君の知らない柴又を見せたいFour seasons(完全版)」をアップしましたので
できるだけ
高い画質の【720p】以上でご覧ください。
ネット上では初公開です。

前回の作品(冬と春)に、
新たに新緑と初夏と盛夏と秋と晩秋を加え【四季折々】の知られざる柴又を表現しました。


それではご堪能ください↓




2011年宮嶋龍太郎 制作  できるだけ高い画質の【720p】以上でご覧ください。















          

                
「 宮嶋龍太郎+2 展 」中綴じパンフレット12ページ  表紙















       満月と立山連峰


      













撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)








    

                                雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




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『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
Computer Graphics  : RYOTARO







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504

                          

           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…






2011年12月17日  寅次郎な日々 その504


筑波山神社ロケ地めぐり 第34作「真実一路」

  
それにしてもここのところは結構忙しかった。
品川での展覧会、そして連れ合いの上京、息子の芸大の展覧会準備といろいろあった。

日記に書くこともまだたくさん溜まったままだが、
パトロンであり大コレクターの I さんと回った寅さんロケ地めぐり、
筑波山神社の啖呵バイ現場スナップを紹介することにしよう。


I さんは、私の日記に頻繁に登場するあの方だ。
画家としての私を十数年に渡って育てていただいている大コレクターであり、パトロンである。
彼のコレクションはもう二十数枚を超えている。

今回も品川「FIELD」での絵の展覧会のため「踊りの前」という絵をお借りしに来たついでに
厚かましくもロケ地をまたもや案内していただいたというわけだ。


そんな I さんとは、今年4月に同じ茨城の牛久沼から板橋不動尊、常総橋を回った思い出がある。
あの時も運転していただき、下見までしていただいて恐縮至極でした。

今回は筑波山神社。
もちろん両方とも第34作「寅次郎真実一路」のロケ地。

第34作「寅次郎真実一路」の中で、筑波山神社でバイに励む寅が映し出されるのだ。
健康サンダルをバイする寅の上手では、筑波山名物「がまの油売り」がバイを行っている。


筑波山神社は、関東の霊峰「筑波山」を御神体と仰ぎ、約3千年の歴史を有する古社で、
境内は中腹の拝殿より山頂を含む約370haにおよび、山頂よりの眺望は関東一円におよぶ。


今回もあつかましくも I さんに運転していただいて、助手席に座るだけの私。
またもや恐縮至極 m( _  _ ;)m


まずは、つくば市中心地から筑波山神社へ行く道の途中から見える第34作本編のカット↓


      







まあ、こんな感じと思うところで、I さんに車を停めてもらい、写真を撮ったのがこれ↓

      




当たり前だが迷うことなく赤い大鳥居まで到着。


そこから歩きで大きな赤い鳥居をくぐり、小さめの白い二の鳥居をくぐったら、
まず3代徳川家光寄進の赤い御神橋が見えて、それを通り過ぎると
長い階段が見えてくる上には山門(御神門)が聳えている。
そこが寅が健康サンダルをバイしていた場所。

ああ〜、いつもながら感慨が押し寄せてくる〜〜〜〜(TT)


ロケ地とご対面〜〜


山門(御神門)からロケ地を調べる私。 この階段の途中で寅がバイをした。



      







      



 I さんは前回同様、私の要求に快く応じてくださり、寅が啖呵バイをしていた位置に立ってくださった。

 I さんが立っているところが、寅が健康サンダルをバイしていた場所。↓


    







    





     逆から見たところ↓

    




    
本編ではつくば山(男体山頂)が山門横から見える

    



I さんと、ああでもないこうでもないと、山門からの高羽カメラマンアングルの再現に
微細にこだわる時間はとても楽しく充実したものでした。


手前の石の囲いは新しくなったが山門と灯篭向こうに見える筑波山は今も同じ姿。


    




    
    
筑波山神社拝殿横でのガマの油売り。

    



で、せっかくここまで来たんだから、ケーブルカーで上まで登ってみようということに―。



      ケーブルカー山頂(御幸ガ原)からの展望(北西側)

     




       南方向には遠く霞ヶ浦が見えた。(画像左向こう)

     


I さんと巡るロケ地巡りは今回も本当に充実したものだった。
I さんに感謝です!


ロケ巡りの帰りに、コレクターさんたちや応援してくださる方たちと一緒に食事会。その横におしゃれなギャラリーが
あり、I さんと食事会まで1時間ほど時間があったので入ってみた。名前は「ギャラリー彩花」


     



ちょうど中では染織工芸の作家さんたちのグループ展が行われていた。
いろいろオーナーの海老沼彩花さんと話をするうちになんと来年の4月に染織工芸の
展覧会を企画展で行うことになった。彼女はご自身も陶芸の作家さん。
たまたま立ち寄った名も知らぬギャラリーでそんな話が進むとは・・・縁は異なもの味なものだ。


     



で、その後、コレクターさんたちや私を応援してくださる方たちと食事会。
寅さんファンの方や越中八尾の私のギャラリーに来られた方々も
わざわざ遠路来てくださって、賑やかなとても楽しい食事会となりました。私の絵の映像や柴又の映像の
上映会などもあり、盛りだくさんでした。あー美味しかった&面白かった!

みなさん本当にありがとうございました。日々孤独の中で生きております身といたしましては
とても暖かな励ましに感動いたしました。なんとかまた生き抜いていこうと決意しました!


     



      写真を撮ってくださったKさん。いつもお世話になっていますm(_ _)m

     




今回はもうひとつ話題があります。↓




ここからは 第2部  番外編↓



先日の品川のギャラリー「FIELD]で開催した展覧会
嶋龍太郎+2 Art Works 展
 のスナップ写真を公開します。


先日の展覧会ではご高覧いただきまして本当にありがとうございました。
5月に引き続き、生業でなく、楽しみで開く展覧会を開催できたことは本当に幸せでした。

それを実現させてくれたのは、私の大切な友人であり、
この「FIELD」のオーナーである大寿美さんなのだ。
彼には本当にいろいろな面でお世話になりました。
ありがとうございました。

今回展覧会デビューの息子もいろいろ大いに刺激になったようです。




     





お客様は毎日3人〜6人という、ゆったりまったり、ぽつりぽつりペースでお越しになり
合計数はさほど多くはなかったのですが、密度の濃いお客様たちが来られまして
充実した楽しい時間がすごせました。
また息子ともどもいろいろ勉強になりました。


藝大の息子の学友、コレクターの方、スポンサーの方、パトロンの方、
絵描き仲間、美術関係の方、古くからの親友たち、私の教師時代の教え子たち、
新聞記者の方、そして何よりも寅さん仲間の方々!
寅さん関係の方々、そして遠く野田市からほつね君のご家族も来てくださいました。

そして今回は、私の連れ合いも最後に富山から駆けつけてくれた。
彼女も2点出品してくれたのだ。

皆さんお忙しい中、大井町駅から道に迷いながらもお越しくださいましてありがとうございました。
ご来場してくださいました中でお写真を撮らせていただきました方々の
スナップ写真を、今回の記念に日記にアップいたします。

プライベートな気持ちで来られた方もあるでしょうから、今回はお名前や私との関係は
伏せてランダムに匿名でアップいたします。

いつもながら、話に夢中になり、何割かのお客様のお写真を
撮らせていただくのを忘れてしまいました。
どうかお許しくださいませ。





いつもはぽつりぽつりと来られるお客様たちが、
ある日ある時偶然重なりにぎやかな時間もあった。↓パトロンのI さんも交えて歓談。


    




富山から連れ合いが来てくれた時、ちょうど教え子たちも来ていて、楽しいひと時だった。
↓オーナーの大寿美さんも入って記念撮影。


    



いろいろ応援していただいている葛飾ゆかりのコレクターの植村さんご家族。
お嬢さんは絵のモデルにもなってくださいました。本当にお世話になりました。↓

    




それでは写真をシャッフルしてランダムにわーっとならべました。ご覧ください↓





   





 








   










  








    
  

   















 




      







  

  


 








 



以上です。


ありがとうございました。















          

                
「 宮嶋龍太郎+2 展 」中綴じパンフレット12ページ  表紙















       満月と立山連峰


      









     「君の知らない柴又を見せたい」

    






撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)






今年の11月には、↑の映像に「夏」と「秋」を入れて、再構成し、
四季折々の柴又を表現し、自分たちなりの「完全版」をアップしようと思います。






    

                                雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




pos


『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
Computer Graphics  : RYOTARO







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503

                          

           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…






2011年12月6日  寅次郎な日々 その503


山本直純さんは永遠なり


続.寅次郎音楽旅 みんなの寅さん〜 


『伯父さんはどうしているのだろう・・・』



あー、ようやく時間ができた。なんとも忙しい2週間だった。
展覧会があり、それにともなって連れ合いが上京し、
その直後に今度は息子の芸大での展覧会。

今日から時間が少しずつ空いてくる。
ようやくたまりにたまったコラムや日記をアップできはじめている。
筑波山神社での I さんとの楽しかったロケ地めぐりも書かないと・・・

その前にぜひ書きたいことがひとつ。


私はここ2週間毎日ある音楽CDを聴きながら絵を描いている。


友人の映画評論家である
佐藤利明さんが粘って粘ってあの名盤の第2弾をついに出されたのだ。

男はつらいよ 続.寅次郎音楽旅 〜みんなの寅さん〜

前回の「男はつらいよ 音楽旅」は2008年秋だった。あれからもう3年も経ったのだ。
なんとも歳月は早く過ぎ去る。

そうそう、佐藤利明さんと言えば、
現在世界中で大旋風を巻き起こしている
由紀さおりさん&ピンクマルティーニの「1969」
プロデュースした中心メンバーの方。彼は映画評論家だけでなく、音楽プロデューサーも
本業なのだ。


ともあれ、

佐藤さんは今回3年前の志を押し通し、
企画を立てて、紆余曲折の果てに今度は松竹音楽出版からCDを出された。

彼のCDはある意味入門編ではない。かなりマニアック。
しかし、懐深き、心優しき寅達人である彼が作ったこの作品は
マニアはもちろんのこと初心者にもその心にすっと入り込む魔力を持っている。

気骨あふれる入門者が門を激しくたたくのは古今東西その世界の達人の門でなくてはならない。

佐藤さんは6歳のときに寅さんの洗礼を受け、以来仕事を超えてこの映画とともに生きてきた人。
そう、佐藤さんは、昔版の吉野ほつね君なのだ。



今回はさくら、とらやのみんな、マドンナたち、ゲストたち…などを彷彿させる「人」に焦点を合わせて
構成されている。

しかし、前回でも多く聴けた「旅」の小曲も、今回もたっぷり入れられている。
だから今回は前回以上に盛りだくさんだ。

今回の2枚組CDはなんと前回を越える
120曲が収録されたのだから凄い。
まさに本編でさりげなく流れていた、もう一度聴きたかったあの曲この曲、小さな名曲の数々が聴けるのである。
天才、山本直純さんが3年の歳月を経てまたもや鮮やかに蘇ってきてくれたのだ。
アー・・・あの透明感と優しさが装いも新たに帰って来た。感無量。

また山本直純さんのアシスタントさんの玉木宏樹さんも陰の功労者だったことも思い出される。
彼も随時編曲などを担当されてきたのだ。

また、玉木さんは、第2作「続男はつらいよ」の中で出演もされている。
マドンナの佐藤オリエさんがチェロ奏者で、彼女と一緒にアンサンブルをしている
第一ヴァイオリンの方が玉木さん。




        





かつてあの高島幹雄さんたちによって制作されたVAP社の数々の寅さんCDたちにはなくて
本編でしか聴けない小さな隠れ名曲が今回もたっぷり入れられている。

VAP社の数々の名盤はマドンナのテーマや主要テーマが中心、それに対して佐藤さんが作られた
これらのシリーズは行間を読むように小さなあの曲、ささやかなこの曲…


そしてやはり音の充実はライナーズノーツの内容に如実に表れる。
だから、このライナーズノーツの佐藤さんの解説文には力がある。
幼少期から「男はつらいよ」を映画館でリアルタイムで見続け、
今、職業をはるかに超えてこの映画に深く踏み込み、この世界の中で棲息し続けている彼の解説は、
限りなく優しく、そして深い。そしてなによりも楽しい。


肝心の「音」の源は、前回同様、もちろん、マスターフィルムから音源を抜き取った
完全なオリジナル版を使っている。
この「ありのまま」の音だけが伝えてくれる感動は、映画を愛するファンにとっては
何ものにも代えがたい『劇伴』の絶対条件だ。


それにしても四十年以上も前の「男はつらいよ」シリーズの音源を
あらためて一曲一曲調べつくし、聴きつくしていくのである。
6ミリの音楽テープをデジタル化する作業は、よほどこだわりがないとできない気の遠くなる作業だ。
この精査は、間違っても数週間やそこらで終わる作業ではない。





         









DISC 1


私の個人的な前半のメインは
第16作「葛飾立志編」での雪さんと順子さん


「NO.30 寅のアリア〜お雪さんのテーマ」

「NO.31 寅の旅〜最上川 葛飾立志編」


この2曲は前半の私のお気に入り。


ライナーズノーツにはこう書かれている。

寒い冬の日山形県の寒河江で無一文の寅さんが、駅前食堂に入って「これで何か食わしてくれ」と、
カバンと腕時計を差し出した。その時「困っている時はお互い様ですからね」と、
丼と湯気の立つ豚汁をごちそうしてくれた女性、それが順子の母、お雪さん。


佐藤さんがそう書かれているとおり、雪さんの慈愛によって寅は救われた。
寅は彼女のことを観音さまだと表現していた。
寅の雪さんに対する思いの長さは十数年間もの間毎年続けられた手紙に表れていたのだ。

この音楽の中に寅次郎のまぎれもない初恋があり発心がある。


そして前回同様、数々のサブタイトルが渋い。
サブタイトルで気に入ったものは・・・

「NO.43 
明日、聞くよ〜早苗のテーマ

ライナーズノーツにはこう書かれている。

「わたし、寅さん好きよ」と、素直な気持ちを言葉にする水野早苗(大原麗子)。
そんな彼女を密かに愛する、従兄妹の添田肇(室田日出男)の想いを知った、
早苗と寅さん。何か言いたげな早苗に「明日、聞くよ」と寅さんは、肇を追いかけるように促す。
早苗も「じゃあ、また明日ね」と出て行くが・・・


佐藤さんは、あの短いセリフを掬い取られた。これは鋭敏で繊細な感覚だ。

あの作品で「明日聞くよ」は最高に素敵な言葉。
山田洋次監督がこのシリーズで紡ぎだした最高のセリフのひとつであり、
この言葉こそ男寅次郎の真骨頂だ。
あのニュアンスは渥美さんでなくては言えないものだった。
あのマドンナへの優しさなの中の突き離しによって早苗さんは
目が覚めたように従兄妹の肇のもとへ走るのだ。




「NO.50 
ここが、お兄ちゃんの部屋〜埴生の宿」


ライナーズノーツにはこう書かれている。

さくらと博が念願のマイホームを手に入れ、寅さんがその家を
見に行く。あまりの狭さに驚く寅さんだが、二階に自分のための部屋があると知って感動する。
第9作の『貸間あり騒動』でも使われた『埴生の宿』のメロディが「我が家が一番」という気持ちを
強くさせてくれる。自分の部屋と聞いて、静かにうつむく寅さんの姿が目に浮かぶ。

佐藤さんの選択はここでも鋭敏。
さくらと博が安月給から工面してローンで買った建売。その部屋のひとつを
寅の部屋としていつも用意しておくという、
さくらの深い愛情と博の決断が表されていた。
感動が静かに押し寄せるいいシーンだ。



そしてものがなしい光枝のテーマ。

「NO.53 秋月の人妻〜光枝のテーマ」 は、やはり美しい。あまり人は言わないが、
この「光枝のテーマ」は私のかなりのお気に入り。







DISC 2


まずドルビーサウンドのメインテーマ! これがいいんだな。


O5:は渥美さんの歌にサウンドを合わせてステレオ

特別編では八代亜紀さんが歌っているが、実はステレオ録音のBGMにあわせて
渥美さんの歌声(声はモノラル)も用意されていたのだ。
本編未収録、佐藤さんの尽力で本邦初公開!

このような
未発表の曲はDISC1、DISC2あわせてなんと22曲もある!
もうこの22曲だけでもよだれが出る。

いったい本当は全部でどれくらいの曲が用意されていたのか、おそろしくなるくらいに
未発表曲がまだまだ隠されているのかもしれない・・・
聞いたところによるとこのシリーズ48作品プラス特別編で
2300はあると言う。
想像できない数だ。



たとえば・・・

「No. 31 故郷のかたまりのような人 〜久美子のテーマ〜」

未発表バージョン。
ヴァイオリンの響きがなんとも美しい。これは名曲!
異国で生きる久美子の底なしの孤独が表現された名曲だ。
私も異国で20年も生きてきてこの曲の悲しみはいたいほどわかる。


そして 思いっ切り『満男シリーズ』の思い出のあの曲この曲。


<寅とリリーのそれから>

NO.53から最後のNO.64までは圧巻。
この「続寅次郎音楽旅」のメインはここ。

やっぱり 寅とリリー。

まずリリーのテーマのステレオ新録音版!
遠くまで広がるイメージ。

寅とリリーの物語が切なくて胸が熱くなる。

ここで登場するのが、誰も知らない相合傘のために用意されていた「
リリー.マルレーン
これはまさにリリーそのもの。
ある意味それは「リリーのテーマ」でもあったわけだ。

この「リリー.マルレーン」の選択は素晴らしい!佐藤さんGJ!!



「NO.56 泉と満男 〜愛の告白〜」

この曲を聴くだけで胸が熱くなるのは私だけではあるまい。
そう、この曲こそ、泉が満男の告白を受け止めたあの加計呂麻の浜辺で流れていた曲なのだ。
映画「モロッコ」からイメージを取った、あのテンポ!寅のまなざし、リリーのいたわり・・・
まさに大団円、このシリーズのクライマックスにふさわしい曲だ。



そしてここから!

NO.57から最後のNO.64までをみなさん、心して聴いてください!


音の広がりが違う!音のふくらみが違う!
男はつらいよが2倍大きくなって帰って来た感じなのだ。
「ハイビスカスの花 特別編」の名曲。
これらはステレオ新録音による重層的な響きなのだからたまらない。



ああ…そして いよいよ本当に最後

ラストの 「NO.64 伯父さんはどうしているのだろう」

これを聴いた時、私は胸が締め付けられる思いがした。
これは本当に山本直純さんの真骨頂。
いよいよこれで本当に完結していくのだ。

特別編では、あの音楽とともに御前様のお経のシーンが始まり、高志の手紙が読まれていく。
そしてあの六合村上荷付場バス停の寅とリリーの大団円のシーンが映し出されるのだ。




       




その回想シーンが終わり、満男は今日も夕暮れの中、帝釈天参道を歩いていく。

満男の声「それはもう、20年近く前の話で、その後いろんなことがあったけど、
       その話は、また、いつか聞いてもらいます・・・」



ちなみに、この時のとらや(くるまや)の位置は、なんと「高木屋」の位置。↓
今までの作品では旧柴又屋(現 とらや)の位置だった。
ようやく本来の高木屋にたどり着いたのがなぜかちょっと嬉しかったのは私だけだったろうか。




        




       




間違いなくこの「NO.64伯父さんはどうしているのだろう」は

長い長いシリーズの最後を飾るにふさわしい曲。



この2枚組CDは前回とあわせて聴いていくと本編48本プラス1本が鮮やかに蘇る仕組みになっている。
これはVAP社のサントラでは味わえない醍醐味。

この映画を深く愛するものだけがこのような名盤を作ることを許されるのだ。
聴けば聴くほどスルメのように味が出てくるCDなどめったにあるものではない。
前回も思ったが佐藤さん、よくぞ作ってくれました。感謝以外の何ものでもありません。


佐藤さんの寅次郎音楽旅が2種類計4枚、
かつてのVAP社のサウンドヒストリーが4枚+VAP社のリリー4部作の特集+VAP社のマドンナテーマ集。
以上、これで合計10枚の珠玉。

う〜ん 凄いことになってきた。








ギャラリー Field  宮嶋龍太郎+2 Art Works 展
2011年11月20日(日)〜11月27日(日)

13:00〜20:00(午後から夜までの開催ですので注意してください)





「ギャラリー Field 」のホームページ↓

http://www.field-oimachi.com/index.html







          

                
「 宮嶋龍太郎+2 展 」中綴じパンフレット12ページ  表紙















       満月と立山連峰


      









     「君の知らない柴又を見せたい」

    






撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)






今年の11月には、↑の映像に「夏」と「秋」を入れて、再構成し、
四季折々の柴又を表現し、自分たちなりの「完全版」をアップしようと思います。






    

                                雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




pos


『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
Computer Graphics  : RYOTARO







「寅次郎な日々」全バックナンバーはこちらから          


【 寅次郎な日々 】カテゴリー別バックナンバー【2005年11月〜2011年7月26日までの分】
寅次郎 さくら 名脇役たち タコ社長 満男 シリーズの流れ おいちゃん、おばちゃん 源ちゃん
とらや ロケ地探訪 山田洋次 各作品紹介 山田洋次以外の映画 メイキング映像
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502

                          

           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…






2011年11月14日  寅次郎な日々 その502


謎の女優 川井みどりさん ついに解明!



先日いつも仲良くさせていただいている「寅さん記念館」のスタッフさんから質問メールが来た。

「川井みどりさん」がどなたかを知りたいという往復はがきが寅さん記念館に送られてきたのですが・・・


というものだった。

どうやら熱心な寅さんファンのお客さんからマニアックな脇役女優さんのことで質問があったらしい。

記念館のスタッフさんは、いろいろネットの質問コーナーを利用したり、
ご自分たちでも書物や作品を見て調べられたのだが、どれが川井みどりさんか皆目見当がつかないので
思い切って私にメールで聞いてみよう。ということだった。



実は川井みどりさんは、谷よしのさんの次にたくさんの作品に出演した脇役さんだ。

彼女に関しては比較的解明しやすい役者さんだったのにもかかわらず、
ほかの興味がついつい勝って、延ばし延ばしにきてしまっていたのだ。


で、せっかく今回質問されたので整理する意味もこめて彼女の画像を載せてみようと思い立ったのだ。
そして彼女は谷さんよりもずっと若く、登場し始めるのは
第20作「頑張れ!」あたりから。
彼女が一番目立っていたのは「幸福の黄色いハンカチ」で
桃井かおりさんの仕事である列車の車内販売の同僚の役で
彼氏にふられた事がわかった桃井かおりさん(朱美)は彼女の前で大泣きするのである。





        






この「黄色いハンカチ」時はかなり台詞が多く、脇役としても目立つ存在だった。


「だって自分の口でそう言ったもん、『チャコと寝た』って」
「私言ってやったのよ、『朱美が可哀想じゃない』って」
「そしたらさ・・・」
「朱美〜・・・」
「勤務中だよ、ねえ・・・朱美〜・・・」

     



そしてその後、2年後の寅さんのデビューでは・・・




第20作「頑張れ!」

な、なんと、あの
源ちゃんの女友達としてデビュー! この衣装はど派手です^^
台詞はあるけど、やや声が遠い。


「腹巻入れちゃえ、これ仕舞いなよ」


      



第25作と第29作もクレジットされているものの、
どこにいるかわからない。

おそらく、出演シーンがカットされたか、
もしくは遠くで映っているゆえに判別しにくいかのどちらかだと思う。




一応第25作「ハイビスカス」の川井みどりさんの有力候補としては↓
リリーが歌う小岩のキャバレーで踊るホステスさん。

骨格、目鼻が似ている。

台詞はなし。


        






第29作「あじさい」は、おそらくカットされてしまったのだろうが、
作次郎と寅が最初に会話をする「神馬堂」というやきもちの店で
お客さんを呼び込む店員さんの声が川井みどりさんそっくり!たぶん彼女。
しかし、残念ながら顔が出ない。
店の中にあるショーケースのガラス越しにわずかに背中が映っているだけである。↓
赤丸の中



「おいでやす〜、おいでやす〜。やきもちどうどすかあ〜おいでやす〜」



        

       









第30作「花も嵐も〜」台詞なし。蛍子さんと寅が待ち合わせするスナックの客。

      






第31作「旅と女と〜」台詞あり。 京はるみの失踪を探る記者たちの一人。

「原因はなんですか?」
「それじゃあ、はるみさんが失踪したっていう噂はどうして出たんだと思います?」


      






第32作「口笛を吹く〜」台詞あり カメラマン助手

「石橋一道さんって人いますか〜」
「あ、電話よ」



      






この第33作「夜霧にむせぶ〜」は長めの台詞あり。それもなんと渥美さんと直接会話!。
風子と寅が釧路でステーキ食べたレストランのウエイトレス。

寅のギャグ 「柴又銀行・・・」は大笑い。


「はい」
「4200円です」
「4200円・・・」
「何銀行ですか?」


      







第34作「真実一路」も台詞あり。富永課長の入った東京駅近くの喫茶店のウエイトレス。

「お客さん、コーヒーは?」

      






この第35作「恋愛塾」も台詞あり。 民夫と若菜さんの入った上野駅近くの喫茶店の客

「私客よ、何言ってんねん」


     






この第36作「柴又より愛をこめて」も台詞あり。有楽町のデパート内のブティックの女性店員

「いいですね」
「着てみましょうか」

     






この第37作「幸福の青い鳥」も台詞あり。新小岩駅近くの中華料理屋の店員。

「350円」

「ありがとうございました〜」
「これ、食べて〜」
「いつも汚れたシャツ着てぇ」



     






第38作「知床慕情」これはOPの歌のシーンなので、台詞はないが、江戸川土手で渥美さんと直接からむ。
柴又マラソンのボランティアスタッフ。


     
    





この第39作「寅次郎物語」も台詞「はい」だけあり。奈良・吉野の旅館翠山荘のスタッフ。
本編の中で笹野高志さんに「
みどりちゃん」と呼ばれていた。

「はい」


     






この第40作「サラダ記念日」は台詞なし。小諸のおばあちゃんの葬式に来た親戚。

     





この第42作「ぼくの伯父さん」はしっかり映って台詞もある。
名古屋の泉ママのクラブのホステス。


ママ
「あの子が会いたいって」

     





第43作も第42作同様同じ役。しっかりした台詞多くあり。
このシリーズでもっともたくさんの台詞があった作品。


「30分、40分前かな・・・」
「こんな立派な店に俺みたいな男がいたんじゃね、
 なんか、商売の邪魔になるとかなんとか…」
「いつかまた来るって」
「まったー、フフフ」


    






第44作「寅次郎の告白」は台詞なし。鳥取市で、聖子さんの料理屋「新茶屋」の仲居

    







第46作「寅次郎の縁談」は台詞なし。OPの栃木県鳥山の花嫁行列の親戚

    







ラストの第48作は台詞あり。泉ちゃんを世話する津山の美容師

「はい」
「お母様が見えましたよ」

    



とまあ、こういうわけだ。


谷よしのさんが主に行商や宿の女中さんを中心に演じていたのに対して
川井みどりさんは役柄は結構多岐に渡り幅がある。
源ちゃんの彼女からまじめな美容師さんまでいろいろ。

特に第33作では渥美さんとの直接のからみがあったのは印象深い。


これを読まれたみなさん、川井みどりさんが出演しているはずの第25作と第29作は
どこに出演しているかわかりません。どなたかおわかりになりますか。


みどりさんをさがせ!




おわり








【お知らせ】



ギャラリー Field  宮嶋龍太郎+2 Art Works 展
2011年11月20日(日)〜11月27日(日)

13:00〜20:00(午後から夜までの開催ですので注意してください)






訂正: 印刷されたパンフレットの裏表紙に小さく大井駅から徒歩7分と書かれれいますが、
    実際は『
大井町駅から徒歩7分』です。




山手線「品川駅」で京浜東北線に乗り換えて一駅です。
まあ、いろんな行き方がありますのでまた検索して探してください。

と、いうわけで
「君の知らない柴又を見せたいFour Seasons」をぜひ見たいと思われる奇特な人は展覧会にお越しください。

今回は息子の宮嶋龍太郎のデビュー展覧会。

私(吉川孝昭)と連れ合い(宮嶋紀子)も作品をそれぞれ7点と2点出す。

で、ここ数日、息子は12ページパンフレットを自分で構成して、先日データを印刷所に入稿していた。
彼にとっては映像制作だけでなく、こういうDMも自力でやらねば本当の体力がつかない。

大学の課題の合間合間に半泣きで眠い目をこすりながらなんとか12ページのパンフ原版を作り終えていた。
3日ほどは徹夜をしたと思う。


実は、こんなこと言うと意外かもしれないが、展覧会自体も、始まってしまえば、あとは風任せ。
真の目的は展覧会の予定を入れることによって映像作品をその日にあわせて必死で作りこむことになるので
その制作意欲のためにわざわざ展覧会をドーンと入れるのだ。



ちなみに息子の展覧会会場でのメインは「バリ島」の映像「バリ.僕は猫をみていた」 10分

そして2作品目は上にも書いたとおり、柴又の四季を取材した「君の知らない柴又を見せたい Four Seasons」10分

寅さんファンはこの2作品目に注目。




「ギャラリー Field 」のホームページ↓

http://www.field-oimachi.com/index.html







          

                
「 宮嶋龍太郎+2 展 」中綴じパンフレット12ページ  表紙









JR大井町駅
から7分だが、ちょっとだけややこしいので下に順序だてて説明↓


        

                    
   JR大井町駅徒歩7分「ギャラリー Field 」





山手線日暮里からでも品川からでも京浜東北線に乗り換えてすぐ。
「大井町駅」

     




改札でたら「中央西方面」に歩いていく。

     






「中央西」の出口への階段を下りて行く。

     





「中央西」の出口への階段を下りて行くと。駅前にドーンと阪急の食品館が見えてくる。

     





R大井町駅中央西口を出て、線路沿いに南(左方向)に歩いていく。
ファミリーマートを道向こうに見ながら歩いていく。

     






J
歩くとすぐにセブンイレブンの入ったビルが見えてくる。
そこの細い道が『
レンガ通り』である「三又商店街」。その「レンガ通り」を歩いてテクテク抜ける。


      





みつまた時計台」が目印。そこを入って行く。


      





そうすると水色の歩道橋が見えるやや広い道
大井三又の交差点に出ます。
正面向こうに
ファミリーマートが見える。
手前に薬屋さん向こうにファミリーマートを見ながら
右に曲がっていく。
Aのマークがギャラリー「FIELD」


      








      








この道をしばらく歩くと
左手にスクールゾーンの道が見えてきます。そこを左折して1分の右側。
Aのマークがギャラリー「FIELD」


      






「マッサージ治療院」の横のスクールゾーンを曲がって行く。


      





スクールゾーンを歩いていくとすぐ右手に「FEILD」が見えてくる。


      







ギャラリー「FIELD」 の中にはカフェもあります。


      





カフェの中には37インチ液晶モニターが鎮座している。この画面からも映像作品を常時流すつもり。


     






ギャラリー「FIELD」の前


      











「ギャラリー Field 」のホームページ↓

http://www.field-oimachi.com/index.html











       満月と立山連峰


      









     「君の知らない柴又を見せたい」

    






撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)






今年の11月には、↑の映像に「夏」と「秋」を入れて、再構成し、
四季折々の柴又を表現し、自分たちなりの「完全版」をアップしようと思います。






    

                                雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




pos


『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
Computer Graphics  : RYOTARO







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501

                          

           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…






2011年10月29日  寅次郎な日々 その501


『 君の知らない柴又を見せたい Four Seasons 』 11月完成


地震被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

多くの犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。



ちょっと更新が遅れてしまった。

絵を描く時間が現在長くなっていて、趣味のこのサイトになかなか手が回らない。

秋の柴又はなかなかいい。

空高く、空気が透明になってきた。

そしてもうすぐ晩秋だ。

息子は大学が休みの週末、柴又の秋を取材している。

矢切の渡しにもススキがゆれ、川面の風はもうかなり冷たい。


この取材が終わると、柴又の冬、早春、春、新緑、初夏、夏、秋、晩秋とすべての取材が終わる。

そして編集、構成し、「君の知らない柴又を見せたい Four Seasons 」が完成する。



         映像の一部↓

      

       
盛夏 帝釈天山門





前回5月の私の個展時点(100万アクセス記念)では冬、早春、春、新緑、までしか取材していなかったが、
これでようやく最終完結版だ。

この完全版の発表は今回はネットではなく、品川での展覧会場で行う。

11月20日(日)から11月27日(日)までの8日間。

品川区大井の「ギャラリー Field」
 (JR品川駅から一駅『大井町駅』徒歩7分)

このギャラリーは私の寅さん仲間が経営しているギャラリー。
仲間たちの中では「
ちびとらさん」の名前で多くの人たちに愛されている方。
名前の通り父子で寅さんファンなのだ。







     ちびとらさんと100インチスクリーン

     






ギャラリー Field 宮嶋龍太郎+2 Art Works 展
2011年11月20日(日)〜11月27日(日)
13:00〜20:00(午後から夜までの開催ですので注意してください)



訂正: 印刷されたパンフレットの裏表紙に小さく大井駅から徒歩7分と書かれれいますが、
    実際は『
大井町駅から徒歩7分』です。

山手線「品川駅」で京浜東北線に乗り換えて一駅です。
まあ、いろんな行き方がありますのでまた検索して探してください。

と、いうわけで
「君の知らない柴又を見せたいFour Seasons」をぜひ見たいと思われる奇特な人は展覧会にお越しください。

今回は息子の宮嶋龍太郎のデビュー展覧会。

私(吉川孝昭)と連れ合い(宮嶋紀子)も作品をそれぞれ7点と2点出す。

で、ここ数日、息子は12ページパンフレットを自分で構成して、先日データを印刷所に入稿していた。
彼にとっては映像制作だけでなく、こういうDMも自力でやらねば本当の体力がつかない。

大学の課題の合間合間に半泣きで眠い目をこすりながらなんとか12ページのパンフ原版を作り終えていた。
3日ほどは徹夜をしたと思う。


実は、こんなこと言うと意外かもしれないが、展覧会自体も、始まってしまえば、あとは風任せ。
真の目的は展覧会の予定を入れることによって映像作品をその日にあわせて必死で作りこむことになるので
その制作意欲のためにわざわざ展覧会をドーンと入れるのだ。



ちなみに息子の展覧会会場でのメインは「バリ島」の映像「バリ.僕は猫をみていた」 10分

そして2作品目は上にも書いたとおり、柴又の四季を取材した「君の知らない柴又を見せたい Four Seasons」10分

寅さんファンはこの2作品目に注目。




「ギャラリー Field 」のホームページ↓

http://www.field-oimachi.com/index.html







          

                
「 宮嶋龍太郎+2 展 」中綴じパンフレット12ページ  表紙









JR大井町駅
から7分だが、ちょっとだけややこしいので下に順序だてて説明↓


        

                    
   JR大井町駅徒歩7分「ギャラリー Field 」





山手線日暮里からでも品川からでも京浜東北線に乗り換えてすぐ。
「大井町駅」

     




改札でたら「中央西方面」に歩いていく。

     






「中央西」の出口への階段を下りて行く。

     





「中央西」の出口への階段を下りて行くと。駅前にドーンと阪急の食品館が見えてくる。

     





R大井町駅中央西口を出て、線路沿いに南(左方向)に歩いていく。
ファミリーマートを道向こうに見ながら歩いていく。

     






J
歩くとすぐにセブンイレブンの入ったビルが見えてくる。
そこの細い道が『
レンガ通り』である「三又商店街」。その「レンガ通り」を歩いてテクテク抜ける。


      





みつまた時計台」が目印。そこを入って行く。


      





そうすると水色の歩道橋が見えるやや広い道
大井三又の交差点に出ます。
正面向こうに
ファミリーマートが見える。
手前に薬屋さん向こうにファミリーマートを見ながら
右に曲がっていく。
Aのマークがギャラリー「FIELD」


      








      








この道をしばらく歩くと
左手にスクールゾーンの道が見えてきます。そこを左折して1分の右側。
Aのマークがギャラリー「FIELD」


      






「マッサージ治療院」の横のスクールゾーンを曲がって行く。


      





スクールゾーンを歩いていくとすぐ右手に「FEILD」が見えてくる。


      







ギャラリー「FIELD」 の中にはカフェもあります。


      





カフェの中には37インチ液晶モニターが鎮座している。この画面からも映像作品を常時流すつもり。


     






ギャラリー「FIELD」の前でのちびとらさん


      











「ギャラリー Field 」のホームページ↓

http://www.field-oimachi.com/index.html











       満月と立山連峰


      









     「君の知らない柴又を見せたい」

    






撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)






今年の11月には、↑の映像に「夏」と「秋」を入れて、再構成し、
四季折々の柴又を表現し、自分たちなりの「完全版」をアップしようと思います。






    

                                
雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




pos


『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
Computer Graphics  : RYOTARO







「寅次郎な日々」全バックナンバーはこちらから          


【 寅次郎な日々 】カテゴリー別バックナンバー【2005年11月〜2011年7月26日までの分】
寅次郎 さくら 名脇役たち タコ社長 満男 シリーズの流れ おいちゃん、おばちゃん 源ちゃん
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500

                          

           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…





2011年10月5日  寅次郎な日々 その500

奄美大島 菜穂ちゃん失恋物語

奄美で鉢合わせる菜穂ちゃんと泉ちゃん


二人のマドンナの涙




地震被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

多くの犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。


先日新しいSNSのメンバーさんたちと第48作「紅の花」で、なぜ菜穂ちゃんが登場しないのかを
深夜チャットで話し合った。

この新しいSNSグループはチャットもするのだ(^^)


普通、当然、菜穂ちゃんと泉ちゃんは「時空」が違うので、

菜穂ちゃんの時は泉ちゃんはこの世にいないことになっている。
泉ちゃんの時は菜穂ちゃんはこの世にいないことになっている。

しかし、このことはあくまでも制作側の都合なんだが、もし同じ時空に二人がいたら、
第48作「紅の花」は、いったいどんなことになっていたんだろうか・・・。


あの時のチャットをきっかけに私は再度物語をしっかり練り直し、今回書いてみた。
この物語が
寅次郎な日々500回記念特集(^^)ヾ


菜穂ちゃんが泉ちゃんと同じ時空に存在し、

あの第48作で奄美大島.加計呂麻島に泉ちゃんより先に満男を訪ねて行ったら…





それでは物語はじまりはじまり〜〜↓



皆さんご存知の通り川井菜穂ちゃんは、第47作「拝啓車寅次郎」で出てくる満男のマドンナさんです。
満男の大学時代に入っていた野球サークルの先輩の妹さんです。
近江.長浜で古い造り酒屋を営んでいる実家で生まれ育ち、今も近所の郵便局で働いています。

で、菜穂ちゃんは第47作のラストで満男の家に仲直りに行ってからは、
ちょくちょく手紙のやり取りをしていたんですね。

しかし、満男も泉ちゃんのことが忘れられないでいるせいか、
ある一定以上はつきあおうとしなかったんです。
それでも手紙のやり取りは続いていました。

そして、満男のことが今も胸にある菜穂ちゃんは、
思い切ってまたもやアポなしで諏訪家を訪ねたのでした。




【東京 葛飾柴又】


柴又に着き、諏訪家に訪問するなり、
さくらから今満男に大変なことが起こっていて奄美大島に行ってしまったと聞かされたんですね。

満男には実は高校時代から好きな人がいてその人の結婚式に割り込み、つぶしてしまった,
と聞かされた菜穂ちゃんはそれはもう大変なショックを受けます。


「満男さんは私よりずっと前から好きな人がいたんだ・・・。」


失意の元に柴又を立ち去る菜穂ちゃん。涙が出てきてしょうがない・・・。

そして・・・

新幹線に乗るために東京駅に着いた時、突如満男が滞在する奄美に行くことを決意するんです。

長浜の実家にその趣旨のことを伝え、羽田に急遽向かう菜穂ちゃん。


機上の人となる菜穂ちゃん。






【奄美大島】 ここからは舞台が奄美大島の加計呂麻島です。↓


そして飛行機は奄美に着き、加計呂麻に水上タクシー「でいご丸」で渡り、
電話でさくらから教えてもらったリリーの家を訪問する菜穂ちゃんでした。




寅とリリーは、驚きます。

泉ちゃんに失恋し、絶望の真っ只中の満男に、
こんなきれいな女性が想いを寄せてくれて、そして遠路訪ねて来てくれたのかと大喜び。



満男がいる徳浜の浜辺に案内します。



【徳浜海岸】



そして満男を見つける菜穂ちゃん。




         
                                                   
    画像合成 宮嶋龍太郎




満男はそれはもうびっくりします。


ゆっくり近づく菜穂ちゃん。



満男「…!!」



菜穂「満男さん…」



満男「…菜穂ちゃん…どうして…」




なぜ長浜にいる菜穂ちゃんが、こんなところにいるんだ? って。
我が目を疑う満男でした。



          
                                                       画像合成 宮嶋龍太郎





菜穂ちゃんは、満男に近づき、いままでのいきさつを話し、
あまりにも傷ついた満男の精神を心配してやって来たと告白します。


菜穂「満男さんにそんなにまで深く想っていた人がいたなんて…
    実は...ショックだったけど・・・
    でも、なんんだか満男さんが今とても悲しんでいるだろうな、って思うと
    矢も盾もたまらず来てしまったの」


満男「そうなんだ…じゃあ、なにもかも知って、それでも来てくれたんだ・・・」


菜穂「でも私、凄く沈んじゃったの…満男さんにそんな人が…」


満男「…ごめん…ずっと言わなくて...言えなかった」


菜穂「満男さんは謝らなくてもいいの。私が勝手に…」


満男「…」


菜穂「…」


満男「菜穂ちゃん、ありがとう。
   オレ、もう彼女のことは忘れようとしているんだ。
   ただ、あんなことをやってしまったその重大さに打ちひしがれて立ち直れないまま・・・」


菜穂「それはわかる気がする・・・」


満男「幸せになってくれているといいんだけど…どうしていいかわからない…」


菜穂「…」




そしてその夜、満男はリリーの家で、
過去のことこれからの償いのこと、などを、菜穂ちゃんとゆっくり話し合うのでした。




そして夜が明けて  お昼前




本来の本編の通り、今度は同じ水上タクシー「でいご丸」で
泉ちゃんが奄美に降り立ち、船で加計呂麻にやってきます。

水上タクシーの船長さんは二日続けて飛びっきりの美人が暗い顔でやって来たのでびっくりしています(^^;)


リリーの家を訪ねる泉ちゃん。


寅とリリーは驚き、さすがにこの展開には困り果てます。


しかし、それでも、

今度は満男の最愛の人が訪ねてきたわけだから、
これはもう菜穂ちゃんがいても腹をくくって満男に会わせることを決意。



ちょうど満男と菜穂ちゃんは、浜辺への小道を散歩しながら、
満男が東京に戻ってからのことなどを話し合っていました。


リリーの車に乗ってやってくる泉ちゃん。

ちょうど浜辺で笑いながら話をしている満男と菜穂ちゃん。




リリーからさっき事情を聞いたものの、ショックを隠しきれないで立ち止まってしまう泉ちゃん。


泉ちゃんはゆっくり満男に近づいていきます。


ふと振り返り、泉ちゃんに気づく満男。



満男「…!!」


泉「…」


菜穂「...?」


満男「泉ちゃん…」


菜穂「…!!」


泉「…」


菜穂「…泉...さん?…」と小声で横の満男に尋ねる。


小さくうなずく満男。


驚愕の菜穂ちゃん。


菜穂「...」


菜穂ちゃんはどうしていいかわからずにただただ満男を見ている。



泉ちゃんはやや遠くから


泉「私、満男さんがどうしてあんなことしたのか知りたかったの。だからここまで来たの」


満男「…」


菜穂「...」



満男「あ…、泉ちゃん…それは…」


泉「どうして?…どうしてあんなことしたの?」と、静かに聞く。



見る見る涙があふれてくる菜穂ちゃん。

菜穂ちゃんの涙に気づき、黙って何も言えなくなってしまう泉ちゃん。


菜穂「…」


満男「あ、…彼女、オレの大学の先輩の妹さんで川井菜穂さん…」

涙を溜めながら、小さくお辞儀をする菜穂ちゃん。


満男「菜穂ちゃん、彼女…」


泉ちゃんに向かって

菜穂「…来てくださったんですね」


泉「あの…」


満男「…」


菜穂「満男さん、もうこれで大丈夫。私がいなくても…」


満男「菜穂ちゃん…」


泉「あの…」


菜穂「泉さんは満男さんの気持ちを確かめに来られたんですよね…」


満男「え…!!」


泉「……」


菜穂「そうですよね」


真剣で強い菜穂ちゃんの目に圧倒されながら、泉ちゃんは誠実に答えようとする。


泉「…はい」


満男「…!!」


菜穂「満男さんは…、満男さんは、あなたを今も…」


そう言うと、菜穂ちゃんは涙を潤ませて、走っていくのだった。


追いかける満男


満男「菜穂ちゃん!!」


菜穂ちゃんと満男を見て、とまどいながらも追いかける泉。



そして菜穂ちゃんは突然立ち止まり、

菜穂「満男さん、昨日はいろいろお話ができて楽しかった。ありがとう。
   これで、満男さんはもう安心。私もほっとしたので長浜に戻れます」

泣だしそうになる心を必死で我慢し、満男に別れを告げる菜穂ちゃんだった。


満男「菜穂ちゃん…」



泉「…」




        
                                                          
画像合成 宮嶋龍太郎



リリーの家に戻って荷物をまとめ奄美本島に向かう菜穂ちゃん。

満男は、泉ちゃんに菜穂ちゃんを奄美の飛行場まで送ることを告げる。

リリーや寅に助言されていた泉ちゃんは、小さくうなずくのだった。



船で奄美に渡り、バスで飛行場まで着いた時には、もう涙は見せずに
笑顔で別れを告げる菜穂ちゃんだった。




【奄美空港】


満男「本当にありがとう菜穂ちゃん。 オレ…嬉しかった」

菜穂「うん」

菜穂「満男さん」

満男「…」

菜穂「…幸せになってね」


満男、その言葉にうなずくことはできない。


無理やり満男に笑顔を見せる菜穂ちゃん。


その直後

ほんの一瞬菜穂ちゃんの表情が沈む…




      





しかしすぐまた気持ちを切り替え

明るく満男を見つめる健気な菜穂ちゃんだった。




待合室へ去っていく菜穂ちゃん。


満男はもう一度叫ぶ。


満男「菜穂ちゃん!!」


立ち止まり、

そして振り向いて、微笑みながら手を振る菜穂ちゃん。



菜穂ちゃんが遠く去ってしまった後、泣いてしまう満男だった。





【加計呂麻島】


そしてその日の夕暮れ時



泉ちゃんと浜辺で話す満男



泉「菜穂さん、大丈夫だった?」


満男「うん…でも、オレが悪いんだ」


泉「…」


満男「泉ちゃんにも不誠実なことをしていたと思っているんだ」


泉「…」


泉「それは私も同じなの」


満男「え」


泉「私、お見合いを断るべきだった」


満男「…泉ちゃん」


泉「自分の心が自分で見えなくなっちゃって…」


満男「…」



満男「オレ、自信がなかったんだ…」


泉「…」


満男「いつもいつも泉ちゃんの周りをうろついてるだけで、守ってやれなくて…」


泉「そんなことない、…」


満男「泉ちゃんにずっと会わなかったのは、そんな自分が情けなかったからなんだ」


泉「…」


満男「だから、見合いしたっていうの話を聞いたときも、泉ちゃんが幸せになるなら...って
   諦めたんだ。


泉「私、...本当は……」


満男「泉ちゃん」


泉「…」


満男「オレ…泉ちゃんを」


泉「…」


満男「ずっと愛していた。今も愛している」


泉「…」


満男を見つめる泉ちゃんの目が見る見る潤み、涙がこぼれ落ちる。



泉ちゃんの肩を抱く満男。






遠くから見つめる寅とリリー。


寅「あいつ一日に二人も美人の女の子泣かせてやがって、ったくしょうがないやつだ」

リリー「フフフ」

寅「それにしても、菜穂ちゃんって子には可哀相なことをさせちまったな、満男は」

リリー「そうね。でも大丈夫。
    菜穂ちゃんだったら、きっと満男君よりも
    もっと素敵な男性が現れて幸せになるわよ、きっと」

寅「ほう、わかるのかそんなこと」

リリー「そういう勘は鋭いのよこれでも」

寅「そのわりには自分の男運は先が読めないんだな、フフフ」

リリー「そうそう、そのあげく変な男につかまっちゃって、フフフ」

寅「フフフ、なんだそりゃ、フフフ」



遠くからりリーたちに気づいた満男と泉ちゃんは
リリーたちのほうへ近づいてくる。


リリー「あら、気づかれちゃったみたいね」

寅「おまえさんが、バカなこと言ってるからだよ、フフフ」


二人に駆け寄るリリー。


見守る寅。




以下本編通り。



おわり



どうでしたか、菜穂ちゃんの物語。

  

菜穂ちゃんがかなり可哀相でしたね。

でも時空を一緒にするとこうなるのは必然なんですね。

ちょっとせつない 500回記念 菜穂ちゃんの失恋物語でした。


二人の美しいマドンナの涙。

同じ涙でもなんて違うんでしょうか…。

ほんと恋はいつの世も残酷ですね。




ちゃんちゃん(^^)
















       満月と立山連峰


      









     「君の知らない柴又を見せたい」

    






撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)






今年の11月には、↑の映像に「夏」と「秋」を入れて、再構成し、
四季折々の柴又を表現し、自分たちなりの「完全版」をアップしようと思います。






    

                                雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




pos


『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
Computer Graphics  : RYOTARO







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499

                          

           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…





2011年9月17日  寅次郎な日々 その499

『八重子さんはなぜ活男の愛を受け入れられないのだろうか』



地震被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

多くの犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。


私は、月虎さんのSNS以外にも、この8月からもうひとつ新しいSNSに参加している。
こちらも同じく「男はつらいよ」のSNSだ。
ちょっと新しい風にも吹かれてみたくなったのだ。

8月から新しくできたばかりのそのSNSは月虎さんのメンバーもかなりダブっている。
みなさんかけもちの気楽さと気心が全員知れていることもあって毎日いろいろな賑わいと盛り上がりが続いている。

その新しいSNSで先日「虹をつかむ男」の話題が出た。

そのことがきっかけで昨日、数年ぶりにこの映画を観てみた。

あの渥美さんが亡くなってしまった夏は、私はもう何をする気にもなれなかった。
もうこれからは新しい「男はつらいよ」が観られない・・・という信じられない現実を認めることが出来なかった。

今の映画ファンの方たちにとっては「男はつらいよ」とはハナから全部で48作品なんだろうが、
私の場合は第25作「ハイビスカスの花」から映画館で新作を観ていったのである。
なにもないところから毎年毎年新しい新作がこの世界に産み出されていったのだ。
このドキドキ感は何ものにも代えがたい喜びだった。同時代に生きた者だけが享受できる喜びだった。

そして、あの夏からは・・・もう何も生まれては来ないのだと悲しんでいた。
すると、秋頃に、第49作「花へんろ」のキャストをそのまま使っての新しい映画が作られることがわかった。
なんだか『執行猶予』が与えられた気持ちになり、すがるようにこの映画を観たことを今も思い出す。


「虹をつかむ男」という映画自体は、いきなり作ったこともあり、ちょっとベタな流れの物語ではあったが、
あの、ダニー.ケイ主演の「虹をつかむ男」からヒントを得た、夢を追い続ける面白い男の話だった。
西田敏行さんのキャラが見事にはまっていて気持ちよく観ることができた。

とはいえ、ダニーケイの方は、
出版社に勤める冴えない男が白昼夢に出てくる美女に現実の世界で出会うことで、
大事件に巻き込まれながらも夢のような大活躍をしてしまう話だが、山田監督の方の主人公は
決して大活躍はせずに最後までややうらぶれているのだ。いかにも等身大の夢を描き続けている山田監督版だ。


あの映画は、上にも書いたように急遽作った感は否めなかったが、
まず、映画の中で出てくる数々の映画紹介が結構懐かしく嬉しい。

邦画では、「警察日記」「鞍馬天狗」「若者たち」「野菊の如き君なりき」「無法松の一生」
「東京物語」「男はつらいよ」

洋画では、「ニューシネマパラダイス」「かくも長き不在」「禁じられた遊び」「雨に唄えば」



          





ラスト付近でついに「男はつらいよ」第1作が出てくる!


吉岡秀隆くんはこのシーンで涙が止まらず、なんどもNGを出したそうだ。

私もあの封切りの日、
次々に映し出される第1作の名シーンに涙が滲んでスクリーンがぼやけてきた。






      






そして最後に映し出される寅の映像。

あのバス停でいつ来るとも知れないバスを待っている寅の姿。

あれはまさしく第42作「ぼくの伯父さん」のラストから取ったもの!

『敬愛する 渥美清さんに この映画を捧げる』のクレジット。

あの映像と文字が映し出された時、もうダメだった。

堰をきったように涙が次から次へととめどもなく流れでて、滝のように流れ落ちていったのだ。
止まらない嗚咽。
映画館の中で私は遂にうずくまって号泣してしまった。





       









左は第42作「ぼくの伯父さん」から。↓



               










それにしても、やはり山田監督は「男はつらいよ」を強く意識して作っている。
活男を寅次郎にたぶらせ、八重子さんをいままでのマドンナにダブらせている。

それゆえに、活男は八重子さんにふられてしまうのだが、
実はいつもの「寅さん」と違うのは、そのふられかたである。

八重子さんはずっと昔から活男が自分を想っていてくれることを知っていたのだ。
たぶん、死別した夫と結婚する前から・・・

今回も。活男は献身的に八重子さんにつくし、寄り添おうとする。

しかし、実を言うと、
八重子さんは、以前から、亡き夫と同じ会社の同僚に求婚されていたのだ。

自分を応援していた父親が亡くなってしまい、心細い八重子さんは、
心配して遥々徳島まで駆けつけてくれたその夫の同僚の求婚をついに受けるのである。

そして活男の気持ちを受けることができないことを告げる。
涙ながらに「ごめんなさい」と活男に謝るのである。
ある意味このシーンはクライマックスなのだが・・・。

これは昔TV版「男はつらいよ」で佐藤オリエさん演じる冬子さんに言わせたセリフだ。

遠くは「馬鹿まるだし」のマドンナの安五郎への発言から始まっている。

映画「男はつらいよ」の中ではわずかに第12作「私の寅さん」のりつ子さんが
そんな感じで面と向かって寅に伝えるが、涙は流さず、さほど寄り添ってはいない。

それに対してTV版の冬子さんや、
「虹をつかむ男」の八重子さんは
相手の男性に寄り添って泣いている。



        




寅さんの脚本の『準備稿』を読んでいると
実は多くのマドンナにこのような発言をさせていることがわかる。
で最後、やはり『決定稿』の時点ではそのような涙や発言は消えて、
うやむやになっていく・・・・

実は・・・カラッとさせたほうが映画としては元気なのだ。
湿っぽいのはやぼったく泥臭い。
喜劇映画としてのテンポも悪い。

しかし山田監督ってほんとうはウエットな人なことがあれらの『準備稿』で見て取れるのだ。

心のどこかでいつも、あの「男はつらいよ」シリーズでも、
マドンナに寅の気持ちに寄り添わせたいのだろう。
だから上にも書いたように山田監督は準備稿では自分の本音を出しているのだろう。


しかし、よくよく考えてみると、寅がふられるのはわかる。
なんせフーテンだし、ちょっと遊び人でもあるわけだから、堅気のお嬢さんは結婚となると
引いてしまいがちだ。

しかし、活男は潰れかかっているとは言え映画館の社長だ。
志もあり、地道な部分もある。
住所不定でもないし、なによりも長い年月八重子さんとまじめに結婚したがっている。

それでも!八重子さんは勝男を涙ながらにふるのである。



        




つまりは男女とはこういうものなのだ。

どんなに相手に献身的につくしても、どんなに想いが深くても、男女の「赤い糸」がない場合は
結ばれはしないのだ。
女が男を、男が女を愛するということは、やはりギリギリでは「男女としての相性」であり、
「赤い糸」の有無なのだろう。

八重子さんに泣かれて、勝男はそのことを心の底から実感し、

その後観た映画「男はつらいよ」で
寅が冬子さんを想いながら一人「喧嘩辰」を唄うあの深夜の参道のシーンで、ついにこらえきれずに
一人泣いてしまうのである。



         






こんなに爽やかに喜んでいても、このあと惨めにふられるであろう寅と
自分の今の悲しみとがシンクロしていったのであろうか・・・・




          





恋というものは、古今東西、その人間の人格や優しさとは関係なく、
時として目を覆いたくなるほど残酷極まりないものなのだ。

だからこそ映画「男はつらいよ」は永遠に哀しく、そしてせつない。






おわり







       満月と立山連峰

      









     「君の知らない柴又を見せたい」

    






撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)






今年の11月には、↑の映像に「夏」と「秋」を入れて、再構成し、
四季折々の柴又を表現し、自分たちなりの「完全版」をアップしようと思います。






    

                                雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




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『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
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 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…





2011年8月26日  寅次郎な日々 その498


越中八尾 日記

「寅次郎 風の盆恋歌」ロケ地めぐり



地震被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

多くの犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。




これは第50作「寅次郎 風の盆恋歌」のポスターである。
もちろん、マドンナは夏目雅子さん。

古刹聞名寺がある門前町の越中八尾。

晩夏に毎年開かれる「越中八尾おわら風の盆」が舞台。





     




晩夏、二百十日の風が吹く 『おわら風の盆』

夕闇迫る越中八尾聞名寺境内。

テキヤ仲間と一緒にバイに励む寅。

一息つこうと西町裏の階段を下り、井田川のほとりをぶらつく寅の向こう、

禅寺橋で編笠を背中にしょった一人の浴衣姿の女性 ― 。

悲しげな目をして遠く川面を見つめている。

透き通るような頬につたう一筋の涙。



そっと近づく寅…



寅「お嬢さん、どうしたんだい?」






主演 渥美清

    倍賞千恵子


    下絛正巳
    三崎千恵子
    前田吟
    吉岡秀隆
    後藤久美子
    太宰久雄
    佐藤蛾次郎

    笹野高史
    すまけい
    桜井センリ
    関敬六

    宮沢りえ

    中井貴一

    


    夏目雅子

           


特別ゲスト

    宇野重吉

    岡田嘉子








寅次郎風の盆恋歌 ― このたびは寅次郎一世一代の恋でした。



とまあこのような雰囲気なんだが・・・


で、この物語のロケが行われた越中八尾のアトリエに私は今滞在している。
今年も風の盆がやって来たのだ。


そこで今回は、この不朽の名作「寅次郎 風の盆恋歌」の映画ロケ地を探索してみることにした。

ロケ地探索は今年春と夏の二回にわたって行った。




プロローグ


■かつて五月の曳山祭で越中八尾聞名寺でバイをした寅はすっかりこの落ち着いた町が
  気にいって「風の盆」に再訪することをポンシュウと決意したらしい。
  OPの歌の場面で五月の曳山祭でバイをする寅とポンシュウが映しだされる。




以下本編で行われたロケ地の主なところだ。↓

■暑い暑いと言いながら富山城天守閣脇を通る寅。

■寅の啖呵売の場所聞名寺境内。

■そこで寅と涙する雅子が出会った井田川 禅寺橋。

■雅子が住む町、彼女は八尾上新町の老舗醤油屋の娘。

■鏡町にある雅子の踊りの師匠嘉子(岡田嘉子)の住居。

■寅が約2週間宿泊させてもらった諏訪町にある胡弓の名人重吉(宇野重吉)の住居。

■東京から来たカメラマン笹野(笹野高史)が宿泊していた西町の宮田旅館。

■八尾が気に入り住み着いた写真家。貴一。
  その貴一が密かにテーマにしている雅子の踊り。
  その姿を追いかけて撮り続けるの中井(中井貴一)が手に入れた上新町の古い町家。

■雅子の幼友達で踊りのライバルでもある親友のりえ(宮沢りえ)の実家である西町の造り酒屋。
  りえは貴一を密かに慕っている。


■仲良くなった寅と雅子がぶらぶら散歩していた東新町の若宮八幡社。

■風の盆本番の日雅子が踊る古刹聞名寺の回廊。

■貴一が五年前に最初に雅子とすれ違った山吹の橋。

■雅子が寅に自分の気持を告白した城ヶ山公園。

■去ってしまった寅を追いかける執念の国道から見える月昇る立山連峰。




などである。


序盤にはお決まりのとらやへの帰郷があり、喧嘩がある。

もちろん物語のラストは威勢のいい啖呵バイで終わるのは基本。

今回は越中八尾の中だけのストーリーを抜き取って簡単に紹介しよう。


まずOPのあと

寅がいつものように半年ぶりに柴又に帰郷する。

案の定つまらないことでおいちゃんやタコ社長と大喧嘩して、旅に出た寅は、
今がちょうど越中は「風の盆」の季節だということを
思い出し、上野駅から北陸線に飛び乗る。


そしてやって来た、北陸 越中富山。


真っ青な空の下富山市街地を一人歩く寅。
暑い暑いと唸りながら富山城天守閣の前を通ったあとに、偶然ポンシュウの車に拾われ、
一緒に越中八尾に向かう。

この撮影時も真っ青な空。映画と同じ色だった。


     






       越中八尾 「寅次郎 風の盆恋歌」 ロケ地めぐり地図

     









まず日本の道100選にも選ばれている諏訪町通りと趣のある町家の家々が映しだされる。
この風景こそまさに越中八尾。


      




回想シーンとして

五月の華やかな越中八尾の曳山祭が映しだされる。
五月にまず聞名寺境内でバイをしている寅。


このしっとりとした風情のある小さな町が気に入った寅は、メインの「風の盆」にこそ
再訪したいと決意したのだった。


      





で、今

古刹 浄土真宗本願寺派 聞名寺の境内で、さっそく前夜祭11日間のバイの地割りや準備にかかる寅たち。【地図の番号1番】


    






準備が終わって一息つこうと寅はぶらり、西町の長い長い坂を下り、井田川の畔を散歩する。
今年一度来ているので土地勘はある。


     





禅寺橋までぶらぶら来た時、編笠を背中にしょった一人の浴衣姿の女性の姿 ― 。

悲しげな目をして遠く川面を見つめている。

透き通るような頬につたう一筋の涙。


寅は見るでもなくゆっくり近づいていき…つい声をかけてしまう。


「お嬢さん、どうしたんだい?」





雅子が立っていたこの禅寺橋から西町の石垣の眺めは私も何度も絵に描いてきた。
最も坂の町八尾らしい風景がここにある。【地図の番号2番】



        





夜になるとこのような幻想的な風景となる↓


        










幼少期からおわらの踊り手としてその特異な才能を見つけられ、稽古に励んできた雅子は
26歳になった今、自分の行く道に迷いが生じていた。
信頼する師匠、嘉子(岡田嘉子)との間に溝ができてしまったのだ。
師匠を裏切りたくないという想いが自分の心を圧迫していく。



      






そんなことを気楽な旅人である寅に話している間にとっぷりと日は暮れてゆく・・・。

ふたりは、ゆっくり話をしながら西町への長い坂を登っていく。【地図の番号3番】


    





    









夜になるとこのような風景になる↓


    





    




雅子は上新町の大きな老舗醤油屋さんの娘。父親が隠居した後兄が店を継いでいる。

心底尊敬する踊の師匠嘉子に、揺らぐ考え方の姿勢をきつく指摘されたのだった。
しかし幼少期から踊りに明け暮れてきた自分の偏った青春に疑問を感じてきている雅子でもあったのだ。

このロケに使われた店は間口も奥行きも広く深く、八尾旧町を代表する老舗だ。【地図番号4番】

     




大船セットではなく、実際にロケとして店内や蔵も撮影に使われた。

     






雅子は忙しく派手な店側からでなく、小さい頃から家の裏口のほうから出入りするのが好きな娘だった。
自分の生きざまや好きな人への対処もいつもそうだった。
何かあるとちょと引いてしまって、ふと気づくとひと気のない静かなところにつねにいる、そんな娘だった。

今日も稽古のために簡素に作られた石の狭い階段をトントンとどこまでも下りてゆく。

この裏手の階段は風情があるが
実はあの醤油屋さんとこの裏手の階段はなんと別の家。別撮りなのだ。
醤油屋さんから徒歩3分なので近い。同じ上新町。実は貴一の家の裏だった!


      




そこには大きなケヤキが生い茂っていて、その下を通る時とても気が落ち着くと雅子は寅に言う。【地図番号5番の裏】


      





このように自分の運命に悩みながらも、店の手伝いが終わると
毎夜稽古をつけにもらうために嘉子(岡田嘉子)の自宅に通う雅子。

嘉子の自宅は雅子の家から5分の鏡町、井田川の畔にある。
嘉子は還暦を超えているが結局誰とも結婚せず一人暮らし。

この嘉子の自宅として撮影されたのは八尾和紙製造「桂樹舎」の会長さんである「吉田桂介」さんの住居。
八尾の山間部の民家を移築したもの。【地図番号6番】


      





物語の中でも嘉子の家は7代続く大きな和紙屋。今はやや廃れてしまったが屋敷はそのまま昭和初期から残っていて
そこの板間を稽古場として目をつけた娘たちに幼い頃から踊りの稽古をつける日々。という設定だった。

実際の稽古場の建物は上記の「桂樹舎」の横にある別館。
山間部の木造小学校を移築して、中には世界の和紙の展示館「和紙文庫」そして喫茶部もある。【地図番号同じく6番】

私はこの喫茶部でくずきりをよく食べる。

染織工芸品の展覧会も吉田さんの援護と人脈によりここで行ったことがある。


     







本編では町の至る所に「酔芙蓉」の花が飾られていた。晩夏の越中八尾によく似合う。

     





寅と知り会ってから、自然体で生きる寅を見て日を追うごとに雅子の踊りの悩みは薄らいでふっきれてゆく。

そして、自分の運命と、なによりも自分に与えられた才能に素直に従いたいと思うようになっていくのだった




晴れた夕方などは涼しくなってから自宅から程近い、若宮八幡社でくつろぐ二人の姿があった。【地図番号7番】
この神社は、昔、養蚕業が盛んだった頃、お蚕さんを祭った場所。


     






一方寅は―

重吉老人と八尾に着いたその夜に知りあう。


最初の晩に東町の割烹料理屋で意気投合してから
2週間ずっと寅は重吉の家にやっかいになる。
諏訪町にある胡弓名人の重吉(宇野重吉)の住居↓【地図番号8番】

奥さんは数年前に亡くなられている。子どもはいない。
かなり変わった老人で、胡弓のことになると誰よりも辛辣な耳と手と感覚を持つ。
町一番のおわらの見巧者でもある。みなが所属している「おわら保存会」には
一切入らないでひとりで演奏してきた孤高の胡弓弾きだ。

重吉の胡弓は、その音色の底に深い哀しみがあると寅は思っていた。

実は・・・

諏訪町の重吉と雅子の師匠である鏡町の嘉子はその昔、若い頃、お互い相思相愛だったが、
抜き差しならないことが原因で結局その恋は実らなかった。
嘉子が生涯独身を通したのもその背後に重吉の影があったと思われる。

そのことがこの二人の人生に消えぬ影となって今もなおつきまとっていると共に
それぞれの芸に得も言われぬ艶と懐を創り上げてもいた。【地図番号8番】


     






雅子やりえが町の合同稽古(温習会)の時に踊っていた西町の公民館兼踊り場。
映画では雅子の町上新町の稽古場ということになっていた。【地図番号11番】


     





     







     










雅子が踊りの行き帰りに浴衣姿で通る道。このあたりは蔵が多いので「蔵並み通り」と言われる。【地図番号4番の裏】


     





雅子が寅との縁の願をかける地蔵様。
毎週朝早く花を備える。これは実は雅子の住む上新町ではなく、東新町のはずれにある。


     







東京から毎年やってくる風の盆マニアのカメラマン笹野(笹野高史)の定宿である西町の旅籠屋情緒あふれる「宮田旅館」
笹野は、なにかとちょこまかと出てきては、小さな騒動を起こしみんなを和ませている。
意外にカメラの腕は貴一に言わせると捨てたもんじゃないそうだ。温かな写真を撮る人【地図番号10番】


    





その宮田旅館の斜め前にあるのが、雅子の友人であるりえ(宮沢りえ)の家。八尾では有名な造り酒屋の娘。
りえは年は雅子と3歳ほど離れて年下だが雅子とウマが合い、親友である。
とびっきりの美人で旧町の誰もが認める踊りの名手。町のマドンナ的存在。
都会から多くのリピーターがこの華やかなりえの踊りを見に来る。
それゆえに早くから世間的にも注目され踊りのDVDなどもすでに何枚か出ている。

年下なのに雅子の悩みごとを聞いてあげたりもする奇妙な関係。
親友であるがもちろん実は踊りのライバルでもある。
雅子の尋常ではない踊りの才能をしっかり見抜いている数少ない理解者でもある。

師匠の嘉子が幼少期から自分ではなく雅子を一番弟子に選んで踊りを教え続けていることに淋しさと悔しさも感じている。

一途で芸術肌な写真家の貴一を密かに慕ってもいる。【地図番号9番】


    






前が、町の稽古場なので、風の盆が近づくと青年たちは稽古が終わるとこうやって↓飲み明かす。









りえの家の数軒向こうに表具師のすまさん(すまけい)の店がある。
すまさんはなにかと寅の面倒を見たがるキップの良い富山県人だ。寅の飲み仲間。
金使いが荒いので奥さんにはまったく信用されていない。
実は富山県でも知る人ぞ知る凄腕の職人。仕事では頑固一徹。
重吉老人と差しで話せる数少ない男 【写真番号9番】付近


    





唄うたいの桜井さん(桜井センリ)の家は雅子の家のもう少しだけ上手。このへんは西新町と言う。
この小さな西新町は踊りが上手な人が多い。寅とはすまさん同様寅の愉快な飲み友達。
本編で、ちらっと話題に出されているが、実は・・・桜井さんは昔嘉子さんにかなり惚れていたらしい・・・。
嘉子の踊りは凛としてそれはもう誰よりも輝いていたそうだ。
重吉老人に唄があまいと口ではいつも馬鹿にされてはいるが、夜流しの時は重吉は必ず桜井さんを誘う。


     





本編の中でもしょっちゅう出てくるが、
町のいたるところに、冬から春に雪解け水を逃がすための細い水路が設けられている。
これは「えんなか」と言って、夜中に枕の下でこの水の音を聞いていると安眠できるのだ。


かにかくに 八尾恋しや 寝るときも 枕の下を水の流るる (本歌有り)


      







貴一は5年前に八尾が気に入って住み着いた東京から来た変わり者の写真家。
好きな写真しか撮らないが、鋭い感性を持っている故か、東京の編集者に一目置かれてもいる。

親しくしてもらっている胡弓名人の重吉の鋭い洞察力と審美眼も貴一の成長を助けているようだった。

そんな貴一が手に入れた上新町の町屋がここ。↓うなぎの寝床のように奥が長い。

中に入ると吹き抜けの入り口がある。 築後100年ほど経っているらしい。
雅子の家とは同じ上新町。お互い徒歩3分と近い。【写真5番】


      






まだ貴一が東京に住んでいて八尾に取材旅行に来た時、はじめて雅子と偶然すれ違ったのがこの山吹の橋↓。
この時貴一は稽古に行く浴衣姿の雅子の後ろ姿を山吹の橋と共に一枚撮るのだった。
これが貴一の運命を変えた。
【写真13番】


     









夕暮れ時が近づいて来て、寅は夕涼みに雅子を誘いに行く。諏訪町通り(日本の道100選)


     






そして夜になると雅子は別人のような「気」で踊るのである。美しく柔らかいが切れ味もありタメもある。
清楚な中にも艶やかさも秘めている。まさに踊りの神に取り憑かれた娘だった。


        






そして、深夜の夜流しとともに明け方まで町町を踊っていくのだった。


        






そうこうしていると・・・11日間の前夜祭も終わり、本番が迫ってきた。

いよいよ聞名寺でのお披露目の踊りの日。
聞名寺回廊での雅子の美しい踊りは、りえも踊りを止めて立ち尽くすほど絶品だった。

同じように呆然と見惚れる寅の姿が境内にあった。


雅子はひとつの大きな壁を超えたのだった。
それを支えたのは旅人である寅の人柄と感覚だったことを誰よりも雅子は知っていた。

寅は雅子を助けるだけでなく、新しく生まれ変わらせたのだ。


         






本堂は京都の名匠柴田新八郎貞英の傑作(文化九年完成)。
総欅造りの豪壮な作風は、堂内の華麗さと ともに、浄土真宗 本願寺様式建築としては全国白眉のもの。 



江戸後期時代から続くこの総欅作りの回廊は長く、踊りごたえがある。


     





寅は境内からひっそり回廊の雅子の踊りを眺め、そのあまりの美しさに心が震え、目が潤んでくるのだった。

これが天から与えられし才能というものか ―

寅が今までのだれよりも深く強く恋をしてしまった瞬間だった。


     






当時寅は47歳、雅子は26歳。

雅子に忘れかけていたユーモアを与え、純粋に生きる喜びを与え続ける寅。

雅子は20歳も歳の差がある寅に対して、最初は兄のように、そしてしだいに一人の男性として見るようになっていく。


一方寅は、写真家の貴一の雅子に対する気持ちを知って、雅子の気持ちを確かめてやろうと、自分の想いはぐっと胸の奥に押し殺し、
諏訪町の向こうにそびえる城ヶ山公園の散歩に雅子を誘う。

諏訪町通りから伸びる長い長い石段をゆっくり登りつめると城ヶ山公園。


     







城ヶ山の奥、木漏れ日の美しい乃木堂のある広場で、寅から貴一への気持ちの有無を聞かれるが、
それには答えず、逆に雅子は、自分の中に密かに芽生え始めている寅への気持ちを控えめではあるが思い切って告げる。


     





言い終わって恥ずかしくていたたまれない雅子は
踊りの稽古があるからと言って一人で素早く長い石段を下っていく。


     





一人、城ヶ山の丘に残された寅は、呆然と立ち尽くす。

内心喜びに打ち震えながらも、
生粋の八尾人である雅子に相応しいのは、
この地に根ざし、生涯をこの地で生き抜こうと決意した貴一なのだと確信もしていた。
自分にはそこまでの覚悟はない・・・。


この展望場所からは、本編でもでてきたように、晴れた日はかなり遠くの街まで見渡せる。
取材の日(この場所は春)も遠くはるかかなたに富山平野がどこまでも広がっていた。


     



そして・・・


風の盆の最後の夜を残して、夕方、寅は雅子への置き手紙をりえに託して姿を消す。

そして今なら最終の東京行きに間にあうと、貴一に無理やり富山駅まで車で送らせたのだった。

雅子はそれを後で知る。

もうかれこれ30分以上も前に富山駅の方に出ていったと伝えた親友のりえの声も耳に入らないくらい狼狽した雅子は
車に飛び乗り寅を乗せた貴一の車を飛ばしに飛ばし追いかけるが・・・・


      





どこまで飛ばしても貴一の車に追いつけるはずもなかったし、もう汽車に間にあうはずもなかった・・・。

突然車を止めて、外に出る雅子。

遙か彼方に赤く染まる立山連邦。

頬に涙をつたわせていつまでも山々を見続ける雅子。


      



今まさに立山に月が昇らんとしていた。

そして・・・どれくらい時間が経っただろうか・・・


突如、雅子は強い目になり、

車に乗り込み、Uターンして八尾に戻っていくのだった。

もう彼女は泣いてなどいなかった。


このシーンでの立山連邦はこの世のものとは思えないほど幻想的で美しかった。まさに幽玄。

撮影エピソードによると、
いい山といい月がでるまで何週間もスタッフが粘ったそうだ。


      






そして 風の盆 最後の夜。

寅への想いを振り切るかのように、

夕方遅くの町流し、そして深夜の「夜流し」。

嘉子そして貴一が見守る中、
重吉率いるベテランたちの中で踊る雅子。
踊りつづけるにますます冴えてくる踊り。

そして午前四時 暁のころ・・・もうこれで今年最後の踊り納め。

昨日までとはまったく違った

艶やかな中に深い哀しみが潜む踊りがあらわれた。


神に与えられし才能、誰一人達したことのない、嘉子も知りえない領域。


まさに一生に一度の踊り ― 。







      




以上「寅次郎風の盆恋歌」のロケ地巡りとともに簡単に物語をたどってみました(^^;)
長々とお疲れ様でした。




はい、ここでお詫びです。



もちろん上記の全ての記述、内容は
僕の個人的な妄想であり、
実際にはそんな「寅次郎 風の盆恋歌」なんていう作品は
この世に存在しませんし、スタッフ、キャスト、エピソードともに
100%でたらめです。

すべて完全なフィクションです。
ご了承ください。




あ〜〜〜面白かった(^^)ゞ




【 べつに読まなくてもいいけど、一応 豆知識  】


年中行事としての「風の盆」は
暴風を吹かせて農作物に被害を与える悪霊を「二百十日」に歌と踊りで鎮めう「風鎮行事」である。
また八尾旧町は交易や養蚕.和紙などの地場産業で栄えた町であるので、むしろ
祖霊を供養する「盂蘭盆」との関係が深いとも考えられている。



「おわら」の起源は江戸元禄期。

町外に流出していた八尾旧町の建設許可書「町建御墨付文書」を町に取り戻した
ことを喜んで三日三晩踊り明かしたことに由来するらしい。



「おわら」の語源は

■豊年を意味する「大藁」から来たとする説。

■江戸期に遊芸者たちが滑稽な格好をして、唄に「おわらひ」という言葉を
 入れながら町を練り歩いたことから来たとする説。

■「小原村」から来た娘が美しい声で有名になった。という説。



チャンチャン(^^)









     「君の知らない柴又を見せたい」

    






撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)






今年の11月には、↑の映像に「夏」と「秋」を入れて、再構成し、
四季折々の柴又を表現し、自分たちなりの「完全版」をアップしようと思います。






    

                                
雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




pos


『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
Computer Graphics  : RYOTARO







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497

                          

           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 たぶん…一週間に一度くらいアップかな…





2011年8月11日  寅次郎な日々 その497

バリで逢った「寅次郎ハイビスカスの花」


地震被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

多くの犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。



【バリ寅日記】

バリに戻って12日が過ぎた。






ようやく感覚がバリ人に戻ったと思ったら日本への帰国がゆっくり近づいてきた。

息子は毎日、バリの映像を執拗に追っている。
朝から深夜まで駆け巡っている。

私もスケッチで付き合う時もある。

今日も王族の葬式準備の取材に付き合った。

その帰り、ちょっとしたウブドの路地で人に呼び止められた。
実は私は20年もウブドに住んでいるので、もういたるところに縁があり、
どこを歩いても、どこにいても呼び止められる。

今日も夕方「タカアキ!」と後ろから呼び止められた。
振り向くと見たことがある顔が笑っていた。

20年前にバリに移住した頃、泊まっていたバンガローのオーナーのアグンだった。
その後も、何年も彼からジープを月々借りてずいぶん乗り回していた。


で、超久しぶりに再会して、
彼が着ていたTシャツを観てびっくり!!
「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」
嘘のような本当の話。

「寅次郎ハイビスカスの花」は私が最初に映画館で見た寅さん。1980年夏封切り。


         




背中の首の下には松竹マーク。

        




こんな偶然があっていいのだろうか。

もうわけがわからないまま、彼に聞いてみると、映画関係の旅行者が彼のバンガローに泊まって
彼にお土産としてくれたそうだ。

このTシャツが非売品だということは彼も知っていて、何年も洗っては着て洗っては着ているらしい。
もちろん彼は私が寅さんファンだってことは全く知らない。
そんな話したことない。

そして、48本あるうちのよりによって「寅次郎ハイビスカスの花」・・・

でもまあ、考えようによっては「ハイビスカス」=「熱帯」というイメージから
あの作品のTシャツを選んだのかもしれない。


地球の果て、非英語圏のよく分からない国インドネシアのバリ島で
自分の古くからの友人が「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」を着ているなんて嬉しい!
もうひたすら嬉しいと感じる自分がいた。

こんなことってあるんだね・・・




                  8月11日の昼ごはん (ナシチャンプルとマンゴラッシー)

     







     「君の知らない柴又を見せたい」

    






撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)






今年の11月には、↑の映像に「夏」と「秋」を入れて、再構成し、
四季折々の柴又を表現し、自分たちなりの「完全版」をアップしようと思います。






    

                                
雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




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『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
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Illustration  : RYOTARO
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           お気楽コラム   寅次郎な日々  
 







【柴又日記】その32 歌子ちゃんの実家ついに発見
(ただし他力^^;)


2011年7月26日  寅次郎な日々 その495




地震被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。

多くの犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。



この文書には本編のネタバレが含まれます。お気をつけ下さい。



今までどうしてもわからなかったロケ地というものは結構多いが、
それらはほんの一瞬スクリーンに現れるだけで、場所を探すヒントがほとんどない場合が多いのだが、
稀にかなり長時間にわたって映し出されるにもかかわらず場所の特定ができないロケ地もある。

東急沿線にある歌子ちゃんの実家もその代表的な場所だった。

いままでいろんなファンのかたがたが捜し求め、トライしてきたがどうもぴったりの場所にたどり着かなかったのである。



ちょっとおさらいすると第9作「柴又慕情」では自宅近くの坂を歩く歌子ちゃんの姿が映る。
おそらく上に見えるしゃれた一軒家が実家かもしれない。



        





そして、その続編である第13作「恋やつれ」では、その家をさくらが訪ね、寅も訪ねる。
さくらが菓子折りを持って訪ねた時が唯一ロケがしっかり映る瞬間。


さくらが、実家を訪問したあと、歌子ちゃんの父親がさくらに追いつき、駅前まで送っていくが
あそこが、数少ないヒントがあるシーン。


まずは第9作同様、あの曲がり角が映り、歌子ちゃんの父親がさくらに追いつく。



                   



そして、最後とある駅の近くで別れるのだ。


       


ところがこの駅がどこの駅かさっぱり誰もわからないのだ。

もちろん松竹の人もわからない。

唯一あの時見える銀色の電車が
東急8000系だということだ。

東急のどこかの線路なのは確か。これだけ。



       



で、もうお手上げ状態で放置していた。


そんな時、半年ほど前にある方がじつはこの駅は

東急田園都市線の梶が谷駅だと思う。
と友人のブログで言われたのだ。


それで私のまた別の友人が実際に調査に向かったのだ。(凄い行動力!)
もうひとつ決め手がないというか、
どうも地形が違うのである。

実際に梶が谷駅の上に立ってみて、その友人が言うぶんには似てはいるが
ちょっと違和感があるということ。

で、写真を見せてもらったら、これが微妙なのだ。

なんとなく道から下の線路の見え方がちょっと低いのだ。
映画のシーンでは電車がかなり下を走っている。↓



       



しかし梶が谷駅の場合は、もうちょっと道が線路に近い。
そしてさくらが下りていく階段もない。
その階段の下にある車がしっかり通れるような道もない。

ただ上の道の雰囲気は似ているのだ…。


こういう時ってまず違うことが多い。


それで、とりあえず保留にして、その友人もまた新しい情報を待つことにした。


そして、2週間前、

寅さんが大好きな神奈川県にお住まいの
Oさんからお便りが届いた。

Oさんが、37年前!当時13作封切り時!友人と「第13作恋やつれ」を映画館で観ていた時、
その友人が「あ、ここはうちの近くの駅」って言われたのだ。

それでOさんは大変驚いて驚いて、その駅まで案内してもらい、あのロケ地にご自分の足で
立たれたのだった。

封切り時ゆえほとんど同じ風景が広がっていたとのこと。


その駅は
東急田園都市線の梶が谷駅ではなかった。

同じ東急沿線だが、南北に伸びる
東急東横線の大倉山駅(横浜市)だったのだ。

な、なんと〜〜〜!である。

Oさんは、もともといろいろなロケ地をめぐられているマニアの方なので、
この歌子ちゃんの実家が日本中の誰もつかみきれていないことをご存知だったと思われる。

早速私にメールで知らせてくれたのだ。

あの大倉山駅の下の道も上の道もグーグルのストリートビューでも現場に立てるそうだ。


で、Oさん曰く 今でもストリートビューで見ると面影がありますよ。
と、いうことで、

僕もメールが来てすぐ自分の目で確認すべく、ストリートビューで見てみると、
出てきましたあの細長いガレージ!

■二人が別れる場面の後ろの家のガレージのあり方に面影が残っている。




        




      このスクリーンに映っているあの少女はなぜあの時ガレージの脇にしゃがんでいたのだろう…。

        







        




■さくらが降りていくあの階段の下り口も面影がある。

■線路のレールの本数も一緒!




        





映画と同じ高低差がある上の道


        





        





線路向こうに見える茶色い家は今も健在!!



          
 →    




当時の航空写真と見比べて観る。いろいろ共通点がわかる。赤い線がさくらが通って行った駅までの道。黄緑囲みは今も同じ線路を横切る
歩道橋とその近くの家の屋根。


        





        





         





さくらが下りて行った階段を下から見たらこうなる。

        




映画で見えていた下の道。

        





ただし、

Oさんは、歌子ちゃんの父親がさくらを追いかけてくるあの電柱の場所
は残念ながら見つけられなかったと書かれてあった。



       





       




       



そこで、一つくらい僕も自力で!見つけようと思い
僕は独自でさきほどストリートビューでめぐってみた。
そうすると映画と似た場所があった。

★二人が最後別れた場所から、ストリートビューで逆に戻って(北上する)いくと、
 数分で二人が合流したあの坂がある曲がり角らしき場所に
 ぶつかるのだ。
 家はかなり建て替えられたりしていますが、地形がそっくり。

なので、歌子ちゃんのお父さんがさくらに追いつくのは
ひょっとしてここかも...なんて思った。↓

(この二人の合流場所に関してはまだ決定ではない)





       




 





いずれにしても、東急東横線「大倉山」駅東口出て北上し
途中階段を上がっていくのは確か。


映画の時空的に言えば、
さくらは歌子ちゃんの父親と別れた後
階段をジグザグに下りて、下の道から南に向かって5分ほど歩き
大倉山駅の東口から入って行ったんだね。



        

 

そして、私の声を受けて、

数日後に早くも、昔からの親友であり、ロケ地めぐりの鬼才、フィールドワークの達人、

寅福さん(http://love.ap.teacup.com/torafuku/)

なんとあのあとすぐに、現場を訪れたのだ。

彼の弾よりも速い(早い)動きに敬服しつつも、その詳しいレポートや写真を拝見し、まさにこの地
東急東横線大倉山駅付近の今を臨場感を持って眺めることができた。

ただちょっと歌子ちゃんの父親と合流したあの坂道がどうも私の思っている場所ではないかもしれない
ということだった。

もう何日かしたら寅服さんがそのことをアップされると思う。


今度時間があれば、行ってみたいですね。

大きな宿題が終わった感じです。

神奈川県のOさんのおかげで難攻不落の城がついに落ちたのだ。
これはまさに歴史的快挙だったのだ。






ではまた次回 8月初旬 
バリ島で(^^)




明後日7月28日から息子を連れてバリ島に仕事に出かけます。
今回は3週間と短い滞在だが、やるべきことは山のようにある。
特に息子は11月の品川での二人展があるのでかなりの映像作品をバリ滞在中に作りこむという。
おそらく私にとっても息子にとっても大事な3週間のバリ滞在になるだろう。

バリ島は7ヶ月戻らなかったので、ケーブルの中に水が入って
おそらくインターネットが使えない状況になっていると思う。
これは毎度のこと。
それゆえそれらを直すのに5日ほどかかるので、バリ島滞在中の更新は8月10日ごろになると思う。
ジャングルの中に家があると当然こういう障害はあるのだ。






     「君の知らない柴又を見せたい」

    






撮影 :         吉川孝昭  RYOTARO(宮嶋龍太郎)


構成 .編集 :    RYOTARO(宮嶋龍太郎)






今年の11月には、↑の映像に「夏」と「秋」を入れて、再構成し、
四季折々の柴又を表現し、自分たちなりの「完全版」をアップしようと思います。






    

                                雨降る江戸川風景  吉川孝昭   2011年4月3日 水彩  14cm.×24cm.








                          帝釈天本堂に上る夕暮れの月(自宅バルコニーより撮影)

       








                    
      矢切の渡し 2011 冬  (2月10日)

      
       









                        

    

     
雪の日の寅次郎   RYOTARO




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『男はつらいよ 寅次郎風の盆恋歌』のポスターが完成しました!

           

          


Art Direction  : 吉川孝昭
Design  : 吉川孝昭
Illustration  : RYOTARO
Computer Graphics  : RYOTARO







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